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2013年8月

2013年8月31日 (土)

2013/8月も終わりに

 暑いあついと言いながら、41℃の記録を残して今夏も過ぎていきます。
夏草の生い茂っていた散歩コースの草地も、下旬には、大型機械による除草作業が行われて、あっという間に、見た目は涼しげですっきりした原っぱになりました。

 吹く風はやはり蒸し暑く、歩くとすぐに汗がしたたり落ちてきます。
Img_0682cc

 
●アブラゼミ:
 舗装遊歩道にも、水辺に近い草地にも、地上で一夏の短い命を終えたアブラゼミが落ちています。Photo

 
●トウキョウダルマガエル:
 除草されて、しばしの間、裸地になった水辺の草地から、トウキョウダルマガエルが飛び出してきました。隠れ場所がないとすぐにサギに狙われます。
 田んぼにいたものは、稲刈りの後、やってくるサギ軍団の餌食に。
 蛙も住みにくい環境になって、数が減っています。R0038073

 
●ツバメシジミ:
 刈り残されたヨシに絡んで伸びたツルマメにやって来たのはツバメシジミの♀。
 シミジミ見ると、翅表の鱗粉はまばらに剥がれ、左後翅の尾状突起の傍には小な傷があり、右の尾状突起はちぎれてなくなっています。夏越しも大変だったようです。Photo_2

 
●ウスバキトンボ:
 目の前で、刈り残されたヨシの茎に、独特のぶら下がるような止まり方でとまったのはウスバキトンボ(ショウリョウトンボ:精霊蜻蛉)でした。
 通常は日中、下に止まることは殆どないのに、翅も傷み、鳥にも追いかけられたりしてお疲れだったのでしょうか。
 群れをなして田んぼの上空を飛んでいましたが、だんだん北上していって数は少なくなりました。Photo_3

 入れ替わりに、山から赤トンボが下りてくるようになります。こうして季節が巡っていきます。

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2013年8月30日 (金)

富士山5合目 御中道・御庭の植物(2013/8下旬)③アカミゴケなど

 8月下旬、富士山5合目、御中道およびその周辺地域で撮影した植物の最終回です。

●サルオガセ(サルオガセ科):
 森林の樹皮に付着して垂れ下がる糸状の地衣類で、サルオガセ科サルオガセ属の地衣類の総称です。
 霧の巻く山地では、深山幽谷の雰囲気を醸します。
 地衣類は、菌類と光合成生物(藻類)の共生体で、水分と光合成だけで成長し、栄養を他から取ることはありません。なお同定は一般に困難です。
 分布は日本各地。6

 
●スギゴケ(蘚類):
 樹林帯で、木漏れ日と湿り気のある斜面に生えていました。
 コケは隠花植物なので花はつけませんが、雌雄異株で、雄株の茎頂には花のような雄器盤をつけるのが特徴です。
 雌株は秋に蒴柄が2~8㎝でマッチ棒のような胞子嚢を作ります。この胞子嚢の中に胞子が入っていて、地上におちた胞子は、発芽して、雄株や雌株になります。
 分布は日本各地。7

 
●アカミゴケ(ハナゴケ科):
 確かではありませんがアカミゴケの仲間としました。
 樹林科の湿気のある岩の上に着生していました。ちょうど木漏れ日を受けて、画像は白飛びしてしまいました。
 「アカミゴケ」と、名前はコケですが、コケ(蘚苔類)の仲間ではなく、地衣類です。
 低地~高山地帯の地上や土壌のたまった湿気のある岩上に着生しています。
 地衣類は、菌類と藻類の共同生活体で、あたかも1種類の生物のように暮らしています。
 藻類は光合成による炭水化物を菌類に与え、菌類は藻類に住みかと水分などを提供しています。
 白っぽい緑色のアカミゴケの体表は、細かい粉粒状の「粉芽」(菌糸と藻が絡み合った細流)で覆われています。(基本葉体は灰黄緑色で、粉芽は付いていません。)
 子柄は伸び上がって高さ1~3cmのラッパ状の盃になりますが、縁は不規則です。
 窪んだ盃表面および盃外側の皮層には粉芽が付着しています。
 盃縁または、盃縁からのびる太い柄の先端に赤いものが付いていますが、これは「子器」と呼ばれるもので、地衣が胞子を作る器官です。8

 
●カラマツの実(カラマツ科カラマツ属):
 樹林帯に生えたカラマツには、熟しはじめたたくさんの実が付いていました。
 カラマツは落葉針葉樹で日本の固有種。日当たりのよい乾燥した場所に良く生育します。
 天然林は少なく、富士山麓でも植林された歴史があるそうです。
 松かさは長さ2~3.5cmで、中に30~50個の種ができます。
 はじめ緑色だった松かさも熟して茶色になると種子を散布します。
 花期は5月、分布は東北地方南部・関東地方・中部地方の亜高山帯から高山帯。9

 
●ミヤマハンノキ(カバノキ科ハンノキ属):
 樹林帯から森林限界周辺に点々と生えていて、楕円形の若い果穂が3~5個付いていました。
 本種は亜高山帯~高山帯にはえる落葉低木~小高木。
 果穂は垂れ下がらず斜上し、熟すとマツボックリ状になり、広い翼のある堅果が飛び出します。
 根生菌と共生することによって、火山の噴火など自然災害や森林伐採、開発などの人為的撹乱によって裸地化した場所にいち早く侵入して定着し、繁殖するパイオニア植物の一つです。
 花期は5~7月、分布は本州中部以北(伯耆大山にも隔離分布)。10

                                    完

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富士山5合目 御中道・御庭の植物(2013/8下旬)②ムラサキモメンヅル、ミヤマオトコヨモギなど

 8月下旬、富士山5合目、御中道およびその周辺地域で撮影した植物の続きです

●メイゲツソウ(明月草;ベニイタドリ)(タデ科イタドリ属):
 御中道沿い一帯にたくさんの群落が見られました。
 日本固有種で、雌雄異株、亜高山や高山の砂礫地や崩壊地に生えるイタドリの山地型亜種多年草です。
イタドリの花は白色ですが、本種は紅色になります。
 なお、富士山5合目付近には他にもオンタデやオノエイタドリ、イタドリなど、イタドリの仲間の群落がいたるところで見られます。
 いずれも平地のものと違い、高山に育つものの草丈は20~50cmと低いです。
 花期は7~9月、分布は北海道~本州中部地方。15

 
●コケモモ(苔桃)(ツツジ科):
 樹林帯の遊歩道沿いに群落が見られました。花は既に終わり、赤い実がかわいらしかったです。
 地元ではこの実で作られたジャムが人気のお土産だそうです。
 亜高山帯~高山帯のハイマツの下などに見られる高さ10㎝ほどの常緑小低木。
 花期は6月~7月〈富士山〉。11

 
●ベニバナイチヤクソウ(イチヤクソウ科イチヤクソウ属;なおAPG植物分類体系ではツツジ科):
 林縁に点々とみられましたが、既に花は終わり、果実が出来ていました。
 亜高山~高山帯の樹林下、林縁などに自生する半寄生植物多年草です。
 20cmほどの花茎に、淡紅色の椀形の5弁花のようにみえる合弁花で、花冠が半分開いたものを7~10数個ほど、下向きにまばらにつけます。
 花期は6~8月上旬、分布は北海道、本州中部以北。12

 
●ミヤマオトコヨモギ(キク科ヨモギ属):
 森林限界の砂礫地帯に点々と生えていました。
 本種は日本の固有種で、亜高山帯から高山帯に生える多年草です。 
 草丈は10~40cm、茎は斜めに立ち上がり、根生葉はさじ形で、先が浅く切れこんだ鋸歯があります。
 茎先に総状花序を出し、直径1cmほどの花びらの無い球形の頭花を付けます。
 高地に生えるヨモギで、草丈が低く頭花が大きいグループの代表格で、富士山に分布するのはミヤマオトコヨモギだけ。
 花期は7~9月、分布は本州中部地方。13

 
●ムラサキモメンヅル(紫木綿蔓)(マメ科ゲンゲ属):
 低山から亜高山、高山帯で石灰岩質や溶岩性の岩礫地にしか育たない日本固有種の植物です。
 分布は限られていて、富士山では確実に見ることが出来るというので、事前に画像で草姿も記憶して出かけたのでしたが、期待に反して既に今シーズンの花はすべて終わり。
 注意して探したのですが既にマメ果が出来た株しか見つけられませんでした。
 またの機会に先延ばしです。
 ムラサキモメンヅル:富士山では高山帯の砂礫地に生育しています。草丈は10~60cmほどで、根粒菌をもつ、ねじれた直根を地中深くまで伸ばすことで、水分や養分を確保して厳しい環境に耐える多年草です。
 葉は5~10対の小葉を持った羽状複葉で互生し、小葉は長楕円形または狭長楕円形。
 茎先に総状花序をだし、紫色でレンゲソウに似た蝶形の花を密集して咲かせます。
 花後にできる実は袋状の豆果(→写真)で、上向きにつきます。
 花期は6(7)~8月、分布は北海道~本州(中部以北)。14

                                  続く

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富士山5合目 御中道・御庭の植物(2013/8下旬)①ミヤマウズラ、タチコゴメグサ、シャクジョウソウなど

 8月下旬、富士山5合目、御中道およびその周辺地域で見られた植物の記録です。

 この時期、御中道、御庭ウォーキングコースで見られる花の適季は過ぎていて、めぼしいものはありませんでした。
 自然は逃げませんから、機会があれば花の最適期を見極めて、また訪れてみたいところでした。

※樹林帯や林縁で見かけた植物です。(順不同):

●ミヤマウズラ(深山鶉)(ラン科シュスラン属):
 溶岩樹型洞穴の森の林間に点々と生えていたものです。
 在来の常緑多年草のランです。低山から亜高山帯下部のやや湿った林縁・林床などに生育します。
 和名に「深山」とありますが、人里近い山林でも見られます。
 葉は長さ2~3cm先のとがった卵形で、地面近くに互生しますが、濃緑色の地に白い網目状の斑が入り、この様子がウズラの羽の模様に似ていることが名前の由来。
  茎の高さは10~15cmほどで、花序に5~10個ほどの、鳥が翼を広げたような形をした白~淡紅色の小花が一方向に偏って咲きます。
 花柄や花には細かい毛が密生しています。
 花期は8~9月、分布は日本各地。なお環境省のレッドリストに指定はありませんが地域によって(群馬県と埼玉県で)は絶滅危惧I類に指定されています。1

 
●ヤマホタルブクロ:
 奥庭駐車場近くの草地にありました。極端に花径が短く、花が地面にくっつくように咲いていました。
 ホタルブクロの変種で、山地に多く生育する多年草です。外見はホタルブクロとほとんど変わりませんが、萼片の間が盛り上がっています。(ホタルブクロには萼片の間に反り返る付属片があります。)
 花期は6~8月頃、分布は日本各地。2_r0038205_2

 
●タチコゴメグサ(ゴマノハグサ科コゴメグサ属):
 富士山五合目付近の車道沿い林縁に生えていました。
 本種は山地の日当たりのよい高原/山地の草地などに生える1年草で、自ら光合成も行いますが、他の植物に寄生もする半寄生植物です。
 草丈は15~30cmになり、茎は直立して上部で分枝します。葉は無柄で下部は対生し、上部では互生します。縁には先が芒(ノギ)状に鋭く尖った4~6対の鋸歯があります。
 あまり目立たない小さな花が咲きますが、アップで見ると意外にきれいで、花冠は長さ6mmほどの2唇形。
 花期は8~10月、分布は本州、四国、九州。3

 
※(背景にイタドリなども写り込んでいましたので、以下にまとめて列記しました。)
●ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草)(キク科アキノキリンソウ属):
 (写真上)
 亜高山帯〜高山帯の草地、砂礫地に生育する多年草の高山植物。
 高さは15~30 cmで、花径1.2~1..5 cmの黄色の花を咲かせます。アキノキリンソウの高山型で、背が低く、花が大きいのが特徴。
 アキノキリンソウの花が比較的まばらにつくのに対し、本亜種は頂部に固まってつく傾向にあります。
 花期は8〜9月、分布は北海道と本州中部以北。
●イタドリ(タデ科イタドリ属):
 (写真中、白い花)
 春に出始めた茎は太く中空で、茎を折り取時にポコンと音がし、食べると酸っぱいので、子供の頃から、「スカンポ」と呼んで親しんでいました。
 本種は刈り取りにも耐える強健な植物で、その旺盛な生活力は地下に伸びる太い地下茎によるもの。
 地下茎を伸ばして崩落地などでいち早く群落を形成します。夏から初秋、枝に小さな白い花がたくさん付きますが、花の色が特に赤みを帯びるものはベニイタドリ(メイゲツソウ)と呼び、本種の亜種として扱われています。
 花期は7~9月(富士山)、分布は北海道西部以南の各地。
●オンタデ(御蓼)(タデ科オンタデ属):
 (写真下)
 亜高山帯~高山帯の風衝地、砂礫地、岩礫地、火山の荒地などで、他の生物が生育しにくい場所に真っ先に生育し始めるパイオニア植物です。
 高さ30~100 cmになる雄雌異株の多年草で、ウラジロタデの変種。直径5 cm以上になる太い根を、1m以上に深く張り、過酷な環境にもよく耐えます。
 長さ3 mm程の黄白色の小花を密集させて付けます。
 基準標本は富士山のもので、富士の高山帯(標高2,400~3,300 m )森林限界周辺に多く分布しています。
 花期は6~10月。分布は北海道の大雪山と本州中部以北。4

 
●シャクジョウソウ(錫杖草)(イチヤクソウ科シャクジョウソウ属):
 御庭林道の林内に少数生えていました。
 本種は山地の湿った暗い林内に生える多年草で、葉緑素をもたない腐生植物(地中にある菌類が分解した養分に依存して生育する菌従属栄養植物)です。
 草丈は10~15cmほどで、全体がわずかに淡黄褐色を帯びています。
 地上に伸びた茎の先に鐘形の花をうつむきがちに複数つけます。(似た仲間にはギンリョウソウとギンリョウソウモドキウ〈アキノギンリョウソ〉がありますが、いずれも花は茎に1個しか付かないので区別できます。) 
 葉は退化し鱗片状で、多数が互生しています。
 草姿を僧侶や修験者が手に持つ環の付いた杖〈シャクジョウ〉に見立ててつけられた名前です。
 花期は6~8月、分布は日本各地。なお地域によっては絶滅危惧種になっています。5

                                  続く

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富士山麓の旅(1泊2日)②富士山5合目 御中道・御庭ウォーキング

 前日に続き、今日は富士山五合目、御中道ウォーキングです。 

 半世紀も昔のことです。夏の富士山には2回登ったことがあります。1回目は、山開き直前で、7合目で降雪に見舞われて、あえなく途中でギブアップ。
 2回目は天気も良く、山頂でご来光も迎えて、下山しました。
 当時は、現在自粛が求められている”弾丸登山”がごく普通で、もちろんこのような言われ方はありませんでしたが・・・。

 それから半世紀を隔てて、今回は御中道ウォーキングです。
 『御中道』は、かつては、富士山の中腹、5合目(標高約2,300m)付近をぐるりと巡る約25kmの道。
 そこは富士講信者の修行の場として、富士山に3回以上登頂した者だけに歩くことが許された修験道だったという。
 現在は、御中道を横切る沢が約27本程度あって、中でも「大沢崩れ」などで一部危険区域が通行禁止になっていて、一周する事はできません。
 そして今、御中道というと、その4分の1周程度の、《 河口湖五合目(小御岳神社)~御庭~大沢崩れ (片道約5.4km) 》間が、トレッキングコースとして、多くの人に利用されています。
 
  世界文化遺産に登録されたおかげで今夏混雑した「富士登山」期間は、7月上旬から8月末までの山小屋が営業する短い間ですが、「御中道」は10月下旬まで、さほど混雑することもなく、天気に恵まれれば、一味違った富士山を楽しんで歩く事ができる快適なトレッキングコースなのです。

●富士山五合目御中道ウォーキング:
 この日は好天に恵まれた夏休み最後の週日とあって、五合目駐車場は大勢の登山客、観光客で賑わっていました。
 今回は、初めてのことでもあり、《 河口湖五合目(小御岳神社)~御庭 》までを辿る”入門ショート・コース“です。
 ①まず五合目の小御岳神社にお参りを済ませてから、五合目駐車場、雲上閣右の階段を登り、石畳の御中道に入ります。
 標高は2,300m。道はシラビソ・コメツガなどの針葉樹に、ダケカンバ、ハンノキ、(花が終わった)ハクサンシャクナゲなどが混じる原生樹林の中を通り、空気はひんやりして歩きやすい遊歩道です。
 樹林帯は展望が無い分、樹木や、少し時期遅れではありましたが高山植物の観察も楽しめました。
 (以下画像はクリックで拡大表示します。)Photo

 
 ②樹林帯をぬけると、急に視界が開けて景観は一変し、森林限界を辿る火山性の砂礫地に石板が敷かれた、とても眺望の良い遊歩道になります。
 砂礫地にはオンタデやイタドリが葉を広げて緑の塊を作っていました。これらの植物は火山礫地など、植物の生育には不利な環境にも真っ先に生育をはじめるパイオニア植物と呼ばれるもののひとつです。
 また、風によって変形した「旗状樹形」の樹木をみることができます。
 またコース途中で、山頂からの雪崩“雪代”(雪崩と土石流が一緒になったような現象)によって何カ所か樹木がなぎ倒され、ちぎれたりした通過跡が観察され、その導流堤も随所に設置されているのを見かけました。
Photo_2

 
 ③眼下に広がる冨士五湖と南アルプス、遠くには北アルプスの山並みも眺められ、また麓からは聳立つコニーデ型の富士山も、ここでは皿を伏せた様なアスピーテに見える山頂を間近に仰ぎながら、そしてさらに(花期が少し過ぎてはいましたが)、砂礫地帯に咲く可憐な高山植物なども見つけることができて、快適なウォーキングでした。
 Photo_3

 
 ④雲が湧いて刻々変わる景色を楽しみながら、なだらかなに続く砂礫地、樹林、また砂礫地と歩いていくと「御庭」につきます。
 東屋が有り、すぐ近くには廃屋と化して倒壊寸前の御庭山荘が有りました。
 ”御庭”一帯には黒や赤茶色でこぶし大の火山砂礫(スコリア:マグマが噴火して空中で固まった多孔質の溶岩礫で、黒や赤の色は含まれた鉄の酸化形式による)が一面に広がり、カラマツの古木が盆栽のように点在して、あたかも大自然が造成した庭園のような眺めです。
 直径約50m、深さ約20mの擂り鉢状の穴が2箇所あり、これが、富士火山の寄生火山の入り口という。
 ゆっくりと御庭の見学してから帰路に。少し進むと右手の樹間に整備された石畳の御庭林道を下り、「奥駐車場」に到着しました。(ここには高速バスの御庭バス停があります。)Photo_4

 
 ⑤昼食後、近くの河口浅間神社に参拝。神社の杉並木と、境内の7本杉を巡り、また、かつては盛んだった河口の「御師の家」にも見学に立ち寄ってから、Photo_6

 予定時間のとおり帰路へ。そして“予定外”の渋滞も。

 今回は時期遅れで花が少なかったことも含めて、約3.5kmの歩程をのんびり2時間かけた手軽なウォーキング。
 少し物足りなかった気もしないではありませんでしたが、贅沢は言えません。良い旅ができました。
 なお、「御中道」で見かけた植物はまとめて次に掲載しました。

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2013年8月29日 (木)

富士山麓の旅(1泊2日)①富士山麓 溶岩樹型と吉田の火祭り見学

 午前はこちら。

②午後:
 「吉田の火祭り」見学:

 ※はじめに:
 三大奇祭の一つ「吉田の火祭」は、夏の富士山の山じまいのお祭りとして毎年8月26日、27日におこなわれる北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社の両社のお祭りです。
 初めて見学してきました。
 
 この火祭りは(2012(平成24)年3月8日に、山梨県内では3件目の国の重要無形民俗文化財に指定されています。)
 火祭りは、8月26日午後、本殿祭・諏訪神社祭から始まり、両社の御神霊が乗った大神輿(明神神輿)、と富士山型の御影(御山神輿)が参道を下って表通りに出て、氏子町内を一周します。
 暮れなずむ頃、御旅所に奉安されると同時に、高さ3メートルの筍形に結い上げられた大松明70余本、また家毎に井桁に積まれた松明に点火されると、街中は火の海と化し、独特の雰囲気を醸した火祭りは佳境を迎え、夜遅くまで賑わいます。
 なお、今回見学は当日だけで、翌27日「すすき祭り」とも呼ばれる祭事は見学しませんが、午後7時頃、2基の神輿は氏子中を渡御し、浅間神社に還御して祭事は終了します。
 (★「Wikipedia 吉田の火祭り参照」)

 ※両社の祭神:
 上吉田の浅間神社は富士山を神格化した浅間神が祀られていますが、神道説での祭神は木花開耶姫命。また諏訪大社の祭神(神道説)は、建御名方神とその妃神の八坂刀売神(やさかとめのかみ)。
 (なお八坂刀売神は、神道の女神で「記紀神話」には見られず、諏訪固有の神とも考えられるという。)

※火祭りの神事(時刻は目安時間):

①本殿祭(15:00~):
 これから火祭りを執り行うため、浅間神社の神に、御輿に乗ってもらうよう願うという神事がはじまります。本殿祭は、浅間神社本殿に、氏子総代・世話人・富士講・御師(おし)団などの人々が集まり、本殿御神霊に、まず諏訪神社への奉遷を願う(本殿祭)神事から執り行われていきます。Photo

 
②御動座祭(16:00~):
 本殿祭が終わると、浅間神社と諏訪神社の神さまに、神輿に移ってもらう神事「遷御」が行われます。
 神社の中から神様を移す際に、御神霊が人の目に触れないようにするために、神職たちが白い布「絹垣」で周りを覆い隠して、ご神体を宮司さんが運びます。
 まず浅間神社の御神霊が絹垣に隠されて、隣にある諏訪神社に向かいます。
 諏訪神社で再度神事がおこなわれ、両社の御神霊に、御輿に移ってもらうように願う神事が行われた後、宮司が浅間神社と諏訪神社の両御神霊を絹垣で隠して、(両社の)御神霊はともに明神神輿に分霊されますが、御山神輿には(御霊は)移されません。
 (なお、この神事が行われている間に、明神神輿と御山神輿のミニチュアの子供御輿が先に出発していきます。)
 (画像はクリックで拡大表示します)Photo_2

 
③発輿祭(16:55~):
 遷御を終えた2台の神輿は、諏訪神社の前から出発します。
 明神神輿を先頭に御山神輿が後に続きます。出発してすぐに諏訪神社のすぐ前にある高天原とよばれる広場に止まって、もう一度出発の神事をします。
 これが終わって正式な出発となります。Photo_3

 
④神輿の渡御(17:15~):
 まさかき台、太鼓、明神神輿、御山神輿、氏子参列者と整えて出立となります。
 神輿の行列は、定められた道順に従い、御旅所であるコミュニティーセンターへと向います。
 神社を出発した2台の神輿は、明神神輿が先頭で御山神輿が後に続きます。
 先に進む神輿は必ず明神神輿で、御山神輿は決して追い越したりしてはいけない決まりがあります。
 境内に準備されていた大松明が立てられました。(点火は神輿が御旅所に着く時にあわせて行われます。)
 御山神輿は休みで止まる時に、地面に「ドスン」と三回落とす決まりがあり、荒っぽく担がれるのが特徴です。少し離れて見学していてもドスン、ドスンと地響きが聞こえます。
 日が落ちて暗くなってくると、松明(タイマツ)が灯される表通りは、通行止めとなります。
 2台の神輿は、「上宿」交差点から休みながら、ゆっくりとした速さで、御旅所のある上吉田コミュニティーセンターへと向かいます。Photo_4

 
⑤御旅所着輿祭、松明点火(18:30~40):
  18時30分頃に御旅所に到着します。火の見櫓(やぐら)のご神木に張られた注連縄(シメナワ)を明神神輿の屋根に立つ鳳凰(ほうおう)のクチバシで切って中へと入っていきます。 
 到着後は、着輿祭がおこなわれます。
 神輿が御旅所に着くと、世話人たちが御旅所前の高さ3m余りの大松明に火を灯します。
 その後、世話人たちは通りにある全てのタイマツを次々に立てて、火をつけていきます。
 また、それぞれの家で積まれたタイマツにも火がつけられていきます。
 こうして上吉田の表通り沿いを中心に、南北に伸びる一本の火の帯が現れて、火祭りはクライマックスを迎えます。
 また、神輿が無事に御旅所に着いた時、これを祝して隣に作られた神楽殿で太々神楽が舞われます。Photo_5

 (なお、今日では、午後10時過ぎには松明の火は一斉に消化され、路上の後片付けも午後11時には完了して、ほどなく交通規制も解除されることになっています。)

 
翌27日:
⑥御旅所発輿祭(14:00):
 午後2時、一晩奉安された大神輿、御影の前で、御旅所発輿祭の神事が行われ、この日の神輿渡御が始まります。
 そしてこの後、⑦金鳥居祭、⑧神輿の渡御、⑨御鞍石祭、⑩あげ松の神事、⑪高天原祭、そして最後の神事⑫還幸祭まで滞りなく行われると、2日間にわたる奇祭・吉田の火祭は終りとなるのです。

 初めて見学したコンパクトなお祭りではありますが、奇祭と呼ぶにふさわしいユニークな火祭りでした。
                        (河口湖・泊)
 翌日は、富士山5合目、御中道ウォーキングと河口浅間神社の見学予定です。

 
【余談】:世の中に、”三大○○”なるものがたくさんあります。
 三大奇祭もその一つで、この祭事には
●御柱祭(長野県諏訪市、諏訪大社)、
●なまはげ(秋田県男鹿市)、
●吉田の火祭(山梨県富士吉田市、北口本宮冨士浅間神社)
 とする例が多いようです。
 他にも祭事選択については諸説があり、《島田帯祭(静岡県島田市);会陽(裸祭り)(岡山市東区、西大寺);黒石寺蘇民祭(裸祭り)(岩手県奥州市、黒石寺);吉良川の御田祭(高知県室戸市、御田八幡宮) 等々》 それぞれ地域の特徴ある伝統文化祭事に対する思い入れが感じられます。

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富士山麓の旅(1泊2日)①富士山麓 溶岩樹型と吉田の火祭り見学

 8月最後の週、夏休みも最後で混雑する中、”富士山麓 溶岩樹型洞穴の森散策、日本三大奇祭 北口本宮富士浅間神社『吉田の火祭り』見学、そして富士山5合目御中道/御庭ウオーキング(1泊2日)”、なるツアーに出かけてきました。
 2日間とも好天で、下界は暑いものの、高地は涼しく快適でした。
 

1日目:富士山麓 溶岩樹型と北口本宮富士浅間神社「吉田の火祭り」見学。

①午前:
 富士山麓 溶岩樹型洞穴の森、および船津胎内樹型見学。
 河口湖フィールドセンターで、まず先に現地の専属ガイドさんから「溶岩樹型」の説明を聞いてから、 溶岩樹型洞穴の森コースへ。
 ガイドさんの案内で、溶岩樹型洞穴群の林の中を、童心に返って洞穴の中に潜入したりしながら、周遊コースを巡りました。
 その後続いて「船津胎内樹型」洞穴を(自由)見学。”父の胎内”の薄暗がりは記憶にないなァ、などとボケながら・・・。

●溶岩樹型:
 (画像はクリックで拡大表示されます。)
Blgimg_4937trmcc

 
●溶岩樹型洞穴の森コース見学:
 様々な溶岩樹型が見られました。
 地表に横たわるように出来た樹型から、熱膨張で地表部に出来た大きな割れ目、また縦に深い樹型など、様々な溶岩樹型空洞が随所に見られました。
 往時には、樹種は不明ながらも、さぞかし巨木の森が広がっていたであろうと想像されます。Photo_2

 
●通り抜け出来る溶岩樹型:
 溶岩樹型が複合してできた縦穴や空洞と横穴がつながっていて、立って通れるほど大きくはありませんが、腰をかがめ、時々頭をこすりながらも通り抜け出来ました。
 (画像はクリックで拡大します。)Photo_4

 
●大きな溶岩洞穴空洞。
 降りると、空洞の中はひんやりしていて、周囲の溶岩壁には結露してできた微少水滴が、懐中電灯の光で何かの結晶成分のようにきらきら光ります。
 表面が滑らかな再溶融溶岩壁も見られ、また足元には、含まれる鉄分のせいで磁気を帯びて磁石にくっつく溶岩粒などもありました。不思議の世界です。
 見学後、周回コースをスタート点まで戻ります。Photo_5

 
●船津胎内樹型:
 スタート地点には胎内神社(無戸室浅間神社)が祀られていて、こちらから船津胎内樹型洞穴に入ります。
 ここ(船津胎内樹型)は国の天然記念物に指定されています。世界文化遺産に登録された『富士山』の構成資産でもあります。
 洞穴は約20mの、通称「母の胎内」と呼ばれる部分と、約15mの「父の胎内」(!?)部、そしてそれらに細い樹型や空洞が組み合わさってできた総延長約70mの複合型溶岩樹型です。
 江戸時代、富士講信者によって胎内神社(無戸室浅間神社)が祀られて以後、多くの信者がこの溶岩樹型胎内巡りをしたという。
 薄暗がりに浮かび上がる肋骨状の側壁や突起状の天井、また再溶融で出来た溶岩の奇妙な造形は、人間の想像力をかきたてるのでしょう。Photo_6

 見学後、昼食をすませて、午後から「吉田の火祭り」見学へ向かいました。

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2013年8月28日 (水)

ヤマトウバナ、キマダラセセリの仲間(8月の山地で)

 8月下旬の山地で、初めて見かけたヤマトウバナと、(何の関係もありませんが)キマダラセセリの仲間です。

●ヤマトウバナ(山塔花)(シソ科トウバナ属):
 山地の林内で見かけた小型の野草です。
 本種は山地の木陰などに生える小さな多年草で、平地ではほとんど見かけられません。
 茎はやや斜めに立ち上がり、草丈10~25cmになります。葉には短い柄があり対生しています。
 葉の長さは2~5cmの卵形~長卵形で先はややとがり、粗い鋸歯があり、また葉の両面にまばらに毛があります。
 茎の頂部に花序をつけ、花冠は長さ8mm前後の白色唇弁花を数個ずつ咲かせます。
 (以下の画像はクリックで拡大します。)R0038029_1

 
 上唇は浅く2裂し、下唇は3中裂しています。花冠筒部の内側に紫色の斑紋があります。
 萼は長さ6mmほどで先は5浅裂して鋭く尖り、まばらに短毛が生えています。
 花期は6~8月、分布は中部地方以西、四国、九州。R0038029_2

 
●キマダラセセリの仲間(セセリチョウ科):
 山地林縁に咲いたヒヨドリバナで熱心に吸蜜していました。時々、翅を半開して休息していました。R0038037org R0038037

 写真はこれだけで、アングルを変えて撮ろうとしたら逃げられたので情報が少なく、同定は難しいです。
 ネット上の画像や手元の図鑑(フィールドガイド日本のチョウ)も参照しましたが、なかなか確信が持てる画像がなく、キマダラセセリの仲間としました。 
 大きさは、通常目にするイチモンジセセリなどより明らかに小型で、黒褐色の地色に黄橙色の斑紋がある小型のセセリチョウです。

 
※(cf. 庭にやって来て休憩中のイチモンジセセリ。大きさ(前翅長)18mmほど):R0038023_1

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アキノタムラソウ、ゲンノショウコ、ツルボ、ボタンヅルとセンニンソウ、ベッコウハゴロモ(8月の山地で)

 8月下旬、山地で見かけた花など。特に新味はありません。

●アキノタムラソウ(シソ科アキギリ属):
 山地の林下に小さ目の株が1本だけ生えていました。名前は秋の訪れを知らせる花のように聞こえますが、実際は夏から晩秋まで咲いています。
 本種は山野の林縁、道端などに生える多年草で、高さ20~50cm。葉は対生し、多くは3枚の小葉からなることが多いですが変異も多いです。
 小葉は長さ2~5cmの広卵形~長卵形で鋸歯があり、鋸歯の先は丸みを帯び、葉先は鈍頭~鋭頭。
 茎の上部の葉は複葉とならず葉柄も短いですが、下部の葉には長い柄があります。
 茎の上部に長さ10~25cmの花穂をだし、長さ10~13mmほどの青紫色の唇形花を数段輪生します。
 花は1つの節に5~6個付きますが、日光の来る方に偏向しています。萼から筒状の花弁が伸び、花冠の外側には白い毛がたくさんあります。
 花期は7~11月、分布は本州(山形県以西)、四国、九州。Photo_7

 
●ゲンノショウコ(フウロソウ科):
 草地や山野に自生する多年草で、日本の代表的な民間薬の一つとして利用されてきました。有効成分はタンニン。 
 東日本にはシロバナが、西日本ではアカバナが多く見られます。
 花期は7~10月、分布は日本各地。Photo_8

 
●ツルボ(ユリ科ツルボ属):
 開けた草地に生えていました。
 山野の日当たりのよいところに生える多年草です。葉の間から20~40cmの花茎を伸ばし、その先端に4~7cmの穂のような総状花序をつけ、淡紫色の花を多数つけます。
 花期は8~9月、分布は本州~九州。Photo_9

 
●ボタンズルとセンニンソウ(いずれもキンポウゲ科センニンソウ属):
 林縁のあちらこちらに巻き付いてたくさん咲いていました。
 いずれも山野に生えるツル植物で、遠目には同じように見えますが、近くで葉の形を見れば容易に区別できます。
 花に花弁はなく、白い花に見えるのは萼片です。こちらもよく見ると区別できますが、花だけ見たのでは、わかりにくい場合もありますね。
 晩秋から初冬になってすっかり葉を落とした後に、たくさんの種髪の種が光を浴びて銀色に光っている風景は、花の時よりもきれいです。
 いずれも花期は8~9月、分布は日本各地。
 写真上(2枚)がボタンヅル、下がセンニンソウです。Photo_10

 
 ついでに、すでに穂が出たススキの葉にとまっていたベッコウハゴロモ。
 植物の茎から汁を吸うカメムシの仲間です。大きさ(翅端までの長さ)1cmほど。
 出現時期は7~9月、分布は本州~九州。
●ベッコウハゴロモ(カメムシ目ハゴロモ科):R0038050

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2013年8月27日 (火)

夏の姫川源流に咲く植物(2)

 8月中旬、姫川源流に立ち寄りついでに撮った花の続きです。新味はありません。順不同、名前のみ。

●オオハナウド:
 茎の高さ1.5~2mになる大型の多年草。ひときわ目立ちました。花期は6~8月、分布は北海道、本州(近畿地方以北)。R0037922_2cc

 
●オタカラコウ:
 花径の高さは1~2mになるキク科の多年草です。花期は7~9月、分布は本州(福島県以南~九州。Photo_3

 
●コバノギボウシ:
 他のギボウシに較べて葉が小さく、草丈も短い多年草。花期は8~10月、分布は日本各地。Photo_4

 
●フシグロセンノウ:
 緑の中に朱色の花が目立つ、ナデシコ科の多年草。花期は7~10月、分布は本州、四国、九州。Photo_5

 
●ツリフネソウ(花の尻尾(距)がくるりと巻く)と、キツリフネ(距は巻かない。):
 湿った半日陰地に生育する1年草。花期は6~10月、分布は日本各地。Photo_6

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2013年8月26日 (月)

夏の姫川源流に咲く植物ほか(1)

 8月中旬、姫川源流に立ち寄りついでに撮った花など。特に新味はありません。順不同、名前のみ。

●チヂミザサ(花後):R0037912

 
●ガマズミの実:R0037919

 
ノブキ
 花から棍棒状のひっつき虫になる果実まで、一度に観察できました。5r

 
 ついでに、ノブキの花にくっついていたきれいなアカアシカスミカメも。
●アカアシカスミ(カスミカメムシ科):
 林縁の日陰に生えたノブキの花にいました。そこだけ木漏れ日がスポットライトのように当たり、色飛びしてしまいました。
 大きさ8mm前後で、脚が赤く、頭部、胸部は黒色、翅は半透明の薄黄緑色で、黒色と赤色の複雑な斑紋があるきれいなカスミカメムシの仲間です。
 山地の林縁でやや湿気があり、日陰になる草むらで生活しているという。
 出現時期は6~10月、分布は日本各地。 Photo

 
●ミズヒキ(花は、上から見下ろすと赤色ですが、下から見上げると白色です。)と、キンミズヒキ(黄色い花穂):Photo_2

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2013年8月25日 (日)

バイカモ(夏の姫川源流)

バイカモ(梅花藻)(キンポウゲ科):
 毎年のことですが、8月中旬、所用の帰路、立ち寄ってきました。
 涌き水を源とする姫川は、58kmの距離を国道148号線と並行して流れ、新潟県糸魚川市の河口から日本海へと注いでいます。
 姫川源流部の河床は細かい礫になっていて、冷水中にはバイカモの群落があり、暑い夏の盛りにも、梅の花に似た可憐な白い小さな花を川面に開き、清流とともに涼しげな景観を作っています。2 3 4 5 8
バイカモ:
 冷水清流中に生育し、初夏から初秋にかけて葉腋から伸びた長さ3~5cmの花茎の先に花径1~1.5cmほどの、ウメの花に似た白色5弁花を水中に(水中花)、また水面上に(水上花)咲かせます。
 生育適温は15℃で、25℃を超えると生育できなくなるということです。
 花期は5月~11月、分布域は清流や湧き水のある地域に限られるため、地域によっては絶滅危惧種に指定されています。

※参考:
 バイカモ (ウメバチモ)( Ranunculus nipponicus (Makino) Nakai var. submersus Hara)は、北海道と本州の河川、水路、湧水池などに広く生息する。一年を通して水温が低く (20℃以下; 木村と國井, 1998) 透明度の高い水中でないと生育できない。このため生育地域の南限が近畿地方となっており、西限は鳥取県と広島県とされている (角野, 1994)。
 参照文献 http://www.kasen.or.jp/c_jyosei/pdf_jyosei02c/jyosei02c_118.pdf

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2013年8月24日 (土)

マツカゼソウ、キツネノカミソリ(8月の山地で)

●マツカゼソウ(松風草)ミカン科:
 曇天ながら湿度が高く、汗の流れる夏の山地で、日陰になる林縁に一叢生えていました。 
 名前のように、わずかの風にも優しくそよぎ、目には涼しげに映りました。なお、揺らぎ続けるせいで、花のアップはピンボケになりました。
 本種は山地の林縁などに生える多年草です。
 茎は高さ50~80cm、上部で分岐し無毛。
 葉は3回3出複葉で互生し、小葉は倒卵形でやわらかです。
 花は小さな白色4弁花で、平開しません。花弁は長楕円形で、長さ3~4mm。
 花期は長く8~10月、分布は本州(宮城県以南)~九州。
 (画像はクリックで拡大します。)R0038033_1 R0038033_1trm R0038033_2trm

 
●キツネノカミソリ(ヒガンバナ科/クロンキスト体系ではユリ科):
 同じような林縁の開けた草地に咲いていました。
 明るい林床や林縁などに自生する多年生草本球根植物で、ヒガンバナ同様 有毒です。
 早春のまだ他の草が生えていないうちに、狭長の葉を球根から直接出して球根を太らせ、多くの草が生い茂る夏頃には一旦葉を枯らして落とします。
 そして、お盆(8月なかば)前後になると30~50cm ほどの花茎を伸ばし、先端で枝分かれした先に、花被片が6枚の鮮やかな赤黄色の花を散形状に数個つけます。
 花期は8~9月、分布は本州(東北以南)、四国、九州。R0038046_1 R0038046_2

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2013年8月23日 (金)

奴奈川姫と建御名方命の像(糸魚川)

 8月中旬、所用のため車で出かけたついでに、糸魚川駅前のヒスイロードに立ち寄ってきました。
 糸魚川と言えば古代からヒスイで有名ですが、出雲神話との係わりでも有名です。素養のないものには単なる物見に過ぎませんでしたが。

 駅前は工事中でした。駅前にヒスイロードの案内板と、奴奈川姫(ヌナカワヒメ)の像があります。
 近くに駐車場が見つからないため、道路脇に一時停車して、慌ただしく写真だけ数枚撮って、すぐ移動。

●駅前、ヒスイロード:
 (以下の画像はクリックで拡大します)
Img_0642trmcc Photo

 
 次いで、ヒスイロードの突き当たり、「海望公園」にある奴奈川姫像の見学に。
 まだ午前九時過ぎでしたが、“完璧な”逆光で、撮影には悪条件でしたが、何とか姫と和子の姿を撮ってきました。ただそれだけでそそくさと帰路に。

●奴奈川姫と建御名方命(タケミナカタノミコト)の像:
 (海望公園)Img_0658trmcc Hahako1 Hahako2

 奴奈川姫(沼河比売ヌナカワヒメ)は、日本神話に登場する神ですが、『日本書紀』には登場せず、『古事記』の大国主の神話の段に登場します。
 そこでは、八千矛神(ヤチホコノカミ=大国主)が高志国の沼河に住む沼河比売を妻にしようと思い、高志国に出かけて沼河比売の家の外から求婚の歌を詠みました。
 沼河比売はそれに応じる歌を返し、翌日の夜、二神は結婚した、ということですが、『古事記』にはこれ以外の記述はありません。
 新潟県糸魚川市に残る伝承では、大国主と沼河比売との間に生まれた子が建御名方神で、姫川をさかのぼって信濃国の諏訪に入り、諏訪大社の祭神になった、と語られています。

 奴奈川姫像の基壇にはめ込まれた銘板には次のように刻まれていました。
 (浅学のため一部読めない字があり、また読み間違いもあるかも知れません。)

 糸魚川は昔 奴奈川郷と稱し 奴奈川姫の居ましし處である 
 八千矛尊遠く出雲より能登を経てこの地に上陸し姫と契り
 建御名方命を生ましめ給う
 命は国譲りの後 追われて姫川渓谷に入り 難を信濃路に免れ
 諏訪○宮居し 当時最も優れていた農耕漁労織布医薬窯業玉造
 などの文化を関東東北方面に宣布せられた糸魚川はその基地であったのである

 昭和三十五年十月二十四日
 奴奈川神社秋季大祭の日
 糸魚川市長 中村又七郎 撰並書
 
 日本神話に刻まれた一つのロマンです。

付記:
 なお、古事記の神話の1/3は出雲に関するものですが、その出雲神話の情景を身近に彷彿とさせる好著があります。

 書籍 『私の出雲神話』 
 発行者:神話散歩の会(代表 中尾 繁) 
 販売所:ギャラリー高瀬川
      〒693-0001 島根県出雲市今市町678
        電話:0853-22-3188
      URL:http://www.takasegawa.com/  
      発行所:(株)島根日日新聞社(平成23.11.3初版発行)

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2013年8月22日 (木)

ガマの穂爆発

 どこにでも、いきなり生えてくる神出鬼没のガマ(の穂)です。
 夏の初め、池端に一叢のガマが生えて、ソーセージのような雌花の集まりの花穂をつけていました。
 8月はじめ、高温と,連日の雷雨の後、むせかえるような池端の草原に行ってみると、誰かがゴミを捨てたように見えましたが、ガモの穂先がほぐれて散り敷いたものでした。
 多分、釣り人が、,通行の邪魔になるので一部切り倒して踏みつけて行った残骸かも知れません。1 23r0037885 34r003788 4 5

 これだけ大量の種を生産しても、草原全域ガマだらけにはなりませんから、発芽率など良くはないのでしょうね。
 この、もふもふした、ほぐれたガマの穂先をみると、 「古事記」による”因幡の白兎の伝説”も、さもありなん、と思うのです。

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2013年8月21日 (水)

サカハチチョウ(夏型)

サカハチチョウ(逆八蝶)(タテハチョウ科):
 ●夏型:
 山里林縁で、コアカソが群生している草地の日当たりを飛んでいました。
 (余談ながら、コアカソを食草とするフクラスズメ(蛾)の、派手な色の幼虫もたくさん目につきました。)R0037934 R0037936 R0037939_1 R0037939_2

 
 本種はモンシロチョウほどの大きさの、やや小型のタテハチョウの仲間です。特に珍しいチョウではありませんが、平地には少ないようです。
 前翅長20~24mm。年2回発生し、春型(4~5月)と夏型(7~9月)があります。
 そして春型と夏型では同じ種とは思えないほど模様や色に違いがあります。

 春型の翅表は黒褐色に橙色の斑紋模様です。
 ●春型(2010/6月初旬、山里で撮影したもの再掲):6

 夏型は、先の写真のように、名前の由来になった黒褐色に白い逆「ハ」の字の帯が目立ちます。
 成虫は花などの蜜も吸いますが、動物の糞の水分を吸いに集まったり、時には人の汗を吸いに寄ってきたりもします。
 幼虫の食草はイラクサ科のコアカソ、イラクサ、ヤブマオなどで、これらが生えている山地で(成虫ともに)普通に見かけられます。
 出現時期は4~6月および7~9月、分布は日本各地。

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2013年8月20日 (火)

ザトウムシの仲間

 ザトウムシについて、2度目の記事です。
 直射日光が差し込まない林間で、遊歩道沿いに生えたカラムシの葉に2匹くっついていましたので、通りがかりに気まぐれ撮影。

一匹目:
 左側の足一本、第二歩脚が欠損していました。(画像はクリックで拡大します。)R00379571

 
2匹目:
 こちらは右側の第2歩脚が欠損しているようです。触覚の役目をする大事な歩脚のはずですが・・・R00379582

 
 どちらもほとんど動きませんが、カメラを近づけるとゆっくり動きます。
 この種の”もの”は山地に行くと時々目にしますが、”一介の通行人”には特別カメラを向けたくなる被写体でもありません。
 で、おざなりのショットです。 R0037960

 
 画像検索でモエギザトウムシ、ヒラスベザトウムシなどが似ているかと思いましたが、名前の同定はとても無理で、ザトウムシの仲間、としました。

 ザトウムシは一見、脚の長いクモのように見えますが、クモではありません。
 豆に細長い針金のような足を8本つけたような独特の姿をしています。
 中でも特別長い第2歩脚を触角のように使って前を探りながら歩く様子から、座頭虫の名があります。
 頭胸部の真ん中に黒褐色の突起があり、その両側に1対の目がありますが、光は感じるもののあまりよく見えないらしいです。
 口の傍には短い鋏状の鋏角があります。獲物を捕らえる捕獲器官です。R00379591

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2013年8月19日 (月)

ハチノジクロナミシャク

●ハチノジクロナミシャク(八の字黒並尺)(シャクガ科ナミシャク亜科):

 黒地に白線がよく目立つ、シジミチョウほどの小さなガが、林縁の遊歩道沿い日陰を選んでチラチラ飛んでいました。
 止まると翅を開きますが、写真に撮りにくいところばかり。R0037953trmcc

 
 やや薄暗い林間で地面に降りたところを、手ぶれのためピンボケ写真が1枚撮れただけで、ひらひらと林間に消えていきました。R0037954_2

 鮮明な写真がないため、類似種との比較が困難ですが、ハチノジクロナミシャクとしました。(撮影:8月中旬、長野県・姫川源流)

※ハチノジクロナミシャク
 蝶のように昼間活動する昼光性のガです。黒地に白線があるデザインの類似した昼光性のガには、シラフシロオビナミシャクやシロオビクロナミシャクなどもいます。
 大きさ(開張)22mm、体長10mmほど。
 出現時期は6~8月、分布は本州中部山地・四国と九州の内陸山地。

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2013年8月18日 (日)

アサザ、ツマグロイナゴ♂、クルマバッタモドキ・緑色型、キイトトンボ♂、モノサシトンボ♀

 8月中旬の自然公園で見かけた生物です。

●アサザ(ミツガシワ科):
 里地の自然公園に設けられた人工池で黄色い花を開いていました。
 水底の地中に地下茎を伸ばして成長し、切れ込みと、周辺にうねっているようなきょ歯がある卵円形の葉を水面に浮かべ、花径3~4cmのキュウリに似た黄色い花を水面上に開きます。半日花です。
 本種は湖沼、溜池、水路などに群生する多年生浮葉植物ですが、近年、水辺の護岸工事や水質汚濁、また水位操作など生育環境変化に伴い、各地で個体群が消滅したり縮小したりしています。
 環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)になっています。
 花期は6~9月、分布は日本各地。Photo

 
●ツマグロイナゴ♂(バッタ科トノサマバッタ亜科):
 林縁の草地にいました。
 丈の高い草が茂る、湿った草原などで見られるバッタで、大きさ(翅端まで)♂38mm前後、♀47mm前後。
 ♂は明るい黄緑褐色で後脛節と翅の先端の黒色が目立ちます(写真上)。
 ♀は淡い枯草色をしていて、翅端は黒くはないようです(写真下)。
 ツマグロイナゴ(褄黒稲子)の和名は、着物の裾を思わせる前翅の先が黒いことから。
 ツマグロイナゴモドキ、ツマグロバッタ、ツチバッタとも呼ばれます。
 出現時期は7~9月、分布は本州、四国、九州。Photo_2

 
●クルマバッタモドキ・緑色型(バッタ科トノサマバッタ亜科):
 草地に跳びはねていました。大きさ(翅端まで)♂37mm前後、♀50mm前後。
 褐色(または緑色:緑色型)と薄灰色のまだら模様のバッタで、褐色型の方が多いですが、緑色型も見られます。
 胸部背面に1対の「く」の字形の白線があります。後翅には半月状の黒帯があります。(飛ぶ時に観察できます。)
 おもに、丈の低い草のまばらに生えた草地や荒れ地などに生息しています。クルマバッタの褐色型に似ていますが、本種の方が多いそうです。
 出現時期は7~11月、分布は日本各地。Img_0600cctrm2

 
●キイトトンボ♂(イトトンボ科):
 大きさ(全長)♂37mmほど、♀40mmほどで、中型のイトトンボです。
 未成熟個体の胸部は淡褐色ですが、成熟すると明るい黄緑色になります。
 ♂の腹部はイトトンボの仲間としてはやや太めのあざやかな黄色で、腹節7~10節に黒斑があります。
 ♀は緑味のある黄褐色あるいは緑色になりますが、腹節に黒斑はありません。
 翅は無色透明です。
 成虫はハエから小型のトンボ(同種を含む)まで捕食します。おもに平地や丘陵地の挺水植物がよく繁茂した池沼や湿地に生息しています。
 出現時期は5~10月、分布は本州、四国、九州。
 但し、関東地方の一部地域では絶滅危惧種になっています。
 写真上2枚は成熟♂、下が未成熟個体。Photo_3

 
●モノサシトンボ♀(モノサシトンボ科):
 池端の草地で1匹だけ見かけました。体色から♀のようでした。
 本種は、大きさは40~50mmほど、♂は淡青緑色、♀は橙黄褐色で、いずれも腹部にものさしの目盛りのような環状紋があることからこの名前です。
 おもに平地や丘陵地の池沼、湿地など発生して、水辺そのものよりも池周辺の草むらなどでよく見られます。
 出現時期は5~10月、分布は北海道、本州、四国、九州。Img_0559

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2013年8月17日 (土)

水田雑草の花(オモダカ、ヒメシロアサザ、ミズアオイ)

 近郊の水田で、お盆休み明けには早生品種の稲刈りがはじまります。
 水田雑草も,稲の生育に合わせて成長し、花を咲かせ種をつけて、刈り取りの時には、来シーズンの田植え時に芽生えのために種を蒔いてしまおうとしています。
 このタイミングにうまく乗れなかった(熟した種を散布できなかった)ら、来シーズンはそこでは姿を消すことになりますから。

 
●オモダカ:一番良く目につくしたたかな水田雑草です。R0037670_1 Photo_4

 
●ヒメシロアサザ
 もともと強い繁殖力を持つ水田雑草でもあったのですが、除草剤や生育環境変化の影響で、個体数は減少傾向にあり、地域によってはいまや絶滅危惧種になっています。
 近郊でも観察できるケースは限定的です。
 生育速度は速く,水面に素早く葉を広げ、とても小さな白い花をつけ、そして小さな種を水面に大量に散布します。
 試みに、水田から除草される前に一株採取して水槽に植えてみると、その繁殖力としたたかさにあらためて驚かされます。.決してか弱い植物ではありません。2 1

 
●ミズアオイ:
 農家には叱られそうですが、ミズアオイの隠れファンなのです。こちらもご多分に漏れず自生個体数は激減していて、環境省RDBでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
 ここしばらく姿を見ませんでしたが、今シーズンたった一箇所で、一株見つけました。
 しかしこの時期にはもうすっかり勢いがありません。うまく種を散布できるでしょうか。Photo_5

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2013年8月16日 (金)

アメリカアサガオ、マルバアメリカアサガオ、ノアサガオ、アサガオ

 今を盛りと咲き競う道端のアサガオ仲間です。

●アメリカアサガオ(ヒルガオ科サツマイモ属):
 熱帯アメリカ原産の侵入生物、一年草。
 道端や草原に、在来園芸種をしのぐ勢いで繁茂しています。葉は心臓形で深く3~5裂し、ロート状の花冠は径3cmほど、花色は青色その他様々の花をつけています。
 当地で見られる花は水色です。 
 なお、葉に切れ込みがない変種マルバアメリカアサガオも同じ環境にすごい勢いで生えています。
 花期は夏~秋、
 国内移入分布:北海道、本州、四国、九州に定着し、分布を広げています。Photo
http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/81300.html

 
●マルバアメリカアサガオ(ヒルガオ科サツマイモ属):
 アメリカアサガオの葉の裂けない型で、マルバです。それ以外生態はアメリカアサガオ同様です。Photo_2

 
●ノアサガオ(ヒルガオ科サツマイモ属):
 沖縄県原産で、同県では低地の森林や藪にごく普通に分布する野生種。
 上記のアメリカアサガオ仲間より更に元気です。花色も濃い紫で、日中でも萎れないで丈夫です。
 多年生、宿根性で、関東以南では越冬して成長し古い茎はやや木質化します。
 草勢はきわめて強健で、蔓は数mの高さにまで伸び、垣根や家の壁面などをカーテン状に覆い尽くし、外灯の柱をよじ登り、電話ケーブルなどに絡むようになるともう”公害植物”です。
 当地で見られる花は小ぶりの青紫~濃紫色ですが、多数の房咲きになると見応えがあります。
 葉はアサガオより大きな掌大のハート形です。結実しにくく、種はわずかしかできませんが、挿し木で容易に繁殖できます。暖地では露地でも越冬します。Photo_3

 
●アサガオ
 逸脱園芸種です。花は大きく、薄い水色で涼しげですが、真っ先に萎れてしまいます。R0037506_1

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2013年8月15日 (木)

夏の山地で(ヤブミョウガ、アカバナ、キンミズヒキ→ヒメキンミズヒキ、ミゾカクシ、そしてヤマカガシ)

 8月初旬の山地で普通に見かけられる植物などです。

●ヤブミョウガ(ツユクサ科ヤブミョウガ属):
 山地の林縁に自生する多年草です
 茎の先に20~30cmの円錐花序を付け、5~6段の輪生状に枝を出し、花は下部から咲いていきます。
 花後、黒紫色で5~6mmの球形の液果が出来ます。
 花期は8~9月、分布は関東以西。R003785

 
●アカバナ(アカバナ科アカバナ属):
 山地の水路際に大きな株になって生えていました。
 山野の湿地に生える多年草で、小さな紅紫色の4弁花が咲きます。花弁には切れ込みがあります。
 花弁の下には4つの萼片と長い子房があり、この部分が花後、果実になります。 
 果実は蒴果で種髪の付いた種子が多数できます。
 名前の由来は花のアカ色からではなく、夏から秋にかけて葉が赤く染まることからといわれています。
 花期は7~9月、分布は日本各地。Photo

 
キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属):→ヒメキンミズヒキ
 花弁が細長いこと、花付きが疎であることなどからヒメキンミズヒキと訂正しました。
 
 山地~里地の林縁、草地、道端に生える多年草です。
 長さ30~100cmほどの茎をのばし、枝先の穂状花序に、直径6~10mm黄色5弁花をたくさんつけます。
 花期は6~10月、分布は日本各地。Photo_2

 
●ミゾカクシ(別名アゼムシロ)(キキョウ科ミゾカクシ属):
 山地の水田脇にはびこっていました。
 本種は水田の畦や湿地に生える多年草で、茎は細く地を這って長く伸び、節から根を出して増える繁殖力の旺盛な雑草です。
 ついには溝を隠すほどに茂ることからこの和名がつけられました。また、田の畦に筵を敷いたようにはびこる様子からアゼムシロ(畦筵)とも呼ばれてきました。
 しかし現在は農薬や生育環境変化などの影響で、目にする機会はずっと少なくなっています。
 葉腋から長い花柄をのばし、大きさ1cmほどの花冠が5裂して横向きに2個、下向きに3個の裂片がついたユニークな形の花をつけます。
 花期は6~11月、分布は日本各地。Photo_3

 
●ヤマカガシ:
 山地の水田脇の側溝を這っていました。
 毒蛇で、噛まれると危険です。アオダイショウやシマヘビより小さく、背に赤と黒の特有のまだら模様があるので容易に識別出来ます。
 マムシのような攻撃性がないので先に襲われることはありませんが、昨今ウナギが高値で、代替えのヤマウナギと思って手出しをすれば、当然向かって来ますのでご注意を。
 水辺などの多湿地を好んで生息し、カエルなどを捕食しています。Photo_4

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2013年8月14日 (水)

トウキョウヒメハンミョウ、エリザハンミョウ(?)

●トウキョウヒメハンミョウ(ハンミョウ科):
 夏の暑い日、屋外のメダカ水槽に設置した日よけシートに、茶色っぽい小さな甲虫が飛んできました。
 すぐには何だか分からなかったのですが、撮った写真を拡大してみて、はじめてトウキョウヒメハンミョウと確認しました。
 近寄ると、日よけシートからパット跳んで、水槽の水草にとまりました。(画像はクリックで拡大します。)R0037127

 
 そしてまた2mほど飛んで今度は日よけの緑のカーテン・ゴーヤに。R0037140

R0037155

 
 さらに追っかけすると、なんとジャージのズボンの膝下にとまり、上を向いて登ってきます。“俺の顔を撮れ”と言わんばかりのサービス。R0037195_4

※トウキョウヒメハンミョウ:
 体長1cm以下の小型のハンミョウ類(コハンミョウ、エリザハンミョウ、トウキョウヒメハンミョウ)の前翅の斑紋比較図鑑からトウキョウヒメハンミョウと同定しました。
 大きさ(体長)9mm前後。
 暗銅色で、上翅にあまり目立たない白色紋があります。本種は暖地性で、人為的に移入されたとされる小型のハンミョウで、平地から低山地の林縁や都市部の公園、人家の庭などにも棲息しています。
 ハンミョウと同様に近寄ると足元から前に飛んで逃げますが、違うのは、少し先に着地するだけではなく、周囲のものに飛びついたりすること。
 生きたものを大アゴで捕らえる肉食昆虫で、美しいハンミョウに比べると小さく地味ですが、アップで見る顔つきはなかなかの風貌です。
 幼虫は地面に穴を作り、近づいたアリなどを穴から捕食するそうです。
 出現時期は6~9月、分布はかなり局地的で、関東の東京周辺と、北九州。

 その後もこの飛翔能力の高いトウキョウヒメハンミョウは数日間、庭に姿を見せていました。
 ただ、住みつくような環境ではありませんから、少し距離はありますが、散歩コースの草原まで、「探索」に行ってきました。
 途中のたんぼ道で、1匹見つけました。土の色に紛れて、”居るはずだ”と注視しながら歩かないと、まず目にはとまりません。
 そして目的地の開けた草原に。
 予想通りあちこちに見つかりました。これまでは茶色っぽいクモか何か、ともかく小さな虫が素早く横切っていくだけと、全く気にもとめなかったものでしたが、注視すれば紛れもなく、この地味なハンミョウが餌の小昆虫を探しながらそこここに歩き回っていることが分かりました。

 
エリザハンミョウ:(不明)(→後日記事内容訂正いたしました。)
 ハンミョウ類はその特異な歩き方ですぐに他の虫と区別できますが、近寄るとすぐに飛ぶので、なかなか思うようにマクロの画像が撮れません。
 何日か撮りためて、後日画像を整理していたところ、前翅の白色斑紋から、こちらも初めてエリザハンミョウ確認した思われる個体が写っていましたが、この画像では情報不足で不確かです。R0037289_14

※エリザハンミョウ:
 体長9~10mmほど。出現時期は5~9月、分布は日本各地。

 知らないだけで、身近なところにもまだまだ色々な昆虫が普通に生息しているようです。

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2013年8月13日 (火)

キボシアオゴミムシ、オオアトボシアオゴミムシ

 夏の大型雑草刈り取り作業がはじまった堤防の草むら。逃げ出したところに不意打ちの雷雨。
 虫たちもその日に何が起こるか予測はつかないことでしょう。

●キボシアオゴミムシ:
 そんなある日、朝方の遊歩道で、見慣れたキボシアオゴミムシが赤銅色に光りながら横切っていきました。Photo

 
●オオアトボシアオゴミムシ:
 その先に、何かの犠牲になったオオアトボシアオゴミムシが”フィギア”のように固まって路面に”固着”していました。(剥がしてみなかったので些細は分かりません。)Photo_2

 
 そのまた先には、息絶えてアリが群がっているものも。R0037723

 
 そしてしばらく行くと、まだ無事に暮らしているきれいなオオアトボシアオゴミムシが走り抜けていきました。
 頭胸部は緑色に光り、翅端部にあるコンマ状の”黄星”は、翅に生えている黄色に光る細毛のせいで、時には、翅の先でつながっているように見えます。(写真は同一個体です。)Photo_3

 昆虫達にも夏の盛りです。

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2013年8月12日 (月)

夏の山地で(ボタンヅル、タマアジサイ、イワガラミ、ミツバウツギの果実、サルナシの果実

 夏の山地で普通に見かける木の花や果実です。

●ボタンヅル(キンポウゲ科センニンソウ属):
 山野の日当たりの良い草地や林縁で他の植物に絡みついて生育する落葉つる性半低木です。
 秋に葉を落とした後、蔓いっぱいについた綿毛の種が白く光る冬の姿がきれいです。
 花期は8月~9月,分布は本州、四国、九州。Img_0366trmcc

 
●タマアジサイ(ユキノシタ科アジサイ属):
 山地の谷間や沢筋などに生える落葉低木です。
 枝先に散房状花序を出し、控えめな薄紫の花を開きます。
 花期は7~9月、分布は福島県以南から中部地方。Photo_5

 
●イワガラミ(アジサイ科イワガラミ属):
 山地の岩崖や林縁に蔓で巻き付き生育する落葉つる性木本です。
 本年枝の先に散房花序をつけ、花序には、小型の多数の両性花と、周辺に装飾花をつけます。装飾花は、1枚の萼片が大きくなります。
 花期は5~7月、分布は日本各地。Photo_6

 
●ミツバウツギの果実(ミツバウツギ科ミツバウツギ属):
 山地林間によく見られる落葉低木です。
 花期は5~6月、結実は7~8月。分布は日本各地。Photo_7

 
●サルナシの果実(マタタビ科マタタビ属):
 山地や丘陵地の林縁,林内に生える落葉つる性低木です。
 花期は6~7月、結実期は8月。収穫時期は秋。 
 果実は2~2.5cmでりんごのような形をしています。熟すと淡緑黄色に熟し、甘酸っぱく美味しいです。猿など、山の動物達の秋の食料になります。
 分布は日本各地。R0037496_1

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2013年8月11日 (日)

山地に咲く夏の花(コバノギボウシ、ドクゼリ、シシウド、チダケサシ、ツリフネソウ、ヤマユリ、ウバユリ

 夏の山地で普通に見られる植物です.(順不同)。

●コバノギボウシ(小葉の擬宝珠)(ユリ科ギボウシ属):
 山野の湿り気のあるところに生える多年草。
 花期は8~10月。分布は日本各地。R0037469_2

 
●ドクゼリ(セリ科ドクゼリ属):
 山地の湿地や水辺に生える、名前の通り有毒の多年草。草丈は80~100cm。
 茎先に複数の散形花序を出し、花径3~5mmの白色小花が密に咲いた球形の小花序をつけます。
 花期は8~10月、分布は日本全国。R0037478trm_2

 
●シシウド(セリ科シシウド属):
 山地に生える大型の多年草で、根は太く、花茎をつけるまでに4~5年かかり、花が咲いて実をつけると枯死してしまいます。
 花は茎頂の大型複合散形花序に、白色5弁の小花を多数つけます。
 花期は7~8月,分布は日本各地。R0037478_2

 
●チダケサシ(乳蕈刺)(ユキノシタチダケサシ属):
 山地から里地の湿り気のある草地や林縁に生える多年草。
 高さ1mほどの長い花茎を出してほぼ白色~わずかに紫色を帯びた花を咲かせます。
 和名の由来は、乳蕈(チダケ)というキノコを茎に刺して持ち帰ったところからだそうです。
 花期は7~8月、分布は本州、四国、九州。Photo_3

 
●ツリフネソウ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属):
 山地のやや湿ったところに生育する1年草。
 花期は8~10月、分布は日本各地。
●ヤマユリ(ユリ科ユリ属‎):
 山地から平地の半日陰になる斜面や、明るい林、草原に生える多年草(球根植物)。
 花の大きさ、優美さ、香りなどから日本の百合の女王とも呼ばれています。
 花期は7~8月、分布は東北地方から近畿地方。(なおその他の地域でも栽培されていたものが逸出して野生状態で見られることがあります。)
●ウバユリ(ユリ科ウバユリ属):
 主に山地の林下、林縁や藪など、薄明るい場所に生育する多年草です。
 花期は7~8月、分布は関東地方以西、四国、九州。
 (写真は上から順に)Photo_4

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2013年8月10日 (土)

立秋後、猛暑日のヒガンバナ、芙蓉、アブラゼミ

 このところ猛暑日が続いています。とうぜん熱帯夜も。今日は近隣で39℃の最高気温予報です。くれぐれも注意を。

●ヒガンバナ:
 連日雷雨の不意打ちが続いていた先頃、雨上がりの庭の片隅にびしょびしょに濡れて傾いた数本の花径に、赤い花が突然のように開いていました。まだ小降りの中、記念撮影。R0037886_1

 
 その後の猛暑日、ぎらぎらした日に照らされて白く光るヒガンバナ。
 秋が立った真夏、なんと言うことなく、この違和感。R0037894

 
●芙蓉:
 雑草並みにすごい勢いで枝が伸びて、狭い庭では通行の妨げになるため、つぼみの付いていた低い枝は全部切り取ってしまいました。
 それで、花が咲き出したのに気がついたのは足元にポタポタ落ちだした1日花の萎んだ塊。花は2階のベランダから見るようになりました。Photo_3

 
●アブラゼミ:
 7月中旬から例年のようにアブラゼミが地上に出てきます。その数のわりには、日中でも鳴き声はあまり聞こえません。
 暑苦しさを増幅しない程度に鳴いてくれた方が存在感がありますが・・・
 ご近所の庭木からはツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきました。Photo

 
 ある朝、玄関の日陰にいたアブラゼミ。
 カメラを向けると、暑いね~、とカメラをのぞき込むように体を立ててきました。指でつまんで放ると、ジジッと一声出して青空に飛んでいきました。Photo_2

 お盆休みで各地に向かう高速道路は今日がピークで早朝から大渋滞の模様。
電線の影をも伝い歩く熱暑です。甲子園は更に熱いことでしょう。

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2013年8月 9日 (金)

ミズタマソウ(水玉草)

●ミズタマソウ(水玉草)(アカバナ科ミズタマソウ属):

 8月のはじめ、山地林縁で見かけました。遠目にはこの時期あまり目立ちません。
本種は山地の湿り気のある林縁や林床に生える草丈20~60cmほどの多年草です。
 茎頂部や上部の葉腋から総状花序を出し、長さ約3~4mmの小さな白い花を疎らにつけます。R0037862trm11

 
 花には花弁より大きな薄緑色の萼が2枚付属していて、その上にハート型の白色2弁花が咲きますが、花弁の切れ込みが深いため4弁花に見えます。
 長く伸びでた雌しべ1本(子房の下位につきます)と、雌しべより短いものの、2本の雄しべも目立ちます。
 また花の後ろには白いカギ毛が密生した卵形の子房があり、花が落ちる8~9月頃には白毛が密生した球形で径4mmほどの丸い果実(堅果)になります。
 (この時の様子が“水玉”に喩えられて和名になりました。)R0037862trmcc

 葉は対生し、長さ5~12cmの長卵形~卵状長楕円形で先端はとがり、ふちには浅い鋸歯があります。また葉腋や花柄の基部(節)は赤褐色を帯びています。
 花期は7~9月、分布は日本各地。

 なお、花も実もそっくりの「ウシタキソウ」がありますが、ウシタキソウは葉がずっと広いこと、またミズタマソウのように葉の付け根は赤くならないので、容易に識別可能です。

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2013年8月 8日 (木)

ハグロソウ(葉黒草)、キツネノマゴ

●ハグロソウ(キツネノマゴ科ハグロソウ属):

 8月はじめ、山地の森林帯林縁に点々と生えているのを初めて見かけました。
 草丈は20~40cmほど。花は長径2cmほどで小さいながらも、濃い緑の葉状の苞に挟まれたユニークな2弁花で、とても目立ちました。R0037860_3trmh

 
 本種は山地の半日陰で、やや湿り気のある林縁などに生える多年草です。
 茎の先や上部の葉の脇から長さ5~15mmの花柄を出し、その先に付いた手の平を合わせたような2枚の苞葉の間に花をつけます。
 下弁に沿うように、雄しべ2本、雌しべ1本が伸びています。通常花の数は1個ですが、まれに2~3個付くことがあります。R0037860_4

 
 特徴のある上下に開いた2弁の唇形花で、上の花びらはやや細く先が反り返り、下唇は丸く大きくなっています。
 花の色はほとんど白色に近いものから紅紫色と変化があり、花びらの内側には、濃い紅紫色の斑点模様があります。R0037860_1

 
 葉の表面は暗緑色で、葉先も基部も尖る長さ5~10cmの卵状長楕円形で、2枚の葉が対生して(向かい合って)茎につきます。
 花が終わると、長さ約9~12ミリの実が出来ます。
 なお、「葉黒草」の名前は、葉が黒く見えるほどの暗緑色をしていることに由来する、とも。R0037860_7trm2

 花期は7月下旬~10月上旬頃、(自生)分布は関東以西の本州~九州の森林帯とされ、目にする機会はあまり多くはなさそうです。

 
※キツネノマゴ(キツネノマゴ科キツネノマゴ属):
 余談ながら、遠目には小さな花の形(唇形花)が若干似ているものに、同じキツネノマゴ科の「キツネノマゴ」があります。
 こちらは本州~九州の道端など、どこにでも普通に見られる雑草です。2r2_

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2013年8月 7日 (水)

アメリカイヌホオズキ、ハエドクソウ

 8月になってからも不安定な天候続きで、朝は曇り、しばらくして日が照りつけ蒸し暑さが増した昼過ぎころから、油断していると頭上に黒雲がやってきて、あっという間に.風が吹いて雷が鳴り、いきなり頭の上だけ土砂降りに。
 そんな天気の繰り返しのおかげで、充分水やりができて、気温も高すぎず、また日光もそれなりにあるので、まさに雑草の”促成栽培”環境条件は完備。
 というわけで、気がつくと狭い庭に抜いても抜いても、雑草が育っていました。

 そして今日は暦の上では立秋。
 しかし実態は、昨日も外出先で急な土砂降りの洗礼を受けてひどい目に遭いましたが、今日は(はずれの多い)週間天気予報のとおり、朝から久しぶりの青空で晴れ上がり、日中は35℃を越える猛暑日が戻ってきます。
 この天気は当分の間そのまま続く見通しで、水不足の心配は解消されません。
 でも、日中、除草された原っぱの枯れ草の中から、エンマコオロギがか細い声で、”暑いよ~”と鳴いています。季節は静かに巡っています。 

●アメリカイヌホオズキ:
 庭木の徒長枝の間に、突然1.5mほどにも伸びた長い茎が飛び出していて、何だ?と思ったら、ご近所にもはびこっている「アメリカイヌホオズキ」※でした。見るとまだ草丈も短く花も付いていない4~50cmほどの数本も育っていました。
 茎の上の方を持って引っぱると根元からズルッと抜けるので草取りは簡単でしたが。
 昨シーズンに鳥が種を運んできていたのでしょうか。
 花が咲いていましたが、実はまだでした。R0037678_1trm

 
 堤防の草地にはびこっているもの。果実は1箇所から球形についています。これはアメリカイヌホオズキの特徴とされています。黒く熟した実を潰してみると多数の種に混じって球状顆粒も見られるようです。
 (※なお、今回記事では「アメリカ~」、としましたが、「オオイヌホオズキ」かも知れません。両者の区別はこれだけの画像資料では判然としません。)Photo

 
ハエドクソウ
 昨年、雑草溜まりのプランターに生えていたのは承知していましたが、今シーズンはあちらこちらに”飛び火”していました。
 花は淡い紫色から白色で、花は穂状花序に横向きに下から順番に咲いていきます。
 開花後は下向きになり、大きさ5~6mmの萼が残って、イノコヅチに似た果実となり、萼の上側にある3本の刺で“ひっつき虫”になって人や動物などにくっついて運ばれ分布を広げます。R0037683_5 Photo_2 R0037683_3cctrm

 同じ環境下で、鉢植えの園芸植物のいくつかは、枯れたり、消滅してしまったものもあります。雑草はたくましいことです。

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2013年8月 6日 (火)

ミシシッピアカミミガメ

 今更のようにと、聞きましたが、先日(7月末)、 ”ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)が、各地で大繁殖し、生態系に脅威をあたえ、農業にも被害“とNHKニュース報道がありました。
 もうずいぶん前から「人の責任」であることは分かっていることなのに・・・
 界隈の水路では日常的に、甲羅の大きさ25cm以上はある多数の大きなミシシッピアカミミガメ、そして生まれて間もない、大きさ5cmほどのまだ小さな“ミドリガメ”を目撃しますが、在来種のクサガメやイシガメは全く見かけません。P7026955

 
 話変わって、雑談です。
 このところ不安定な天候続きで、近隣各地域に降る局所的な大雨のせいで、近郊の河川も増水したままになっています。
 午前中だけ晴れたある日、その水量を調節する調節池にいってみると、やはりかなり水位が上がっていました。
 その水面をボーッと見渡していたときに、ほとんど無風の水面に白く輝く、何者かの“航跡”が、白く光って広がっていました。
 いくら目をこらしても肉眼では“航跡”のヌシらしいものは何も見えませんが、光の帯の尖った先端はどんどん移動し、時に大きく回転し、またUターンしたりして動いています。
 双眼鏡を持っていませんでしたので、結局不明のままでした。
 あるいは上流から流れ込んで、水面を泳ぐ魚の大群、だったのかも知れません。
 →後日、池の端で釣りをしている常連の釣り人から。「ボラ」の群れだと聞きました。そういえば、町裏を流れる水路にも姿を見せることがありますImg_0389_1 Img_0389_2 Img_0389_3 Img_0389_3cctrm  

 帰り道の用水路で、茶色に濁って増水した流れに首先だけ出して、流れに任せてぷかぷか浮いているミシシッピアカミミガメを見かけました。上流にも沢山いるのでしょう。

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2013年8月 5日 (月)

トゲザトウムシ

●トゲザトウムシ(クモ綱ザトウムシ目マザトウムシ科マザトウムシ亜科):

 山地の神社林内で見つけました。
 体長5~6mmの 小さな体に、体の数倍ある異様に細長い歩脚(特に第2脚)で、薄暗い境内の石積みの上を緩慢な動作で移動していました。
 なかなかピントが合わず、撮影画像を確認しながら何回か撮り直しましたが、すべて“ぬるい”ピンボケ画像になりました。R0036165cc

R00361672

 ザトウムシの仲間は、分類から分かるように、クモの遠縁ではありますが、クモではなく、どちらかというとダニに近いそうです。
 脚は8本で細長く、多くは頭胸部と腹部はクモほどにはくびれないで繋がり、体全体が丸く見える体型です。 
 頭胸部の真ん中には、上に突き出した突起があり、その側面に左右1対の目(種類によってはないもの)がありますが、その機能は明暗しか感知できず、物を見ることは出来ないそうです。
 そのため、長い歩脚(特に第2歩脚)でまわりを探りながら歩き、その様子を”座頭”になぞらえたのだとも。
 今回の写真では分かりませんが、トゲザトウムシの特徴としては、頭部前方に、白っぽい小さなトゲが3個あり、8本の脚の中で、第2歩脚が特別に長いということで、本州の山地ブナ林などでよく見られるそうです。
 いるところには”うじゃうじゃいる”、とのことで珍しくはないようですが、通常なかなか目を向けないし関心も向かないのでしょうか、情報はあまり多くありませんでした。
 分布は本州(山地)など、 出現時期は6~10月。

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2013年8月 4日 (日)

ヤサガタアシナガグモ

ヤサガタアシナガグモ(Tetragnatha maxillosa)(アシナガグモ科):

 水田地帯の真ん中を流れる水路に立ち枯れた草の茎に、”枯れ茎ですよ”という風につかまっていました。
 脚を縦に真っ直ぐ伸ばし茎に掴まることで風景に溶け込み、ただ脚を伸ばしておくだけでも枯れた小枝か茎のように見え、風景に馴染んでしまいます。

 肉眼で実物を観てもなかなか識別が難しいほど見事なカモフラージュでした。(画像はクリックで拡大します。)
 腹面R0037646

 
 側面R0037642

 
 背面2r

 
 すぐ傍のキツネのボタンにも1匹いました。こちらは移動中ですぐ目につきました。R0037653

 
 そして、もう一匹、腹面を見せて空中に浮かんでいるよう見えたのがこちらです。Photo_2

 水田(田んぼのイネ)に多いクモで、イネの害虫を捕捉する”益虫”です。(ムシではありませんが・・・)
 もっとも水田では散布される防除剤のため、見かける機会は少ないですが、体長♀10~12㎜、♂9~10㎜で、足が長いだけでなく腹部も細長く、褐色の模様があります。
 水面から数十センチ以内の空間に斜め~水平に円網を張りますが、網は目立たないので、肉眼的には宙に浮いているように見えます。
 アシナガグモ(Tetragnatha praedonia)に似ていますが、体型がほっそりしていて、アシナガグモのように水辺から離れたり、高い木の枝に網を張ったりすることはありません。
 出現時期は4~10月、分布は日本各地。

余談:
 なお、原色日本クモ類図鑑(保育社)には、アシナガグモとヤサガタアシナガグモの識別は、上顎の牙の基部外側に突起があるのがアシナガグモで、突起がなく丸く湾曲しているのがヤサガタアシナガグモと、簡単に区別できると記載され、その両者の精密な図も掲載されています。
 ただ、その観察には捕獲標本を実体顕微鏡などで観察しなければむずかしいように思いました。 

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2013年8月 3日 (土)

千畳敷カールの高山植物(2013/7、その5最終回)

 7月下旬、中央アルプス千畳敷カールに咲いていた高山植物の続き(その5、最終回)で、木本類です。

チングルマ(バラ科):
 高山帯や亜高山帯に生育する落葉性の木本です。草本のように見えますが、地面を這う落葉小低木です。
 花茎の先に直径2~3cmほどの白色5弁花を1つ咲かせますが、遠目には中心部が薄い黄色に見えるほど、黄色い雄しべが多数あります。今回は霧に濡れてくっつき合っていました。
 葉は羽状複葉で長さは6~10cmほど。枝は地面を這い、群生して花畑をつくります。
 花後にできる種の“風車のような綿毛”がユニークです。
 花期は7~8月、分布は北海道、本州中部以北。2r 

 
●アオノツガザクラ(ツツジ科):
 高山帯の岩場や草地に生える常緑小低木で、ツガに似た針形の常緑葉と、クリーム色でかわいらしい釣鐘形の花が特徴です。
 分布は北海道、本州中部以北。Photo_4 

 
●コメバツガザクラ(ツツジ科コメバツガザクラ属):
 高山から亜高山の砂礫地や礫間などに生育する矮性の低木です。
 葉の幅は3~5mmと小さく、茎の先端では3枚が輪生し、7月に長さ5mmほどの花を数個つけます。
 分布は北海道、本州中部以北。R0037433 

 
●ハイマツの雄花(マツ科マツ属):
 高山帯に生育する常緑針葉樹。通りがかりに目についた紅紫色の雄花だけ撮れましたが、雌花の方の写真はありません。
 分布は北海道、中部以北。R0037432 

 
●ナナカマド(バラ科):
 山地~亜高山帯に自生する落葉高木です。白く小さい花をつけていました。
 秋、赤く染まる紅葉や果実が美しいので、北海道や東北地方では街路樹としてもよく植えられています。  
 花期は夏。分布は日本各地。Photo_5

 これまですべて、濃霧に濡れて咲いていたのは、ビジョビジョの”水もしたたる良いお花”ばかりでした。

ps.7月末に中央アルプス檜尾岳付近で不幸な遭難事故がありました。山の”安全”も景観もお天気次第です。

                  (完)

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2013年8月 2日 (金)

千畳敷カールの高山植物(2013/7、その4)ショウジョウバカマ、イワスゲ、ミヤマカラマツ、ゴゼンタチバナ、ミヤマシシウド、ミツバオウレン

 7月下旬、中央アルプス千畳敷カールに咲く高山植物の続き(その4)です。

●ショウジョウバカマ(ユリ科):
 既に花の時期は終わりですが、霧に濡れて、ところどころに咲き残っていました。 
 花の方は、終わったあとも花被はそのまま残り、色あせはするものの黄緑色になって夏にも花が咲いているような姿になります。低地でも普通に見られます。
 葉は、冬も枯れないで根際から放射状に多数出ます。それぞれ長さ5~10cmで先端がとがっています。
 花期は低山では3~4月ですが、高山では雪渓が融けたあとの6~7月になります。分布は日本各地。(写真上)
●イワスゲ(別名タカネスゲ) (カヤツリグサ科):
 写真1枚しか撮っていませんので、不確かですが、イワスゲとしました。
 高山帯の砂礫地に生育しています。
 花期7~8月、分布は本州(中部以北)。(写真下)Photo

 
●ミヤマカラマツ(キンポウゲ科カラマツソウ属):
 山地や亜高山の林縁に生える多年草です。濃霧で濡れてくっついた白いオシベの花糸が、遠目には白い花弁のように見えました。
 茎先に白い花をつけますが、花弁はなく、萼片も早くに落ちてしまい、花弁のように見えるのは雄しべの花糸です。
 草丈は30~70cm。根際から生える葉は2~3回3出複葉で、長い柄があり、小葉は長楕円形で、縁には鈍い鋸歯があります。また、茎につく葉は2、3枚で、上部の葉は単葉になります。
 花期は5~8月。分布は日本各地。R0037392

 
●ゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属):
 亜高山帯~高山帯の針葉樹林下や林縁に生育する多年草です。草丈5~15cmほどで、花は花弁のように見える4枚の白い総苞に囲まれていて、その中央に頭状小花が集まっています。
 秋に小さな赤い実が付きます。
 花期は6月下旬~8月、分布は北海道、本州、四国。Photo_2

 
●ミヤマシシウド(セリ科シシウド属):
 わが国の固有種です。亜高山帯から高山帯の草地や礫地に生える多年草で、高さは1~1.5mになります。
 茎は太くて中空です。葉の表面は、明るい緑色でやや光沢があります。
 茎の先に大きな複散形花序を出して、白い小さな花をいっぱいに咲かせます。
 花期は7~8月、分布は本州の中部地方以北から東北地方。Photo_3

 
●ミツバオウレン(キンポウゲ科オウレン属):
 亜高山帯から高山帯の針葉樹林内や林縁、湿地などに生育する多年草です。
 根茎は細長く、横に這って繁殖します。根出葉は3出複葉で、小葉は倒卵形で光沢があり、縁には鋭い重鋸歯があります。
 花茎は緑色で、高さは5~10cmになり、1個の花を上向きにつけます。花の径は7~10mm、白い花弁にみえるのは萼片で5枚あり、長楕円形。
 花弁は黄色で萼片より小さく、蜜を分泌します。果実はほぼ卵形の袋果で矢車状に開出し、袋果の長さ3~8mmです。
 花期は6~8月、分布は北海道、本州中部以北。3r

                 (その5:最終回) に続きます。

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2013年8月 1日 (木)

千畳敷カールの高山植物(2013/7、その3)ミヤマクロユリ、コイワカガミ、コバイケイソウ、ヨツバシオガマ、チシマギキョウ

 8月スタート。もう夏バテしそうですが、これから熱暑の本番です。先が長そうですから、マイペースで。 

 7月下旬、中央アルプス千畳敷カールに咲いていた高山植物の続き(その3)です。

●ミヤマクロユリ(ユリ科):
 高山帯の草地に自生しているバイモ属の植物で、母種のクロユリの高山型です。
 花は茎の先に1~2個つき、暗い紫褐色で黄色の細かい斑点も見られユニーク。
 地下に鱗茎があり、茎の長さは10~30cmに。葉は互生しますが、接近して2~3段の輪生状につきます。Photo

 
●コイワカガミ(イワウメ科):
 水滴のしたたる「淡紅色の美しい花冠をかぶった姿」がとても可愛らしく写りました。
 「岩鏡」と呼ぶのは、常緑の葉に光沢があるところから。葉は長さ幅とも2~4cmの円形。
 茎の先に2~4個の花を咲かせます。 花後には赤みがかった実ができ、また、葉も秋には赤くなり冬を越します。3r

 
●コバイケイソウ(ユリ科):
  シュロソウ属の多年草で有毒植物です。大型で、群生が目立ちます。
 花は径8mmほどの大きさ。葉はだ円形でたくさんつきます。
 「数年に一度しか咲かない」ともいわれ、にぎやかに千畳敷を彩る年がある一方で、ほとんど花が見られない年もあるという。3r_2

 
●ヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科):
 葉は茎の各節に4枚、時には3~6枚輪生し、下部には葉柄がありません。
 花は紅紫色で、上の花弁は先端が細長いくちばし状になります。2r

 
●チシマギキョウ(キキョウ科):
 花は濃い青紫色で、横向きにつきます。先端は5裂し、内面には長い毛が生えています。
 葉は根の際から数枚出て、へら形で縁には粗いギザギザがあります。
 なおイワギキョウと良く似ていますが、イワギキョウはもっと登らなければ、千畳敷カール周辺では見られません。3r_3

                     (その4)に続きます。

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