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2011年11月26日 (土)

ツチイナゴとコバネイナゴ

 例年より遅れて調節池周辺の堤防や広い草原の除草作業が始まりました。それまで草叢にいたバッタたちは、いきなり住みかを追われ、同時に、命も奪われたことでしょう。
 その大半は刈り取られて細切断された草と共に除草機械のキャタピラーで押しつぶされたようですが、難を免れて飛びだしたものは隠れるところがなく、めざとく集まってきたカラスの群れの餌食です。
 ツチイナゴも、普段はまず目にすることがありませんが、折しも、何匹かが、草の上にじっとしているのに出会いました。
 保護色のためすぐには気づかず、一度、目の前から飛んだのを追いかけて写真撮りです。Photo_2

 
  このお方は、翅の中程にお怪我をされているようでした。R0019143

 
 そこで無傷のもうお一方を、つかまえて、涙目と馬面のお顔写真を撮らせていただきました。Photo_3

 
 涙目のワケを聞くと、「愛媛の真穴のみかん」園で安心して暮らしている仲間」と較べて、この惨状が情けない、ということでした。彼の地の住人は美味しい真穴のみかん、食べ放題なのでしょうか。
R0019129_2

  日本のバッタ仲間では唯一、成虫で冬越ししなくてはならないのです。棲む場所を失ってどうしようという嘆きなのでした。かわいそうです。

 ツチイナゴ(バッタ科ツチイナゴ亜科)は、淡い土色をした大きさ♂50~55mm、♀50~70mmで、草原に棲んでいるバッタです。 
 目の下の模様が、涙を流しているようにも見えます。幼虫は、成虫と違って、体色は緑色ですが、目は成虫と同じく やっぱり涙目模様です。
 成虫の体色は成虫期の大半を過ごす冬季が枯れ草ばかりの環境なので、保護色となるからだろうと考えられています。
 日本に分布するバッタ類はほとんど卵で越冬しますが、ツチイナゴは生活史がちょうど半年分逆転していて、成虫は秋口から現れはじめ、冬にはそのまま草原の枯れ草の下などで越冬します。分布は本州・四国・九州。

 
 こちらさんは同じ境遇のコバネイナゴです。ヨシなどの生い茂った草原に、佃煮にできるほどたくさんいたのですが。R0019176

 この一族は、いずれにせよ、ほどなく生涯を閉じます。佃煮になりかかったような体の色になって震えていました。自然のオキテで、成虫は春になっても起きてきません。

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コメント

 さちさん、お忙しいのにコメントありがとうございます。普段昆虫は素手でつかまえたりしないのですが、やむなく掴まえてみて、後脚の力の強さに感心しました。それは命がけで逃げようと蹴るのですから。

投稿: クロメダカ | 2011年11月27日 (日) 08時11分

まあ、クロメダカさん楽しい記事をありがとうございます。
といってもキャタピラで怪我をしたツチイナゴたちはかわいそうでしたね。
真正面から見たツチイナゴのお顔のなんてあどけない事(o^-^o)

投稿: さち | 2011年11月27日 (日) 06時30分

 今日はいいお天気で、草刈りが終わった堤防で、袋を片手に持ったオジサンが、動きの鈍くなったイナゴを手づかみにして袋に入れていました。いまどきめずらしいです。
 子供の頃には、紙袋を持ってイナゴ取りに稲田に行ったものでしたが。イナゴライダーパンク、時代は変わりましたねえ。シミジミ。

投稿: クロメダカ | 2011年11月26日 (土) 14時18分

先日アップされた「バッタ・イナゴ」の後の事、テレビを見ていたら、東北地方の農村でイナゴ獲りを放映していて、なんだか親しみを感じ見続けてしまいました。
稲を沢山食べて丸々太り、佃煮にすべく姉さん被りの女性たちは手で1匹づつ捕まえていました。と、その後の映像・・・オートバイの横後に大きな網をつけて走り回り、爆音に驚いて飛び出るイナゴを一網打尽に捕獲していました。まさに、「イナゴライダー」ですが、パンクのロックグループ「175R(イナゴライダー)」とは、全く無関係です。
でも、あのイナゴライダー、砂利道を疾走してパンクしなけりゃいいのに・・・。(お粗末)

投稿: ハクナマタタ | 2011年11月26日 (土) 13時31分

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