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2012年4月13日 (金)

シロバナヒメオドリコソウ

 生えていたのは、所用で出かけた市街地の道路と電車線路の境界になっていて、雑草も少ないわずかな空き地。どうしてこんな所に、と思ったものです。

 通常のピンクの花の株に混じって、数本のシロバナの茎が目立ちました。茎の上部の葉も、普通種は赤紫色に色づきますが、シロバナの葉はアルビノで色素が脱落しているため、白緑っぽい感じです。1nc

 
 株元まで詳しくは観察しませんでしたが、茎は株元から分岐して立ち上がりますので、株数はごく少数だったものと思います。2r0020930

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 草姿には清楚な雰囲気がありました。なお、在来種のオドリコソウは、以前に山地で見かけたことがありますが、もはや都市部近郊ではほとんど見られなくなっています。
 余談ながらスミレや、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、オドリコソウの種子には「エライオソーム( (Elaiosome)脂肪酸、アミノ酸、糖からなる化学物質)」と呼ばれるものが付いていて、アリの大好物で、そのため種子はアリによってあちこちの巣穴へ運ばれていきます。
 そしてアリはエライオソームを食べた後でその残骸の種子をゴミとして巣穴から外へ捨ててしまいます。これが「アリ散布」と呼ばれる、道端の雑草が選んだ生き残り戦略の一つとしてよく知られています。
 このシロバナもそのおかげでここに根を下ろしたのでしょうか。

 ヒメオドリコソウ:
 ヨーロッパ原産の帰化植物、越年草で、オオイヌノフグリ、タンポポ、ホトケノザと並んで、春の野原を代表する花の一つ。通常、花色はピンクの唇形花です。
 そしてまれに、アルビノ個体が存在することが知られていて、シロバナヒメオドリコソウと呼ばれていますが、実際に見つけたのは今回が初めてです。
 近くの田んぼ道や堤防草地にはあちこちで群生していますが、そこでは今まで見たことがありませんでした。
 なお本種は除草剤などの農薬や肥料などの影響で花の色素が抜けるいわゆる”白化現象”を起こすことも知られていますが、そのような個体は上部の葉もクリーム色に変色したり、周辺の草と共にしおれたり枯れたりしているので、突然変異のアルビノ(白化)とは区別できます。
 通常、花の色は植物種の生存戦術(花粉媒介者(ポリネーター)誘引のためのシグナル形質の一つ)として意味づけられた固有の進化とされていますが、それを突然変えるということはどのような意味があるのでしょうか。
 多数派にならない事を見れば、あまり有利なことではないのかも。 

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