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2013年8月30日 (金)

富士山5合目 御中道・御庭の植物(2013/8下旬)①ミヤマウズラ、タチコゴメグサ、シャクジョウソウなど

 8月下旬、富士山5合目、御中道およびその周辺地域で見られた植物の記録です。

 この時期、御中道、御庭ウォーキングコースで見られる花の適季は過ぎていて、めぼしいものはありませんでした。
 自然は逃げませんから、機会があれば花の最適期を見極めて、また訪れてみたいところでした。

※樹林帯や林縁で見かけた植物です。(順不同):

●ミヤマウズラ(深山鶉)(ラン科シュスラン属):
 溶岩樹型洞穴の森の林間に点々と生えていたものです。
 在来の常緑多年草のランです。低山から亜高山帯下部のやや湿った林縁・林床などに生育します。
 和名に「深山」とありますが、人里近い山林でも見られます。
 葉は長さ2~3cm先のとがった卵形で、地面近くに互生しますが、濃緑色の地に白い網目状の斑が入り、この様子がウズラの羽の模様に似ていることが名前の由来。
  茎の高さは10~15cmほどで、花序に5~10個ほどの、鳥が翼を広げたような形をした白~淡紅色の小花が一方向に偏って咲きます。
 花柄や花には細かい毛が密生しています。
 花期は8~9月、分布は日本各地。なお環境省のレッドリストに指定はありませんが地域によって(群馬県と埼玉県で)は絶滅危惧I類に指定されています。1

 
●ヤマホタルブクロ:
 奥庭駐車場近くの草地にありました。極端に花径が短く、花が地面にくっつくように咲いていました。
 ホタルブクロの変種で、山地に多く生育する多年草です。外見はホタルブクロとほとんど変わりませんが、萼片の間が盛り上がっています。(ホタルブクロには萼片の間に反り返る付属片があります。)
 花期は6~8月頃、分布は日本各地。2_r0038205_2

 
●タチコゴメグサ(ゴマノハグサ科コゴメグサ属):
 富士山五合目付近の車道沿い林縁に生えていました。
 本種は山地の日当たりのよい高原/山地の草地などに生える1年草で、自ら光合成も行いますが、他の植物に寄生もする半寄生植物です。
 草丈は15~30cmになり、茎は直立して上部で分枝します。葉は無柄で下部は対生し、上部では互生します。縁には先が芒(ノギ)状に鋭く尖った4~6対の鋸歯があります。
 あまり目立たない小さな花が咲きますが、アップで見ると意外にきれいで、花冠は長さ6mmほどの2唇形。
 花期は8~10月、分布は本州、四国、九州。3

 
※(背景にイタドリなども写り込んでいましたので、以下にまとめて列記しました。)
●ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)(キク科アキノキリンソウ属):
 (写真上)
 亜高山帯〜高山帯の草地、砂礫地に生育する多年草の高山植物。
 高さは15~30 cmで、花径1.2~1..5 cmの黄色の花を咲かせます。アキノキリンソウの高山型で、背が低く、花が大きいのが特徴。
 アキノキリンソウの花が比較的まばらにつくのに対し、本亜種は頂部に固まってつく傾向にあります。
 花期は8〜9月、分布は北海道と本州中部以北。
●イタドリ(タデ科イタドリ属):
 (写真中、白い花)
 春に出始めた茎は太く中空で、茎を折り取時にポコンと音がし、食べると酸っぱいので、子供の頃から、「スカンポ」と呼んで親しんでいました。
 本種は刈り取りにも耐える強健な植物で、その旺盛な生活力は地下に伸びる太い地下茎によるもの。
 地下茎を伸ばして崩落地などでいち早く群落を形成します。夏から初秋、枝に小さな白い花がたくさん付きますが、花の色が特に赤みを帯びるものはベニイタドリ(メイゲツソウ)と呼び、本種の亜種として扱われています。
 花期は7~9月(富士山)、分布は北海道西部以南の各地。
●オンタデ(御蓼)(タデ科オンタデ属):
 (写真下)
 亜高山帯~高山帯の風衝地、砂礫地、岩礫地、火山の荒地などで、他の生物が生育しにくい場所に真っ先に生育し始めるパイオニア植物です。
 高さ30~100 cmになる雄雌異株の多年草で、ウラジロタデの変種。直径5 cm以上になる太い根を、1m以上に深く張り、過酷な環境にもよく耐えます。
 長さ3 mm程の黄白色の小花を密集させて付けます。
 基準標本は富士山のもので、富士の高山帯(標高2,400~3,300 m )森林限界周辺に多く分布しています。
 花期は6~10月。分布は北海道の大雪山と本州中部以北。4

 
●シャクジョウソウ(錫杖草)(イチヤクソウ科シャクジョウソウ属):
 御庭林道の林内に少数生えていました。
 本種は山地の湿った暗い林内に生える多年草で、葉緑素をもたない腐生植物(地中にある菌類が分解した養分に依存して生育する菌従属栄養植物)です。
 草丈は10~15cmほどで、全体がわずかに淡黄褐色を帯びています。
 地上に伸びた茎の先に鐘形の花をうつむきがちに複数つけます。(似た仲間にはギンリョウソウとギンリョウソウモドキウ〈アキノギンリョウソ〉がありますが、いずれも花は茎に1個しか付かないので区別できます。) 
 葉は退化し鱗片状で、多数が互生しています。
 草姿を僧侶や修験者が手に持つ環の付いた杖〈シャクジョウ〉に見立ててつけられた名前です。
 花期は6~8月、分布は日本各地。なお地域によっては絶滅危惧種になっています。5

                                  続く

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