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2014年9月15日 (月)

ミズオオバコ/(絶滅危惧種)、ウリカワ

 先月下旬、環境モニタリングの専門家から、かつては迷惑水田雑草の一つであって、今は絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリストに指定された「ミズオオバコ」が、近くで見つかったと伺っていました。

 数年前、新聞の地域ニュース面に「ミズオオバコ再発見」の記事が掲載され、少し遠く不案内なところでしたが、最寄りの警察署に立ちよって道を聞いたりしながら、生育地まで観察に行ったことがありました。
 それ以来のニュースです。
 さっそく観察に行きました。
 場所ははじめて聞くところですが、歩いて行ける近いところで、幹線国道の走る市街地からほんのわずかに水田地域に入ったところ。
 現地は、農業用幹線水路の枝線の末端で、いわば”盲腸“のような幅50cmほど、延長50mほどの”水溜まり“。
 上流に水源はなく、雨水以外には、両脇の田圃からさして太くない塩ビの配水管が2本出ていて(下の意写真手前)、ここから流れ出るのが唯一の“水源”で、一般生活排水などの流入もありません。
 水路の下流先は埋設PC管(写真奥)になっていて、その出口は一段下がった別の枝水路に落ちるようになっているため、構造的には”縁が切れて”います。
 そのようなわけで、独立した小規模の”溜め池”環境になっています。2014823_2

 
 ごく浅い池のような水溜まり状態になっている水面には、一面に浮き草が繁茂し、水面上に、ミズオオバコの花がたくさん咲いて目立っていました。
●ミズオオバコ:823
 (8月下旬撮影)

 
 初めのうちはミズオオバコだけに目を引かれて気がつきませんでしたが、同じ水路の奥まったところに、しばらく目にすることがなかった「ウリカワ」が、今まで(他の地域で)観察した中では一番元気よく生えていて、こちらも白い花をつけて小さな群落を形成しているのを観察しました。
●ウリカワ:Photo

 写真を撮っていたら、たまたま近くで農作業をしていた農家の男性が、“この頃、何だか白い花がいっぱい咲いているんだよ、珍しいものかい?”と声をかけられました。
 ご近所では、どちらも、もはや”難防除性の水田雑草”との認識は持たれていない存在のようです。

 
☆再びミズオオバコ:
 ・それから2週間ほど後、少し水量が減っていて、花の下にある筒状の苞が水面上に出ているのが観察できました。
 葉の大きさは水没していて今ひとつ全体がよく分かりませんが、小ぶりのようです。
 苞には縦に数本の翼があり、波状に縮れています。99

 
 ・そして更に1週間後の9月中旬には、まだ緑色でしたが、若い果実が出来ているのが観察できました。Photo_2

 農閑期にはおそらく干上がってしまうのではないかと推測される排水路です。
 今後どのような経過をたどるのでしょうか。

●ミズオオバコ(トチカガミ科ミズオオバコ属):
 湖沼や溜め池、水田などに自生する1年草の水草で、かつては水田における主要な水田雑草の一つでしたが、適切な除草剤や、水田の環境変化、また溜め池の埋め立てや水質汚濁などにより生育数は激減して、現在は絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)に指定されています。
 ただひ弱な植物ではなく、条件さえ合えばすぐに繁茂してくるようです。
 富栄養の浅い水域に多く、沈水状態で生育して、葉の大きさは5~40cmと環境によって変異が大きく、水深が深いところのほうが大型化する傾向にあるそうです。
 8~10月にかけて、水面に花茎を伸ばし、3枚の花弁をもつ径約3cmで、中心部は黄色、周縁部は淡い紅色がかった白い花をつけます。花は一日花です。
 花の下には、筒状の苞があり、縦に数本の翼があり波状に縮れています。
 基本的に1本の花茎に一つの花をつけますが、複数の花を開花させることもあります。
 花が咲き終わると花茎は短縮して水没しますが、種子が熟すと再び水面に現れて、果実は三裂し、水面に種子を散布します。
 

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コメント

 水草は,屋外メダカ水槽のBOD除去の目的で水槽に入れていて(増えすぎたのを抜いて捨てるだけで)、水草を楽しむアクアリウムとしては手出ししていません。(余談ですが、実は,同じ歳の「水草アクアリウム」の専門家と、ブログ上の知り合いになって、炭酸ガス、窒素ガスボンベや自然光照明などを駆使した見事なアクアリウム栽培の画像を楽しめるホームページを見ていたのですが、残念なことに数年前に体調を崩されて,しばらく休止されるということでしたが,現在アクセス不能になっていて、閉じられたのかも知れません。)
 現在ペットショップなどで流通している水草で、表示に和名ウリカワなどと書かれていることもありますが,実物は植物学的には日本の在来種とは別物です。ピグミー(草丈が短い)、またはジャイアント(草丈が大きい)サジタリアなどとして売られていますね。いずれにせよ、不精者には不向きなジャンルで、きれいで良いなあと、ただ眺めさせてもらうだけです。(一応、「水草栽培の基本」なる参考書は買ったのですが・・・)

 

投稿: クロメダカ | 2014年9月19日 (金) 21時35分

ミズオオバコもウリカワも、水草として熱帯魚店で流通していますね。ウリカワはピグミーチェーン・サジタリアという名前でしたっけ。水草というのは水の中より水上葉として育てる方が簡単みたいですね。私も一時期水草に凝って水槽に植えてましたが、
照明や二酸化炭素を添加したりしないとなかなかです。今、
テラリウムとして2種類の水草を育てていますが、確かにずっと楽です。100円ショップで買ってきた壜に熱帯魚店に売っているソイルという土に、ミクロソリウムやアヌビアス・ナナというあまり光を求めない種類はいかがでしょうか。水を少し入れフタを閉めると自然のサイクルが楽しめます。

投稿: kin | 2014年9月19日 (金) 20時28分

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