« フキノトウ、綿毛の種 | トップページ | ニホンアカガエル »

2010年5月 8日 (土)

トビムシ(2010.4.25採取、裏筑波山の落ち葉腐植から)

 トビムシは、陸のプランクトンとも呼ばれるように、山地の森の林床や、都市公園の落葉腐植層中など、植物性腐植のある環境にごく普通に分布しています。氷雪環境下に住んでいるものもいます。
 その生息数はとても多く、1平方メートルあたり、少なくても数千、多いときには数万個体といわれています。ただその体の大きさは、0.5~3mm前後と小さなものが多く、また乾燥した明るい地表にはあまり出てきませんから、直接目に触れる機会は少なく、一般の人にはなじみがありません。
 またトビムシは大変原始的な生き物で、昆虫と同じように体の構造は、頭部、胸部、腹部と分かれていて、足も6本ありますが羽はありません。また変態もしません。脱皮を続けて成長します。
 特徴的なことは、多くのトビムシが腹側に叉状器(跳躍器、バネ)と呼ばれるフルーツ・フォークのような形をした跳躍器官を持っていて、普段は腹部下面に寄せられ、腹面にある保持器によって引っかけられていますが、危機に遭遇するとこのバネではじいて跳んで逃げるため、トビムシという名前が付けられました。

 
アヤトビムシの仲間:
 立派なバネを持っています。トビムシの中では比較的大きいものが多い種類ですが、この個体は体長1.7mmほどでした。2r

 
なお、バネ(叉状器)のない種類もあります。シロトビムシの仲間:
 シロトビムシの仲間はバネを持たないものが普通のようです。この個体は体長約1.3mmでした。腹部に見える茶色のものは、俗にソーセージと称される体内に取り込んだ腐植食です。Img_5456

 
 トビムシは腐植土壌中の有機物や菌類を食べて糞として排泄し、それを微生物がさらに分解して、自然界における有機物の分解と養分の循環に深い関わりを持っているといわれています。このようにトビムシの大多数は”草食性”のおとなしい生き物で、カニムシなど肉食性の餌にもなっていて、食物連鎖の底辺に位置しています。
 ただ、時には盆栽(に置かれた肥料に)繁殖したり、貯蔵野菜・食品などに繁殖したりして、いわゆる”衛生害虫”として追っかけられ、駆除の対象になることもあります。
 トビムシを観察するには、通常、乾燥と光を嫌う特性を利用して、ツルグレン装置という用具で抽出し、ルーペや低倍率の顕微鏡などで観察されています。
 ただ単なる暇つぶしの一端で、それ以上の知識も学問的探求心も持たずに、ただ眺めてみても、特別面白いものではありませんが、この度もまた暇つぶしです。

 
トゲトビムシ:
 トビムシ仲間では大型で、長い触角の第3,4節に、フレキシブルチューブのような形をした環状の小分節を有するのが特徴で、分類基準の一つになっています。この個体は体長約1.9mmでした。頑丈そうなバネがあります。また(写真では腹部の真ん中あたりのように見えますが)6節ある腹部の第1節にある、デベソのように見えるのはトビムシを特徴づける「腹管(粘管)」と呼ばれる器官です。3r

 
ツチトビムシの仲間とムラサキトビムシの仲間:
 どこにでも必ずいるといわれるほっそり形体型のツチトビムシの仲間。バネがあります。また、ずんぐり体型で赤っぽい色に写っているのはムラサキトビムシの仲間で、短いバネを持っています。どちらの個体も0.7~0.8mmほどの小さいものでした。3r_2

 
マルトビムシの仲間:
 どちらかといえば気持ち悪いという印象をぬぐえないトビムシですが、マルトビムシは名前のとおり、胸部と腹部の体節が融合して球形になった丸っこい体型で、その分、愛嬌があり、気味悪さはずっと少ないと思いまが、やはり気持ち悪いでしょうか。
 今までこの仲間はごく小さな個体しか見つけていませんが体長2mmほどの種類もいるそうです。写真ものは体長0.3~0.5mmくらいでした。体長のわりには(相対的に)長い触角と、バネを持っています。2r_2

|

« フキノトウ、綿毛の種 | トップページ | ニホンアカガエル »

トビムシ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/415438/34473348

この記事へのトラックバック一覧です: トビムシ(2010.4.25採取、裏筑波山の落ち葉腐植から):

« フキノトウ、綿毛の種 | トップページ | ニホンアカガエル »