ヒトリシズカ
20年数年来、毎年庭木の根元で、いつの間にかひっそりと白いブラシのような清楚な花を付けているヒトリシズカ。
どうかすると見落として気づかず、花が終わり葉が大きく展開して目立つようになって初めて、存在に気がつくこともあるのです。
狭い庭で、根茎も地中を広く伸びることはなく、ずっとほとんど同じ位置で、はびこることなく、さりとて絶えることもなく、振り向いてくれと媚びることもなく、名前の通りの営みを続けています。
花を少し拡大してみました。白く長いのは雄しべの花糸で、3本ずつ合着しています。花糸の基部に葯がありますが、葯は3本の花糸のうち外側2本の基部にだけ付き、黄色い花粉が出ています。中央の花糸には付いていません。
また緑色の壷のようなものが雌しべで、その先端の白っぽい部分が柱頭です。
あまりのぞき込まないで、という風でもありましたが・・・
そして下旬、気がつくと、2日続いた雨の中で、もう花が終わって折れ曲がったように横を向いた花茎に、丸い果実が房状に実っていました。花も実も、一人静かに時を刻んでいきます。
ヒトリシズカ(センリョウ科):
林床の木陰に生える高さ15~20cmの多年草です。春に芽を出して生育し、晩秋に地上部が枯れて冬は地下の根茎で越冬します。
根茎は地中を横に走り、春にそこから芽を出し、たくさんの茎を直立させます。葉が完全に開ききる前、茎頂に穂状花序をつくり、ブラシ状の白い花を付けます。
白い糸状の部分は雄しべで、花びらや萼はありません。花穂は通常一本ですが、まれに2本つくことがあるそうです。
葉は楕円形で縁に鋸歯があり、茎を囲むように2枚ずつ付きますが、節間が短いため4枚が輪生する様に見えます。
花期は4~5月、分布は日本各地。
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