オオミズアオ♀
オオミズアオ(成虫♀)(ヤママユガ科):
6月初旬、オオミズアオの♀が、ハンノキ、アカメガシワなどの雑木が自生した草地で、伸びはじめたヨシの茎先に力なくぶら下がっているのを見つけました。
(画像はlクリックで拡大します。)
翅をひろげた大きさ10cm以上もある青緑白色の大きなガです。(雌は卵を持つため、もともと飛翔能力は低く、餌植物に静止していることが多いこと。
また成虫になった時点で口が退化しており、成虫は食物を摂取することなく、幼虫の時に蓄えた養分で 受精・産卵を行い、数日で息絶えるそうです。)
近寄っても全く動きません。(もちろん生きています)。前翅の一部が損傷していて、カラスなど大型の鳥にでも襲われて草地に落ちてきたのでしょうか。
ぶら下がっているヨシの茎に、そして少し離れたところにある葉にも卵が産みつけられていました。卵の大きさは約2mm×2.5mmほど。
孵化した幼虫が食べる餌植物葉ではありませんからミスマッチです。(ネット情報を見ると、夜間明かりに飛んできて止まった家の網戸など人工物とか、全く食草ではない樹種や草などにも産卵している(→誤産卵)例がけっこう見られるようです。)
産みつけられた卵は数十個あり、腹部にも数個が付着していました。まだ産卵がすべては終わっていなかったのでしょうか。
卵を採取して、公園の林にも植樹されている餌植物の葉を入れておけば(有精卵なら)孵化なども観察できるのでしょうが、一切手出しはいたしません。
オオミズアオ成虫の出現時期は4~5月と7~8月の年2回。分布は日本各地。
幼虫は、モミジ、ザクロ等の他、コナラ(小楢)などのブナ科、アンズ、サクラ、ウメなどのバラ科、イヌシデ、ハンノキなどカバノキ科などの樹木の葉を食べるそうです。
蛹で越冬します。
※参考文献:ヤママユガ科ガ類の生態に関する研究 (下記URLのハイパーリンクは設定していません。)
http://kurepo.clib.kindai.ac.jp/modules/xoonips/detail.php?id=Thesis_Ag0099-20070322-0001
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コメント
さちさん、こんばんは。コメントありがとうございます。子供の頃、町中の夜間照明は木製の電柱に裸電球のつけられたもので、早朝、(夜間に灯りを求めて飛来した)大きな蛾がよく貼り付いていたものでした。
メジロの雛、そうだったのですか。巣立ちの報を心待ちにしていましたが、この度は別の命を支えるために、その小さな命を捧げたのですね。
投稿: クロメダカ | 2013年6月12日 (水) 19時29分
クロメダカさん、こんばんは。
オオミズアオですか。
色といい大きさといい、とても美しい蛾ですね。
私はここ数年出会っていません。
このオオミズアオは、翅を損傷しつつも一生懸命産卵したのでしょうね。胸を打たれます。
成虫が食物をとらずに活動するというのも初めて知りました。
実は・・先日見つけたメジロのヒナは、最後の写真の3日後にからっぽになっておりました。まだ幼かったので巣立ちとは考えられず、自然の厳しさを感じました。
投稿: さち | 2013年6月12日 (水) 17時27分