« 地域経済も大事 | トップページ | 北インドの旅(2011/3初旬)(その6) タージ・マハル、アグラ城塞 »

2011年4月20日 (水)

北インドの旅(2011/3初旬)(その5)カジュラホ西の寺院群

 中断していましたが、続きです。(1~2日目3日目4日目はそれぞれのリンクをクリックしてご覧下さい)
---------------------------------------------------
北インドの旅5日目:

カジュラホ観光、その後アグラへ移動:

 午前:前日に続きカジュラホ
世界遺産:西の寺院群観光:
 カジュラホの寺院群では観光の目玉である西の寺院群。チャンデーラ朝繁栄の跡。寺院群の前が村の中心で、規模も大きくミトゥナ(交合する男女)の彫刻も多くあり(と言っても割合は彫刻群の1/10ほど)、一番賑わうところ。Photo

 
 虎狩りで奥地探検に入り込んだジャングルで、この宗教遺跡を発見した、西洋文化/文明の宗教芸術的審美観の持ち主の目には、ミトゥナ像はさぞかし、理解し難い俗悪卑猥な産物、というふうに映ったことでしょう。

 カジュラホ西の寺院群で、ともかく人だかりのできているのは、数々のミトゥナ像の前。
 それぞれのグループの専門ガイドが、レーザー・ポインターで指しながら、微に入り細に入り、懇切丁寧なミトゥナ像重点の解説を続けているから。

 白日のもとに堂々と、あっけらかんと陳列されている彫刻群を目の当たりにして、こんなシロモノはやはりわいせつ物陳列罪で、創作陳列者はタイホすべきと、そう思うのは、深層にやっぱり羨ましいなという、やましい俗物根性が潜在しているショウコです。
 純粋に、美しく昇華された人間存在の魂をそこに見る人こそ、真に芸術を理解し愛する、カミサマのような人格者です。

 以下はカミには無縁の、はるか遠い者が撮った記録写真の”陳列”(罪になりそうな代物)です。

 
◯デヴィー・ジャグダンベ寺院:
 11世紀初頭建立。カンダーリヤ・マハーデヴァ寺院の並びにある。もともとヴィシュヌ神を祀る寺院であった。その後シヴァ神の妃パールヴァティーを、さらにカーリーを本尊とするようになった。
 壁面にはアブサラス(天女)像をはじめ、官能的なミトゥナ像彫刻群や、シヴァと寄り添う、優しく美しいヒンドゥーの母神的存在である、妃のパールヴァティー を伴う表現も多く、またシヴァとパールヴァティーの間に生まれた、商売と学問の神であり象の顔を持つ長男、ガネーシャも彫刻されています。Blg1

 
◯ラクシュマナ寺院:
 10世紀半ばに建立されたシヴァ神を祀る寺院で、寺院本体と四方に祀堂を配した五堂形式をとり、最も完全に原型が損なわれることなく保存されている。
 基壇部分には戦争や狩猟、行列の様子、さらにガイドから”熱心に”解説されたインド・カーマスートラ「84手」の中の多数が彫刻されている。
 渋滞していましたね。
正面を向いた象の顔が1体だけ横を向いて交合をのぞき見しているレリーフもありました。Blg_2

 
◯カンダーリヤ・マハーデヴァ寺院:

 〈場違いですが、後から挿入した前置き〉:
AERA 臨時増刊No.15 2011.4.10号  東日本大震災 100人の証言
 藤原新也 「被災地で見た破壊と孤独」記事から 

 神様消滅
 ・・・このたび、神は人を殺した。・・・
 そこに破壊があるから創造があるとするインド的神学にあっては破壊にもまたそこに神が宿る。
 果たしてそうか?
 ・・・人間の歴史の中で築かれた神の存在をいま疑う。

----------------------------------------------------
 前置きの後の、軽々しい記事です。
ヒンドゥー教の神
 実際のところ、無学の者が口をはさむほど単純ではありませんが、単純図式化された説明では、ヒンドゥー教の最高神は三神で、 ①(宇宙の)「創造を司るブラフマー神」、②「維持を司るヴィシュヌ神」、そして宇宙世界の寿命が尽きて魔界になった時に③「世界の破壊を司るシヴァ神」。
 「破壊の神シヴァ」の役割は、世界が終わりに近づいたとき、一度全て破壊してから、新たな世界を創造すること。
 シヴァ神は「荒ぶる神」であり、人々に恵みを与えることもするが、災厄ももたらす、大自然のような畏怖すべき存在ということです。
 自然から受ける恵みも、またすべての命を滅ぼす脅威・災害・破壊もシヴァ神のなす業、ということなのでしょうか。

 このシヴァ神に捧げられた神殿が、11世紀半ば頃建立された、カジュラホ寺院群で最大規模のカンダーリヤ(= カイラス山(ヒマラヤの霊峰)・マハーデヴァ(=シヴァ神)寺院です。
 リンガ(男根=シヴァ神のシンボル)を祀る本堂の上には、高さ30.5mを超える塔がそびえています。寺院外壁を埋め尽くす神々や、アブサラス(天女)、ミトゥナ(交合する男女)などの彫刻は精緻を極めているが、神話的な場面は少ないという評価だそうです。
 ここに刻まれている彫刻群は、シヴァ神が、世界が終わりの魔界に対する破壊・殺戮を司ることと、あわせて(シヴァを)信ずる者に対して恩恵・恩寵を与えるという二面性を持っていることを表わしているという。
 さらに、ガイドのレーザーポインタで指し示される、異教徒には、”まさか、うそでしょ”、と思われるようなミトゥナ像もあります。Blg_3

 こういう神様が最も大きな信仰を集めているというところに、インドのインドたる懐の深さがあるのでしょうか。

 『本来、祈りの場所である寺院に、なぜエロティックな彫刻が存在するのか。この疑問にはいくつもの学説が立てられており、カーマスートラの彫刻化だとも、セックスを儀式化したタントリズムの儀式の彫刻化だとも言われるが、はっきりしたことはまだ分かっていない』、と解説記事がありました。(→アーチャナ・シャンカール;ロリ・ブックス)

 
◯ヴィシュワナータ寺院:
 シヴァ神を祀るこの寺院は1002年に建立された五堂形式の寺院であったが、現在は祀堂の二つが失われている。
 壁面の彫刻には恋に焦がれる女性像が多く、また手紙を書く、赤子をあやす、音楽を奏でるなど、女性たちの日常の様子などを表現した多数の見事な彫刻とともに、極めつけと思えるミトゥナ像もある。Blg_4
 (もうアホか! いやカミサマ、御心も知らずこれはとんだ失礼を)

 
◯マタンゲーシュワラ寺院:
 西群入り口左側の外にある寺院。10世紀初頭建立。高さ2.5mの巨大リンガ(男根=シヴァ神のシンボル)を本尊として祀る。ピラミッド形の高塔を持つなど、ほかの寺院と異なる古いデザインを残しているが、唯一、今も活きている寺院として、多くの礼拝・参拝者で賑わう。
 ここは時間が無くなって、見学なし。

 その他、この西群の芝生に立ち並ぶ14の寺院にはそれぞれ特徴がある。〈ページトップにその一部外観写真のみ掲載〉

 
 夕刻、列車「シャタブディ・エクスプレス」(普通車指定席)に乗る。地元では高級電車と呼ばれるそうだが、約2時間半でアグラへ。

 アグラ着後バスでホテルへ。夕食はホテル。
                                (アグラ泊)

|

« 地域経済も大事 | トップページ | 北インドの旅(2011/3初旬)(その6) タージ・マハル、アグラ城塞 »

旅行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/415438/39188219

この記事へのトラックバック一覧です: 北インドの旅(2011/3初旬)(その5)カジュラホ西の寺院群:

« 地域経済も大事 | トップページ | 北インドの旅(2011/3初旬)(その6) タージ・マハル、アグラ城塞 »