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2011年9月16日 (金)

水草:ヒメシロアサザ、ガガブタ、ヒシ、アサザ

 これまでも折に触れて繰り返し記事にしたもので、代わり映えしませんが、あらためて並べてみました。いずれも8月末までに撮影したものです。

 
ヒメシロアサザ:
 近郊の水田でごく希に観察できることがあります。ヒメシロアサザはミツガシワ科アサザ属の多年草で、湖沼やため池、水田などに生育する水草です。
 水田に繁殖して雑草となることもある一方で、個体数は減少傾向にあり、 環境省レッドリストでガガブタと共に絶滅危惧II類(UV)に指定されています。
 浮葉植物で、地下茎から茎を伸ばし、浮葉を1~3枚展開します。葉の長さは2~6cmで、同属のガガブタより少し小型です。
 花径(花冠)の大きさは5~8mm程度で、4~5裂する白い花弁をもった花を多数咲かせます。花弁の縁は細かく裂けています。
 花後たくさんの種が出来て水面に浮遊します。種子は長楕円形で、長さ3~5mm。ただし水田に生えた株も、稲刈り前には完全に除草され、稲刈り後は乾田化しますから、そのまま田んぼで生き延びることはまずありません。
 花期は7~9月。分布は本州(関東)、四国、九州。
 偶然見つけた一株を採取して屋外メダカ水槽に植えておくと、特別な管理(増えすぎを間引く以外)をしなくても、その後途絶えることなく毎年繁殖してきますから、確かに丈夫な”雑草”だとおもいます。
 アクアリウム用の水草としてホームセンターや、通信販売などで販売されていることがあります。Photo_5

 
ガガブタ:
 近隣都市公園の池に繁殖していました。ガガブタはミツガシワ科アサザ属の多年草で、湖沼やため池などあまり深くない止水域に生育する浮葉性、または抽水性の水草です。
 地下茎をのばして生長します。7~9月に花径1.5cmほどの白い5(~6)弁花を多数咲かせます。花弁の周辺は細かく裂けていて、一面に毛が生えたような見かけです。
 本州以西に分布しています。各地で生育環境変化により個体群が減少しているそうで、環境省レッドリストで準絶滅危惧(NT)に指定されています。
 花期は7~9月。分布は本州以西。Photo_6

 
ヒシ:
 近くの浅い溜め池に生えています。さして広くない池では生えすぎて、他の生態系に影響を与えるというので、刈り取りが行われています。
 ヒシは湖沼に生える最も普通な一年生の水草です。水の底に沈んだ種から茎を伸ばし、水面に葉を広げます。葉柄は膨らんで空気を含んでいて、浮き袋となっています。
 花径約1cmの白い小さな4弁花(1日花)が6月頃~晩夏まで咲き続けます。花後には水中に沈んで果実を形成します。
 秋に棘のある3~5cmの果実を付けます。果実には2本の鋭い棘があります。若い果実はそのままでも、成熟した果実は湯がくとクリのような味がして食べられます。
 ヒシの実は昔から親しまれてきましたが最近はそうでもないようです。
 花期は7~10月。分布は日本各地。
 なお、環境省のレッドデータリストには掲載されていませんが、都道府県によっては「要注目」カテゴリーに分類されているようです。201194

2

 
アサザ:
 オニバスが咲いていた地域で保護されていたコロニーです。葉の周辺にはうねっているような鋸歯があり、黄色い花弁の周辺には多数の細かい裂け目がある5弁花をつけて、旺盛な生育ぶりでした。
 アサザはミツガシワ科アサザ属の多年草で、水底に匍匐茎を伸ばし、節から根と葉を出して、夏から秋にかけて花径3~4cmで黄色の花を咲かせ、分布域を広げていきます。
 生育環境条件さえ適当であればやはり繁殖力は大きいのではと感じました。アサザも生育環境変化に伴って少なくなった水草の1つですが、各地で保護活動も行われていて、現在準絶滅危惧(NT)に指定されています。
 花期は6~9月。分布は本州、九州。Photo_7

 生育環境さえ適切であれば、いずれも困るほど増える繁殖力は本体備わっているようですが、人間業には勝てないところもあるようですね。

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コメント

 図鑑にはガガブタ(鏡蓋)と漢字が書いてあって、葉が鏡のように光り、水面にフタをするように見えるからという説もある、とありますが、誰かが後でこじつけたのでしょうね。
 余談ですが、いま田んぼ道は雑草の「タカサブロウ」こちらは在来種で、いま当地にはびこっているのはやはり外来種の、「アメリカタカサブロウ」ですが、漢字で「高三郎」と当てられていますが、その由来ははっきりしない、と解説があって、こちらがホントなのでしょうね。
 植物は動かず逃げないので、暇つぶしには一番いいです。

投稿: クロメダカ | 2011年9月16日 (金) 20時33分

ガガブタという名前の由来はなんでしょうね。
人間が勝手に名前つけているだけなのですがそれにしてねガガブタなんて^ ^

ヒシ・・・・うちのブログでも以前upしましたがヒシの実の若いのができていました。がその写真だけがボケがひどくてとても載せられないのが残念です。

クロメダカさん、それにしても昆虫から植物にいたるまでとてもお詳しいですね!

投稿: kin | 2011年9月16日 (金) 19時48分

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