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2013年5月

2013年5月31日 (金)

セスジハネカクシの仲間

 薫風の5月が終わり、ことしは早かった梅雨のシーズンへと季節が巡っていきます。

 爽やかさの締めくくり記事にはふさわしくありませんが、成り行きで。
●セスジハネカクシの仲間(ハネカクシ科セスジハネカクシ亜科):
 アオバアリガタハネカクシの住んでいる同じところに、さらに小さくて、少し太めのアリに似た全身黒いものが居ました。
 撮った写真を見ると、体長は3ミリ前後で、胸部背の中央にスジ(溝)が見えましたが、両側の溝は今回写真では不明でしたので、セスジハネカクシの仲間としました。Blgr0034408

 
 近くに、白いゴミが付着したまま歩き回っているように見えた別の個体が居たので、シャーレに載せて撮ってみると、通常、短い前翅(鞘翅)に折りたたまれていて、飛ぶとき以外には外に出ない後翅の1枚が、何らかのトラブルでたたまれずにはみ出したままになっている個体でした。R0034473

R0034533

 ハネカクシは、ハネカクシ科 (Staphylinidae) に属する昆虫の総称です。前翅(鞘翅)が小さく、ここに大きな後翅を細かく折りたたんで隠しているように見えるものが多いことから、この名がついています。
 前翅(鞘翅)は短いものが多く、体長1mm未満の小さなものから、数cm※の大きさのものまでいて、大部分は2mm~8mm程度ですが、種数、生態ともに極めて多様性の高いグループで、分類学的な研究はこれから、という分野だそうです。

※以前に、仲間のキンボシハネカクシ(大きさ2cmほど)が我が家に飛んできたことがあります。     
 写真再掲(2009.6.20掲載記事)2009620 2009620_5

 先日も庭の雑草に少し大きな(1cmほど)細身の黒いハバチのような昆虫が飛んできて、とまった瞬間、ハネは(見え)無く、アレ!と思った瞬間、ポタッと地面に降りて物陰に隠れてしまい、写真には撮れませんでした。
 多分ハネカクシの仲間だったと思います。確かにそれほど珍しい昆虫では無いように思います。

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2013年5月30日 (木)

アオバアリガタハネカクシ②

 アオバアリガタハネカクシです。地表の物陰をつたい歩くのを追っかけてもなかなか全身を撮るのが難しかったので、シャーレに載ってもらって撮り直しました。
 もちろん素手で触れるようなことはいたしません。
 (画像はクリックで拡大します)20r0034183 21 22 23 7mm

 いそがしく動き回り時々止まりますが、ハネを出すことも、飛んで逃げる、ということも観察しませんでした。

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2013年5月29日 (水)

アオバアリガタハネカクシ①

●アオバアリガタハネカクシ(青羽蟻型羽隠)(ハネカクシ科):
 ノミバッタ、ヒシバッタ類が生息している湿った草地で見かけられます。同じ環境に他種のハネカクシも住んでいます。
 本種は体長7mmほど。触角は11節の糸状で、頭部はアリに似て黒く、胸部は橙色、前翅(鞘翅)は藍色で小さく、ここに大きな後翅を細かく折りたたんで隠しているように見えるのでこの名前。
 腹部は橙色、そして末端部が黒色という特徴的な色彩をもった甲虫です。
 明るい日射しの下に物陰を伝い歩きしていても、光を受けると目立つ体色のせいで、少数でも目につきやすいです。
R00338072R00338073R00338084R00338195R00338071_1

 アオバアリガタハネカクシは、水田、池沼の付近など、湿気があり開けた場所で、背丈の低い雑草が生えていたり、また枯れ草や落草、朽木や石の下などの隠れ場所があったりする地表に生息しています。
 日中でも、物陰を伝いながら素早く歩き回って餌を探しています。
 昔は衛生害虫として著名なものの一つだったようで、分泌されたり、潰したりした体液に触れると、体液に含まれるペデリンという強い毒物質のためにひどい炎症を起こすことで知られ、敬遠されていました。
 近年はあまり話題になりませんが、夏季には灯火に飛んできて家の中にまで入ることがあるので要注意です。
 食性はウンカやヨコバイなどを好んで捕食するなど、基本的には肉食ですが、植物性のものも食べる雑食性でもあるようです。
 出現時期は4~11月(成虫越冬)、分布は日本各地。

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2013年5月28日 (火)

ハネナガヒシバッタ

ハネナガヒシバッタ:
 ハラヒシバッタと同じ、湿り気のある草地や湿地の裸地表に生息しています。同じ場所/日時に撮ったものです。
 体長は♂8mm、♀13mm位で、雌の方が大きいです。

●図鑑よれば、胸背面にショール風の帯模様があるのがオス。紋様にはかなり個体差がありました。Photo_5

 
●メスと思われる個体。
Photo_6

 
●雌雄1Photo_7

 
●雌雄2Photo_8

 ハネナガヒシバッタの体型は、ずんぐりしたヒシバッタに較べて細身で、体色は暗褐色~暗灰緑色のものが良く目につきました。
 名前のように翅が長いヒシバッタの仲間で、発達した後翅でよく飛ぶことが出来ます。
 また横から見ると頭が上方へせり出していて、さらに複眼が上に飛び出しているのが特徴です。
 (なお、後述※のように外観がよく似た仲間が居ますが、今回はいずれもハネナガヒシバッタとしました。)
 食べ物は地表の 微小な藻類やコケ植物など。
 天敵は小型カマキリ類、徘徊性クモ類、造網性クモ類など。成虫で越冬します。
 出現時期は3~11月。分布は本州、四国、九州。

※飛び出た複眼と長い翅など、ハネナガヒシバッタと外観がよく似た仲間に「トゲヒシバッタ」と「ニセハネナガヒシバッタ」がいますが、生息環境や習性は同じです。
 ・トゲヒシバッタは名前のように胸の両側にトゲがあることで(トゲの無い)ハネナガヒシバッタと識別できます。
 ・ニセハネナガヒシバッタは、ハネナガヒシバッタに較べて、複眼が触角の生え際より上にあること、さらに中肢腿節の下面にある毛が粗い(ハネナガヒシバッタ)、密な(ニセハネナガヒシバッタ)で区別できるそうですが、識別ポイント(真横/水平位置から)のアングルで撮影した鮮明な画像がなければ、難しそうです。

 今回はすべて(上から)見下ろすアングルの画像しか撮れませんでしたが、上記を参照して、撮れた画像のうちの1枚から、少し無理がありますが、すべてハネナガヒシバッタとしました。Blgr0033525

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2013年5月27日 (月)

ハラヒシバッタ(ヒシバッタ)

ハラヒシバッタ(別名ヒシバッタ)(ヒシバッタ科):
 地表にコケや藻類などが生える湿り気があり、適当な隠れ場所もある開けた草地などに、他の小昆虫と一緒に住んでいます。Nc

 
 せいぜい数平方メートルほどの地面で、腰を下ろして、移動しながら目についたものを順に撮ったもので、一応ぜんぶ別の個体(のつもり)です。Photo

 
 近寄るとぴょんと跳ねて視界から消えてどこに行ったか分かりませんので、撮影場所を移動して撮っても別個体という保証になりません。Photo_2

 
 雌雄の区別など、知識がないので分かりません。
 パソコン画面で拡大してみて1枚だけ交尾中?らしきペアが写っているのに気がつきました。(4枚目)Photo_3

 それほど現場では見えにくいこともあります。

 数年前、偶然に気づいて、初めて見た時はどんなにか珍しい昆虫と思ったのですが、実はどこにでも普通にいて、しかし、注意して見ないと背景色にとけ込んで気がつかないだけのバッタでした。
 体長♂6~10mm、♀8~12mmと雌の方が大きく、ずんぐりした体型で、上から見ると菱形です。
 翅は退化して小さく(長短の個体差があるそうですが)飛べません。代わりに強力な後脚で跳びはねます。
 個体の色彩や背部の斑紋には顕著な変異がみられます。Photo_4

 食べ物は地表の 微小な藻類やコケ植物など。天敵は小型カマキリ類、徘徊性クモ類、造網性クモ類など。
 成虫で越冬します。出現時期は3~11月、分布は日本各地。

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2013年5月26日 (日)

ノミバッタ

ノミバッタ(ノミバッタ科):
 日本のバッタ仲間では最小。
 日の当たる池端で湿気のある草地や裸地などで、ウンカや小さなヒシバッタまたハネカクシなどの小昆虫がそれぞれのライフスタイルで活動している中に見つけることができます。Photo

 
 また以前に自宅駐車場の片隅で、わずかなコケが生えた窪みなどにも見つけていましたので、こちらもご覧下さい。
 地表面の背景にとけ込んでいて、そこにいると思って注視しないと見えないことが多く、通常は人目にはつかない存在ですが、珍しい昆虫ではありません。Photo_2

 
 全身光沢のある黒褐色で、大きさ5mmほどの小さなバッタ。頭部から胸部にかけての形態はSFに登場するような変わった姿で、バッタよりもケラに似ています。Photo_3

 
 後肢が特別に発達していて強力な跳躍力を持っていますが、歩行する際には後肢は折り畳んだままで歩行に使うことはなく、土を掘るのに特化した短い前肢と長い中肢でチョコチョコと歩いています。Photo_4

 
 湿地表面に生える藻類苔類など植物を食べています。野菜を囓ることもありました。(こちらの記事に短い動画を掲載しています。)
 成虫で越冬します。Photo_5

 出現時期は3~11月、分布は日本各地。

 余談:
 ノミバッタは、地表を徘徊しているクモやアリなどに襲われたりするようですが、それら外敵に対して忌避効果を持つ化学防衛物質として「サリチルアルデヒド」を、腹部第2節の外分泌腺から分泌している、という報告もありました。 
 ※  http://ci.nii.ac.jp/naid/110001084875 

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2013年5月25日 (土)

ナガメ、コガタツチカメムシ、スカシヒメヘリカメムシ、クロウリハムシ、コメツキムシ

 5月、身近な環境で見かけた、ありふれた昆虫です。 

●ナガメ(カメムシ科):
 名前の通り、菜の花(アブラナ科)に群がっている、普通に見られるカメムシです。R0033021

 
●コガタツチカメムシ(ツチカメムシ科):
 庭先の地面を這っていました。大きさ6mmほどの艶光りする黒色で、見かけは寸詰まりのゴキブリのようで、肢もトゲトゲです。
 撮りにくいアングルの地面をチョコチョコ這っていて、何回撮り直してもピンぼけになりました。
 地表の落ち葉の下など物陰を歩き回っていてあまり人目につくことはありません。
 分布は本州、四国、九州。R00342935mm

 
●スカシヒメヘリカメムシ(ヒメヘリカメムシ科):
 ツメクサにとまっていました。絵合わせでスカシヒメヘリカメムシとしました。体長6mmほどのカメムシです。
 草原や荒地、畑地、河原などでイネ科、マメ科、キク科などの植物の葉や茎から汁を吸っています。
 翅は透明で、体色は個体によって黄褐色、褐色、赤褐色、黒褐色など変化に富んでいます。R0033556

 
●クロウリハムシ(ハムシ科)
 庭に飛んできました。大きさ 6~7mmで頭部と胸は橙色、上翅と脚は黒いハムシです。
 林縁、草原、畑地、また人家周辺などどこにでも見かけられる普通種。特にカラスウリ類の葉を好んで食べ、ダイズやシソなども食べます。
 出現時期は4~9月、分布は本州、四国、九州。Photo_12

 
●コメツキムシの仲間(コメツキムシ科):
 林下に生えた雑草のイラクサの葉上にいました。やや大型で20mmほどでした。少しふれるとパチンと跳ねて地面に落ち、草むらに消えていきました。
 全身黒色のコメツキムシの仲間ですが、名前は分かりませんでした。20mm

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2013年5月24日 (金)

ウワバミソウ(別名ミズ/ミズナ)

ウワバミソウ(蟒蛇草)(イラクサ科):
 日射しが林床まで届かず薄暗い山地の杉林に群生していたウワバミソウです。
 目立たない黄緑色のつぼみの塊が葉腋から出ていて、何やら白いものも見えたのでとりあえず撮ってきたもの。
 本種は雌雄異株で、今回撮った株は(パソコンで拡大して確認できたのですが)短い柄のある花序だったので雄株とわかりました。
 わずか数輪ですが、小さな淡緑白色の雄花が開花していました。R0034358_1 R0034358_2

 
 葉腋から出た花序に短い柄が確認できた雄株。R0034358_3

 
 開花した雄花です。花の感じはカテンソウに似ています。Photo_11

 ウワバミ(大蛇)の出そうな薄暗い山地の湿ったところに群生する、というのが名前の由来だそうです。
 地方によっては昔から山菜の“ミズ”とか”ミズナ”などと呼ばれ、軟らかくみずみずしい茎の部分と、秋に出来るムカゴはどんな料理にでも合う万能山菜として賞味されていて、産地では通信販売などもされているようです。

ウワバミソウ:
 山地の湿った斜面に群生する雌雄異株の多年草。茎はみずみずしく、高さ30~40cm。
 葉はゆがんだ長楕円形で縁に粗い鋸歯があります。葉腋から花序が出ます。
 雄花序には短い柄がありますが、雌花序には柄がなく、葉脇に直接付いています。
 花色はほとんど白色。秋に茎の節がふくらんでムカゴ(珠芽)ができ、地に落ちて新苗をつくります。
 花期は4~9月。分布は日本各地。

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2013年5月23日 (木)

コハコベとウシハコベ

 除草剤が散布された畦道には雑草はほとんどありませんが、有機栽培地区の水田まわりには、ハコベ類など雑草が生えています。
 それでも、在来種のハコベ(ミドリハコベ)はなかなか見つけることが出来ず、庭に生えてくるのも外来種のコハコべばかりです。

●コハコベ(ナデシコ科ハコベ属の1年草)Photo_6

 
 雌しべの花柱は3本です。R00337193

 
●同じ環境に大柄なウシハコベ(ナデシコ科ハコベ属の多年草)も生えています。Photo_7

 
 ウシハコベの雌しべ花柱は5本です。R00337405

 両者共に5枚の花弁は基部まで深いV字形なので 、10枚のように見えます。

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2013年5月22日 (水)

キアゲハ、ヒメジャノメ、クロアゲハ、シオカラトンボ

 人為的に手が加えられて環境が変わった今シーズンの草原には、やはりチョウの姿が少ないようです。

●先日はじめて1頭のキアゲハを見かけました。小鳥に追いかけられた様子で後翅の一部に損傷がありました。P5066389_1 P5066389_2  

 
●ヒメジャノメ
 大分伸びた雑草の草むらで。
 日陰を選んでヒラヒラ飛んで、茂みの中にとまりました。今シーズンはじめて何とか撮れた1枚です。
 5~10月頃、開けた草地によく見られます。幼虫の食草はススキ、エノコログサ、イネなど。
 Blgcc

 
●このところ毎日のように、クロアゲハが宅地の通りに面したお庭を戸別訪問して通り過ぎて行きます。
 先日、ミカンの小苗木に降りてきて産卵していったところ。←(ピンぼけです。)
 しばらくしたら、孵化した幼虫によって若葉は葉脈だけにされるでしょう。  Blgr0034540

 
●シオカラトンボ:
 一匹だけ、田んぼの水面を遊弋しながら、時々畦道に降りて休憩していたもの。背景に紛れて見つけにくく、ピンぼけになりました。P5216611

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2013年5月21日 (火)

ウズラバタンポポなど5月の花

 狭い庭先に野草から園芸種まで、草木の花が開いて美しい5月もはや下旬に。その一部です。

●エビネ:
 園芸店で買った名前も不詳のエビネ。全く放置していても絶えることなく生えてくる丈夫なものばかり。
 なお余談ながら、花がきれいで芳香のある”名前の付いた”(少し高価だった)鉢植えのエビネは、少しお世話もしたのに、完全に消えてしまいました。余計なお世話だったようです。Photo

 
●シロバナサギゴケ(グランドカバーにしようと植えたら増えすぎて、大方を抜き取った後の宿根園芸種の生き残り)、そしてカラーPhoto_2

 
●ホタルカズラ、チョウジソウ(いただき物の園芸種)、丈夫なコバノタツナミ。Photo_3

 
●バラ: 
 ディンティ・ベス、ジュリア、そして、新しく作られた交配種。(というので植えた時は淡いピンクの花色で芳香がありましたが、その後、年ごとに花色が変わり、香りはありますがついに薄黄色になってしまい、切り花にして花瓶に挿していたらほとんど白くなったりして、今や何者なのか不明種。)Photo_10

 
●ウズラバタンポポ*、そしてツリバナ(2月末、地植えの樹を植え替えしましたが、活着できたようです)、そして雨の日、賑やかなミニバラ。Photo_9

 *ウズラバタンポポ(Hieracium maculatum )キク科・タンポポ亜科・ヤナギタンポポ属の多年草の一種。
 随分昔に知人から一鉢もらったものです。ヨーロッパ原産で、日本の一部で野生化しているそうです。
 ロゼット状に付いたへら形の葉には、紫黒色をしたウズラの卵のような斑紋があります。  
 4~7月、細長く伸びた茎先に疎らな総状花序を出し、タンポポに似た直径3~4cmほどの黄色い花をつけます。
 花後に綿毛の種ができます。放置すると近くにこぼれた種で増えて困るので、開花すると結実する前に花茎の根元から切除して処分しています。
 観葉植物としても流通しているようです。

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2013年5月20日 (月)

チュウサギ(2013/5)

チュウサギ(サギ科アオサギ属)
 早苗がそよぐ水田にやって来た白鷺。ゆっくり歩きながらド田んぼにいるドジョウや蛙、またアメリカザリガニなどの動きを見定めて、素早く捕捉していました。P5086474

 
 ひとしきり餌採りをした後は、畦にあがって食後の一休み。通常は近寄っていくとすぐに逃げるのに、珍しくそうはしないで、羽繕いに余念がありません。P5086500_2

 
 時期的に見ても、ダイサギではなく、チュウサギのようです。
 足は全体が黒く、夏羽で(ダイサギより短めの)嘴は黒色(冬羽の嘴は黄色)、背には繁殖期に現れるレースのような飾り羽根があり、眼先は少々緑色がかっています。
 口角(眼の下に入る切れ込み)が眼の真下で止まっています。P5086496 P5086506 P5086506

 稲刈り時期には集団でやって来ますが、それまではぽつぽつ。

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2013年5月19日 (日)

ユウマダラエダシャク、チャノコカクモンハマキ?、マエアカスカシノメイガ、イボタガ

 蛾も活躍する季節になりました。狭い庭に姿を見せた蛾3種と、出先の山地林縁沿い歩道で見かけた蛾1種です。
 画像はクリックで拡大します。蛾がお好きでない方には気持ち悪い画像がありますのでご注意を。

●ユウマダラエダシャク(シャクガ科):
 外構の壁に貼り付いていました。普通に見かけるガです。大きさ(開張)40~50mm。
 幼虫はニシキギ科のマサキ、コマユミなどの葉を食べます。
 なお、外観がよく似たヒメマダラエダシャクとクロマダラエダシャクがいますが、両者には前翅前端中央付近にある灰色紋の中に黒い輪状紋がありますので、(黒い輪状紋のない)本種と大方見分けられます。
 出現時期は5~6、8~10月、分布は日本各地。R0034418cc

 
●チャノコカクモンハマキ♀(ハマキガ科)?:
 ハクモクレンの葉にとまっていました。撮り直ししようと近づくと逃げられました。
 はじめは前翅に紋様はないように見えましたが、よく見るとうっすらと紋様らしきものが識別できて、そのパターンは絵合わせで、チャノコカクモンハマキ♀の前翅紋様に一番似ているようでした。
 ただ、本種は前翅の紋様に変異が多く、酷似する仲間もいて、区別が難しいハマキガの一種ということで、写真1枚では正しいかどうかは不明です。
 大きさ(開張)13~21mm。成虫出現時期は3~10月、分布は本州、,四国、,九州。
 なお幼虫の食餌植物は ツバキ科のチャなど。R0033842_1trm R0033842_2

 
●マエアカスカシノメイガ(ツトガ科):
 春先から庭のネズミモチ、キンモクセイの新芽が酷く食害されているのに気がつきました。
 以前はハマキムシ(ハマキガ幼虫)の被害が多かったのですが。
 そして先日、庭掃除中に、木の上から“落ちてきた”のがこの見覚えのあるマエアカスカシノメイガでした。
 半透明のハネですが、光を受ける角度によって透明感が極端に変わり、真上からフラッシュ撮影にすると、ほぼ真っ白く写ります。(写真上から3枚目)
 鱗粉の配列と内部構造に起因するのでしょうか。
※マエアカスカシノメイガ:
 大きさ(開張)30mmほど。半透明の白い翅を持ち、前翅の前縁に黄赤褐色の筋が入ったメイガの仲間です。
 平地・山地に普通に見られます。
 幼虫はネズミモチ、キンモクセイなど、庭木に用いられる樹木の葉を食べるので、人家周辺でも見られます。また灯火にもよく飛来します。
 出現時期は3~11月、分布は日本各地。Blg

 
●イボタガ(イボタガ科):
 出かけた先で、山地林縁沿いの歩道に“貼り付いている”のを撮ったものです。
 全く損傷のない個体で、鳥に襲われて逃げてきたりしたのではなさそうでしたが。
 蛾が嫌いな人なら一瞬ギョッとするような目玉模様の “気持ち悪く美しい”模様を持つ大型の蛾です。 
 大きさ(開張)10cmほど。特異な眼状紋があり、日本に生息するイボタガ科の仲間は本種のみで、日本固有種。
 分布は日本各地。成虫出現時期は春一回で3月末~4月。
 なお、幼虫の食草はモクセイ科のイボタノキ、キンモクセイ、トネリコ、ネズミモチなどの樹木の葉。
 初夏に土中に潜り、繭も蛹室も作らず、そのままやや赤味を帯びた黒い蛹になり、翌春に羽化するそうです。R0034348

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2013年5月18日 (土)

ネコノメソウ(開眼!)

 ネコノメソウについては過去何回か記事にしてきましたが、蒴果が開いて中の黒い種が名前のとおり「猫の目」に見立てられる状態で撮れたのははじめてです。
 近くではまず目にすることがありませんので、なかなかジャスト・タイミングという機会がなかったのです。
 本種は山野の湿地や谷間などに生える多年草で、分布は北海道、本州。花期は4~5月。
 なお、ネコノメソウの仲間は種類や地域的な変化が多く、開花後の変化も大きいことから区別は難しいそうです。

●参考再掲:
 今回とは全く別の地域で別の群落ですが、開花時期のネコノメソウです。蒴果が出来ていましたが、この時には割れた(開いた)ものは全く見つかりませんでした。41

 
●今回、出かけた先の富士山すそ野の山地で見かけたもの。山地に生えていたので「ヤマネコノメソウ」かも?
 蒴果が割れて、たくさんの黒く小さな粒状の種が見える群落がありました。
 よく見ると、開いた蒴果の底に少ししか残っていないものや、たくさん残っているものと色々でした。R0034337cc

R0034338cc

R0034339cctrm

 
 指先でつついて少し揺らすと、小さな種がこぼれ落ちました。R0034340cctrm

 乾燥して強風が吹いたり雨粒が当たったりすると、小さな種は簡単にこぼれ落ちて散布されるだろうと想像されます。

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2013年5月17日 (金)

オオヨシキリ

 ヨシが茂る池の端で釣りをしているおじさん達が、うるさくて困るという、大声のオオヨシキリです。
 いつもの聞き慣れた♪ギョギョシ、ギョギョシと仰々しいことですが、赤い口を見せて雌にアピールしているのですから大変なのです。P5106557 P5106566 P5106567l P5106572 P5106579

 巣作り、子育ての季節です。オオヨシキリの多くは一夫一妻ですが、時には1羽の雄が複数の奥さんを持つ例も観察されているそうです。

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2013年5月16日 (木)

セッカ

 晴れて少し風のある草原で。
 大きく伸びて、盛りを過ぎたセイヨウアブラナの花茎にとまり、折からの風で菜の花と一緒にゆらゆら揺れながら、ジャッジャッと鳴いたセッカです。
 なかなか写真を撮らせてくれない、スズメより小さい、そして大声のセッカですが、この時は珍しく、数十秒とどまって揺られていました。Photo1

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2013年5月15日 (水)

キジ

 散歩に行くと必ず草原のあちこちで「ケーン」という、雄キジが縄張り宣言をする大声が聞こえてきます。
 定量的な記録はありませんが、以前より見かける頻度が増えてきたように思います。
 舗装遊歩道やサッカー運動場周辺に広がる草むらを生活ゾーンにしているらしく、人気がなくなると遊歩道をゆっくり歩いていたり、運動場を横断したりしているのもよく見かけます。

 時には目の前にぬっと姿を現して双方がびっくりすることもあります。そんな場合でも、飛ぶのは苦手らしく、走って遠ざかっていきます。
 時速30kmは出せるそうです。P4186249

 
 この日も100mほど先の遊歩道をゆっくり横断して草むらに消えたのが見えました。
 そしてその方角の田んぼにもう一羽の雄キジの姿がチラと見えました。
 そのあとの出来事です。1c

Photo

Photo_2

 この間、雌キジの姿は近くには見当たりませんでした。遠くから成り行きを見定めていたのでしょうか。

 余談ながら、鳥の世界では「タンチョウ」のように一度つがいを形成するとそれを一生保ち続ける、一夫一婦制の鏡のような例をはじめとして、一度子育てを終えると次の繁殖期には新しい配偶者を求める種も含めて、一夫一婦制の種が9割以上と圧倒的に多いそうです。
 しかし中には一夫多妻の鳥(セッカやウグイスなど)や、キジのように雌が、複数の雄の縄張りの中に出入りして”乱婚”の可能性が高いといわれるような種もいて、チョウルイの婚姻形態は”レイチョウルイ”同様に”色々のようです。

 なおキジは「国鳥」で「狩猟鳥」です。今は食用目的の飼育もされていますが、食べたことはありません。

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2013年5月14日 (火)

カラスビシャク

カラスビシャク(烏柄杓)(サトイモ科):
 
 田んぼに面した道路脇斜面に、毎年の除草作業にも絶えることなく生えてくる多年草で、スギナと共に農家には駆除のやっかいな困った雑草です。
 3小葉の葉と、緑色の細い仏縁苞、そこから伸び上がった付属体が特徴で、その草姿はよく目立ちます。R0033096

 
 春から夏にかけて肉穂花序を立ち上げますが、花序はウラシマソウを細く小さくしたような姿をしていて、仏縁苞に包まれた花をつけます。R0033051

R0033054

 
 本種は雌雄同株/雌雄異花で、花は仏焔苞の中で咲きます。
 仏縁苞基部をちぎってみると、粒々で並んでいるのが雌花で、その上部から短い柄が出て、そのすぐ上にある筒状の白いのが雄花で、さらにひものように長く伸びているのが附属体で、仏炎苞から上に伸び出しています。3r

 本種は山地の道端や畑地などに自生しています。地下茎は球形で、その上から根と茎葉がのび出でます。
 葉は1~2枚ほどしかなく、長い葉柄があって立ち上がり、先端に3枚の小葉をつけます。葉柄の中ほどにはムカゴが出来ることがあります。

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2013年5月13日 (月)

シロツメクサ、アカツメクサ、ストロベリーキャンドル(ベニバナツメクサ)、ヤセウツボ

 今頃は、雑草の生える草地には、マメ科植物で、クローバーと総称される

●シロツメクサ:R0033001

 
●アカツメクサ:R0033004

 
●そしてベニバナツメクサ(ストロベリーキャンドル)が、今シーズン突如として蔓延ってきました。
 ストロベリーキャンドルはもともとは、クリムソン・クローバーとも呼ばれ、緑肥や牧草に良いとされて、昔から導入されていましたが、品種改良されて園芸品種としても流通しているそうです。Photo_2

 
●ヤセウツボ:
 それに合わせて、葉緑素を持たず、マメ科植物(他にもセリ科、キク科植物)に寄生するヤセウツボが随分目立つようになりました。
 クローバーの草むらから、にょきにょきと何となく薄気味の悪い姿で立ち上がっています。
 本種は外来生物法で要注意外来生物に指定されている侵入植物です*。Photo_3

*http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80370.html 
 すべてが人間活動のせいですから、良くも悪くも人の責任ですが。

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2013年5月12日 (日)

ムナグロ:旅鳥(2013/5)

ムナグロ(チドリ科):
 ゴールデンウイークも過ぎ去って、薫風に早苗がそよぐようになった近郊に広がる水田。
 今シーズンも、ムナグロの10数羽の小さな群れがやってくるようになりました。
 群れは水田に分散して降り立つと、千鳥の仲間がするように、チョコチョコッと歩いては立ち止まって水中の餌をついばんでいます。R0033865

 
 ひとしきり歩き回ると、畦に上がって小休止したり羽繕いしたりしています。2

 
 この時期、顔から腹が黒いのは夏羽の成長で、黄褐色で斑点が多いのは、どこかあどけなさも残る幼鳥のようです。子連れの一家だったのでしょうか。P5096522trmcc_3

P50965224

Photo 

 ムナグロは春と秋の渡りの時期に日本全国に飛来する旅鳥です。当地の上空を通過していくのは数羽から10数羽程度の小さな群れで、もちろん長居することはなく、しばらくの期間、順次、小さな群れが通過していって終わります。
 秋に通過する姿は数年来、目にしたことはありません。水田はすべて水が落とされて乾田化されているため、休息や採餌に向かないからでしょうか。
 食性は主に動物食で、水田の水生昆虫や甲殻類、地表にいる小昆虫類、またミミズなどを捕食しています。植物の種子をついばむこともあるそうです。
 大きさはムクドリと同じ位で全長24cm。雌雄同色です。
 成鳥夏羽は、顔から腹までの下部分が黒く、真っ黒い顔のどこに目があるのか”写真に写らない”こともあります。その上部に白い縁取りがあります。
 背面は黄褐色と黒褐色の斑模様になっています。なお成鳥の冬羽は、体下面は淡黄褐色で腹部は褐色がかった白色に。嘴は黒色。足は灰色みをおびた黒色。
 幼鳥は成鳥の冬羽と似ていますが、全体に黄褐色みが強く、斑点模様が密になっています。

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2013年5月11日 (土)

冬鳥から夏鳥へ

★冬鳥

●ヒドリガモ:
 3月下旬には、群れていた池から大半がいなくなりました。4月18日に少数が、また最終的に4月29日に移動の途中だったらしい少数のヒドリガモの姿を見たのが最後になりました。
 すべて北へ帰っていったようです。418429

 
●ダイサギ:
 当地では冬鳥ということのようです。もともと目にする数が少ないことと、夏鳥としてやってくるチュウサギとの見分けも難しい場合があったりします。
 ダイサギだろうと写真を撮った最後は4月14日でした。410

 
●ツグミ:
 田植えの準備で水田に水が張られるようになった4月末には、田んぼからはすっかり姿を消しました。もう北に帰ったのだろうと思っていたところ、5/9、少し離れた畑地で、ホッピングしながら採餌しているのを目にしました。
 まだ一部はうろうろしているようです。Blg20135bb59

 
●コサギ:
 確認したのはゴールデンウイークの5/4、そして翌5/5を最後に、暮らしていた池から姿が消えました。例年とほぼ同じタイミングです。5_2

 
★夏鳥

●コアジサシ:
 4月中旬くらいにはじめて姿を見たと思います。
 田植えが終わって”浅い水”をたたえた水田は、広くて見通しがきき、地上から近づくものは無く、安全上の心配がありません。
 それで、”短足”のコアジサシには格好の”水浴び場”に、そしてコンクリート製の”畦”が休憩用ベンチに快適らしく、常時20羽ほどの群れが集まっています。
 お腹がすくと、やかましい鳴き声を上げながら、すぐ近くの池に魚取りに飛んでいます。【撮影5/4】420201354

●常連の「セッカ」*、そして大声の「オオヨシキリ」も元気よく飛び回っています。「チュウサギ」も田んぼに降りてカエルを捕食しています。
 (*本州中部以南で留鳥とされていますが、足輪をつけて調査された結果「漂鳥」でもあるようです。当地では秋冬には移動するようで姿がありません。繁殖期になると草原にやって来ます。

 
●留鳥
 一番多いのはカルガモ。カルガモも田植え直後の水田に採餌のため入り込んで歩き回り、早苗の根元を踏み荒らすので農家には嫌われます。
 カワウは気まぐれにやって来て魚捕りをしています。またカワセミは年中飛んでいます。
 

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2013年5月10日 (金)

アトボシハムシ

アトボシハムシ(ハムシ科):
 晴れて夏日になった日中、薔薇の葉にとまって風に揺れていました。体長は5mmほどの小さなハムシの仲間です。
 パンパンに膨らんだ大きなお腹の♀です。ただ休んでいるだけの様子でした。
 (画像はクリックで拡大します。)R0033487_1

 
 頭部・胸部はオレンジ色で、上翅はクリーム色の地色に3個の大きな黒紋(星)があります。
 2個は翅の後寄りについています。それで後星ハムシと。R0033487_2

R0033487_3

R0033487_4

2r

 この紋様には個体差があるそうで、通常は3紋のものが多く、また前部中央の黒紋がなく、後よりの2紋だけの個体も普通に見られ、さらに全く無紋の個体もいるそうです。
 成虫はクロウリハムシ同様に、アマチャヅル、カラスウリなどの葉を食べるそうです。
 成虫で越冬します
 出現時期は4~6月、分布は日本各地。
 なおハムシの仲間には農作物を食害するものも多く、ウリハムシやイチゴハムシなどは、しばしば大量発生して被害をもたらす農業害虫です。

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2013年5月 9日 (木)

コガタルリハムシ

コガタルリハムシ(ハムシ科):
 特異な生活史*をもつハムシです。

 幼虫,成虫ともギシギシ類、タデ類を食べますが、特にギシギシ類を好むようで、.見かけるのはたいていギシギシに群がった姿です。

●ギシギシの葉に群がる幼虫(4/10撮影)。(もっとおぞましいほどの蚕食状態になった株がまわりにたくさんありました。)R0032544410

 
●成虫の体長は5~6mm。今回掲載のものはすべて腹部が小さいので♂のようでした。
 背面は光を受けると青藍色に輝いてきれいです。上翅には一部で列状の点刻があります。

 *最も普通に見かける、ギシギシを食べ荒らしているコガタルリハムシ。C

 
 *ホトケノザで休んでいた1匹のコガタルリハムシ。じっとして動きません。R0033591

 
 *披針形の葉の(表裏)両面に伏毛がびっしり生えたタデ科植物の葉を食べていたコガタルリハムシ。当分止みそうにない、食べては排泄、の繰り返し。Photo

2

 「越冬成虫」は3月下旬ごろ地中より這い出してきます。4月~6月上旬の繁殖期には♀のお腹は、♂の倍以上に卵で膨らんでいて、草地のギシギシやスイバの葉の裏に卵をかためて産みつけます

 葉に産み付けられた卵から孵化した幼虫もギシギシなどの葉を食べて成長しますが、充分成長(20日くらい)すると土中に潜って蛹になります。
 約1週間で羽化した新成虫は、(5月初旬~6月上旬の間に)1週間ほど地上で活動した後、再び土の中に潜って夏眠、さらにそのまま成虫休眠越冬します。
 そして翌年の春、休眠から覚醒した成虫は地上に出て交尾、産卵して一生を終えるという、きわめてユニークな生活史をもっています。
(*http://www.iwate-u.ac.jp/coe/achievements/2005/fujita.pdf)
 (ハイパーリンクはしていません。ご覧になるにはURLをコピーし、ブラウザに貼り付けてアクセスして下さい) 

 このような生活史のコガタルリハムシ成虫は、ちょうど今頃からしばらくの間が、地上生活の最も輝いている時のようです。
 分布は日本各地。

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2013年5月 8日 (水)

2013/4下旬の山地で(アカヤシオ、コバイケイソウ、ヤマトリカブト、ヤマウルシ冬芽、カワラタケ)

4月下旬、標高1,200mほどの山地はまだ遅い春模様で、芽生えが始まったばかりの植物も多く見られました。
それらのいくつかです。

アカヤシオ
 今年はやや開花が遅いらしく、まだつぼみの状態の株がほとんどでした。大分探して数輪の開花が見つかりました。
 満開の花時は見事です。
 本種は山地の岩場に生える高さ3~4mの落葉低木。枝はよく分枝し、葉は楕円形でやや硬く、枝先に5枚輪生します。葉の展開よりも先に濃桃色の花が咲いて、大変美しいです。
 自然分布は本州(福島県以西)・四国・九州。1

 
コバイケイソウ(芽生え):
 芽生えのこの時期には、食べて美味しいオオバギボウシ(食用に栽培されてウルイの名前で販売もされています)に見かけが似ていますので、かつての“山菜ブーム”と言われた頃には、誤食して重篤な中毒症状を起こしたケースもありました。(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/higher_06.html
 昨今は、山野の自生植物をとるのは写真だけにして、とって食べることはされなくなりました。
 分布は北海道~本州中部地方以北。2

 
●ヤマトリカブト(芽生え):
 トリカブトは平地や山地に自生するキンポウゲ科の多年草です。トリカブトが有毒であることを知らない人はいませんが、同じキンポウゲ科の植物で、春先、山菜として食べられるニリンソウ、モミジガサ、ゲンノショウコなどの若芽や若葉の外観が、同時期のトリカブトの芽生えと似ているため、誤って食べて中毒事故が起きていました。(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/higher_15.html) 
 分布は日本各地。3

 
ヤマウルシ・冬芽と葉痕、維管束痕
 芽吹きはまだ始まらないで冬芽のままでした。冬芽は裸芽で、褐色の毛に覆われています。側芽は小さな球形です。
 葉痕はハート形、維管束痕はV字形に並んでいます。4r0033182_3

 ヤマウルシ(ウルシ科)はヌルデに類似していますが、枝に翼がなく、毛が多いので見分けがつきます。
 樹高は3~8mほどになる落葉低木で、雌雄異株です。
 花期は5~6月、秋に結実します。分布は日本各地。

 
●カワラタケ(タマチョレイタケ科):
 林内の倒木に生えていました。まだほとんど白いものから美しい群青色になった群生がありましたが、白いものは幼菌でしょうか。
 本種は白色腐朽菌の1種で、広葉樹の切り株や倒木などに、瓦が重なるように幾重にも発生します。カサは直径1~5cmほどの小型で薄く皮質で、とても丈夫です。
 柄はなく、扇形のカサが枯れ木から直接出ています。色は黒色、褐色、濃青色、黄色など変化に富み、切り株の年輪のような同心円の模様が出来ています。
 発生時期は主に春~秋。分布は日本各地。43r

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2013年5月 7日 (火)

ツバメシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ

 シロツメクサカラスノエンドウ、スズメノエンドウギシギシ、スイバ、等々、ありふれた雑草が生える草原や堤防には、春先から晩秋までシジミチョウの仲間が飛んでいます。

ツバメシジミ(シジミチョウ科):
 明るい原っぱで地面近くをチラチラ飛んでいる普通に見られる白っぽいチョウ。
 大きさ (前翅長)15mmほど。灰色がかった白色の後翅裏面には、オレンジ色の紋があります。
 翅の表面が青紫色のものは♂、黒いのは♀です。本種の特徴で、後翅にあるごく小さな翅のしっぽ(尾状突起)にちなんで“ツバメ”の名がついています。
 出現時期は3~10月。多化性で、年4~5回発生します。
 幼虫の草食はシロツメクサやカラスノエンドウなどのマメ科の植物です。越冬は幼虫で。
 分布は日本各地。(写真は♂、クリックで拡大します。)P4186246_4

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ヤマトシジミ(シジミチョウ科):
 カタバミの生えるところでもっとも普通に見られるチョウのひとつ。大きさ(前翅長)は13mmほど。
 翅の表面が、明るい水色は♂で、黒いのは♀。裏面には灰褐色地に黒い点々の固有の斑紋があります。
 出現時期は3~11月。多化性で、年5~6回、春から秋まで発生します。
 幼虫の食草はカタバミです。越冬は蛹。
 分布は本州以南。
 (写真は♂、下段2枚はそれぞれ別個体で、最下段は♀。)R0033028_3

5r

 
●ベニシジミ(シジミチョウ科ベニシジミ属):
 日当たりの良い草原で普通に見かける紅色のシジミチョウ。大きさ(前翅長)は16mmほど。
 春先に発生する個体(春型)は赤橙色の部分が鮮やかですが、夏に発生する成虫(夏型)は黒褐色部分が太く、黒い斑点も大粒になるなど全体に黒っぽい感じになります。
 出現時期は3~11月。多化性で、年3~5回ほど、春から秋まで発生します。
 幼虫の食草はスイバ、ギシギシなどのタデ科植物。越冬は幼虫で。
 分布は日本各地。R0032949

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2013年5月 6日 (月)

ブドウトリバ

ブドウトリバ(トリバガ科):
 小物です。(画像はクリックで拡大します)。
 四月下旬(写真上)と5月初め(下)、ふらりとやってきて、外構の壁にとまっていたり、R0033059

 
 折からの風に煽られながら金属板にとまっていたりする、おなじみの小さな”ボロ着をつけた珍妙な”蛾の仲間。52r0033258_1

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 大きさ(開張)は15mmほど。(成虫は)花の蜜を吸っています。
 出現時期は3~11月、分布は本州、四国、九州。

 なお幼虫の食草はブドウの葉(近くにぶどう園があります)や散歩道に生えてくるブドウ科雑草のエビヅル、ノブドウ、ヤブカラシの葉や花など。
 (写真は早くもはびこるノブドウ)R0033371

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2013年5月 5日 (日)

ヒメイチゲ

ヒメイチゲ(キンポウゲ科):

 4月下旬の山地湿原で、林縁や開けた明るい林内/林床に点々と生えているのを見つけました。
 イチリンソウ属の中でも“姫”の名前のとおり小さくて、落ち葉や他の植物に埋もれてしまうようで目立ちません。. 
 最初に一株だけ足元にある白い小さな花に気がつきました。あらためて立ち止まってあたりを見渡すと、点々と白い小さな花があることに気がついたものです。R0033164_1

 
 本種は山地の林縁に生育する多年草です。根茎が横に這い周囲に広がっていきます。
 花茎の高さは5~10cm。総包葉の中から2cmほどの花柄が出てその先に花茎1cmほどの白い花が1個つきます。R0033164_2

R0033164_3

 
 花には花弁はなく、長さ7mmほどの白色花弁状のものはがく片で、5~6枚あります。R0033164_5

 花期は4月下旬~6月下旬、分布は北海道、本州の近畿地方以北。

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2013年5月 4日 (土)

ツマグロヒョウモン第1化成虫

 ツマグロヒョウモンは1年間に数回成虫が羽化する「多化性の蝶」で、地域にもよりますが成虫は4~11月頃まで見られ、その間4~5回発生します。
 
 冬は幼虫や蛹で越冬します。
 幼虫はスミレ類を食草とし、野生のスミレ類のみならず園芸種のパンジ^ーやビオラなども食荒らしますので、園芸を趣味にしている人には嫌われます。
 ひとしきり食害すると地面に降りて、住宅地の道路を横断して他のスミレ類を求めて移動し、また終齢(5齢)幼虫は体長30mmほどで、黒い体に赤い筋があり、トゲだらけの毒虫風の見かけも悪くて一層嫌われることになります。
 実際には毒はなく、刺されることもありません。
 時にはご近所で、花好きのオバさんが、また毒虫が出た、と割り箸でつまんで駆除してるのを見かけたりします。

 前置きが長くなりましたが、今シーズン第1化の成虫の記録です。

 去る3/26、道端に生えた野生スミレの株元に、終齢幼虫とおぼしき幼虫を複数見かけていました。(写真再掲)R0032054

 
 そして4/7、我が家の野生スミレが生えたプランターの竹串に蛹が1匹ぶら下がっているのを見つけました。(上記の幼虫と直接の関連はありません。)(写真再掲)R0032454

 何時、蛹になったのかは分かりません。
 それを軒下において時々観察していたところ、5/2の午後、赤い体液を排出して蛹から離れ、まだ翅が十分展開していない羽化間もない成虫(♂)を目にしました。R0033297

R0033295

 通常7~10日前後の蛹期間ですが、春、第1化の成虫の蛹期間は長いことが知られていますが、やはり少なくとも25日以上だったようです。
 ここ数日、朝の気温が低い状態が続いていて、翌日午前中には、まだプランターに居ましたが、午後には姿はありませんでした。

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2013年5月 3日 (金)

ナンジャモンジャ/(ヒトツバタゴ)開花

●ヒトツバタゴ(一葉たご)/別名「ナンジャモンジャ」※ (モクセイ科ヒトツバタゴ属):

 今年も、近隣の個人宅で育てられているナンジャモンジャの花が見頃になったので、お庭を開放中と伺い、見学させていただきました。
 
 ヒトツバタゴは雌雄異株*です。お庭に10株ほどあるという樹の中では、雄株のほうは樹高が高く、花付きも豊富で、五月晴れの空に樹全体が白く見えるほどに映えて見事でした。P5026322

 
 秋に黒く熟した実が出来るという雌株**の方は樹木も小ぶりで、花付きも少なめでした。New

 樹齢のせいと推測しました。

 ヒトツバタゴ成木は樹高30mほどにもなる落葉高木で、花期の4月下旬から5月中旬頃には雪が降り積もったように白い花がびっしりつきます。
 もともと対馬、岐阜県木曽川周辺、愛知県に隔離分布していたとのことですが、その後の人為分布で各地に広がっているようです。(http://www2.ocn.ne.jp/~bwd/hitotsubatago.htm)

 新枝の枝先に10cmほどの円錐形集散花序が出来て、花冠が深く4裂し裂片の長さが2cmほどの白色4弁花が多数ついています。
 花の筒部はごく短く、花弁を裂いて開けて雄ベ、雌しべの有無を見れば、両性花かどうかが分かります。
 また花柄の基部には関節があります。Photo_2

 雌雄異株*とされていますが、完全な雌雄異株ではなくて、雌花のみをつける株は存在せず、雄花をつける雄株と、両性花をつける雄株**という、両性花異株なのだそうです。
 花後6月頃には直径1cm程度で楕円形の青い核果が出来て、秋には黒く熟します。

 
 葉は長楕円形で長径4~10cmになり、長い葉柄があって対生しています。葉裏には葉脈上に淡褐色の軟毛があるそうですが、写真では判然としません。Photo_3

 
 幹は灰褐色で樹皮には縦に割れ目が入っています。R0033289trmcc

※なお、ナンジャモンジャは、特定植物の種名ではなく、本来その地方に珍しい、正体不明の立派な木を指しての呼称だそうで、諸説がありますが、ヒトツバタゴの他にも、ニレ、イヌザクラ、ボダイジュなど様々あるようです。
 広辞苑には、「関東地方で、その地方には見られない種類の大木を指していう呼称で、千葉県・神崎神社境内のクスノキ、東京都・明治神宮外苑のヒトツバタゴが名高く、その他筑波山のアブラチャン、山梨県鶯宿峠のリョウメンヒノキなどが知られている」、とあります。

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2013年5月 2日 (木)

イヌナズナ、シロバナエンレイソウ、ユキザサ、オオウバユリ、マルバスミレと不明のスミレ、ハナイカダ、

 4月下旬、標高950mほどの山地で見かけた山野草・樹木です。 

●イヌナズナ(犬薺)(アブラナ科):
 山地の道端や草地にナズナと共にたくさん生えていました。
 草丈 10~20cmの越年(2年)草で、茎、葉には毛が生えていて、黄色い花は直径4mmほどの小さなもので、花弁は4枚です。果実は楕円形で、扁平。3r

 どこにでも普通に見られるナズナほど多くはなく、比較的自然度の高い地域の道端や草地に生えています。
 ちなみに春の七草のナズナは白い花で、果実は三味線のバチのような三角形。
 役に立たない(食べられない)ナズナという意味で“イヌ”の名がつけられています。(ワンちゃんには失礼)。
 花期は 3~6月、分布は日本各地。

 
●シロバナエンレイソウ(別名 ミヤマエンレイソウ)(ユリ科エンレイソウ属):
 山地林内に群生が見られました。
 比較的低い山から深山まで、山地の林内・林縁のやや湿った所に生える、草丈20~30cmの有毒・多年草です。
 葉は茎頂に3枚輪生し、先の尖った広卵状菱形です。
 白い“花”が茎頂に1個、横向きに付きます。外花被片は先が尖り、長さ20~25mm、また白い花弁に見えるのは内花被片で、3枚です。
 花期は4~6月、分布は日本各地。Photo

 
●ユキザサ(雪笹)(ユリ科ユキザサ属):(写真上)
 山地の木陰礫地に群生していました。伸び上がった花茎の先にまだ緑色のつぼみがぽつぽつ付いている状態で、開花は少し先の様子でした。
 開花期の草姿は、“雪がついた笹”のようにも見えるところから付けられた和名です。
 本種は山地に生える多年草で、その昔は薬用植物としてまた山菜として利用されましたが、今は自生のものは摘み取らないようにしたいものです。
 花期は5~7月、分布は日本各地。

●(オオ)ウバユリの芽生え(ユリ科ウバユリ属):(写真下)
 林縁に生えていました。
 山野に生育する多年草で、芽生えは艶のある葉に淡い褐色の葉脈と緑の部分のコントラストが印象的です。
 成熟株になると高さ50~100cmの茎の上部に、長さ12~17cmの緑白色の花を横向きに数個つけます。
 花期は7~8月、分布は関東~九州。
Photo_2

 (なお、ウバユリとオオウバユリが、植物体の大きさで区別されていますが、良くは分かりません。参考URL: http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/nikko/buhin/leaflet.pdf )

 
●マルバスミレと不明のスミレ
 山地林縁で、白花に葉や茎に毛の目立つマルバスミレ(写真上)と、白い花弁に微かな赤紫色みがあり、距が薄赤紫色で、ツボスミレ(ニョイスミレ)に似たスミレ(写真下)を見かけましたが、名前は不確かです。Photo_3

 
●ハナイカダ(ミズキ科ハナイカダ属):
 山地林間でたくさんの株を見かけましたが、まだ芽吹いて間もない感じでした。 
 葉の上に本種の特徴の緑色のつぼみが出来ていましたが、本種は雌雄異株で、雄株(写真上)には4個のつぼみが、雌株(写真下)には1個が付いていました。
 開花はまだ少し先のようで、開花株は見られませんでした。Photo_4

 本種は、高さ1.5~2mほどの株立ちする落葉低木で、一番の特徴は葉腋から出た花柄が葉の主脈と合着しているため、葉の真ん中に花が咲き、実がなることです。
 5月頃には葉の中程に花が咲き、7月には(雌株の葉の上に)緑の果実ができていて、その後、黒く熟します。
 葉は楕円形ないし倒卵形で、長さは4~13cm、縁には鋸歯があり、先は尖っています。
 また1~4cmの葉柄があって互生しています。花の咲く葉を筏にたとえてついた名前です。
 分布は日本各地。余談ながら、少し印象は異なりますが、同種の花をモロッコでも見ました。

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2013年5月 1日 (水)

鯉のぼり

 決まり文句ですが、風薫る五月のスタート。爽やかに行きたいものです。

 先日、久しぶりにマイカーで、混雑する高速道路を避けて、がらがらの一般道を片道3時間ばかりかけてのんびり走ってきました。
 晴れて空気の澄んだ日には散歩道から遠望できる日光連山が目の前に開ける、前日光(栃木)県立自然公園にあるハイランドロッジから井戸湿原までの周遊ハイキングです。
 天気快晴で風もない絶好のハイキング日和でしたが、山中を通る車道脇には雪の塊がポツンと残っていたりして、標高1,280mの井戸湿原※は、長袖シャツ1枚だけでは、風が吹くとさすがに寒かったものです。 ※http://www.pref.tochigi.lg.jp/c05/intro/tochigiken/hakken/shizen5_01.html 
 ヤシオツツジ(アカヤシオ、シロヤシオ、ムラサキヤシオ)、トウゴクミツバツツジの開花は平年より遅れていて、まだつぼみ。湿原に咲く植物も芽生えの段階でした。
 訪れる人も少なく、運動にもなりそうもないのんびりハイキングでした。
 帰路、カーナビの地図にもない、少し荒れてしまった林道を抜けて、尾根筋の向こうにある日帰り温泉に立ち寄り。
 少し早めの夕食を軽くすませてから、暮れなずむ陽を受けて、無風でこれまたのんびり垂れ下がって休息しているたくさんの鯉のぼりの写真を撮って帰宅しました。

日光白根山(2,578m):
 青空の日中はここだけ雲がjかかって隠れていましたが、午後帰る途中に雲が飛んだので見ることが出来ました。
 関東地方では最高峰。ドーム状の頂上が特徴的です。P4286273

 
●鯉のぼり:
 都市化や少子高齢化が一層進んだ現在では、鯉のぼりも昔のように、広いお庭に屋根より高く泳ぐ風景は少なくなり、換わって、ワイヤーロープに集まって泳ぐ光景があちらこちらに見られるようになりました。P4286275

P4286279

P4286284

P4286285

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