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2014年4月

2014年4月30日 (水)

『機織り形埴輪』

 昨日は曇天の後、夜半から雨に、そして本日は終日の肌寒い雨で4月も終わりになりました。
 さて、旧聞になりますが、
 去る3月31日、栃木県下野市国分寺628にある満開の淡墨の桜を見学に行きました。
 その折り、『しもつけ風土記の丘資料館』にも立ち寄ってみたのですが、あいにく月曜の休館日でした。
 その後、”天平の花祭り”開催中(花祭りの会期は5月6日まで)で、八重桜が満開になっていた4月中旬の好天の1日、あらためて「しもつけ風土記の丘資料館」の見学に行ってきました。
 当日はもちろん花祭り会場周辺は大勢の人出で賑わっていました。
 その賑わいをチラリと眺めた後、すぐ傍なのにずっと静かだった『しもつけ風土記の丘資料館』の見学に。
 折しも企画展の『甲塚古墳出土埴輪展』(開催は5月6日まで)が行われていて、常設展示の見学後、企画展をゆっくりと鑑賞してきました。
 もとより基礎的な知識はなく、表面的な理解しか出来ませんが、復元された多数の人物埴輪や馬形埴輪の他に、今まで見たことがなかった”機織り形埴輪”が復元展示されていて、とても興味深く見学しました。
 復元には当然ながら色々ご苦労があったようですが、(学芸員の方に撮影OKの確認をとってから)ともかくその写真を撮って来ましたので掲載しました。

●弥生時代から古墳時代後期頃までの「古代日本の紡織」を彷彿とさせる美しい造形です。
 (以下の画像はクリックで拡大します。.戻るにはページ画面左上の左向き矢印をクリックして下さい。)
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2014年4月29日 (火)

コガモ、ダイサギ、コチドリ、コアジサシ、ムナグロ、ツバメ (2014 /4)

 近郊の田植え作業が方々で始まり、5月のゴールデンウイークには最盛期となります。
 散歩コースのフィールドにやってくる鳥たちも、いよいよ夏バージョンに変わってきました。
 ここ数日のフィールド鳥撮り日記です。

●コガモ(冬鳥):
 まだいる池のコガモ
 例年のように、少数ながら最後まで残っています。
 傍らの草地ではヒバリが囀り、ツバメが水面上を飛び回り、セッカが“ヒッヒッヒッ、ジャッジャッジャッと”やかましく鳴いて上空を飛び、そしてまだ少ないながら、大声のオオヨシキリやコアジサシも、選手交代、冬鳥は早く帰れ、と叫んでいます。
 それでも居眠りを決め込んでいるコガモです。Img_3036

 なお数日前にはヒドリガモの声も聞こえていましたが、この日は姿を見ませんでした。

 
●ダイサギ(サギ科)(留鳥、または夏鳥):
 田植え準備の水が入っている田圃に下りてからゆっくり歩き、脇を流れる用水路に下りて餌獲り中でした。
 とても警戒心が強く、どんどん遠ざかってしまい、後ろ姿の1枚だけ。
 体長80~90cm。小さい画像ではわかりにくいですが、目の周りがきれいな緑色の婚姻色になっていて、飾り羽も風にたなびいていました。
 分布は本州、四国、九州。Img_3031

 
●コチドリ(チドリ科)(夏鳥):
 少し前に姿は見ていましたが、撮れたのは今シーズン初めて。
 大きさ約16cm で、チドリ類の中では最小。黄色いアイリングがシンボルマーク。
 田植えの終わって早苗のそよぐ水田や、池の端、河原などにやって来ます。
 素早く歩いては、急に止まって昆虫などをついばみ、再び歩く繰り返しのジグザグ歩きは、酔っ払いの“千鳥足”です。Photo

 
●コアジサシ(カモメ科)(夏鳥):
 まだ少数ではあるものの、今シーズンも姿を見せました。
 池の上を“キュイ、キュイ、キリリリ”などと鋭い声を発しながら旋回して、釣り人が糸を垂れていてもお構いなしに水面に急降下して魚を捕っています。
 池の中に取り残された金属パイプに止まって休憩中のショットです。
 画像をパソコンで原寸大に拡大してわかりましたが、足輪のつけられた個体がいました。
 なお、最下段の画像は、翌日、別の金属パイプ2本に止まっていたもので、左の足輪が付いていた個体は、前日撮影した足輪画像と同じ個体だろうと思います。
 当地(埼玉県)ではコアジサシはレッドリストの絶滅危惧種(EN)に指定されています。Photo_2

 
●ムナグロ(チドリ科)(旅鳥):
 ”旅鳥”として、春と秋の渡りの時期に全国に飛来します。
 当地では、毎年、田植え時期には、多数ではありませんが必ず姿を見せます。
 しかしこれまで秋に観察したことはまだありません。
 真っ黒い顔で目がどこにあるのかわかりません。いつも顔が黒くない幼鳥/若鳥が一緒です。Photo_3

 
●ツバメ(夏鳥):
 上空で安全確認をしてから、水が張られた田の畦にやってくるのは、巣作り材の泥土を取るため。Img_3080ct

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2014年4月28日 (月)

クロスジカギバ(幼虫)/サンゴジュハムシ幼虫、キアシブトコバチ(2014/4)

クロスジカギバ(幼虫)カギバガ科:

 通りすがりのサンゴジュの生け垣が、遠目には、黄緑色の若葉を展開してすがすがしい景観を呈していましたが、近寄ると害虫に蚕食されて台無しになっていました。

 サンゴジュは春の若緑や秋の赤い実がきれいなので、生け垣や公園樹として植栽されていますが、とかく害虫に好まれるようで、まともな葉の木を見たことがないくらい、虫食いのボロボロの葉になっている樹木が多いです。

 ご多分に漏れず、害虫に喰われた若葉の陰に隠れるように、尾角の長い茶褐色に黄緑色の混じった幼虫が一頭くっついていました。大きさ(体長30mmくらい)。
 それを撮ってからもう一度見回すと、少し離れた日陰で高いところにある葉陰に、もう1匹見つかりました。
 クロスジカギバ、としましたが正しいかどうかわかりません。
ともかく越冬幼虫だったようです。
 (画像はクリックで拡大します。)R007125620

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※クロスジカギバ幼虫:
 終齢幼虫の大きさ(体長)は28~40mm。頭頂部に、あまり目立たない小さな突起が一対あり、胸背部には大きな突起が1個あります。
 また長く伸びた“シッポ“(尾状突起)があります。長さは9mm前後。
 体色は茶褐色型~黄緑色型と変化が多く、同一個体でも週齢により変化するようです。
 食葉樹はスイカズラ科ガマズミ属のサンゴジュ、ガマズミ、オオカメノキなど。分布は日本各地。

 なお、幼虫の食葉樹や姿形よく似た仲間に「アシベニカギバ」(幼虫)がいて、今回も画像だけではどちらとも判断が難しかったのですが、複数のネット上の画像とも比較し、素人の絵合わせで“クロスジ”としましたが、その程度ですので信頼性はありません。
 幼虫を採取、飼育して、蛹化、羽化してくる成虫を観察すれば確証が得られますが、できません。

 
●サンゴジュハムシ幼虫とキアシブトコバチ:
 今回記事と直接接関係ありませんが、穴だらけになったサンゴジュ若葉を裏返して見ると、大きさ10mmほどのサンゴジュハムシの幼虫が方々にくっついていました。
 (写真上:サンゴジュハムシ幼虫)
 そしてまた近くを小さなハチが飛び回っていました。
 なかなかじっとしないので、はっきりした画像が得られませんでしたが、遠くから撮れた画像をトリミングしてみると、どうやらチョウやガの蛹に寄生する寄生蜂の「キアシブトコバチ」のようでした。(写真下)Photo

 春たけなわとなったこの頃、生き物の世界も活気を帯びています。
 それで、人間に都合の良くない”害虫”には、消毒剤の出番が必須になるのでしょう。

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2014年4月27日 (日)

ツグミ、バン、ミシシッピアカミミガメ、ヌートリア(2014/4)

 曇りや雨の日は肌寒く、晴れると夏日になるというように、気温の日間変動が大きくて、夏と冬を行きつ戻りつしているような春この頃です。

●ツグミ:
 夕刻、畑に下りて、播かれたばかりの野菜の種を掘り返している狼藉者のムクドリの群れ。
 その中に、たまたまツグミが一羽居合わせたようです。
 ただ相互に無関心の様子で、せっせと畑土を掘り返していましたが・・・。 
 田圃の上をツバメが飛び交うようになったのに、まだ畑地をうろうろしている冬鳥のツグミです。2r

 北に帰っていくのはもう時間の問題と思いますが。

 
●バンのつがい:
 用水路に若鳥として昨秋やって来た若鳥も額板がきれいに赤くなっていて、すっかり成長してつがいを形成したようです。
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Photo

 稲作シーズン中は用水路の水位変動が大きく、草地も営巣/子育てには向きませんから、水位変動のない地域環境に移動して行くため、ここでは秋まで姿が見られなくなります。

 
●ミシシッピアカミミガメ:
 曇天の用水路の岸辺にたむろしている大きなミシシッピアカミミガメ。Photo_2

 在来種のイシガメやクサガメはもうまったく目にすることはありません。
 厳冬期の1月に、日の当たる川縁で甲羅干しをしている個体を見かけてびっくりしたものです。
 冬眠しないものもいるようで、実際.困るほど丈夫な亀です。

 
●ヌートリア:
 用水路に定住しています。しかし見かける頻度はアカミミガメほどにはありませんから、ここでは増えて困ると言うことでもなさそうです。
 初夏には岸辺に伸びたヨシを根元から噛みきって、水際に巣を作るために泳いで運んでいる姿を見かけます。
 このお方も毛皮取りの目的で連れてこられた動物です。
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2014年4月26日 (土)

クシヒゲハバチ幼虫/ウロコアシナガグモ(2014/4)

●クシヒゲハバチ幼虫(薔薇の害虫):
 先日、庭植えの薔薇(ブルームーン)に、クシヒゲハバチの♀に似たハバチがまとわりついているのを観察していました。
 後日、草取りついでにのぞいてみると、枝の下の方の葉に、点々と白く透けて見えると葉が何枚かあるのに気がつきました。
 その1枚を切り取って裏返してみると、案の定、大きさ3mmほどの芋虫がコロンと丸まってくっついていました。1_2

 
 明るい陽射しに曝すと、急いで這って逃げようとします。
 脚が3対あって、姿形からクシヒゲハバチの幼虫のようで、先日うろついていたハバチはやはり「クシヒゲハバチ」だったものと思います。
 白く半透明の体に、,食べた葉の緑色が透けて見えます。
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 まだ被害の程度は軽微なので、すぐに消毒などしないで模様眺めです。
 これから梅雨時にかけては、チュウレンジハバチなど、やはり次々やってくる害虫の防除対策が必要になりますが・・・

 
●ウロコアシナガグモ:
 別の薔薇(ロイヤルハイネス)は、病害虫や雨に弱くて、光沢があってきれいな新葉はすでにウイルスの被害を受けているようで変形しています。
 また毎年必ず葉切り蜂の被害も受けます。

 それはさておき、下葉を1枚めくってみると、ウロコアシナガグモが足をまっすぐに伸ばして隠れていました。
 光が当たるとすぐに逃げ出していきます。追っかけ撮影。1_3

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 真上から光を受けている時には、”うろこ模様”はあまりわかりませんが、光が斜めに当たる時にはうろこ模様が浮かび上がって見えます。3_4

 水平の円網を張るということですが、気がついたことがありません。
 葉の上で獲物を待つこともある、とのことで、そうしていたのでしょうか。

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2014年4月25日 (金)

アカボシゴマダラ(越冬)幼虫(2014/4)

※アカボシゴマダラ越冬幼虫も発見(2014/4)

 運動がてら通りかかった郊外の保全雑木林(クヌギ、コナラまたエノキやエゴノキなどがあります)沿いの舗装道路脇で、電柱の足元に自生したエノキの幼木が若葉を広げていました。
 通り過ぎようとした時、ふと何かが動いたような気がして立ち止まり、しゃがみ込んで見ると、ゴマダラチョウ幼虫にそっくりの”イモムシ”が頭を振りながら、エノキの若葉を囓っていたのです。

●アカボシゴマダラ幼虫の確認(画像は3番目の個体):  
 肉眼でははっきりしませんでしたが、デジカメ画像を拡大して見ると、”背中の突起”は4対あって3番目が大きく、また”シッポ”は閉じているので、アカボシゴマダラの幼虫とわかりました。R0071342_4ctc_2

 あらためて、高さ1.2mほどしかない幼木をしげしげと見回したところ、全部で3匹の幼虫が見つかりました。
 いずれも、先日散歩コースの公園で見かけたゴマダラチョウ幼虫より大きく、1匹はすでに大きさや体色から、終齢幼虫のようでした。
 なおゴマダラチョウの幼虫は見つかりませんでした。

 
●エノキ幼木にいた3匹のアカボシゴマダラ(越冬)幼虫:R0071356tc3

 いずれの幼虫も若葉にカモフラージュして、じっとしているとわかりませんが、葉を囓りながら動きまわると目につきます。

 
●1匹目:
 最初に気がついた個体。1

 
●2匹目:
 一番体格が良く、終齢に近くなった幼虫で、角状の触覚の一部や、小さくなった背中の4対の突起は淡青色に。
2

 
●3匹目: 一番小ぶりでした。3

 やはり当地でも外来種(人為的移入)のアカボシゴマダラが定着しているようです。
 幼虫は致し方がなく、そのまま見過ごしてきました。
 参考: https://www.nacsj.or.jp/project/ss2011/butfly_02.html

 

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2014年4月24日 (木)

クロボシツツハムシ、ヒメビロウドコガネ(?)、ショウジツルギアブ?

 いずれも4月中旬、自然公園の林縁で見かけた昆虫です。名前は不確かなものもありますが一応記録にしました。

●クロボシツツハムシ(ハムシ科):
 林縁の木の葉上にいました。大きさ(体長)5mmほど。
 赤色で、上翅に黒色紋があるずんぐりした体型で、一瞬アレッと思った、イタドリハムシに似たハムシです。
 葉が揺れたりして気配を感じると、テントウムシのようにポロリと落下して逃げていきます。
 雑木林のクヌギ、クリ、ハンノキなどの葉を食べるということ。
 出現時期は4~8月、分布は本州、四国、九州。 Photo

Photo_2

 
●ヒメビロウドコガネ(?)(コガネムシ科):
 林縁の木の葉にいました。近寄ると前脚を上げて威嚇のポーズ。
 体表面(前翅)が黒いビロード生地のような感じのする小型のコガネムシ。
 少ない情報で同定は困難ですが、ヒメビロウドコガネ(?) と、しました。A

※ヒメビロウドコガネ:
 大きさ(体長)7~8mmほどの黒いコガネムシ。前翅は短毛で覆われていてビロード生地のように見えます。草原や林周辺などで見られ、木や草の葉などを食べます。
 出現時期は4~11月、分布は日本各地。

 
●ショウジツルギアブ?(ツルギアブ科):
 林縁の木の葉にとまっていました。すぐに逃げられて情報不足。
 体は白い毛に覆われて毛深い様子で、大きさ(体長)10mm弱。
 本種の同定は専門家でも難しいそうです。
 それを、素人がピントの甘い写真の絵合わせで直感的にショウジツルギアブ?としたもので、間違いかもしれません。Photo_3

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2014年4月23日 (水)

ゴマダラチョウ越冬幼虫(2014/4)

 公園のツツジ植え込みの隙間に自生したエノキの幼木の新葉にゴマダラチョウの越冬成虫が這い上がっているのを、2匹見つけました。(4月19日)
 今シーズン初見です。
 外来種で、定着しつつあるアカボシゴマダラでは無くて良かったかも。

●エノキ幼木:
  画面中央に1匹の幼虫がいます。1r0071087c

●一匹目:2r0071082

3r00710861

●2匹目の幼虫:
 大分探して見つかりました。なお、その時はこれ以上見つかりませんでした。R00711132

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 なお、アカボシゴマダラ幼虫との区別は、こちらの記事にあります。

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2014年4月22日 (火)

キジ(雉)/コイ(鯉)・2014/4

 早朝は気持ちの良い晴天でしたがすぐに陰りはじめ、正午にはどんより曇り、そして夕刻から小雨に変わった一日になりました。

●田植え:
 近くでは一番早い田植えが行われていました。
 曇った後に吹く風はまだ冷たいものの、ツバメが低く飛んで初夏を感じさせる風景です。R0071255

 
●キジ:
  菜の花の香りが風に乗って、治まりつつある今シーズンの”花粉症鼻”にも匂う草原に、キジの姿がありました。
 少し前から、天気の良い日には”ケーン”という鳴き声だけは聞いていましたが、姿を見るのは今シーズン初めてです。
 つがいだったようです。別々に姿を現してから、ゆっくり歩いて”菜の花藪”に消えていきました。Img_2988

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●鯉:
 水路水門には遡上の始まった鯉が群れをなして集まっていました。Img_2998

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 ゴールデンウイークを過ぎる頃には、町裏を流れる遊歩道沿いの水路にもバシャバシャと水をはね飛ばして遡上する大きな鯉の姿があり、道行く人の足を止める光景が見られます。

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2014年4月21日 (月)

つれづれ日記

 ここ数日、上着なしでは過ごせない寒い日が続いていて、今日は終日冷たい雨、明日も気温は平年並になるものの、朝夕雨の予報です。

 曇天の昨日、早生品種を作られている、近くの田圃では、田起こしの終わった田圃に水を張り代掻き作業が行われていて、数日後の田植えの準備が始まっていました。R0071171

 
 旧聞ですが、さる4/12(土曜日)、国立新美術館まで行ってきました。
 毎年春の恒例で、知人が出品されている絵の展覧会見学です。
 混まないうちにと、少し早めに出かけたので、展示会開場時間に少し余裕があり、コーヒーカップを手にして、気持ちよく晴れた屋外から、”芸術的な”外観の建物風景を撮ってきました。Photo

 
 出品展示作品の大半がキャンバスサイズ100~120号ほどの大作ばかりで、見応えがあります。Photo_2

 
 他にも複数の展示会や企画展が催されているので、”ハシゴ”して、Img158

 文字通り足を棒にして、目の奥がじんじんする時間を過ごしてきました。

 
 帰り道、自宅近くの団地の八重桜が満開で、通学路の街路樹ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)も開き、今が盛りになっています。Photo_3

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2014年4月20日 (日)

小さな庭の春(ハバチの仲間、ネコハエトリ、アマガエル、カナヘビ)

 気温が上がり、勢いよく伸びだした何種類かの薔薇の新葉に、大小、不明の黒いハバチがやって来ます。

●不明のハバチ(クシヒゲハバチ♀?):
 大きい方は体長6mm前後で、脚の脛節が白く、触覚は枝分かれはしていませんが階段状の凸凹があります。名前はわかりません。
 とても熱心に葉の表面を歩き回り、時々じっとしていますが、何をしているのかわかりません。
 時には飛び去りますが、すぐに戻ってきて、周りの他の植物には行かないで、ひどくバラにご執心の様子でした。
 バラの害虫であるクシヒゲハバチの♀に似た特徴がありますが、同定するには情報不足です。
 ともかく要注意観察のようです。10mm

 
●小さいハバチ:
 一回り小さな、体長4mm前後の、全身黒いハバチです。やはり数匹があちらこちらの葉表に止まっています。
 あまり動き回らず、じっとしていることが多いようでした。やはり名前はわかりません。6mm

 
●ネコハエトリ:
 庭に”常駐!”しているネコハエトリが、突如、バラの葉陰から姿を現しました。何か咥えていました。
 体長8mmほどで、網を張らないで歩き回って獲物を捕らえる徘徊性のクモ仲間の一つです。
 逃げられないよう少し遠くから望遠で覗くと、黒いハバチをとらえていました。
 どうやら、葉の上にいる小さい方のハバチの1匹を捕まえたようです。
 いつもながら、大きな目玉がご愛敬で、虫退治に良い仕事をしてくれているようです。
 そして、こういう現場を目にすると、どうしてもバラの消毒剤散布はやりにくくなって、アブラムシの被害、さらにウイルスの被害に遭ってしまうのが毎シーズンの繰り返しなのですが・・・Photo_2

 
●アマガエル:
 目の前で動くものは何でもぺろりと食べてしまうアマガエルが、日陰になったメダカ水槽の縁にいました。
 それまでどこにいたのか、体色は黒くなっていました。これほど黒くなっているのは珍しいです。
 ネコハエトリにとっては天敵でしょうか。R0070716

 
●カナヘビ:
 ハナニラの葉の陰から顔をのぞかせたのは、小さな生き物にとってはやはり天敵のカナヘビです。
 ともかく狭い庭で上手に共存してほしいものです。
 ナメクジを食べてくれると良いのですがねえ・・・R0070674

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2014年4月19日 (土)

ナツグミ開花とモンシロチョウ、ハバチ

ナツグミ(夏茱萸)(グミ科グミ属):落葉小高木

 たぶん鳥が運んで来た種からでしょうか、普段は人通りの少ない用水路脇の細道脇に自生したナツグミが一斉に白い花を開いていました。R0070969_3

 
 なお、花に見えるのは萼筒で、先は4裂します。花弁はありません。R0070969_4

 
 また萼筒の基部は子房と合着して花柄につながっています。萼筒の表面には、褐色の鱗毛があり、斑に見えます。
 葉の裏面には銀色の鱗片があって白緑色に見え、まばらに褐色の鱗片も混ざって斑に見えます。R0070969_5t

 
 花にはモンシロチョウが吸蜜に来ていました。R0070969_1tc

 
 また同様、花にやって来たハバチの姿も見ましたが、こちらは後で写真を拡大して見ると、花に隠れていた(たぶん)ハナグモに捕捉されていたのでした。
 (画像はクリックで拡大します。)R0070969_7tc

 開花時期は4月で、花後6~7月に赤い実がなります。
 熟した実は美味しく食べられ、鳥も好物です。
 普段は足元も悪い抜け道で、めったに人の通らない細道では、鳥も安心して食べられることでしょう。

 なお、初夏に黄色の花を付け、秋に球形に近い実をつけるアキグミもあります。

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2014年4月18日 (金)

池周りの春模様:カワウ、ヒドリガモ、コガモ、ツグミ、ヒバリ

 昨日まではカラカラ天気が続いていましたが、今日は植物にとっては待望の雨に。
 しかし気温も上がらず寒い1日になりました。

 さて、春もたけなわの池回り。
 菜の花(といってもほとんどがセイヨウアブラナほぼ一色)も盛り。
 晴れた日中は、歩くと半袖でも汗ばむほどです。

●菜の花群生:
 釣りキチのおじさんたちの自転車が目立つ、池端に群生した菜の花。
 これでまた今シーズンも大量の種が出来てばらまかれることに。Photo

 
●カワウ(留鳥):
 池の対岸にカワウが1羽、翅を広げて乾かしていました。
 やがてもう一羽、そして次々やって来て4羽に。
 それでもずっと翅を広げたまま動かない、のんびりした春のカワウです。14

 
●ヒドリガモ(冬鳥):
 さすがに数は少なくなったものの、まだヒドリガモの群れが残っています。 
 毎年ゴールデンウイーク前後には北国に旅立っていきます。Photo

 
●コガモ(冬鳥):
 秋、早めにやって来て、春は一番遅くまで残っているコガモです。
 こちらも少なくはなりましたが、まだつがいになって居残っています。Img_2803_3

 
●ツグミ(冬鳥)とヒバリ(留鳥):
 ※ツグミ:
 公園の芝地や田起こしの始まった田圃、そして池の周りの草地で、まだうろうろしているツグミ(写真上)です。
 もうすぐ集合地点へ”集合”して、集団で北国へ帰っていきます。

※ヒバリ:
 伸びだした雑草の背丈もまだ低くて広い草地には、ヒバリが大集合。
 縄張り宣言をしてやかましく囀りながら、天空高く舞い上がる”揚げひばり”が、そこかしこに。Photo_2

 季節はどんどん巡っていきます。

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2014年4月17日 (木)

ヤノナミガタチビタマムシ、ウロコアシナガグモ

春たけなわの公園で。
 オオムラサキ(ツツジ)生け垣の隙間に生えて、生け垣の剪定から逃れたケヤキやエノキの実生苗木が所々に伸び出しています。

※ケヤキの実生苗木です。R0070964_4

 
●ヤノナミガタチビタマムシ:
 若葉の上にいたのは見覚えのあるケヤキ害虫のこのお方、ヤノナミガタチビタマムシです。ケヤキが生活の場なのです。
 葉の裏にも隠れたりして点在していました。もう活動をはじめているのです。R0070964_1

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●ウロコアシナガグモ:
 葉裏の緑に隠れていたのは、ウロコアシナガグモでした。
 光が当たると金緑色に輝いてきれいなクモです 眼は8個。
 オスは鋏角と触肢が長く、(成体の)体色は赤みが混じり、メスは大きめ(8mmほど)で鋏角が短いということで、今回の個体は♀のようです。R0070959crtm

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ウロコアシナガグモ
 大きさは、♀8mm、♂6mmほど 。眼は8個。全身が黄緑色の美しいクモ。
 胴体には編み目模様があり、うろこ状に見える。光を受けて金緑色に輝いてきれい。
 街中の公園から、山間部の渓流まで、さまざまな環境で見られる。水平の円網を張るが、葉の上で獲物の待つこともあるらしい。
 出現時期は5~9月、 分布は北海道、本州、四国、九州。

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2014年4月16日 (水)

ホシアシブトハバチ

 春たけなわの公園で。
 オオムラサキ(ツツジ)生け垣の隙間に生えて、生け垣の剪定から逃れたケヤキやエノキの実生苗木が所々に伸び出しています。
 まだ木質化していない新梢や展開が始まったばかりの若葉は、見るからにやわらかそうです。
 そのようなところに、越冬した成虫(害虫)や、羽化した昆虫たちが活発に活動をはじめています。

※ホシアシブトハバチ(コンボウハバチ科):
 初夏の陽気になった一日、目にしたその一つが、ホシアシブトハバチです。
 エノキの幼木の新枝や葉先を行ったり来たり。
 場所を決めて止まったところで体を丸め、腹端を葉柄に押しつけるような動作を繰り返していました。
 (画像はクリックで拡大します)R0070933_3

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 産卵活動だったのでしょうか。周囲の小枝、葉などが邪魔してはっきりした写真は撮れませんでした。

●ホシアシブトハバチ:
 体長16~17mmほどで、ずんぐりした体型のコンボウハバチの一種。
 毛の生えた両肩と腹部は鮮やかな橙黄色、頭と小楯板の全体および腹背面の一部は濃藍色。
 ♀は脚が黒く、♂では基節末端が黄色です。今回はやはり♀だったようです。
 出現時期は4~5月頃で、交尾は羽化直後に行われることが多く、♀はエノキの(若葉の)葉柄や軟らかな新枝に卵を産み付けます。
 孵化した幼虫はエノキ(ニレ科)の葉を食べて成長します。
 分布は本州、四国、九州。

 
追記:
 幼虫は何処かで見た記憶があって、保存画像を探したところ、画像が見つかりましたので追加しました。
 ※ホシアシブトハバチ幼虫:(撮影2012.6.7、公園にて)201267

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2014年4月15日 (火)

イヌシデ、アカシデ、コナラの花(2014/4)

※イヌシデ(散歩コースの公園植樹)と、アカシデ、コナラ(近くの公園植栽)の花

 標高の高い山地のクマシデは冬芽の展開が始まったばかりでしたが、平地では同じ仲間のイヌシデそしてアカシデの葉と花は完全に展開していました。

 公園に複数ある植樹は高木になり、下枝はすべて剪定されているので、見上げなければわかりませんが、垂れ下がった雄花序が地面に大量に落下していて気がつきました。
 園内に剪定されてない樹が1本あったので近くで観察してきました。

●イヌシデ(犬四手)(カバノキ科クマシデ属):
 雌雄同株、雌雄異花の落葉高木。高さ15~20mになり、樹皮は灰白色でなめらかであり、縦に網目模様ができます。
 花は、4~5月に、新芽の展開と同時に咲きます。
 雄花序は、前年枝の葉腋から下垂します。黄褐色で4~5cmの穂状になり、花が終わると、大量に(雄花序は)落下します。
 雌花序は、本年枝の先の新芽の中に出来ますが、果苞は少ないです。葉のような果苞一つ一つに、種子(堅果)がついて、10月に熟します。
 余談ですが、なぜかマルカメムシが小枝、枝先の新芽、また枝先に出来た虫コブなど方々にくっついていました。Photo
2

 
 またあちらこちらの枝先に大きくふくれあがったムシコブ*が出来ていて、何となく気持ち悪いくらいでした。
*イヌシデメフクレフシ:
 イヌシデにできる虫こぶです。ダニの一種により形成されます。
 頂芽の鱗片が肥大し、芽が松かさ状に大きく膨らんだもので、不思議なことに頂芽にしかできませんが、普通に必ず見つかり珍しくはありません。Photo_2

 イヌシデの和名の由来は、花穂の垂れ下がる様子が注連縄(しめなわ)などに使われる紙垂(しで)に似ていて、イヌ、は役に立たないから。
 分布は本州、四国、九州。

 
●アカシデ(赤四手)(カバノキ科クマシデ属):
 別の地域の公園で、樹名表示がありましたので簡単な記録に。 雌雄同株、 雌雄異花の落葉高木ですが、イヌシデ、クマシデと比べると小型です。
 同属であるイヌシデとは区別しにくいですが、果実のある時期にはその形の違いで容易に区別でき、また、アカシデは新芽と秋の紅葉の葉が赤く、イヌシデは黄色になることが多いことでも見分けられます。
 また、葉脈(側脈)の多少よって、12~15対あるのはイヌシデ、12以下ならアカシデ、15以上の多数あればクマシデ、という見分け方も出来るそうです。分布は日本各地。
 見上げた枝先と、樹下に落下していた赤い色の雄花序も。Blg

 
●コナラ(ブナ科コナラ属):
 ついでに新枝の下部から垂れ下がる長さ10cmほどの雄花序が目立った落葉高木、雌雄同株、雌雄異花のコナラです。
 遠くから望遠で。
 花期は4~5月、分布は日本各地。Photo_4

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2014年4月14日 (月)

火星大接近/2014.4.14

 約2年2ヶ月ごとに地球に接近する火星が、今夜、地球に最接近、「待宵の月」と共に春の夜空にオレンジ色に輝くとのことで、写真撮り。
 コンデジではこの程度で、とりあえず記録に。

●資料情報から:2014414pm21

 
●18時40分頃:2014414640

 
●20時15分頃:8414815

 
●21時00分:20144149

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2014年4月13日 (日)

キブシ、ダンコウバイ、クマシデ、アケボノアセビ、イヌナズナ(2014/4)

 富士山すそ野で標高900mを越える、春まだ浅い山地林縁や里地で見かけた花木などです。

●キブシ(キブシ科キブシ属):
 平地ならもっと早い時期から淡黄色の花をつけた長さ10cmほどの穂状花序をぶらさげて一番先に目立ちます。
 標高の高い林地ではこれから、という感じのキブシの花。雌雄異株の落葉低木です。
 3~4月、葉に先立ち、昨年の枝の葉腋から、穂状花序を下垂させて、淡黄色の花を多数つけます。
 雄花の雄しべは8本。雌花は花穂が短く、雄しべは退化していますが、外見での雌雄区別は難しいようです。
 分布は日本各地。 R0070699

 
●ダンコウバイ(クスノキ科クロモジ属):
 日当たりの良い山地斜面のあちこちに黄色い花をつけた木が眺められました。
 早春の頃から山里や山地でよく目にするダンコウバイかアブラチャンです。
 両者はたいてい同じ環境に生えているので近寄って比較すれば違いははっきりしますが、遠目には黄色い花のボリュームがある方がダンコウバイ。 
 近くで撮れた1枚はダンコウバイでした。
 雌雄異株の落葉小高木。分布は本州、四国、九州。Photo

 
●クマシデ(カバノキ科クマシデ属 ):
 明るい林地に冬芽が伸びだして花芽の展開が始まっていました。
 まだ葉が展開していないので、似た仲間がある内では、今回の写真だけでは心許ないのですがクマシデとしました。
 日当たりのよい山地に自生する雌雄同株の落葉高木で、樹高は10~15mほどになります。
 花期は4~5月頃。雌雄異花で、雌雄それぞれの尾状花序を出します。
 雄花序は、前年枝に束生して下垂し、雌花序は新枝の頂につきます。
 小苞が重なり合った花穂の形が独特で、10~11月に長さ4~5cmの果実を付けます。
 分布は本州、四国、九州。
 なお近縁種にアカシデ、イヌシデがあります。アカシデは新芽と紅葉の葉が赤くなることから、クマシデは葉脈の数が倍以上あることから、葉のある時期にはイヌシデと区別することができます。R0070710

 
●アケボノアセビ(曙馬酔木)(ツツジ科):
 里地に植栽されていたアセビの紅色種で、白花種に較べてかなり目立ちます。
 アセビは庭木として栽培されていますが、古来から本州各地の山地などに多く自生している”万葉植物”のひとつです。
 そして有毒植物なのに、万葉人にとっては好ましいものとして認識されていたのでしょうか、万葉集にも多くの古歌があります。
 『 池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな 』
                    (大伴家持  巻20-4512)

 花期2~4月、 果期は9~10月。9r0070713

 
イヌナズナ(犬薺)(アブラナ科イヌナズナ属):
 山里集落の道端にたくさん咲いていました。
 身近にはありませんので、見かけるとうれしくなって必ず撮ってしまう2年草の”雑草”です。
 草丈15~20cmほどになり、茎や葉には短毛が密生しています。
 花は黄色い直径4mmほどの4弁花で、日照のない時には全開しません。
 自然度の高いフィールドではごく普通に見られますが、都市化が進んで人為的攪乱などにさらされる近郊では全く観察することはありません。
 春の七草の一つで”役に立つ“ナズナと違って”お役に立たない“ので”イヌ”の名前。
 小さな黄色い花はかわいらしいです。果実は楕円形で、ペンペングサ(ナズナ:白花)のハート型とは異なっています。
 花期は3~6月、分布は日本各地。Photo_2

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2014年4月12日 (土)

ソヨゴ、ミヤマシキミ、シキミ(2014/4)

 富士山すそ野で、標高900mを越える林地や道路の日陰にはまだ雪が消えのこっています。
 そのような春まだ浅い山里で見かけた風物です。

●残雪の林地内:Img_2483trm

 
●里道のバス停傍には、春待ち顔の家族の案山子さんが。Img_2519

 
●ソヨゴ:
 林縁の道端で見かけたソヨゴです。
 昨秋に出来た赤い実がまだ一つ二つ残っていました。3

※ソヨゴ(冬青.)(モチノキ科モチノキ属):
 雌雄異株の常緑小高木です。葉は全縁の卵状楕円形で、縁が波打っているのが特徴です。
 開花期は5~6月頃で、長い柄の先に小さな白い雌花を咲かせます。
 その後に径7 mmほどの丸い実をつけ秋には赤く熟します。

 
●ミヤマシキミ(ミカン科ミヤマシキミ属):
 林地には、雌雄異株の常緑低木で、枝先に円錐花序をだしてつぼみをつけたミヤマシキミの群落が見られました。
 秋には赤く熟した(有毒の)赤い実をつけているのが観察できます。41

 
ついでに余談:
●シキミ(シキミ科シキミ属):
 直接関係無いのですが、3月下旬、下野市・万葉の植物園で見かけたシキミ(樒)です。
 常緑高木で、やはり有毒植物です。42

 傍らに、次の札が有りました。
 『奥山の樒(しきみ)が花の名の如や しくしく君に 恋ひわたりなむ』
                 (万葉集 巻20-4476)大原真人今城

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2014年4月11日 (金)

テングチョウ、ヤママユ(ガ)の抜け殻(2014/4)

 晴れて日中の気温も平年より高い日々の続く最中、富士山すそ野まで日帰りウォーキングに行ってきました。
 しかし、標高900mを越える現地では、先の(2014.2.14記録的大雪)の名残の雪がいまだに日陰の道路や林地に残り、山里の春はまだ浅く、桜(ソメイヨシノ)のつぼみもやっと膨らみはじめたばかりでした。

●富士山:
 真っ白い雪化粧のままの富士山でした。Mtfuji

 
●テングチョウ:
 落葉樹の芽吹きはまだほとんど始まっていない明るい林地で、数頭のチョウが飛び交っていました。
 時々枯れ落ち葉の地面に下ります。しかし翅を閉じている時には、枯れ葉色の裏翅が保護色になって見失います。
 そして暖をとるためにゆっくりと翅を広げはじめると居場所がわかり、急ぎ撮影。
 翅も少し傷んでいて、テングチョウの越冬成虫とわかりました。
 今回は、翅は完全に開ききらないまま、再びゆっくりと閉じていき、完全に閉じてしまう前に飛び去ってしまいました。
 残念ながら、翅を閉じた時の姿でないと、”天狗”になぞらえられた突起の様子はわかりづらいです。
 (画像はクリックで拡大します)。Img_2492img_2491

Img_2495

Img_2492_2

※テングチョウ(タテハチョウ科):
 成虫の前翅長は20~30 mmほど。翅は茶色で、前翅の縁に角状の突起があります。
 翅の表面には褐色~橙色の斑紋がありますが、前翅前端にある2つの斑紋は白色です。
 頭部の触角の内側に前方に伸びる突起(パルピ:下唇髭)という器官があり、これが天狗の鼻のように見えることから、この和名です。
 平地から山地の雑木林周辺に生息し、成虫は年1回~2回発生します。
 最初の発生は6~ 7月頃ですが、盛夏には休眠し、秋、9~11に発生したものと共に再び活動し、そのまま成虫越します。
 翌早春に再び活動を開始します。素速く羽ばたいて機敏に飛び、地面にもよく下ります。
 各種の花に訪れます。なお、幼虫の食葉樹はエノキ(の葉)など。分布は日本各地。

 
●ヤママユ(ガ)の繭抜け殻:
 明るい林地の木の枝に、見慣れた天蚕の繭の抜け殻がぶら下がっていました。R0070702

 春なお浅い山地に残っていた風物です。

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2014年4月10日 (木)

ヤマウグイスカグラとウグイスカグラ(2014/3)

 3月下旬、里山の林地で「ヤマウグイスカグラ」が咲いているのを見かけました。
 偶々同じ時期に、近くの保全林地で「ウグイスカグラ」も咲いていましたので、比較のため掲載しました。

●ヤマウグイスカグラ(L. gracilipes):
 特徴は、枝、葉、花など全体に毛が生えていて、腺毛が混在している(こともある)。1

2

3

 
●ウグイスカグラ(L.gracilipes var. glabra):
 特徴は、枝、葉、花が基本的に全面無毛。Photo_4

 
 ただし葉の縁や苞に毛が生えていることもあります。(写真下4枚目)Photo_3

**********************************************

 なお上記ヤマウグイスカグラ、ウグイスカグラの他に”ミヤマウグイスカグラ”もあり、資料を参照すると下記のようです。
 今回はヤマウグイスカグラとミヤマウグイスカグラの比較資料が無くて、判断しようが無いため、単純にヤマウグイスカグラとしました。

●ヤマウグイスカグラ(山鶯神楽Lonicera gracilipes)(スイカズラ科スイカズラ属):
 山野の明るい林地に生え、細い枝をよく分枝して茂る落葉低木で、樹高は2~3mになる。
 枝にも、葉柄や花柄、花冠とともに毛があり、腺毛が混じることがある。
 葉は対生。葉身は長さ3~6cm、幅2~4cmの広楕円形~倒卵形。裏面は緑白色。全縁。
 本年枝の葉腋に長さ1~2cmの細い花柄を出し、淡紅色の花を普通1個まれに2個下向きにつける。
 花冠は長さ1~2cmの漏斗状で、先は5裂し、裂片は平開する。
 果実は液果。長さ1~1.5cmの楕円形。6月に赤く熟す。種子は長さ4~5mmの楕円形。
 花期は3~5月。日本固有種で分布は本州、四国、九州。

●ウグイスカグラ(鶯神楽Lonicera gracilipes var. glabra )(スイカズラ科スイカズラ属):
 山野の明るい林地に生え、細い枝をよく分枝して茂り、高さ2~3mほどになる落葉低木です。
 葉は全縁で、長さ3~6cm、幅2~4cmの広楕円形~倒卵形。通常は葉の両面とも無毛ですが、葉の縁や苞に毛が生えていることもあります。裏面は緑白色。
 本年枝の葉腋に長さ1~2cmの細い花柄を出し、淡紅色の花を1個~2個下向きにつけます。
 花冠は長さ1~2cmの漏斗状で、先は5裂し、裂片は平開します。
 果実は液果。長さ1~1.5cmの楕円形。6月に赤く熟す。種子は長さ4~5mmの楕円形。
 花期は3~4月。分布は北海道、本州、四国、九州。

●ミヤマウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. glandulosa (スイカズラ科 スイカズラ属):
 山野の明るい林地に生える落葉の低木。  葉は対生し、若枝や花柄・果実など、全体に毛と腺毛が多い。
 先端が太くなっている毛が腺毛である。
 紅色の花を咲かせ、果実は秋に赤く熟す。
 花期は4~5月。分布は本州、四国、九州の、主に日本海側。但し瀬戸内海側にも生育している。
  
 なお、基本種のヤマウグイスカグラは全体に毛が多いタイプであり、変種のウグイスカグラは無毛、そして本種(ミヤマ)は腺毛が多い点で区別されるが時として中間型もあり、区別が困難なことがある。 
※要約すると、
 スイカズラ属には、基本種である①ヤマウグイスカグラ、その変種として②ミヤマウグイスカグラ、③ウグイスカグラがある。ただし毛や腺毛の有無など変化が多く、その中間型もあること。

見分けるポイントとしては
①ヤマウグイスカグラ(L. gracilipes):
 枝、葉、花など全体に毛が生えていて、腺毛が混在する(こともある)。

②ミヤマウグイスカグラ(L. gracilipes var. glandulosa):
 若枝、葉柄葉,花冠,子房,萼,果柄,果実など全体に毛と腺毛が多い。
 先端が太くなっている毛が腺毛。

③ウグイスカグラ(L.gracilipes var. glabra):
 枝、葉、花が全面無毛。

 しかし実際には①、②両者の中間タイプもある。

*【腺毛】とは 植物の表皮細胞から生じた、“毛”のように見える単細胞または多細胞の腺状突起(腺毛、分泌毛)で、多くは“まち針”のような形で先端が球状に膨らみ、その中に含まれている分泌物を分泌する機能を持つ“毛”のこと。
 花の蜜腺の毛や、食虫植物の消化液を分泌する毛などが「腺毛」の例です。

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2014年4月 9日 (水)

山地のヒサカキ、アセビ開花(2014/3)

 冬の里山に自生していたヒサカキとアセビが、3月下旬には、いずれも春らしく花をつけていました。

●ヒサカキ(ツバキ科):
 花は下向きに咲き、独特の臭気があり、近くを通るとその存在に気がつきます。
 雌株は10~12月に直径4~5mmの球形で、黒紫色に熟した液果をつけます。
 開花期は3~4月、分布は本州、四国、九州。R0070468_1

R0070468_5

R0070468_2

R0070468_6

 
●アセビ(ツツジ科アセビ属):
 早春から釣り鐘型の花を咲かせ、春の到来を実感させる植物です。
 開花期は3~4月、分布は本州(宮城県以南)、四国、九州。Photo 

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2014年4月 8日 (火)

3月下旬の虫たち(モモブトカミキリモドキ、そ他5種)

 今日は良く晴れました。午前中はひんやりして肌寒かったのですが、日中の最高気温は22℃まで上がり、随所で花吹雪が見られました。

 さて、遅ればせながら、3月下旬、山地などで見かけた春の訪れを感じさせた昆虫たち、その他です。

●モモブトカミキリモドキ:
 芽吹いた雑草が伸びはじめた3月下旬、まだ裸地の多い山地斜面に、キジムシロが茎を這わせ、黄色い花を開き始めていました。
 その周辺でブンブン飛び回っていたり、地面を這い回っていた小さな甲虫です。
 後で写真を拡大して見てわかりましたが、♂の後肢腿節(後足の付根)が丸く見えるほど太いものでした。Photo

 
 近くに一緒に群れていたメスはやや大きめで、腿節は太くありません。Photo_2

モモブトカミキリモドキ(カミキリモドキ科):
 体長6~8mmの黒色で藍色の光沢がある、カミキリムシに似た小さな甲虫。
 首の中央と左右に窪みがあり、♂の後脚の付根(腿節)は太く、♀は太くありません。
 春先に林縁などでよく見られ、都市郊外にも多い普通種です。
 ヘビイチゴや、タンポポ、ハルジオンその他の花によく集まります。
 なお、止まる時には上翅(鞘翅)先端は完全に閉じず、下翅(膜状)が見えていることが多いようです。  
 出現時期は3~6月、分布は日本各地。

 
●タテハチョウの仲間:
 ほとんど焦げ茶色の塊に見えたチョウが、山地林間の明るい切り通しの間を数十メートル行ったり来たり。
 頭上を通過する時にはブンッと羽音が聞こえるほど元気よく飛んでいました。
 時々地面に下りますが、すぐに飛び立ちなかなかシャッターチャンスが有りません。
 地面に下りると落ち葉に紛れ、近づきすぎて足元から飛び立たれてしまうまでわからないほど。
 しばらく粘ってみましたが、結局何者か判定できる画像は得られませんでした。
 翅はボロボロでも、配偶相手を求めて縄張りを巡回しているタテハチョウの仲間の越冬成虫のようでした。Img_2519

 
●ルリタテハ:
 別の草地ではルリタテハが飛び回っていました。
 遠くに下りた時は日光浴のために翅を開いていましたが、近くの日陰に止まった時にはずっと閉じたまま。
 その画像しか撮れませんでした。Img_2546

 
●マルカメムシ:
 公園林地で自然に剥がれ落ちた木の皮の裏に潜んで越冬中でした。
 大きさは5mmほど。そろそろ出歩く季節ですが、触ったりすると臭腺からとても強い悪臭を放つため嫌がられるカメムシの一つ。
 夏にはフィールドに蔓延ったクズにたくさん付いています。出現時期は4~10月、分布は本州、四国、九州。Photo_3

 
●カシワクチブトゾウムシ:
 木の皮の裏で越冬中の小さなゾウムシ。光が当たると隠れようとして動き回るので写真はピンぼけばかりになって、掲載できるのは1枚になりました。
 大きさ4~5mmのゾウムシです。本種は、クチブトの名前のように太くて短い口吻を持ち、ゾウムシの一般的イメージのように長くはありません
 カシワ、ナラ、クヌギ、ハンノキなどで普通に見られます。
 出現時期は5~6月、分布は日本各地。R007027145mm

 
ついでに:
●シミの仲間:
  3月下旬、どこから飛ばされてきたのか、屋外のメダカ水槽に落ちてうごめいていました。
 体長10㎜ほど。まだ水温が低く、好奇心旺盛なメダカも水底に沈んだままで、突っつきに浮上はしてきません。
 乾燥食品や衣類を食害し、また糊づけした本の表紙や掛け軸などの表面に地図状の食痕をつける害虫です。Photo_4

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2014年4月 7日 (月)

桜/2014春③幸手権現堂桜堤(埼玉県)

 4月5日(土曜日)の午前中、桜も菜の花も満開で、少し風はあったものの絶好のお花見日和になった幸手権現堂桜堤まで、自転車で行ってきました。

 お花見のピーク時には近隣都県ナンバーも含むマイカーなどで大渋滞するため、自宅からは自転車で行くのが断然早い関東の桜の名所のひとつ、幸手権現堂桜堤です。
 現在は県営公園になって整備が進んでいます。
 ( http://www.gongendo.jp/
 約1000本のソメイヨシノが堤の1kmにわたって咲き、また周辺の菜の花とのコントラストがきれいで人気です。
 年によって開花時期が相当に前後するため、開花時期に合わせたイベント企画の見極めには、主催者には毎年相当のご苦労があるようです。
 今年は4月10日までさくら祭りが行われています。

●満開の桜と菜の花:
 (画像はクリックで拡大します。)Img_2741trm

Img_2745trm

Img_2774trmcc

Photo

Photo_3

 これで今シーズンも、身近な場所の桜見物フィーバーはお終いです。 

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2014年4月 6日 (日)

桜/2014春②ご近所のサクラ(小学校/公園)

 3月31日には淡墨桜(栃木県下野市)が満開になりました。

 ●小学校のサクラ:
 当日(3/31)、当地は朝から強風が吹いていましたが、日中の気温は19℃まで上がり暖かい一日でした。
 それで、それまで3分咲きほどで足踏みしていた近くの小学校のソメイヨシノも、夕刻通りかかった時には8分咲きくらいまで一気に開花が進んだようです。1201441c

 
 翌4月1~2日とも、気温は19℃を越えるまで上がって暖かい日が続き、4月2日に満開になりました。
 青空に生えてきれいでした。2img_2707201442

 しかし2日夕刻から天気は下り坂になり、夜半から雨、翌日3日は低温と終日の雨の”花冷えに。
 続く4日は強風と雷雨、午後には竜巻注意情報も出た荒れ模様となって、満開のサクラもたたき落とされるような花散らしになってしまいました。
 やはり桜咲く入学式/新学期にはできなかったようです。

 
●公園の桜:
 公園の桜もほぼ同じ経過でした。
 4月1日夕刻、ほぼ満開に。341

 
 そして4月4日の嵐の後、人影もほとんど無い公園をのぞいてみると、文字通りの”花冷え”と”花に嵐”の天候が重なって、無情な光景になっていました。442 44cctrm2

 今は葉桜へと足を早めています。

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2014年4月 5日 (土)

桜/2014春①栃木県下野市の淡墨桜

 春は桜。
「世の中にたえてさくらのなかりせば 春の心はのどけからまし」 :(在原業平『古今和歌集』)
「散る桜 残る桜も 散る桜 :(良寛和尚/辞世の句 )
「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ」 :(井伏鱒二訳 于武陵 『勧酒』から)
 人、様々に思いを馳せる夢見草・桜です。

 蛇足ながら、日本三大桜として、いずれも国の天然記念物指定の、山高神代桜(推定樹齢2000年というエドヒガンザクラ:山梨県)、三春滝桜(樹齢推定1000年を越えるエドヒガン系のベニシダレザクラ:福島県)、そして根尾谷淡墨桜(推定樹齢1500年を越えるとされるエドヒガンザクラ:岐阜県)が有名です。

※近くにも「淡墨桜」が:
 栃木県下にも「淡墨桜」と言われる桜があります。
 案内によれば、昭和60年に、(旧)根尾村老人会で育てられた親木・根尾谷淡墨桜の実生苗を譲り受けて、下野市・天平の丘公園で育成された樹木なのだそうです。
 当然ながら、親木と同じに満開時は白色ですが、満開を過ぎると淡い墨をかけたような色に変化し、開花時期/見頃は3月下旬~4月上旬ということです。
 その公園まで、車なら1時間少々と近いこともあり、下野市のホームページで毎日更新されていた開花状況を確認し、晴天で、満開日という3月31日、訪ねてきました。
 (所在地は栃木県下野市国分寺628)
 写真専門家らしい姿もあり、尋ねてみると、“薄墨色”を写真に撮るのはなかなか難しいそうです。
 レントゲン写真に、こころの“心臓”は写っても、“花より団子を食べたい”という、こころは写らないのと似ているのでしょうか。

 公園にはライトアップ設備のある主木の他にも、実生苗から育てられたと言う複数の樹木があり、それぞれ開花日や花などに微妙な違いがあるということでした。

●公園の淡墨桜全景:
 写真左手前が主木です。その奥に隣接して2本目の樹、さらにその奥端の両側にも、その他の淡墨桜実生の植樹木があります。
 (画像はクリックで拡大します。)Img_2585

 
●淡墨桜(主木):Blgimg_2607trmt

 
●淡墨桜主木を反時計回りに1巡:Photo

 
●花:Photo_2

 
●その他の淡墨桜・実生植樹木:150

 悠久の時を経て、やがて親譲りの風格と厳かな雰囲気をまとう存在になっていくことでしょう。

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2014年4月 4日 (金)

春の山野草②(ザゼンソウ、ニリンソウ、タチツボスミレ、コスミレ、キランソウ)

 昨日は終日雨、今日も変わりやすい天気で、午前中雨、そして午後3時過ぎ、晴れたかと思いきや突然の春雷の音とともに、にわかに大粒の雨。
 竜巻注意情報、雷注意報が出され、近隣地域では突風による被害も発生してしまいました。
 明日も不安定という、春の嵐模様が続くようです。
 当然、サクラは翻弄されて散り敷いています。

 早春の山野草記事の続きです。
●ザゼンソウ:
 開花期は既に終わり、葉の展開がはじまっていました。Photo

 
●ニリンソウ:
 一つ花が開いた下に、次に開くつぼみも控えている、2輪草です。Photo_2

 
●タチツボスミレ:
 どこに行っても一番よく見られます。A

 
コスミレ:
 スミレと同じような花ですが葉が丸いです。

 後日、誤りに気がつきました。とりあえず同定出来ないため、不明といたしました。Photo_3

 
●キランソウ(別名:地獄のカマの蓋):
  やっとつぼみができはじめたばかりでした。R0070450

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2014年4月 3日 (木)

春の山野草①(アマナ、キバナノアマナ、アズマイチゲ、キクザキイチゲ、カタクリ

 毎春、年同じ顔ぶれですが、去る3月下旬に出かけた三毳(みかも)山公園〔栃木県)のハイキングコースで見ることができた早春の山野草です。

●アマナ:
 昔は田舎のたんぼ道(もちろん現在のように舗装などされていない)斜面などによく咲いていたものですが、最近はあまり見かけなくなりました。
 環境が変わっているからでしょう。Photo

 
●キバナノアマナ:
 こちらもだんだん少なくなりました。Photo_2

 
●アズマイチゲ:
 葉の切れ込みは少なくて浅く、葉は垂れ下がります。
 また花の中心部に紫色があります。
 (掲載した画像では色飛びもしたりしてはっきりしていませんが。)Photo_3

 
●キクザキイチゲ:
 遠目にはアズマイチゲに似ていますが、近くで見れば、葉の切れ込みが多くて深いので容易に区別できます。
 薄青紫色の花もあります。
 花柄には細毛が密生しています。Photo_4

 
●カタクリ:
 ここではちょうど見頃のようでした。Photo_5

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2014年4月 1日 (火)

蚕影神社(養蚕の神様)

 春本番。エイプリルフールの初日。
 あまり関係ない記事ですが、“嘘のような本当の話”です。

★蚕影(こかげ)神社/養蚕の神様:
 所在地:
  〒300-4211茨城県つくば市神郡1998番地 (旧・筑波街道の筑波山麓、田井地区)

※実は約1年前の話です。
 調べ物でネット上を伝い歩きしていて偶然 “蚕影神社”なる記事に遭遇しました。
 もとより神社仏閣について素養も特別の関心も在りませんが、何だろうと暇ついでに少しばかりネット情報をハシゴして見ました。
 その結果、
 ・蚕影神社は筑波山麓に鎮座すること。
 ・今は訪れる人も少ない「養蚕の神様」であること。
 ・本殿は三間社流造りで、創建は926(延長4)年とされていること。
 ・そして、養蚕について記された天竺国の「金色姫伝説」が残るなど、日本の絹の発祥の地といわれ、北は岩手県、南は長野県まで、各地に同名の神社があり、分霊が勧請されていること。
 ・現在も、毎年3月28日に筑波山神社の神主さんによる、神事「蚕糸祭」が、そして10月23日には蚕影神社秋の大祭が執り行われていること。
 (なお、筑波山神社と蚕影神社は姉妹の関係にあり、蚕影神社が姉、筑波山神社は妹に当たるということ)などが、予備知識として得られました。

 そこで、現地までさして遠くはないので、車でふらりと探訪してきたのです。
 事前の情報では、長年、風雨に晒されて建物の傷みが進み、さらに加えて先の東日本大震災、その後の台風などの被害で石段や石垣の一部も崩れたりしたままになっているということでした。
 実際のところ、社殿に関しては、拝殿だけはさほどではありませんが、特に奥の院(本殿部分)の傷みはひどく、一応記録写真は撮ってきましたが、整理もせずそのままになっていました。

 本記の終わりに、遅ればせながら過去ログとして纏めることにしたきっかけを記しましたが、お蔵入りにならずに、ようやく記録にしたものです。
 当然ながら、記録写真は最新の様子を表すものではありません。あるいはその後、修復等が進んでいれば良いのですが。

※蚕影神社、初めての訪問(2013.4.12):
 古くなったカーナビ検索に住所を入力しても当該神社は表示されませんでしたが、ともかくその住所を目的地にセットして出発。
 大分近くなったあたりで、対向車が来るとすれ違いできない狭くて曲がりくねった田舎道になり、一度、近くの工事現場で作業休憩中の人に、行く先と駐車場の有無を訪ねました。
 そのまま行けば良いこと、駐車スペースは在るはず、とのことで安堵。
 ほどなく道路の行き止まりになり、目前が蚕影神社の入り口でした。
 行き止まりの左の建物は蚕影神社のお札授与所だそうですが、その時は無人になっていてカーテンが引かれていましたので中の様子はわかりません。
 在ると聞いていた駐車スペースは見当たらなかったため、やむなく行き止まりの狭い路隅に駐車。車はもちろんのこと、人影も皆無でした。

 
①参道入り口左に「蚕影山 湧水の滝」の表札が立ててある池があり、正面石段脇に、蚕影神社・案内板がありましたので、とりあえず確認してから登ります。
 (以下の画像はクリックで拡大します。1

 
②所々傷んだままの石段を登り、途中3ヵ所の鳥居をくぐりぬけて行くと、標高200mの蚕影山の北西中腹にある神前に着きます。
 (左手に社務所がありますが無人でした。普段、人はいないそうです。)Photo_3

 
③さして広くない境内には、正面に社殿があり、「日本一社蚕影山」の扁額が掲げられた拝殿・幣殿そしてその奥に続く奥の院(本殿)の造りになっています。
 そして右手には額堂(絵馬堂)/休憩所があります。
 絵馬堂軒下の内外周囲には、戦前、養蚕産業が日本の外貨獲得の源として隆盛を極めていた時代に、全国の養蚕業者から、奉納された絵馬や寄進された奉銘板が飾られていました。
 それらの1つずつを丹念に判読していくと、直接的関わりは無いものの、まったく無縁でもなかった往時の養蚕業の活況を、どこか懐かしく思い起こしたことでした。Photo_4

 
④そして絵馬堂内側には、入り口の神社案内板にも記してあった、知る人ぞ知る『金色姫の伝説』をモチーフにした彩色額絵が掲げられていました。
 垂れ壁の内側に掲げられているため、外側ほどに直接の風雨に晒されることが少ないからでしょう、まだ彩色が残っています。往時はすばらしかったでしょうね。
 「奉納」の下に「長野縣信濃國小縣郡神川村大字国分 國分蠶業會社員 蚕種製造人 山邊六兵衛」と墨書の文字が読み取れました。4

 
⑤最後に拝殿奥に続く三間社流造りの本殿をぐるりと回ってみました。
 足元も悪く、建物はすっかり寂れて痛みがひどく、手入れされた様子もあまり窺えませんでした。

 余談ながら、途中の地面に、風雨に晒されて色あせた天蚕/ヤママユの繭が一つ、砂にまみれて落ちていました。
 拾い上げて汚れを落としてみると、穴はあいていなかったので、途中でダメになった繭だったようです。
 これも何かの因縁だったのでしょうか。5l

 神社拝殿の唐破風(棟飾り)に「蚕」の文字があるように、この神社は「養蚕の神様」として全国からたくさんの養蚕関係者/信者の人々の参拝があり、大層賑わっていたそうです。
 しかし養蚕業の衰退と共に神社を信仰する人々も少なくなり、現在は、神社境内は傷みが進んで行くままになっているとは事前に承知していました。
 実際にその通りで、”妹”とされる今日の筑波山神社の盛栄ぶりに較べると(較べること自体に意味が無いのでしょうけれど)、”姉”の凋落振りはいかにも残念な気持ちになりました。
 日本養蚕業の衰亡とともに歴史の表舞台から退場し、それにつれてこの蚕影神社も人々の記憶から遠のいていくことはやむを得ないことと思います。
 しかし”伝統文化”としての光は小さくても維持していかなければならないものと、単なる”カイコ趣味”だけではなく思いつつ、人気の無い神社を後にしました。

※出かける前に参照した記事です。
(リンクはしておりません。ご欄になるにはURLをコピーしてブラウザに貼り付けてアクセスして下さい。いずれも2014.4.1現在の確認)

①一般財団法人 総合科学研究機構 CROSST&T No.45(2013.10) p11-14.「つくば市蚕影神社にみる養蚕信仰」:
 http://www.cross.or.jp/img/CROSSTT-45.pdf

②花と山を友として:金色姫伝説の蚕影神社を訪ねて: 
  http://blog.goo.ne.jp/kurikoma_333/e/ffe5081f6cefb3c5f3d77775330e7e60

③蚕影山神社 蠶影神社:
  http://www.kasumigaura.net/usr/mizukusa/Kasumigaura/page/A0609.html

④蚕糸・織物関係の記念碑・遺跡・歴史的建造物等:蚕影神社
  http://www.nias.affrc.go.jp/silkwave/silkmuseum/ITKokage/kokage.htm

⑤神社探訪:蚕影山神社:
  http://5.pro.tok2.com/~tetsuyosie/ibaraki/tukubasi/kokagesan/kokagesan.html

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※話変わって、『皇后陛下のご養蚕』:
 はじめに記したように、本末転倒しましたが、実はこの記事を残す気持ちになったきっかけは (こちらもいささか旧聞になりました。ご覧になられた方もいらっしゃるでしょうが)
 『皇后さまの養蚕 初の映像を公開』という、去る2月14日5時47分からのNHKテレビニュースの報道でした。
 現在、身近で見るにも知るにもほとんど機会が無くなった「養蚕」ですが、報道された内容は自然科学映像としてもすばらしく、天蚕などについても触れられています。

 内容は、下記URLの政府インターネットテレビ 皇室チャンネル『2014/02/14皇后陛下のご養蚕』(映像時間30分)で見ることが出来ます。
(ご覧になる時は、URLクリック数秒後に映像がスタートしますが、画面右下の「拡大アイコン」をクリックしてフル画面にされることをお勧めします。)
 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg9310.html
 (URLは2014.4.1現在確認済み)

 なお余談ながらDVDも頒布されましたので、すぐに求めて繰り返し鑑賞してしまいました。R0070432

(参考までに記載:平成26.2.14発売「皇后陛下のご養蚕」DVD 30分:価格1,500円+送料500円、但し2014.2.14現在) で頒布されています。問い合わせは下記まで。)
「財団法人・菊葉文化協会」:http://www.kikuyou.or.jp/dvd.html

※補足参考付記:
①天蚕/ヤママユガ(ヤママユガ科):
 ヤママユ(山繭))はヤママユガ(山繭蛾)またテンサン(天蚕)とも呼ばれる日本在来の代表的な野蚕で、幼虫は全国のクタギ、コナラ、カシワ、シラカシなどの落葉性雑木林に分布し、葉を食物として生息しています。
 (なお成虫は口が完全に退化していて、蛹化以降は一切摂食しないで活動後に命を終えます。)
 この繭から取れる絹糸は「天蚕糸」と呼ばれ、淡緑色で、独特の光沢と優美な風合いを持ち、カイコ(家蚕)の絹糸より光沢があり手触りも良く、またその希少性から「繊維のダイヤモンド」と呼ばれているということです。
 http://www.nias.affrc.go.jp/silkwave/hiroba/Library/tensan/tensan.htm

②天蚕は昔から一部の地方では飼育もされていて、現在も長野県安曇野市(旧穂高町穂高有明地区)のものは「穂高天蚕」として有名で、有明山麓の天蚕飼育林は同市の観光スポットにもなっています。
 http://www.city.azumino.nagano.jp/kanko/jiman/tensan.html

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