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2013年11月 8日 (金)

ムラサキツバメ(2013/11)

ムラサキツバメ(シジミチョウ科)

 初めて確認、観察できたムラサキツバメです。

 本種は、もともと紀伊半島より南西、四国、九州地方の暖地で、マテバシイなどの照葉樹林帯に分布するとされるチョウですが、近年。温暖化とともにどんどん分布域を広げ、すでに関東地方にも定着しているということです。 
 見つけた時には良かった、と思ったのですが温暖化の進行の証でもあり、素直には喜べません。

 夏の間に伸び放題で、冬の日照の邪魔にもなる狭い庭の植木の枝をばさばさ切っていた先日、小型の茶色いチョウが1頭飛び出して、しばらくの間、近所をヒラヒラ飛び回っていました。
 しばらく目で追っていましたがそのままに。
 それから大分経過して、後始末の掃除をはじめた頃、またどこからか戻ってきて周囲をかなり長い間飛び回った末に、近くのキンモクセイの葉裏に逆さまにとまったのが見えました。
 足元にあった脚立に登って、間近でのぞくと逃げる様子も無くじっとしています。
 一見、以前にも、庭で見かけたムラサキシジミのように見えました。しかしよく見ると後翅に明瞭な尾状突起があり、様子が違うため、捕獲確認することに。
 玄関先にあった廃品で、手のひら大の透明プラスチック容器2個を使って葉ごとバサッと挟んで、いとも簡単に捕獲できました。
 あり合わせのガラス板で蓋をしてそのまま玄関先に放置。
 その夜冷たい雨が降って、朝方の気温も10℃を下回るほど。のぞいてみると翅を閉じたままじっとしていました。
 リビングに持ち込んで、朝日の当たるとことで蓋をずらすと、ゆるゆると容器縁まで登り、ゆっくりと翅を広げます。
 さらにガラス板にとまって翅を開き、これを何回か繰り返してカーテンに飛び移り、カーテンを登っていきました。
 この間に写真は充分撮れましたので、窓を開けると、すぐに飛び立って行きました。
 写真から、やはり初めて観察確認できたムラサキツバメの♀と分かりました。

 
●ムラサキツバメ♀:
 裏翅と後翅の尾状突起R0040018trm

2r

 
 表翅R0040029trmcc2

R0040036trmcc

R0040040trmcc

 どこからやって来たのか不明です。公園の林にはマテバシイやコナラなどの植樹がありますが、ご近所にはマテバシイはありません。

ムラサキツバメ:
 開張(翅を広げた大きさ)は4cm前後。♂の翅表は、黒褐色の縁取り以外、ほぼ全体が暗い紫色の鱗粉で覆われています。
 一方、♀の翅表は周囲が黒褐色の地色で、その中に♂より狭い部分が明るい紫色に輝く鱗粉で覆われています。
 翅の裏面は、オスメスとも薄い茶褐色で、色の濃い斑紋が数個並んでいます。
 後翅には尾状突起が1対あります。
 近縁種のムラサキシジミよりわずかに大型であること、前翅・前縁の先端が(ムラサキシジミのように尖らず)丸くなること、後翅に尾状突起があることなどで区別できます。
 本種は、1990年代までは本州(近畿地方以西)、四国、九州に分布していると考えられていましたが、その後、東海、関東地方や福島県へと分布域を広げつつあると考えられていて、気候温暖化などの原因の他に、ムラサキツバメの幼虫の食草となるマテバシイなどが街路樹や庭木として植樹されていることが関係しているとみられているそうです。
 また、これらの地方では春に成虫がほとんど観察できず、夏から秋にかけて個体数が増えることから、越冬できる個体がいないかまたはかなり少なく、毎年暖かい地方から移動してきたチョウが夏の間だけ一時的に分布しているという可能性もあるとも。
 その年最初の成虫は5月下旬から6月にかけて現れ、3~4世代を繰り返しながら11月頃まで成虫が見られ、成虫で越冬し、林の下草の葉の裏などで、数匹から10数匹ほどが寄り集まって冬を越すそうです。

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