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2008年9月 9日 (火)

クロメダカ:屋外コンテナ水槽による飼育

前置き:
 本格的なビオトープが出来ればそれに越したことはありませんが、個人の趣味で、しかもあまりテマもヒマもかけないでメダカを飼うには、屋外に設置したプラスチックコンテナによるのが一つの良い方法です。
 たくさんの野生のメダカが住んでいる自然環境を観察してみると、いくつかの要件があるように思います。
 例えば
①日溜まりで、浅くて緩やかな流れがあるか、きれいな水の止水域がある。
②水性植物相が豊かでバランス良く生えていて水の汚れ(富栄養化)を防ぎ、水中に溶け込む酸素の量を増やしてメダカの呼吸を助け、また繁殖や、外敵から身を隠したり、冬越しの際に冬眠したりする場所になる。
③農薬など有害物や過量の水質汚濁原因物質の流入がなく、メダカの餌になる微少藻類や、ミジンコ、プランクトン等が適切に繁殖できる生物循環が出来ている、などでしょうか。
 
 屋外コンテナ水槽でメダカを飼うには、コンテナに自然界のこのような環境条件をまねて作り、その後は必要最低限の維持管理を行うことになります。
 (これまで数年間実際にやってきた経験では、冬眠期間中はほとんどすることはありませんが、春から秋までのメダカ活動期間はそれなりに手がかかります。
 蒸発して少なくなる水の補充は当然ながら、繁茂するとコンテナ水槽の環境悪化の原因になる藻類を取り除いたり、種類によっては増えすぎる水生植物を間引きしたり、寿命が尽きて、あるいは病気で亡くなるメダカのお葬式をしたり・・・(本当はやっていませんが。)
 やはり生き物を飼うからには、それなりの手数はかけなければいけないようです。

 (※2014/3追記:この記事を書いて以来6年以上経過しましたが、以下の飼育方法よって基本的には問題なく飼育維持できています。)

屋外設置コンテナ水槽の調製:
Ⅰ)材料などの準備
 ①プラスチックコンテナ:
 表面積が広くて浅い形の容器が適当です。ホームセンターの日曜大工、左官コーナーなどで、砂利とセンメントを混ぜるのに使用する用具として販売されています。
 大きさも数種ありますが、表示量で約40L(実効内容量35L)、およその外寸は縦60cm×横45cm×深さ18cm程度のものが取り扱いやすいでしょう。Photo_4

 ②水生植物:水槽に植え込む植物の選定は大切な要件になるようです。
 メダカの飼育に詳しい方々が推奨されている水草として、丈夫で冬越しもでき、入手も簡単なナガバオモダカ(流通名ジャイアント・サジタリア)があります。
 (この植物は北米原産の帰化水草で、もともと観賞用の水草として輸入、あるいは国内生産されたものが、その後各地で逸脱して、公園の池や水路、休耕田などで広がり問題視されていることもあるようです。
 また最近では、更に小型の品種別名で出回っているようです。興味のある方はネットでお調べ下さい。)
 このナガバオモダカ(ジャイアント・サジタリア)は、ホームセンター、ペットショップ、また水草専門通販業者などで販売されています。このサジタリアの植えつけについては注意が必要です。→以下のページをクリックしてご覧下さい。
 ① http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-f718.html

 ② http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-434b.html

 ③ http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.pdf

 今までは、あまり一般的ではありませんが、近郊の水田地帯で水田雑草として厄介者のウリカワオモダカコナギ、等、あるいはキクモなどを採取してきて植えてみましたが、ウリカワはメダカ水槽中では、水田の強害草といわれるわりには、予想以上にひ弱で、育成も簡単ではなく、また他のものは大きくなりすぎたり生育開始が遅かったりして、水田雑草仲間では特におすすめ出来るものは見つかりません。
 ( 写真左:デンジソウ、中:キクモ、右:ウリカワ)Img_0184t6rm

 なお以前、ホームセンターで購入した輸入植物のデンジソウや、ウオーター・マッシュルーム(ブラジルチドメグサ)は夏期に猛烈に繁殖してすぐに水面を覆い尽くしてしまい処置に困りましたので一シーズンで止めてしまいました。
 なおこれらの外来・帰化植物は外部環境に逸脱させないように責任を持って管理や処分をすることが大切です。
 (話がそれますが、同様に、地元で採取して増えた野生メダカ以外のメダカも水路などに放流してはいけません。)
 ③植付け用土(1)荒木田土:
 水生植物がよく育つ環境の典型は水田です。水田の土はミジンコや植物プランクトンの増殖にも適しています。
 そこで、ホームセンターで睡蓮や菊の培養土として販売されている荒木田土(加熱殺菌処理した製品もありますが無処理のものがよい)を準備します。
 (水田の土を分けてもらえれば一番良いでしょうが一般には難しいですね。)Img_0729

 ④植え付け用土(2)赤玉土:
 園芸用の赤玉土(小粒か中粒)の“ミジン”と呼ばれる微粉を除きます。
 少し丁寧にしないと、後で水槽の濁りがなかなか取れない原因にもなりますので、がんばって実施します。
 (1)バケツの上に園芸用の金網フルイを載せ、
 (2)そこに赤玉土をスコップで適量載せて広げてから散水用のシャワーで微粉を洗い流します。
 (3)赤い泥水がバケツにたまります。一度に沢山やろうとすると、なかなかきれいになりなりませんし、水を吸った後は相当重くなりますので腕が痛くなります。
 面倒でも小分けして回数を稼ぐ方が結局は楽と思います。洗浄はそれほどきっちりやらなくても大丈夫です。
 (4)繰り返し作業して約10Lの容量が処理できたら準備完了です。
 (実際は一度にやる気がなくて、洗浄した赤玉土は別の容器に入れて数日水切り保管していた間にほとんど乾いてしまいました)。Photo_5

 ⑤タニシ数匹。
 コンテナ水槽の掃除役として大事な役割を果たしてくれますので忘れずに準備します。

Ⅱ)水槽のセット
 1)用意した荒木田土をコンテナーの底に約2cmの厚さに敷きつめます。(4Lも有れば間に合います。)
 2)またあらかじめ準備した植え込み用の水生植物の根鉢まわりも、荒木田土でお団子状に巻いてから、コンテナーの片隅に”島”が出来るように、その上に載せて落ち着かせます。
 好みに応じて他種植物の島を別に作ったりして工夫すれば更に良いと思います。
 3)落ち着いたところで、ミジン抜きをした赤玉土を層状に載せていきます。
 荒木田土が表面に出ないように大体3cmくらいの厚さにすれば良いと思います。
 必要な赤玉土の量はおよそ10L程度でしょう。
 出来上がったら、新鮮な水道水を“静かに”注入していきます。勢いよく入れると赤玉土がはねとばされて下層の荒木田土がのぞくと、荒木田土の微粉が泥水となって濁ってしまい、数日間も濁りが取れないようになってしまいますので気をつけて進めます。
 満水になったら、タニシを数匹入れてください。
 野外で採取できればそれでも良いですし、ホームセンターで売られているものでもかまいません。
 タニシは濾過ポンプの役割をして水が早く澄明になるのを助けますし、またこの後必ずアオミドロなどが発生してきますが、これを食べたり、またメダカの糞も食べたりするコンテナ水槽の掃除係としても活躍してくれる大事な生き物ですので是非忘れないでください。
 これで水槽の準備は完了です。翌日には透明なきれいな水槽になっているはずで、そうなればメダカを移しても大丈夫です。
 写真4)は現在の維持管理状態の例です。生えている植物はウリカワとキクモです。メダカは隠れて見えません。”草取り”の後なのできれいですが・・・。Photo_6

 尚これまでの一番極端な例ですが、さる年の8月に、やむを得ない事情で完全に1ヶ月間放置せざるを得ない事がありました。
 その間は、給餌はもちろん、水の補充もありませんでした。
 さすがに無事、と言うわけにはいかなくて、水はほとんど涸れて底の方に1~2cmしか残っていませんでした。
 しかしなんと7~8匹のメダカは生残していました。死んだものは“溶けて”しまってほとんど見あたりませんでしたが・・・。
 こんなことはないようにしてやらなくてはいけませんね。しばらく留守にするような場合は、水の補充対策だけ考えておけば、餌の方は与えなくても大丈夫で(やせますが・・・)死ぬようなことはありません。

 メダカは多すぎないようにすることが安定した飼育のポイントになります。
 今回の場合、およそ35Lの実効内容量のコンテナに約10L~15Lの土を入れますから、メダカが泳げる水空間は大体20L~25Lになります。
 メダカ1匹に必要な水空間が1L位だそうですから、この屋外飼育コンテナ水槽でのメダカ飼育数は20~25匹が適当ということになります。
 日常の管理としては、まず給餌(やりすぎないこと、やりすぎるよりやらないことの方が害は少ない)です。
 なお、メダカ用の餌はホームセンターやペットショップでたくさんの種類が販売されていますのでそれを使用しています。
 特にどれがよいということは無さそうですが、管理上は沈降性のものより水面に浮かぶ浮遊性(フレーク状)の方が食べ具合の観察上は便利です。
 次に蒸発した水の補充ですが、水は新鮮な水道水で良く、汲み置きの必要はありません。
 また時間が経つと必ず必要以上に各種の藻が生えてくるようになります。
 アオミドロはメダカが食べるようですが、これ以外のアミミドロや樹状の分岐をする藻(名前は分かりません)は太く硬いので全く食べないようです。
 水槽中のBOD物質を栄養源として増殖するので、これら藻の発生は防ぐことは出来ません。あきらめてせっせと“草(藻)取り”をするほかありません。
 なお、少しくらい藻が生えすぎてもメダカの生存にはまず影響はありません。
 不具合は美観を損ねるくらいです。ただ極端に増えると夜間の異化作用によって水中の酸素を消費して水槽が酸素欠乏状態になる危険性がありますので特に水温の上がる夏場は注意が必要です。

参考:
 メダカの冬越し、また春先管理については次の記事を参照して下さい。
① http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-b696.html

http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/20142-7a23.html

 メダカを増やす場合は次の記事を参考にして下さい。
① http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-5d60.html

② http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/2010-f6ef.html

 メダカの誕生〈発生)について、お暇なら次の記事をご覧下さい。
③ http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_0c5e.html

④ http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/6-d1bc.html

 どうぞメダカの飼育を楽しんで下さい。

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