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2012年4月20日 (金)

マルクビツチハンミョウ

 4月中旬、堤防整備工事が終わったばかりで、乾燥して滑りやすい裸地斜面を、一匹の濃紺色の金属光沢を持つ異形の甲虫が、前翅からはみだした大きくやわらかな腹部の重い体を引きずるようにヨタヨ登っているのに遭遇しました。
 体長およそ25mmほど。見つけたのは初めてです。

 翅が退化して飛ぶことが出来ず、背中がむき出しの「マルクビツチハンミョウ」という甲虫でした。(画像はクリックで拡大します)1r0021074

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 小粒の土塊があるとそれを抱え込んだままゴロリと転がったりして、何とも不様です。そしてしばらくそのまま動きません。3r0021094trmcc

 
 さわったり突っついたりすると,死んだマネ(擬死)をしてしばらく動かなくなるそうで、やったことはありませんが、同じ状況だったのでしょうか。(この際、触ると関節からにじみ出る体液に毒性分カンタリジンが含まれていて直接触れると危険だそうです。) 4r0021096

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 本種は、ツチハンミョウ科に属する有毒昆虫として、また地中に造られたハナバチ類の巣に寄生するためにギャンブラー的な生活史を有し、過変態するという特異な習性をもつ昆虫として知られ、『ファーブル昆虫記』にも登場しているそうです。
 そのギャンブラー生活ぶりはWikipediaで紹介されています。(→Wikipwdia:ツチハンミョウ、成長と過変態: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%81%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%9F%E3%83%A7%E3%82%A6

 ぶよぶよした腹部には数千個の卵を持ち、地中にまとめて産卵します。孵化した幼虫は付近の花に登り、蜜を集めに来たヒゲナガバチその他のハナバチ類にとりつき、地中にあるハナバチの巣穴に進入して寄生します。
 巣穴で卵を食べたあとも貯められた花粉と蜜を食べて成虫になり、早春から初夏にかけて出現します。
 ただ、このプロセスはそう簡単には運ばないため、たくさんの卵を産まなくてはならず、またそれまで鳥の餌にされないためにカンタリジンという猛毒をもって身を守っているのです。
 子孫の繁栄、将来はギャンブルにゆだねられているのです。何という生き方を選んだことでしょうか。
 成虫出現時期は3~6月、分布は日本各地。

※なお、この後(3年後の2015/4)再び観察した新しい記録記事がありますので、必要ならご覧下さい。

 なお,同じツチハンミョウ科のマメハンミョウは土中のイナゴの卵に寄生し、また同じように猛毒のカンタリジンを持っています。こちらは見かけるときはたいてい群れています。
 やはり特異な進化をしているのですね.

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参考図書:
 「但馬・楽音寺のウツギヒメハナバチ-その生態と保護」 
    前田泰生(著) 海游舎(2000/05)刊

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