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2013年8月30日 (金)

富士山5合目 御中道・御庭の植物(2013/8下旬)③アカミゴケなど

 8月下旬、富士山5合目、御中道およびその周辺地域で撮影した植物の最終回です。

●サルオガセ(サルオガセ科):
 森林の樹皮に付着して垂れ下がる糸状の地衣類で、サルオガセ科サルオガセ属の地衣類の総称です。
 霧の巻く山地では、深山幽谷の雰囲気を醸します。
 地衣類は、菌類と光合成生物(藻類)の共生体で、水分と光合成だけで成長し、栄養を他から取ることはありません。なお同定は一般に困難です。
 分布は日本各地。6

 
●スギゴケ(蘚類):
 樹林帯で、木漏れ日と湿り気のある斜面に生えていました。
 コケは隠花植物なので花はつけませんが、雌雄異株で、雄株の茎頂には花のような雄器盤をつけるのが特徴です。
 雌株は秋に蒴柄が2~8㎝でマッチ棒のような胞子嚢を作ります。この胞子嚢の中に胞子が入っていて、地上におちた胞子は、発芽して、雄株や雌株になります。
 分布は日本各地。7

 
●アカミゴケ(ハナゴケ科):
 確かではありませんがアカミゴケの仲間としました。
 樹林科の湿気のある岩の上に着生していました。ちょうど木漏れ日を受けて、画像は白飛びしてしまいました。
 「アカミゴケ」と、名前はコケですが、コケ(蘚苔類)の仲間ではなく、地衣類です。
 低地~高山地帯の地上や土壌のたまった湿気のある岩上に着生しています。
 地衣類は、菌類と藻類の共同生活体で、あたかも1種類の生物のように暮らしています。
 藻類は光合成による炭水化物を菌類に与え、菌類は藻類に住みかと水分などを提供しています。
 白っぽい緑色のアカミゴケの体表は、細かい粉粒状の「粉芽」(菌糸と藻が絡み合った細流)で覆われています。(基本葉体は灰黄緑色で、粉芽は付いていません。)
 子柄は伸び上がって高さ1~3cmのラッパ状の盃になりますが、縁は不規則です。
 窪んだ盃表面および盃外側の皮層には粉芽が付着しています。
 盃縁または、盃縁からのびる太い柄の先端に赤いものが付いていますが、これは「子器」と呼ばれるもので、地衣が胞子を作る器官です。8

 
●カラマツの実(カラマツ科カラマツ属):
 樹林帯に生えたカラマツには、熟しはじめたたくさんの実が付いていました。
 カラマツは落葉針葉樹で日本の固有種。日当たりのよい乾燥した場所に良く生育します。
 天然林は少なく、富士山麓でも植林された歴史があるそうです。
 松かさは長さ2~3.5cmで、中に30~50個の種ができます。
 はじめ緑色だった松かさも熟して茶色になると種子を散布します。
 花期は5月、分布は東北地方南部・関東地方・中部地方の亜高山帯から高山帯。9

 
●ミヤマハンノキ(カバノキ科ハンノキ属):
 樹林帯から森林限界周辺に点々と生えていて、楕円形の若い果穂が3~5個付いていました。
 本種は亜高山帯~高山帯にはえる落葉低木~小高木。
 果穂は垂れ下がらず斜上し、熟すとマツボックリ状になり、広い翼のある堅果が飛び出します。
 根生菌と共生することによって、火山の噴火など自然災害や森林伐採、開発などの人為的撹乱によって裸地化した場所にいち早く侵入して定着し、繁殖するパイオニア植物の一つです。
 花期は5~7月、分布は本州中部以北(伯耆大山にも隔離分布)。10

                                    完

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