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2011年9月

2011年9月30日 (金)

クマバチ

 ”暑かった9月”が終わります。お彼岸を過ぎるころからさすがに夜間、早朝は肌寒いようになりましたが、日中は晴れると相変わらずTシャツ1枚で十分です。

 柿の葉が、秋深まる、と知らせます。R0017698

R0017689

 
 少し冷えた朝の農道にクマバチがうずくまっていました。寒さで動けないのです。このままでは車に轢かれます。R0017576trmcc

 
 草の茎をそっと体の下に差し込んでやると、一生懸命取りすがろうとします。手足(?)が思うように動きません。ゆっくりゆっくりです。Photo

 
 やっとつかまって、見つめる顔、あまりこのような表情を見る機会はありません。愛嬌のある風貌です。
 午後には気温が上がりましたから元気になったでしょう。R0017598

 クマバチは体長は2cmを超え、ずんぐりした体形で、全身が黒、翅も黒ですが、胸部には黄色の毛がたくさんあります。
 夏は暑苦しそうですが、今頃は少しは防寒の役に立つのでしょうか。 それはともかく、きわめて温厚なハチで、オスは行動的ですが、針が無いため刺すことはありません。
 メスはハリを持っていますが、脅かしたりしない限り、刺しに来るようなことはありません。食性はもっぱら花蜜食ですが、多くの花で、花の根元に穴を開けて蜜だけを吸うので、花粉媒介の役には立たないことが多いようです。出現時期は3~10月。

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2011年9月29日 (木)

キタヒメヒラタアブ、クサカゲロウ、アオバハゴロモとベッコウハゴロモ、エサキモンキツノカメムシ、マメハンミョウ

 秋、身近にいた昆虫達です。

キタヒメヒラタアブ:
 ホバリングの名人で、飛び続けることが多く、とまって翅をひらいたままじっとしていることは少ないです。
 少し待っていたら周囲をホバリングしていたツユクサにとまったところです。
 ヒラタアブの中では一番小さく、マメヒラタアブとも呼ばれるようです。この仲間にはよく似たものが多く、素人には絵合わせだけでの判断は難しいですが、キタヒメヒラタアブとしました。
 体長8mmほど。小楯板がクリーム色で、腹部の中ほどから先へ細くなる形と模様が特徴のようです。Photo_8

 
クサカゲロウ:
 顔の正面に4つの黒点があればヨツボシクサカゲロウです。正面の写真を撮ろうとアングルを変えたら逃げられましたので、顔の様子は不明で、単にクサカゲロウ、としました。Photo_9

 
アオバハゴロモとベッコウハゴロモ:
 ハゴロモはセミやカメムシ仲間で、植物に口吻を差し込んで汁を吸う害虫です。写真上:アオバハゴロモ。写真下:ベッコウハゴロモ。Photo_10

 
エサキモンキツノカメムシ
 草むらにいました。背中の黄色いハート紋が"”家紋”の、ツノカメムシの仲間です。R0016767

 
マメハンミョウ
 幼虫は、土中に生み付けられたイナゴの卵塊に寄生して育つというライフサイクルを持つ"有毒”昆虫です。
 たいてい集団で群れていますが、ここにはなぜか1匹だけとまっていました。近くの草むらから、たまたま1匹飛んできたのでしょうか。Photo_11

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2011年9月28日 (水)

カマドウマ、ツヅレサセコオロギ、ヨツボシオオキスイ、ヨコズナサシガメ若齢幼虫、チョウセンカマキリ

 晩夏から秋、身近で見かけた昆虫類です。

カマドウマ:
 コオロギの鳴く玄関先に出てみたら、懐中電灯の光の中にいました。やはりどこか気味悪さも漂よわせる装いで・・・201193

 
ツヅレサセコオロギ:
 庭にいます。すぐ隣でエンマコオロギが鳴いていたのですが、無頓着な様子で煮干しを囓っていました。4

 
ヨツボシオオキスイ:
 8月下旬、ゴマダラチョウなどが集まるクヌギの樹液にいました。クヌギなどの樹液に集まるオオキスイムシ科の一種です。体長13mmほどの甲虫。
 黒っぽい光沢のある体表に多数の点刻があり、前翅には縦に点刻列があり、その中に2対の黄色い紋(→四つ星)があります。R0015035_1trmcc

 
ヨコヅナナサシガメ:
 9月初旬、公園のケヤキの樹表にいたヨコヅナサシガメ若齢幼虫です。Photo_6
 ヨコズナサシガメはカメムシの仲間で、カメムシ目(半翅目)・サシガメ科に分類される肉食性の昆虫。
 幼虫・成虫ともに、昆虫などを捕らえて太い注射針のような口吻を突き刺し体液を吸います。成虫は6月頃産卵し、8月頃孵化します。
 幼虫は脱皮を繰り返しながら成長し、冬は木の幹の窪みやに割れ目に群がって集団越冬し、翌年の春に羽化して成虫になります。

 
チョウセンカマキリ:
 草原にいました。カマの付け根の橙色がチョウセンカマキリの目印です。(なお写真上の草むらにあった抜け殻は、下の写真の個体とは無関係のものです。)Photo_7

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2011年9月27日 (火)

ツチイナゴ幼虫、コバネイナゴ、イボバッタ、オンブバッタ

 身近の草地や田んぼにいるおなじみのバッタです。

ツチイナゴの幼虫:
 8月下旬、草原に生えているアカツメクサの上にいました。全身鮮やかな黄緑色に黒点をちりばめたきれいな衣装です。お顔の”涙目模様”が特徴の泣き虫さん?。
 秋10月を過ぎる頃には、全身茶褐色の”土色”の成虫になってそのまま越冬し、春に産卵します。親御さんとの出会いは難しいようで、いまだお目にかかっておりません。R0016623

 
コバネイナゴ:
 刈り取り前の稲田にたくさんいました。あぜ道の草にもたくさんいます。
 名前の通り、体より翅が短い、というのが特徴ですが、実際にはバリエーションがあるようで、体と同じくらいの長さの個体や、脚の色が異なる個体が見つかります。
 飛びだす時には気をつけなくてはいけません。Photo_4

 
イボバッタ:
 裸の地面にいるとなかなか見分けが難しいです。近くで見ると、風采は上がらないようです。Photo_5

 
オンブバッタ:
 花卉の鉢植えから雑草、農作物まで、幅広く食害します。体の小さい(特に♂)割りには大食いです。R0016936

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2011年9月26日 (月)

トノサマバッタ(褐色型/緑色型)、ショウリョウバッタ(褐色型/緑色型)、

 身近にいるありふれたバッタです。

トノサマバッタ:
 褐色型の幼虫と成虫Photo

 
 緑色型の幼虫と成虫♀♂Photo_2

 
ショウリョウバッタ:
 褐色型Photo_3

 
 緑色型R0016621

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2011年9月25日 (日)

カノコガ、コベニスジヒメシャク、シロオビノメイガ、オオスカシバ、セスジスズメ幼虫

 9月に草原や道端で見かけたおなじみのガの仲間達です。

カノコガ:
 翅を広げた大きさ(開張)は約3.5cm。日中活動します。幼虫の食草はシロツメクサ、スギナ、ギシギシ、タンポポなど、草原によく生えている雑草です。R0016631

 
コベニスジヒメシャク:
 1円玉の直径(20mm)ほどの小さなガです。小さいおかげで、気持ち悪さはあまり感じません。R0016492

 
シロオビノメイガ:
 開張20mmほどの小さなガです(1円玉サイズ)。足下から飛び立ち、近くの草の葉裏に隠れるようにとまることが多いです。R0016640

 
オオスカシバ:
 めずらしくクサギに絡みついたクズの葉にとまって休んでいたところでした。
 クサギの花の周りにたくさん飛んでいました。アップで見ると少し気味悪いところも。(写真はクリックで拡大します)Rimg0021

 
セスジスズメ幼虫:
 生活道路を横断している姿を時々見かけます。あまりうれしくない姿ですが・・・。若齢(写真上)と終齢(下)の幼虫。Photo_4

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2011年9月24日 (土)

チョウトンボ、クロイトトンボ、アジアイトトンボ、アキアカネ、ショウジョウトンボ、ギンヤンマ

 初秋、身近に飛んでいたおなじみのトンボです。

チョウトンボ:
 歴戦の痕がにじむ個体も・・・Photo

 
クロイトトンボ♂(写真上)とアジアイトトンボ♀(でしょうか)Photo_2

 
アキアカネ:
 頭まで全身真っ赤になるのはナツアカネ、で、こちらはアキアカネです。Photo_3

 
ショウジョウトンボ:831p8310035trmcc

 
ギンヤンマ:
 縄張りの遊弋を続けてなかなかとまりません。ホバリングしている時に適当にシャッターを押したら撮れたものです。94r0016842

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2011年9月23日 (金)

アサガオ、ノアサガオ、マルバアメリカアサガオ、マメアサガオ、ルコウソウ、マルバルコウ

●アサガオは、ヒルガオ科サツマイモ属のつる性一年草で、日本で最も発達した、夏にはなくてはならない人気の園芸植物です。
 ただ、近くでは外に逸脱したものが野原や農道、あぜ道で野生化して繁茂し、環境整備の妨げになる迷惑雑草にもなっています。
 
 散歩コースには、この雑草仲間が色々あり、今も盛んに花をつけています。
 しかしそのいずれも、もう間もなく“雑草退治”の刈り取りによって、本来の花期より“短命で”今シーズンも姿を消していくでしょう。
 繰り返しのものもありますが、9月に撮影したものを、あらためてまとめて掲載しました。

・園芸品種(写真上)
・写真下は以前にも掲載済みのノアサガオです。
 ノアサガオは毎年道路端の金網フェンスに繁茂して除草作業者を悩ませていますが、散歩する人達にはそれなりの人気です。
 ヒルガオ科のつる性多年草で、低地の林縁などに生育し、茎は木に絡んで這い上がり、10m以上にもなります。
 花は紫色で開花時間は通常、アサガオより早く、しおれるのは遅いです。
 花期は7~10月。分布は関東以西。Photo

 
●マルバアメリカアサガオ:
 ヒルガオ科サツマイモ属で北アメリカ原産のつる性1年草。
 道端や草地に野生化しています。花冠の直径約3cmの漏斗形で、淡いブルーの綺麗な花を咲かせます。
 葉は心臓形の丸葉で先は尖り、茎には長い毛が密生しています。
 萼は5深裂した線形で分厚く、反り返っていて、付け根には細長い2枚の苞葉がつき、長い毛に覆われています。
 花期は8~10月。Photo_2

 
●マメアサガオ:
 ヒルガオ科サツマイモ属で北アメリカ原産のつる性1年草。
 道端や草地に野生化しています。河川敷や荒地、放棄田などでも良く見かけられます。
 他のものに絡みつくか地を這って伸び、茎には毛が生えてざらざらしています。
 葉は広卵形で互生し先は尖り、中には3裂するものもあり変化が多いようです。(葉の周りに暗褐色の縁取りがあるものも多い)
 長い葉腋から花柄を伸ばし、先端に漏斗状の小さな白い花1個~3個つけます。
 花は直径1.5~2cmで、花冠はわずかに5裂し、先端が尖っています。名前は花が小さいことによるもの。
 花期は8~10月。分布は関東以西。Photo_3

 
●ルコウソウ:
 熱帯アメリカ原産のヒルガオ科サツマイモ属のつる性1年草です。
 冬期には地上部は枯れてしまいます。近くの生活道路のフェンス際に毎年生えてくる株は、根元が太く木質化していて、除草で地上部を刈り取られても、翌シーズンまたそこから生えてくるようですから、多年草ではないかと思うのですが。
 それはともかく道端や草地に野生化しています。見た目かわいらしくきれいなのですぐに除草はされないでいます。
 葉は細く、羽状です。赤い花冠の上部は5つに裂け、直径2~3cmくらいの星型に開きます。
 花期は8~10月(11月)。Photo_4

 
●マルバルコウ:
 熱帯アメリカ原産のヒルガオ科サツマイモ属のつる性一年草です。
 道端や草地に野生化しています。花はきれいですが、近所で、他のつる性雑草と混生して絡み合い繁茂すると見苦しさが増して来て、いち早く除草の対象にされて姿を消していきます。 
 葉は4~8cmの丸いハート形で先が尖り、互生します。茎の色は紫色を帯びます。
 朱紅色の花冠の先は五角形に見える2cmほどの漏斗形です。中心部の色は黄色で周囲および筒部は朱紅色。白い葯や柱頭が、やや突き出ています。
 和名は花がルコウソウ(縷紅草)に似て、葉が丸みを帯びていることから。
 分布は本州中部以南、花期は8~10月。Photo_5

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2011年9月22日 (木)

クヌギハマルタマフシ

 強い風雨の数日後、通りかかったクヌギの樹下に、多量の茶褐色の丸い粒が落ちているのが目にとまりました。2

 
 見上げると大きなドングリがなっていて、R0017080_1

 
 周りには、葉の表裏にたくさんの丸い虫こぶが、”気持ち悪い”ほどたくさんできていました。
 「クヌギハマルタマフシ」です。R0017080_7

3

 
 葉を採取して、まだ黄緑色で柔らかく形成されて間もないと思われるものと、時間が経って茶褐色で堅くなったものを安全カミソリで切断してみましたが、中に幼虫らしきものの存在は確認できませんでした。5r

 
 余談ながら虫こぶの種類(ヤマブドウハトックリフシなど)によっては、きれいだと感ずるものもないわけではありません。

クヌギハマルタマフシ:
 春先に羽化した♀のクヌギハマルタマバチが、産卵管を「クヌギの葉」に差し込み産卵したことによって形成された「丸い」「フシ(五倍子/付子)」ということで名付けられている虫こぶです。
 クヌギの葉の表・裏の両面にたくさん形成された虫こぶは黄褐色~茶褐色で、球形(4~6mm前後)です。
 虫こぶの表面は滑らかですが、小さな黒褐色の点々がたくさん見られます。

虫こぶ(虫瘤;虫癭)とは:
 ハチ目のタマバチの仲間や、ハエ目のタマバエの仲間、またアブラムシ類が植物体に産卵すると、その部分が異常な発育をしてこぶ状のものが形成されることがあり、これが虫こぶと呼ばれています。
 産卵による刺激や、孵化した幼虫の分泌物による刺激で、植物組織の一部が異常発育するものと考えられています。
 虫こぶは草類の葉や茎だけではなく、樹木の細枝、実などにも見られます。マタタビ酒の原料(通称マタタビの実)はマタタビの生果ではなく、マタタビミタマバエによって形成された「マタタビフクレフシ」という虫こぶの果実だそうです。

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2011年9月21日 (水)

木の実(ゴンズイ、エゴノキ、エノキ、クヌギ、エンジュ)

 秋が進行していくと公園の樹木にも実が成り、熟すにつれて鳥が食べにやってきます。動くことのできない樹木は、鳥の餌となる昆虫類が減ってきた季節、特に晩秋以降に実を提供することによって、種子の散布をしてもらい、分布域を広げる、ということになっているのですね。
 そのいくつかです。

ゴンズイ:
 赤い実がなっていましたが、まだ種皮が割れていません。種皮が割れると中から黒く熟した種子がのぞき、見た目にもいっそうきれいになります。この種子を目当てにオナガなどが群れてやってきます。キレンジャクなども食べに来るそうです。R0016751

 
エノキ:
 橙~茶色に色づいたエノキの実はイカルの好物です。実の大きさは5~6mm。ただ、イカルは実の果肉を食べるのではなく、そのタネの固い殻を嘴で割って栄養たっぷりの種子を食べます。
 ですから種子散布者としてはあまり好適ではなさそうですが、それでも未消化の種も排出するので、多少は役立っているのでしょう。Photo_6

 
エゴノキ:
 文字通り鈴なりにぶら下がるエゴノキの実にはサポニンが含まれていて有毒なので、一般には鳥は食べないといわれます。しかし、ヤマガラは特別で、有毒な果皮の部分を上手に剥いて実(種子)だけを食べるそうです。
 キジバトも食べるのが観察されているようです。晩秋以降になると種皮が割れて中の焦げ茶色になった種が大量に地面に落ちるようになります。Photo_7

 
クヌギ:
 クヌギのドングリはコゲラなどが突いて食べるようです。見るからに、小鳥が食べるには少し無理がありそうですね。Photo_8

 
エンジュ:
 エンジュの実(種子)はムクドリや、ヒヨドリが群がって食べているのを見ます。なお余談ですが、特にヒヨドリは他の鳥は食べない(毒性の)センダンの実も食べます。ただ他に食べられる木の実がなくなった晩秋以降、最後に食べるようです。Photo_9

 このほか、晩秋も過ぎる頃には、ピラカンサ(ス)の赤い実や、あまり魅力的には思えないアキニレの実などにも小鳥がやって来るようになります。

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2011年9月20日 (火)

オキナワウラジロガシ

 先週末、東日本大震災被害地支援のため、売り上げは義援金にするというミニ・バザールが近くで催されていたので、行ってきました。
 地元の県立農業高校生が出品していた「オキナワウラジロガシ」の苗木鉢植えを一鉢買ってきました。初めて目にしたものです。R0017073_1

 
 実の長さはおよそ3cm、直径2.5cm、そして殻斗(いわゆるドングリのお椀)の大きさは500円硬貨(直径2.65cm)以上にもなるという、日本では最大のドングリが生るそうです。
 ドングリで作ったペンダント(非売品)が陳列してありました。R0017043trm

 
 葉の表:R0017073_4omote_trm

 
 葉の裏側:R0017073_5

 
 この苗木の元になったドングリの外皮:R0017073_6trm

 ドングリを鉢に植えてから1年目の苗で、2年目に”枯らさないように上手に育てたら、実がなるようになる”、ということでした。 
 長い”実績”で、鉢植え植物を上手に育てる能力がないことが分かっているだけに心配です。
 ”ともかく水やりと、冬、霜に当てないように管理してください”、ということなのでやってみることに。
 巨木になったらどうしよう!?、それを、取り越し苦労というのですね。

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2011年9月19日 (月)

イボクサ

稲刈り前の稲田に、イボクサが群落を作り花を咲かせていました。R0016503_3

 
 ツユクサ科の仲間で、花は午前中に開いて午後にはしぼんでしまう1日花です。R0016502

 
 花径は1.5cmほどで、アップで見るとそれなりに風情があります。R0016503_1

 当然ながら稲刈りが終わって乾田化されると姿を消します。

 
イボクサ:
 ツユクサ科イボクサ属の一年草。湿地に生える雑草です。特に水田の畦側によく生える水田害草の1つです。
 草姿はツユクサに似ていて、茎は横に這い、枝分かれして立ち上がっています。花は淡い紫色を帯びた3弁花で、1日花です。花期は8~10月。分布は本州以西。

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2011年9月18日 (日)

マルバツユクサ (→シマツユクサに訂正しました)

 ”丸くない葉”をつけた”マルバ”ツユクサが、堤防斜面の草地に群落をつくっていました。少し離れた場所に普通のツユクサがやはり群生していましたが、その辺りでは両者が混生するような状況は見られませんでした。Photo

 
 マルバツユクサの特徴としては、まず第一に、名前のもとになった、葉は丸い、というか幅の広い卵形で、先は尖らず、また葉の縁は波打っていて、毛があるということです。
 また花は、普通のツユクサに較べて小さく、花弁の形が異なり、淡いブルーで、大きな苞には毛が多く、中に花が2つ入っていることが多いことです。(ただし今回観察した下の写真の個体では、苞にほとんど毛はありません)Photo_2

 
 さらに茎は太めで色が赤みを帯びる、等があげられています。R0016946_4

 
 そして、今回観察したものは、葉は丸くなく、苞にも特別毛が多いわけではなく、花の様子と茎の色を除けば、普通のツユクサと見た目は変わらない、というものでした。
 それで、”マルバ”とするにはふさわしくない気がしますが、よくあるバリエーションということで、マルバツユクサ、としました。  
 余談ながら、たしかに”マルバ”ツユクサには、苞の中に2つの花がある個体が多く見られましたが、普通のツユクサでも、多くはありませんが、同じように2つの花がついている個体も簡単に見つかりました。Photo_3

Photo_4

マルバツユクサ
 本種は熱帯アジアが原産の帰化植物で1年草。湿り気のある道端や草地などに生え、匍匐もしますが立ち上がると高さは30~60cmになります。
 葉は卵形で互生し、縁が波打ちます。花期は7~10月、分布は本州の関東地方以西から南西諸島。

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2011.11.26追記:
  遅ればせになりましたが、たまたま目にしたシマツユクサの記事(http://blog.goo.ne.jp/yukinioowaretaoze/e/e14dc68bf725e07c5f6656b246dbe58e)で、明らかな間違いをおかしていることに気がつきました。
 ライターのなかなか様にお尋ねしたところ、ここに私がマルバツユクサとしたのはシマツユクサであると教えていただきました。すでに関東地方にも分布の情報があるそうです。
 ”種(タネ)”の観察をすればなおはっきり分かる、とも教えていただきましたが、残念ながら今シーズンは生育地の除草作業も既に終わり、もう何もありません。来シーズン同じところに生育が見られたら、あらためて観察してみたいと思います。ここに間違いを訂正いたします。

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2011年9月17日 (土)

トビムシ

 9月はじめ、栃木県日光市所野にある温泉地の”お土産”としてもらった落ち葉混じりの土の中にいた、しばらくぶりのトビムシです。
 トビムシは陸のプランクトンとも呼ばれ、どんな環境にでも生息しているのに、普段はあまり目立たない草食性の小さな、そして原始的な生き物です。

アヤトビムシの仲間
 大型のトビムシ仲間で×50倍の顕微鏡視野にはおさまりきらない大きさでした。Img_0095
 
 体長2.3mmほどあるアヤトビムシの仲間です。4節ある長い触覚の先、第3、4節が損傷してしまいました。大きな跳躍器(バネ)を持っています。
 バネは生きている時にはおなかの下にたたみ込まれています。カニムシなどの外敵に襲われたときにはこのバネで飛んで逃げるのです。それでトビムシ。
 もっとも、中にはバネを持たないトビムシもいるのですが。
Saisai1cc_2

  
トゲトビムシの仲間
 多くは大型種です。
これまで見たものは小さいもので1.5mm、大きいもので2.7mmくらいです。大きな跳躍器(バネ)を持っています。
 余談ながら、日中、白い紙の上に,落ち葉堆積物ひとつかみを載せて広げると、なにやら、ピン、ピンと跳ねるものがいます。それがたぶんトビムシです。
 今回の個体は1.5mmほどで、小さい方でした。トゲトビムシは4節から成る長い触角を持ち、第3、4節が環状に小分節する特徴があります。(写真は×50倍)Img_0079_1

Img_0102_2

Img_0103_3

 他にもまだ違う種類のトビムシがいましたが、今回はこれまでにしました。

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2011年9月16日 (金)

水草:ヒメシロアサザ、ガガブタ、ヒシ、アサザ

 これまでも折に触れて繰り返し記事にしたもので、代わり映えしませんが、あらためて並べてみました。いずれも8月末までに撮影したものです。

 
ヒメシロアサザ:
 近郊の水田でごく希に観察できることがあります。ヒメシロアサザはミツガシワ科アサザ属の多年草で、湖沼やため池、水田などに生育する水草です。
 水田に繁殖して雑草となることもある一方で、個体数は減少傾向にあり、 環境省レッドリストでガガブタと共に絶滅危惧II類(UV)に指定されています。
 浮葉植物で、地下茎から茎を伸ばし、浮葉を1~3枚展開します。葉の長さは2~6cmで、同属のガガブタより少し小型です。
 花径(花冠)の大きさは5~8mm程度で、4~5裂する白い花弁をもった花を多数咲かせます。花弁の縁は細かく裂けています。
 花後たくさんの種が出来て水面に浮遊します。種子は長楕円形で、長さ3~5mm。ただし水田に生えた株も、稲刈り前には完全に除草され、稲刈り後は乾田化しますから、そのまま田んぼで生き延びることはまずありません。
 花期は7~9月。分布は本州(関東)、四国、九州。
 偶然見つけた一株を採取して屋外メダカ水槽に植えておくと、特別な管理(増えすぎを間引く以外)をしなくても、その後途絶えることなく毎年繁殖してきますから、確かに丈夫な”雑草”だとおもいます。
 アクアリウム用の水草としてホームセンターや、通信販売などで販売されていることがあります。Photo_5

 
ガガブタ:
 近隣都市公園の池に繁殖していました。ガガブタはミツガシワ科アサザ属の多年草で、湖沼やため池などあまり深くない止水域に生育する浮葉性、または抽水性の水草です。
 地下茎をのばして生長します。7~9月に花径1.5cmほどの白い5(~6)弁花を多数咲かせます。花弁の周辺は細かく裂けていて、一面に毛が生えたような見かけです。
 本州以西に分布しています。各地で生育環境変化により個体群が減少しているそうで、環境省レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています。
 花期は7~9月。分布は本州以西。Photo_6

 
ヒシ:
 近くの浅い溜め池に生えています。さして広くない池では生えすぎて、他の生態系に影響を与えるというので、刈り取りが行われています。
 ヒシは湖沼に生える最も普通な一年生の水草です。水の底に沈んだ種から茎を伸ばし、水面に葉を広げます。葉柄は膨らんで空気を含んでいて、浮き袋となっています。
 花径約1cmの白い小さな4弁花(1日花)が6月頃~晩夏まで咲き続けます。花後には水中に沈んで果実を形成します。
 秋に棘のある3~5cmの果実を付けます。果実には2本の鋭い棘があります。若い果実はそのままでも、成熟した果実は湯がくとクリのような味がして食べられます。
 ヒシの実は昔から親しまれてきましたが最近はそうでもないようです。
 花期は7~10月。分布は日本各地。
 なお、環境省のレッドデータリストには掲載されていませんが、都道府県によっては「要注目」カテゴリーに分類されているようです。201194

2

 
アサザ:
 オニバスが咲いていた地域で保護されていたコロニーです。葉の周辺にはうねっているような鋸歯があり、黄色い花弁の周辺には多数の細かい裂け目がある5弁花をつけて、旺盛な生育ぶりでした。
 アサザはミツガシワ科アサザ属の多年草で、水底に匍匐茎を伸ばし、節から根と葉を出して、夏から秋にかけて花径3~4cmで黄色の花を咲かせ、分布域を広げていきます。
 生育環境条件さえ適当であればやはり繁殖力は大きいのではと感じました。アサザも生育環境変化に伴って少なくなった水草の1つですが、各地で保護活動も行われていて、現在準絶滅危惧(NT)に指定されています。
 花期は6~9月。分布は本州、九州。Photo_7

 生育環境さえ適切であれば、いずれも困るほど増える繁殖力は本体備わっているようですが、人間業には勝てないところもあるようですね。

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2011年9月15日 (木)

アメリカザリガニ、刈取りまぢかの稲田で

 稲刈りが終わり、乾燥が進んでカエルもいなくなった田にはサギは来なくなります。
まだ刈り入れには早く、乾かず水が残っている稲田には、ザリガニが潜んでいます。
 そして、それをよく知っているサギは、稲田の泥が乾いてザリガニが這い出してくるのを待ちきれずに、乾き始めた田の縁を歩き回っています。
 まだ巣穴の上に水面があるザリガニはのんびりしているものもいますが、水位が下がり、巣穴底の水が涸れ始めたものは、どうしようかと出入り口まで上がって模様眺め。
 また、巣穴の底の水がなくなってしまったものは、さらに掘り下げようと、せっせと底泥を運びだそうとして、もう泥まみれです。Photo_8

 
 そして乾く一方の巣穴に留まることが出来なくなったザリガニは、まだ逃げ込むことができそうな他の巣穴の住人と争って見たり、それもダメなものは水場を求めて、日ごとに乾燥が進む稲田の株の間を、うろうろ歩き回っています。
 写真のものは皆、別の個体です。Photo_9

 
 そうした中で、舗装農道の反対側に残る水たまりに移動しようと出て行ったものは、ほとんどがあえなく、待ち構えていたサギの餌食に。
 これからしばらくの間は、この舗装農道沿いは、サギのザリガニ・パーティー会場になるのです。Photo_11

 
 獲物も水も少なくなって、巣穴から脱出しようがどうしようかと迷っているザリガニは攻撃的です。これまでは何かの危険な気配を感じると素早く、ストンと穴底に隠れてしまうのですが、そうではありません。
 サッと身を乗り出し、目前にあるものにハサミを振り上げ威嚇的に迫って来るのです。Photo_10

 ”黄金の 稲田の泥の 穴暗に 我 無為なりて ザリガニと戯むる” (暇人) の図です。

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2011年9月14日 (水)

稲刈りのコンバインに群れるサギ

 晴れて暑い日、近郊の稲田で大型コンバインによる刈取りが進行中でした。おなじみの光景ですが、これまで見た中では一番多くのサギが群れていました。およそ100羽近くいたようです。
 チュウサギが多数で、アマサギの姿もちらほら。コンバインの動きに合わせて行ったり来たり,大変です。
 これだけまとわりつかれては、コンバインの運転も気が散ってやりにくいことでしょう。Photo

Photo_2

 
 機械力ってすごいですね。あっという間に作業が進捗します。もうすぐ刈り取りが終わります。Photo_3

 
 刈り取りが終わり、コンバインが停止すると、サギは一斉に田んぼに展開してカエル採りで大忙しです。
 大きなカエルを呑み込むのに苦労する様子も観察されました。Photo_4

 
 刈り取り後、田んぼが完全に乾いてしまうとカエルは水場を求めて田んぼから移動していきます。したがってサギもいなくなります。
 水路沿いのフェンスに集まり次の情報を待つサギの群れ。
 サギの去ったあとにはクロサギならぬカラスが”落ち穂拾い”をしていました。Photo_6

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2011年9月13日 (火)

カラスウリとスズメウリ

 近くの草藪で、カラスウリはまだ勢い良く蔓を伸ばしていますが、さすがに花は終わってしまったようです。9月はじめに1輪だけ暗闇に白く浮かび上がっていたレース模様の花が、今シーズンは最後でした。Blg2011827s

 
 今、環境保全のため除草/刈り取り作業が行われていますので、多くは姿を消しますが、どこかで必ず刈り取りを逃れて、秋たけなわの頃には赤く色づいた実をぶら下げています。
 (昨シーズン、9月末の写真)9

 
 同じ環境に、スズメウリも蔓を伸ばしています。名前の通り、とても小さな白い花をつけて、小さな実もできはじめています。Photo

Photo_2

 
 1cmほどの大きさで、青く丸っこいかわいらしい実も、秋が深まる頃には、灰白色になって、 多くの葉が枯れ落ちた蔓にぶら下がっている様は、なかなか風情のある光景になります。(昨年10月下旬の写真)10

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2011年9月12日 (月)

天気は気まぐれ/満月の十五夜

 晴れの日が続いた週末、専業農家はもちろん、兼業農家の稲刈りが一斉に、という感じで進んでいました。
 天気は気まぐれで、午前中は雲が多く、昼過ぎには青空が多くなり気温も上昇。

 午後3時頃外出しましたが、4時を過ぎた頃には急に西の空模様が怪しくなり,風も吹き出して、あわてて帰宅。雨降り直前にかろうじてセーフ。
 大型コンバインが稼働中に降られたのでは、さぞかし困ってしまうだろうにと思うばかりの、気まぐれ天気。R0016941

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 今夜(9/12)は中秋の名月、6年ぶりの満月の十五夜、ということです。

PS.
 月見より団子。
 家人がお月見団子を作りました。夕刻、玄関先に出てみると、家並みの間から満月が昇って来ています。さい先は良さそう。
 まずは、お団子を食べてから、おもむろに、三脚に固定したカメラを担いで、田んぼ道へ。
 お犬様の散歩も終わって、誰もいない田んぼ道です。刈り取りの終わった稲田ではエンマコオロギが鳴いています。
 涼しさを感じられるかと思えばさにあらず、田んぼ道の風はTシャツ1枚なのに、汗がにじむほど蒸し暑い空気です。
 やはり澄み切った空気ではなく、水蒸気たっぷりの空気は、やや誇張して言えば,磨りガラス越しに見る満月です。
 贅沢は言えません。これだけ見えたことに満足して、写真を撮って帰りました。2011912

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2011年9月11日 (日)

クサギ(臭木)

 公園の近くに行くと風に乗って何やらにおいが漂ってきました。
 見回すと、遠目に、こんもりと花をつけた樹木が見えました。
 近寄ってみるとクサギでした。傍に立つとかなり強く独特のにおいが鼻につきます。花の匂いです。
 葉を傷つけると悪臭があります。人によってはカメムシの悪臭だとする人もあるようです。R0016551_7

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クサギ(臭木):
 日当たりのよい原野などに見られるクマツヅラ科の落葉小高木で、樹高3~5mになります。葉を触ったり傷つけたりすると一種異様な臭いがするのでこの名がつけられました。
 花は白色で、花びらは萼から長く突き出してその先で開きます。おしべ、めしべはその中からさらに突き出しています。
 萼ははじめ緑色ですが、やがて赤色になります。花の盛りの時期には特徴のある香りが辺りに漂います。
 秋に光沢のある藍色の実がなり、赤い萼が開いて残るためよく目立ちます。もうすぐ観察できるかも知れません。
 この種は鳥によって運ばれ分布を広げます。
 花期は夏~初秋。分布は日本各地。

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2011年9月10日 (土)

アカボシゴマダラ/再び

 7月に、初めて1頭だけ見かけて以降、しばらく目にすることのなかったアカボシゴマダラですが、8月下旬、再び同じ公園の、同じ樹液の出ているクヌギの木で出会いました。
 木のまわりをヒラヒラ周回するようにしばらく飛んでいましたが、やがて4~5mほどの高さの枝先にとまりました。
 翅はバタッと開いたままで、かなりの間そのままじっと下の様子を偵察している感じ。P8260017cctrm

 
 下方では数カ所に樹液の出ている幹で、他のチョウが吸汁していました。
 そしてまずゴマダラチョウのいるところにサッと飛んで行きました。
 やはり強いです。ゴマダラチョウにぶつけるように黄色の長い口吻を伸ばし、R0016379

 
 翅をバッと広げると、さしものゴマダラチョウもたまらず逃げていきました。R0016411trmcc

 
 別に樹液の出ているところには、コムラサキ、サトキマダラヒカゲ、そしてルリタテハが”仲よく”吸汁していたのですが、またもや割り込みです。
 そして結局、全部追い払われてしまいました。3

 
 やはり①アカボシゴマダラは乱暴者で、在来種のチョウ(②ゴマダラチョウ、③コムラサキ、④サトキマダラヒカゲ、⑤ルリタテハ)に影響を与える恐れがあり、「要注意外来生物」ということがうなずける観察でした。5

・アカボシゴマダラ:
 アカボシゴマダラは環境省により「要注意外来生物」に指定されています。
 「要注意外来生物」というのは、外来生物法に於いて、特定外来種には選定されていないが、適否について検討中、または調査不足から未選定とされている生物種をいい、環境省が指定します。
  地域によっては幼虫の食草がエノキであるゴマダラチョウが減り、アカボシゴマダラが急速に増えているという状況もあるようです。
 (参考:(独)国立環境研究所、アカボシゴマダラ

 
・サトキマダラヒカゲ:
 タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科に分類されるチョウの一種で、日本固有種。
 低地から低山地にかけて普通に見られ、森林周辺に生息し、高山帯や都市化地域では見られない。
 暗いところを好み、樹の幹や壁面に好んで留まり、花にはめったに訪れない。
 ジャノメチョウ亜科の中では比較的すばやく飛ぶ。
 高山帯に分布するヤマキマダラヒカゲと酷似し、前翅表面黄斑に入る黒点の数や後翅基部寄りに入る紋様の差異などで判別されるが、山地では生息地が重なる上に個体差も大きいため、判別は難しい。
 幼虫の食草はタケ・ササ類。蛹で越冬する。
 成虫出現時期は、暖地では 4~9月の年2化、寒冷地・高地では 7~8月のみの年1化。
 分布は日本各地。

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2011年9月 9日 (金)

コサギ、チュウサギ、アオサギ

 9月はじめ、天候不順で雨続き、水かさの増した用水路縁で、黒い脚に黄色の4本趾(あしゆび)ソックスを履いたコサギ3人組が思案顔の風情。

 ”年中水は汚いが、魚取りにはまあまあだったこの用水路も水かさが増して、胸までつかりそうだから、ここには当分入れないなあ。
 田んぼのカエル取りも、稲刈りが大々的に始まらないとチュウサギ連中に独り占めされて近寄りがたくなるし、さてどうしたものか”Photo

 
 稲田の様子を見に来たアオサギ親(写真上)、子(若鳥:下)。
少し離れて金網フェンス上に留まり、稲田の様子をボーッとながめていました。稲刈りはまだかァ。P8300001trmcc

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 別の日、チュウサギとアオサギが稲田の偵察に。”まだ刈らないのか”。”.早くしないと台風で痛めつけられて困るだろうに。手伝ってやりたいが・・・”、と心にもないことを。P8280015trmcc_2

 
 そして台風12号が去った後、やっと晴天が戻ってきた田んぼのあちこちで、一斉に大型コンバインのエンジン音が聞こえるようになりました。
 案の定、コンバインにまとわりつくように詐欺、いやサギ仲間が集まっていました。
 毎年繰り返される光景ですが、チュウサギの仲間が圧倒的多数です。中には、頭部に亜麻色の羽根が残るアマサギも混じっていたようです。Blg201195

 稔りの秋です。先日のニュースによると、新米取引に風評を見越し買いだめの動きが出て1割高、という。大サギ!?

メモ:
  ●コサギは名前の通り一番小柄なサギで、留鳥です。識別の決め手は趾(あしゆび)ソックスが黄色いこと。
  ●チュウサギは夏鳥としてやってきます。身体の大きさはダイサギよりやや小さめで、くちばしもより小さめ。識別点は、ダイサギの口角が眼より後ろにあるのに対して、チュウサギの口角は眼の位置と同じくらいであることと、黄色い眼先の色味がポイントです。
 またチュウサギは、くちばしの色が時期によって異なり、夏が黒、冬は黄色です。ただし、換羽中で、先端が黒く、根元付近が黄色い姿を見ることもあります。
 上記写真のチュウサギには、くちばしの色が黒い個体と、黄色で、すでに冬の姿をしている個体が混じっていました。本格的な冬が来る前に、日本から、南の暖(あたた)かい地方に向けて移動します。
  ●アマサギも夏鳥として、繁殖のためやってきます。夏季は頭部から頸部、胴体上面はオレンジがかった黄色(亜麻色)の羽毛で被われ(夏羽)ていますが、冬期には全体が白くなります。冬期には南へ移動していきますが九州以南では留鳥です。
  ●アオサギは夏季に北海道で繁殖し(夏鳥)、冬季に九州以南に越冬のため飛来する冬鳥ですが、本州、四国では周年生息する留鳥です。
  ●ダイサギは体長 90cm ほどで、日本ではアオサギと並ぶ最大級のサギです。全身の羽毛が白色。主として夏鳥で、時に漂鳥、一部地域では冬鳥。当地で見かけるのは冬期が多く、この時期まだ見かけません。
 当地で見かける個体数は多くはありませんが、魚を補食するために水路に降りて、首をS字に縮めて立っている姿を見ることがあります。

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2011年9月 8日 (木)

ゴマダラチョウの産卵

 8月下旬の昼下がり、いつものウオーキングコースでのことです。道端に自生したエノキの小木が金網フェンスにくい込んで大きくなったため、草刈り時にも切除できないで、フェンスの高さ部分だけ残っているものがあって、R00165602011826

 
 そこにゴマダラチョウが1頭、行ったり来たりしているのが目にとまりました。R0016292

 
 明らかに産卵行動でした。邪魔をしないように何枚か写真を撮ってから、帰宅後、確認のためパソコンで拡大してみると、その1枚に、緑色の丸い粒が写っていました。3r

 
 せっかくの機会だからと、あらためて撮影現場にもどり探してみると、その卵が産み付けられた葉が見つかりました。
 ルーペで拡大してみると、緑色の紙風船のような球形で、大きさは1mmほどのきれいな卵でした。Blg2011826

 リスク分散のためでしょうか、ゴマダラチョウは一カ所にまとめて産卵することはしないようです。
 卵は5日くらいで孵化して幼虫になり、エノキの葉を食べながら成長して幼虫で越冬し、翌春蛹になり、そして羽化します(2化性)。
 それにしても、この場所はそのようなライフサイクルを完結するには環境条件が悪すぎます。どうしてこんなところに生えた矮弱なエノキを見つけて産卵するのか不思議ですが・・・

 
 P.S
 公園に植栽されたエノキの大木の周りには夏中、ゴマダラチョウが飛び交っていました。先日、手の届く範囲にある葉をめくってみたら、何らかの原因で羽化できず死んでしまった蛹が1つ、くっついているのが見つかりました。R0016871

 どんな生き物の世界でもすべてがうまくいくことは無いのですね。

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2011年9月 7日 (水)

オニバス

 オニバスの花が見られる時期だったことを思い出して、8月末日、近くのオニバス自生地(保護地)まで見学に行ってきました。
 事前に得た情報では、”今年は花の咲くのが早くて、お盆中には咲いてしまったので、もう今は見られないかも知れません”、ということだったのですが、運良く”数個”の花を見ることができました。

 
 場所は地元の埼玉県加須市北川辺です。水田地帯の一角で、オニバスが自生している水域としては、幅1m少々、距離は数100mほどの区切られた水路と、農道を隔てた、さほど大きくはない池があります。2011831nc

 
 まず、水路に沿って往復して見ました。歩き始めて間もなく、幸いなことに、一番きれいな開放花が、間近で見られる位置に1つだけ見つかりました。紫~紅紫色で花径5cmほどの小さな花です。Photo

 
 狭い水路ですから、往復で両側がじっくり観察できましたが、これ以上の花は見つかりませんでした。
 大きな葉の全面に、とても大きく鋭い刺が生えています。カエルがいましたが、よく見ると何となく姿勢が不自然です。靴を履かない足では、きっと痛いのでしょうね。S

 
 水路を往復してから池の方を観察しました。葉を突き破って咲いた開放花が2つだけありました。
 それにしても、全草、刺で覆われていますが、何のためにそういう形になったのでしょうね。お釈迦様もオニバスの葉にはお座りにならないでしょう・・・Photo_2

Photo_3

オニバス(Euryale ferox ):
 スイレン科の一年生水生植物。浮水性の水草で、夏に巨大な葉を水面に広げます。大きなものは直径2mにもなるとか。本種のみでオニバス属を構成します。
 花は水中での閉鎖花が多く、自家受粉で100個程度の種子をつくります。また8月ごろに葉を突き破って花茎を伸ばし、紫~紅紫色の花(開放花)を咲かせます。
 池でジュンサイなどの採取作業を行う場合、池にはびこった巨大な葉全体に鋭いトゲが生えているオニバスは邪魔でしかないため、農作業の上からは嫌われて、しばしば排除の対象になることもありました。
 また、環境の悪化や埋め立てなどで全国的に自生地の消滅が相次いでいて、現在は絶滅が危惧されており、地方自治体によって天然記念物指定を受けた自生地も多いようです。
  環境省レッドリストでは絶滅危惧II類(UV)に指定されています。

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2011年9月 6日 (火)

秋、アブラゼミ、ツクツクボウシからエンマコオロギへ

 晩夏、たくさんいたアブラゼミも庭先に落ちて、一夏の短い生涯を終えていきました。Photo

 
 そして今は、後を引き継いだツクツクボウシが一生懸命鳴いています。Photo_2

 
 台風12号が記録的な大雨と、その大きな災害の爪痕を残して去っていきました。その後も天候はぐずついたままです。
 そんな折、霧雨が降る蒸し暑い夜、玄関先からエンマコオロギの鳴き声が聞こえてきました。
 どうやらまだ新米のようで、鳴き声はしょっちゅう途切れます。秋の夜長を鳴き通すにはこれから修行が必要でしょう。
 それはともかく、虫の声で少しは暑さも和らぐような気がします。ツヅレサセコオロギの声も聞こえています。
 もう秋ですから。
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2011年9月 5日 (月)

ユウマダラエダシャク、ニワトコドクガ、シロツバメエダシャク、オトコエシの花にキンモンガ、イラクサにフクラスズメ幼虫

 白馬村の親海湿原に立ち寄る楽しみの一つはクジャクチョウに出会えるかもしれない、という期待でした。しかし今回、出くわしたのは、ガばっかり。しょうガないです。
 蛾も蝶も同じ「鱗翅目」であり、どちらが余計にきれいとか、気持ち悪いとか一概には言えないのですから・・・

 湿原沿いで日陰になった樹木の葉にいろいろなガがとまっていました。また湿地に生えたオトコエシの花にはキンモンガがいて、イラクサの群落には気持ち悪くなるほどたくさんのフクラスズメ幼虫が群がって葉を食害していました。

ユウマダラエダシャク:
 日陰の木の葉に止まっていました。白色地に、灰褐色~褐色の斑紋があるシャクガ。幼虫は、マサキ、コマユミ、ツルマサキなどの葉を食べてちます。
 大きさ(開張):40~50mm 、出現時期:5~6、8~10月 、分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄 。R0016230_1

 
ニワトコドクガ:
 日陰の木の葉に止まっていました。あまり特徴が目立たないガです。全体にクリーム白色で、前翅に褐色紋があるドクガの仲間。
 山地・平地に普通で、灯火にも飛来します。幼虫食草:ニワトコ。カマツカなど。
 大きさ(開張):30~42mm、成虫出現時期:6~9月、分布:本州・四国・九州。R0016238trmcc

 
シロツバメエダシャク:
 こちらも日陰の木の葉に止まっていました。ツバメエダシャクには似た様な種類が多く、写真1枚では素人には判別が困難です。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」も参照しながら、尾状突起の形、皺の様な細かい横筋(さざ波)の分布などからシロツバメエダシャク(→http://www.jpmoth.org/Geometridae/Ennominae/F000Ourapteryx.html )としました。  
 近似種のウスキツバメエダシャクに類似していますが、本種では前翅茶褐色筋2本の間にさざ波状の模様がありません。
 幼虫食草はイチイ科のイチイ、キャラボク、チャボガヤ、イヌガヤ科のイヌガヤ、マツ科のトウヒなど。
 大きさ((開張):36~54mm 、出現時期:7月、9~10月の2化性 、分布:日本各地。R0016233_4

 
オトコエシの花にキンモンガ:
 湿原の林縁にオトコエシが白い花をつけていました。オトコエシは丘陵帯,山地の草原や道端に生える多年草です。
 高さは60~100cmになります。分岐した茎の先端に花径4mmほどの白色小花を散房状に多数咲かせます。
 名前はオミナエシ(女郎花:黄色い花)と対比させてつけられたもので、オミナエシに比べて強壮な感じがするからということです。実に翼状の丸い小苞が付いています。
 花期は8~10月。分布は日本各地。

 その白い花に、キンモンガが来ていました。
キンモンガ
 一見、「キミスジ」という日本では南西諸島にしかいないというチョウに似ているようですが、当然別で、以前観察したことのあるキンモンガに似ているため、あらためてネット図鑑(→http://www.jpmoth.org/Epicopeiidae/F000Psychostrophia.html )を参照しました。
 ぴったりの絵合わせはできませんでしたが、キンモンガは個体の色調や紋様の変異が多いということから、キンモンガとしました。
 黒地に薄黄色の紋が目立つガで、昼間に活動し、翅を広げてとまっていることが多く、白い花にもよく来るという。
 大きさ:(開張)32~39mm 、出現時期:6~8月 、分布:本州・四国・九州。Photo_5

 
イラクサにフクラスズメ幼虫:
 イラクサは、半日陰の湿潤地に生育する多年草です。茎や葉の表面・葉柄などに刺毛があり、触ると鋭い痛みがあります。葉は卵形で長さ5~15cm。縁には大きな鋸歯があります。 
 穂状の花序を形成して緑白色の雄花と淡緑色の雌花をつけます。
 花期は8~10月。分布は本州・四国・九州。
 群生したイラクサに、派手な色彩の大きなイモムシが群がっていました。まばらに毛が生えていて見かけは毒々しいものの、毒はありません。
 フクラスズメ幼虫です。
 脇腹をアップで見ると、気門がオレンジ色で、そのまわりが赤く彩られています。終齢幼虫は7cmほどになります。食草はイラクサ科の、イラクサ、カラムシ、ヤブマオです。
 なお、和名は、丸っこくて毛に覆われた成虫のガが、スズメが冬の寒さに耐えるため、羽毛を逆立てて「ふくらすずめ」になっている様子に当てはめたもので、また”スズメ”とありますが、スズメガ科ではありません。
Photo_6
 きれい?、気持ち悪い?

                                  (完)

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2011年9月 4日 (日)

2011.9.4、台風12号日本海へ。正午の怪しい雲。

 各地に大きな災害の爪痕を残して、台風12号が日本海へと抜けていきました。被災地の皆様にはお見舞い申し上げます。
 当地は幸い何事もありませんでしたが、正午、田んぼ道に自転車で出かけて空を見上げると、南から北に向かって普段は目にすることのない怪しげな雲が伸びていました。

2011.9.3
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2011.9.4
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9.4正午、南の空から、R0016814_2

北の空へ連なり伸びる雲。R0016813_2

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イヌゴマ、サワギキョウ、サワヒヨドリ、ドクゼリ、ボタンヅル

 8月中旬過ぎに、長野県白馬村の親海湿原に咲いていた植物です。

イヌゴマ:
 湿原の草地に咲いていました。近くの草原でも見かけています。Photo
 イヌゴマは山野の湿りけのあるところに生えるシソ科の多年草です。茎は四角柱状で下向きの毛が生えていてざらつきます。
 葉は対生し、披針形でギザギザ(鋸歯)があります。茎の先に短い花穂をつくり、淡紅色の唇形花が数段輪生します。
 草姿と実がゴマに似ていますが、役に立たない(食用にならない)ので”イヌ”を冠してこの名がつきました。
 イヌは役立つのに。イヌに吠えられそうです。 花期:7~9月。分布は日本各地。

 
サワギキョウ:
 湿原に群生していて、とてもきれいな景観を形成していました。Photo_2
 サワギキョウは山野の湿地に生える多年草で、有毒植物です。花の色はきれいな青紫です。茎の高さは50~から100cmになり、枝分かれしません。
 葉は無柄で茎に互生し、形は披針形で、縁には細かい鋸歯(ギザギザ)があります。茎の上部に、濃紫色の深く5裂した唇形の花を総状に咲かせます。
 花びらは上下2唇に分かれ、上唇は鳥の翼のように2裂し、下唇は3裂しています。
 花期は8~9月頃。分布は日本各地。

 
サワヒヨドリ:
 湿原に咲いていました。Photo_3
 サワヒヨドリは湿原の周辺や山間の湿田周辺、やや湿った草原などに生育する多年草です。花は淡い紅紫色を帯びていますが、色の濃いものからほぼ白色のものまで変化があります。
 茎は直立し、高さ50cm前後。葉は楕円形で、茎の上部の葉は2枚が対生する事が多く、生長の良い個体では6枚の対生あるいは輪生のように見えることがあります。
 花期は8~10月。分布は日本全国。

 
ドクゼリ:
 名前の通り毒草です。湿原の木道沿いに群落を形成していました。ちょうど盛りの時期だったようです。草丈が大きいため、遠くからもよく目立ちました。Photo_4
 毒草として有名で、湿地、沼地などに生育しています。春先の幼植物は食用のセリに似ているため誤って食べられ中毒事故を起こすことがあるので要注意です。
 草丈は80~100cmになる大型の多年草で、茎は中空で、上部で枝分かれしています。葉は2回羽状複葉の細長い楕円形で先端が尖ります。葉縁には鋸歯があります。
 花は白色で、伸びた花茎の先端に球状に小花を多数つけ、花の集団が放射状から球状にむらがります。根茎は筍に似た節が延びて繁殖します。
 花期は6~8月。分布は日本各地。

 
ボタンヅル:
 日当たりの良い開けた林縁に蔓を伸ばして咲いていました。この季節、山野で良く目にしますR0016246
 同じセンニンソウ属のツル植物センニンソウとよく似ていますが、センニンソウの葉は羽状複葉で全縁(縁にぎざぎざがない)なのに,ボタンヅルは1回 3 出複葉(ボタン(牡丹)の葉に似ている)で、縁にギザギザがあることと、茎が木質化する点が異なります。
 蔓性で他の木にまつわりついて繁殖します。花はセンニンソウの方が少し大きめです。
 花期:7~9月。分布は本州、四国、九州。                                      
                                     (続く)               

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2011年9月 3日 (土)

フシグロセンノウ、ヌスビトハギ、コオニユリ、ミソハギ、オオスカシバ

 姫川源流から親海湿原へと林間の道を辿っていくと、林縁の草むらに朱赤色の花が目に飛び込んできました。

 
フシグロセンノウです。R0016187_3
フシグロセンノウ:
 明るい落葉広葉樹林や林縁に生育する多年草。茎は直立し、高さは50~80cmになり、茎の節が黒褐色になります。 また茎の上部は分枝し、分枝した茎に朱赤色の 5 弁花をつけます。葉は卵形~長楕円状披針形、長さ5~14cm、幅2.5~5cmになり、茎に対生しています。
 花期は7~10月、分布は本州から九州。
 なお、フシグロセンノウは古くから、ままごとで花びらを濡らし4枚重ねてお膳にして遊ぶので、オゼンバナ(お膳花)とも言って親しまれていたそうです。そのような”ままごと”の経験がなくて知りませんでした。
 もっとも現在は残念ながらそれほど身近に多くは見かけられないようですが・・・

 
明るい草地にはピンクの花をつけたヌスビトハギが、秋の気配を漂わせていました。Photo
ヌスビトハギ:
 平地から山地の草地や道端、林縁などに生える多年草。ハギに似た小さな花をたくさん付け、秋を感じさせてくれます。
 3出複葉は互生し、卵形で先は尖り、縁は全縁、頂小葉は側小葉より大きくなります。秋に実る節果の表面にはカギ状の毛が密生していて衣服にくっつく,“ひっつき虫”になります。
 くっつくと、なかなか取れません。
 花期は7~9月。分布は日本各地。

 
コオニユリが湿原に咲き残っていました。時期的にはもう終わりのようでした。R0016210
コオニユリ:
 湿原の周辺地域や湿った草原、山地に生育する多年生草本。夏に美しいオレンジ色の花を咲かせます。
 オニユリによく似ていますが、湿地の周辺に生育することと、ムカゴを作らない点、また茎に顕著な毛がないことなどで区別されます。
 花期は7~8月、分布は日本各地。

 
ミソハギが湿原に群生していました。一角が紅紫色に見えました。
 その花の蜜を求めてオオスカシバが飛んでいました。
 ミソハギは湿原や田の畦、用水路の縁などに普通に見られる多年草で、茎はまっすぐに立ち、断面は四角、株元は少し木質化し、細い地下茎を伸ばして群生します。
 葉は長さ数センチで細長く、対生で交互に直角の方向に出ます。お盆のころ先端部の葉腋に紅紫色の小さな6弁花を多数つけます。
 花期は夏。分布は日本各地。 Photo_2
オオスカシバ:
 紅紫の花の間をホバリングしながら次々と忙しく移動して吸蜜していたのはオオスカシバです。
 オオスカシバは翅が透明なガで、夏の日中によく活動します。成虫の前翅長は3cmほど。体の背中側は黄緑色で、腹側は白色。腹部の中ほどに赤い横帯模様があり、その前後に黒い帯模様もあります。また、腹部先端の左右には黒い毛の束があります。
 様々な花を訪れ、ホバリングしながら蜜を吸います。ただしオオスカシバの口吻は2cmほどで、それ以上深い構造をもつ花からは蜜を吸うことができません。
 出現時期は年に1~2回、夏。分布は本州以南。

 
ヒメギス
 湿原に生えた葦に止まっていました。後肢が゙1本欠損していました。R0016228
 ヒメギスは水辺の草原などでジーと弱い声で鳴きます。体色は黒褐色で背面は鮮緑色(褐色の個体もいます)。前胸の側面後ろは白線状になっています。腹面は黒色です。
 分布:北海道中部以南・本州・四国・九州、体長:22~25mm、出現時期:6~8月。

                                   (続く)

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2011年9月 2日 (金)

ノブキ、ツリフネソウとキツリフネ、コバギボウシ、ミズヒキとキンミズヒキ、ゲンノショウコ

 姫川源流自然探勝園周りの林縁、草原で見かけた植物です。

●ノブキ:
 林縁にたくさん生えていました。小さな白色の頭花が目に付きました。
 ノブキは、日本各地で湿り気のある山道の脇や林縁などに普通に生える多年草です。
 葉がフキ(蕗)に似た腎円形なのでこの名前です。
 夏から秋にかけて花茎を形成し、順次花を咲かせるので、花と果実が同時に観察できます。
 小さな頭花は白色で、頭花の周辺部に雌花が、中心には雄花があります。
 今回はまだ時期が早いため、果実はほとんど分かりませんが、頭花周辺の雌花は稔ると棍棒状の果実ができ、また中心部の雄花は落下して、その跡が中心に白い点となって見えるようになります。
 果実には粘液を出す濃紫色の粘腺点があり、動物などに付着して種子を散布する粘着型の“引っ付き虫“になります。Photo_2

 
●ツリフネソウとキツリフネ:
 ツリフネソウ、キツリフネいずれも1年生草本植物で、低地の水辺から山地の谷あい、また林縁など、湿り気のある半日陰地に生育しています。
 両者は混生していることも多いようです。
 ツリフネソウの花の袋状の部分は3個の萼(がく)片の1個が変化したもので、基部は渦巻き状の「距」になっています。ここに蜜をためてマルハナバチのような舌の長い花粉を運ぶ昆虫を呼び寄せています。
  キツリフネの花も一見ツリフネソウによく似ていますが、「距」は渦を巻かず(今回その様子示す写真はありません)、単に下方に垂れ下がるだけです。
 またツリフネソウは葉の上で花を付けるのに対して、キツリフネは葉の下に花があります。 葉の形は、ツリフネソウは先がとがった菱状楕円形で細かく鋭い鋸歯があるのに対して、キツリフネは長楕円形で、ツリフネソウのようにはとがらず、鋸歯も粗い等の差が見られます。
 いずれも草丈は50cmほどになり、花期は夏から秋です。
 分布は日本各地。Photo_3

 
●コバギボウシ(ユリ科ギボウシ属):
 林間の湿った草原に咲いていました。湿原に生育する多年生の草本で、高さ50cmほどになります。
 夏の湿原を彩る植物の1つで、紫色の花をつけます。
 葉は小型のさじ型です。葉身は長さ10~20cm、幅5~8cm。
 なお、秋に稔った翼を持つ種が茎の上部に長く残り、風で散布されるのを待っています。
 花期は7~8月、分布は本州から九州。R0016176_3

 
●ミズヒキとキンミズヒキ:
 ミズヒキ(水引)は、タデ科の多年草で、花をつけた花茎が慶事用の紅白・金銀糸の水引に見立てられての名前です。
 花後あちこちに種を飛ばして、どんどん増える丈夫な野草です。  
 キンミズヒキ(金水引)は、花の色も形も全く違うバラ科の多年草です。
 山野の道端を好み繁殖力は旺盛で草叢になります。
 葉の形がキジムシロに似ています。
 8月頃に花茎を伸ばし、小さいながら黄色の5弁花をつけて良く目立ちますが、ミズヒキのように一斉には開花せず、下から順々に開いていきます。
 一つの花は数日の命です。Photo_4

 
●ゲンノショウコ:
 草原に咲いていました。フウロソウ科の多年草で、ドクダミ、センブリなどと共に、下痢止めや胃腸薬として親しまれてきた民間薬草の一つです。
 茎は約30cmに伸び、葉は掌状に分かれます。
 夏期に5弁花を開きますが、東日本では白紫の花が多く、西日本では紅紫色の花が一般的なようです。Photo_5

                    (続く)

 

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2011年9月 1日 (木)

オオハナウドとアカハナカミキリ、サカハチチョウ、そしてナガミノツルキケマン

 9月がスタート。台風の季節。早速やってきましたが・・・ 。秋草が咲き乱れ山野はさまざまの色に彩られ”花野”になる季節が巡ってきたのですが、順調にそうなっていくでしょうか。

 さて、続きです。
 8月中旬過ぎの姫川源流自然探勝園へ辿る林縁にはオオハナウドがたくさん生えていました。

オオハナウド:
 セリ科ハナウド属の多年草で、茎の高さは1.5~2m。茎は太く中空で、直立して上部は分枝します。
 根出葉や茎の下方から出る葉は長い柄をもち、3出葉で5小葉を出し、小葉には鋭い裂片や鋸歯があります。
 茎頂か、分枝した先端に大型の複散形花序をつけます。P8180001_8

 
 花は白色の5弁花で、外側の1花弁が大きく、2深裂し、左右相称花となっています。P8180001_9
 花期には地域差があり5~9月。分布は北海道、本州近畿地方以北。

 
アカハナカミキリ(カミキリムシ科):
 オオハナウドの花にアカハナカミキリが来ていました。体長12~22ミリ。ピンぼけになりました。P81800017

 
サカハチチョウ(夏型):
 別のオオハナウドの株では、サカハチチョウが熱心に吸蜜していました。Photo
サカハチチョウ(逆八蝶):
 山地の渓流沿いや樹林周辺で見られる小型のタテハチョウ。5~6月頃現れる春型の翅は、濃茶色地に赤みがかった複雑な帯が見られますが、夏型は、やや翅の紋様が異なり、濃茶色地に白の一文字模様で、イチモンジチョウを小さくしたような感じです。
 地上によくとまり、白っぽい花にもよく集まります。幼虫の食草はコアカソ
大きさ:(前翅長)20~25mm、出現時期:4~5月、7~8月の2化性。分布:日本各地。

 
ナガミノツルキケマン(ケシ科 キケマン属):
 長い茎に緑がかった黄色の花が少しまばらな間隔で付いていました。よく見るとかわいい花で、姫川源流自然探勝園から湿原の遊歩道脇などで見る事ができました。New
 ナガミノツルキケマンは山地の林の中に生える1年草または越年草です。茎は1m以上にも長く伸び、這います。花は長さが約2cmですが、その長さの半分以上が距(きょ)です。
 花期:晩夏~初秋。
                                 (続く)

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