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2010年12月24日 (金)

2010/12 天空列車で行くチベットへの旅③ 3日目、青蔵鉄道ハイライト1

 ヤクにもヤギにも迷惑千万でしかない、4000mを超える高地を走る天空列車は、ケムリと同類の人種にはあこがれの的でした。しかし、憧れすぎ、期待し過ぎはいけません。
 ”揺りかごのような適度の振動”も、もともと寝付きの悪い身にはさしたる効果もなく、狭苦しい2段ベッドの浅い眠りにも飽きて、まだ暗いうちに起きて髭剃りして、明けやらぬ時間を持て余しているうちに、8時の朝食時間になりました。
 食堂車に行きますが、まだ外は薄暗いまま。あまり食欲はありませんが無理やり口に押し込みます。
 早々と食事も終わりにした8時14分頃に、地平線が明るくなり始めました。そして8時54分、日の出です。空気が澄んでいて爽やかな光景でした。見届けてから、固定のままで収納出来ない2段ベッドのコンパートメントに戻ります。直射日光が挿し込むと、そこだけ暑いのです。と言って、カーテンを引くと景色が眺められないし・・・
 暇つぶしに、あらためて昨晩のうちには出来なかったコンパートメント室内設備の確認をしました。酸素吸入口の確認や、うまくコントロール出来ていない空調設備や、室内照明スイッチなど、あれこれ触りながら、もっとまともな案内か説明がないのかと、こぼします。でも文句を言ってはいけません。そんなことも知らないで乗るほうが悪いのです。3800

 
 情報サービスの車内放送など何もなく(”観光列車”だという当方の勝手な思い込みだったようで、この時期は観光シーズンも終わって観光客は少なくなり、乗客はもっぱら地元の人達の”買出し列車”、というのが実態のようで、だから余計な情報案内など誰も必要としていない、というのが実際なのでしょう)、正直なところ、どの辺を走っているのか確かなところがよくわかりません。GPSを持っていくべきでしたが、後の祭りです。
 列車のすれ違いなどで時々停車がありますが、コンパートメントからは駅舎や駅名表示板の見えない位置だったりします。事前に停車の案内はなく、また発車も気がつくと動き出しています。そういうわけで、列車からホームに出られたのは、現地ガイドに教えられた、後の、那曲(ナクチュ)駅だけでした。

 それはともかくとして、(後から写真撮影時間記録とガイドブック情報などを比較してわかったのですが)、9時過ぎから10時前くらいの間に、列車はトト河を過ぎ、通天河(トンティエン河)そして布強格(プーチャングゥ)あたりへと、永久凍土地帯~メコン川源流付近~近くの山の斜面に黒ごまのように見えるヤクの群れが見える高原放牧地域へと走り抜け、さらに遠くに万年雪を頂く高山地帯にさしかかったようです。Blg3913956

 
 そして10時14分、インターネットでも事前に確認して待ち構えていた、鉄道駅としては世界一標高の高い唐古拉(タングラ)駅(5,068m)に接近し、通過ホームの左側を見ていても駅舎と駅名表示板はシャッターを押すまもなく目前を流れさり(したがって、駅舎全景と駅名表示板の画像は借り物です)、アッという間に通り過ぎてしまいました。
 ともかく、”5,068mを通過した”という事実で、頭の中に住みついているヤギを満足させました。(写真はクリックで拡大します)31014

 
 タングラを過ぎてすぐ、10:18、遠くに白雪の高山脈が見えてきます。コンパートメント閉じこもりに飽きて、列車のデッキに行ってみると、窓がガチガチに氷りつています。斜めに写っているのは、何故かドアに斜めに立てかけられた長いモップの柄。
 (そこでささやかな疑念が。高度10,000mを飛ぶ大型機の機外の空気はマイナス40~50℃、でも、飛行機の窓はガチガチに凍結などしないよねえ。それに準じた構造設計のはずなのに、なぜこんなにガチガチに・・・、やはり何かおかしいらしい。反対側のドアには、密閉度を知らせる信号ランプが赤色に点灯していて、男3人がどんどん叩いたりしていた、それにカメラを向けたら、写真撮るな、あっちへ行け、と追い払われたっけ。トイレの窓はコンパクト・デジカメなら外に突き出せるくらいまで手で押し下げて開けられる、この時空気が勢い良く窓外に流れ出る様子はない、また気密列車内で、圧力センサー(気圧を計測して高度に換算表示する)高度計を装備している腕時計を持っている人の標高表示は、”気密列車内の圧力”を正確に標高4,000以上相当に表示している、などの逸話もあったりして、まあ余計なことは深く考えないことに。)
 そうこうしている時から約1時間、11:10位までの間、窓の外には凍てついた風景が続きます。3am10181110

 
 11:40、トイレ・トラブル状態です。実は、写真に撮った時間がこの時間で、昨夜にはトラブルが発生していました。だんだんひどくなったようです。何らかの原因で排水管が詰まったらしく、トイレで使用した手洗いなどの排水が、トイレ床の排水目皿からブース内に吹き出し、数cmの深さに溜まってくるのです。一つ前の軟臥車輌まで行ってみてもだいたい同じようです。
 トイレだけではなく洗面所で流された水も、足元の窪みに溜まり始め、そこからあふれた水が、廊下の絨毯を伝って、とうとうコンパートメントの敷居を越えて室内床まで侵入してきました。(なお1車輌に4人/1室のコンパートメントは8室あり、車輌定員は32人です。)
 取られた対策というと、とにかく箒で一生懸命掃くだけで、それでは大した効果はありません。
 遂にイレに鍵がかけられて使用できないようにされてしまいました。長時間の列車旅にトイレ無しというのは冗談ではありません。現地ガイドを通じてクレーム。鍵は開けられましたが、水たまりは未解決のまま。
 幸い、多くの人はトレッキング・シューズを履いていましたので、水溜りに入ることは問題ありませんでしたが・・・
 おかげで、室内が極度の乾燥から守られて薄い酸素中での呼吸も楽になり、車輌気密不良で外気と同じ気圧になれば、高山病予防のための高地馴化訓練にもなるし、ありがたい事だと、どこまでも善意の固まりの「お客様」達でした。それに比較すれば、ヤクは偉い動物です。31140

 こうして”快適な”列車旅は続きます。
                     (続く)

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