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2015年2月19日 (木)

マヤ文明とメキシコ7つの世界遺産を訪ねる旅(2015/2):4日目午後ウシュマル遺跡

 前ページ「4日目午前」の続きです。

 ■4日目午後:
 世界遺産⑥マヤ遺跡【ウシュマル遺跡1996年登録)見学
 ●ウシュマル遺跡:
 世界遺産 ウシュマル (Uxmal) は、メリダから南へ約78km、ユカタン半島北部の丘陵地帯であるプウク地方の中心都市として、7世紀から10世紀にかけて、政治と経済の中心地として繁栄し、最盛期の人口は、2万5千人ほどと推定されている古代都市です。
 そしてウシュマルはプーク様式【建物の壁一面に、彫刻を施した石を組み合わせて、複雑な幾何学模様や神々、蛇などのモチーフで装飾したり、疑似アーチを作ったりする様式】と呼ばれる特徴的な遺跡を共有するチチェン・イッツアと同盟を結んで、北部ユカタン全域を支配してしたとされています。
 なおこの地域には午前中に訪問した「カバー遺跡」同様に恒久的な(セノーテなどの)水源がなく、農業生産や飲料用水の水資源は基本的には雨水に依存していたため、特に”雨神“「チャック」を崇拝した特異的な文明です。

 その後、12世紀頃から、マヤの勢力はチチェン・イッツアからマヤパンを中心とした連合に移っていったため衰退し、やがて廃墟となり密林に覆われてしまったということです。 
 遺跡全体は森の中にあります。
 観光できる遺跡部分は開かれていますが、高所からの眺望で、森林の中に埋もれている、という雰囲気が感じられました。

 ウシュマル遺跡配置図:1

 ウシュマルはマヤ後古典期後期を代表する遺跡で、「魔法使いのピラミッド」、「尼僧院」、「大球戯場」、「鳩の館」、「大ピラミッド」、「総督の宮殿」を見学しました。 
 密林の中に栄えたという雰囲気が一番残っていた遺跡で、思った以上に”単純に良かった”ところです。

※見学記録:
 ●魔法使いのピラミッド:
 ウシュマル遺跡の入口は、レストラン・売店のある大きな施設。
 入場してすぐに階段を上り、遺跡への道路を歩いて行くとまず目に入るのが、大きな楕円錐形ピラミッド。 
 ・「魔法使いのピラミッド」の東側正面です。なかなか迫力があります。
 上部の神殿に登る階段が東面と反対側の西面に付けられていて、以前はピラミッド上部まで登ることができたそうですが、現在は禁止されています。
 高さは約36mで、マヤのピラミッドの中では特別高いわけではありません。
 ・反時計回りに西側に回り込んでいくと、丸みを帯びた構造と共に、狭くて急な階段が付けられていることがわかります。
 ・ピラミッドの西側にまわってみると、建物は複雑な形をしたものです。
 ・上部には、蛇が口を開けたデザインの入り口を持つ第4神殿があり、その上に斜め格子模様が浮き彫りになった壁を持つ第5神殿が作られています。
 (ただし西正面からは最上階の第5神殿は第4神殿の真後ろに隠されて見えません。)
 ・神殿に上る階段横には「雨の神チャック」の顔が連なっているのが望遠で分かります。21blg

 
 ●次の尼僧院見学に向かう途中で振り返って見ると、魔法使いのピラミッド上部にある第4神殿と、その上の第5神殿入り口も確認できました。22blg45

 
 ●尼僧院:
 魔法使いのピラミッドの西に隣接しています。 
 中庭を方形の回廊状に囲む構造形式の建造物で、内面と外面には精美な彫刻が施されています。
 なお、『尼僧院』とは後年スペイン人によってつけられた名前で、実際には「支配者の宮殿」と考えられているそうです。
 ①尼僧院への通路であるマヤの持ち送り式アーチ(マヤアーチ)(現在通れないものもあります)と見上げた天井3

 マヤアーチをくぐって尼僧院に入ると、広い中庭を囲むように東西南北の高さの異なる4つの基壇の上に、長くて、そして壁面に「雨神チャック」を中心に蛇や人物像など異なったデザインの装飾が施された複合建築が配置されています。

 
 ②南の建物:
 ・画面中央が、中庭と同じ高さに建てられた南の建物(幅80m)で、建物の真ん中に入口のマヤアーチが見えています。
 (なお画面左側にわずかに写っている基壇の上に建つ建物が東の建物です。そして東の建物も撮っていたはずですが、なぜか画像ファイル中に見当たらず、今回、東の建物の写真はありません(^_^;)。)3img_2549t

 
 ③西の建物です。
 ・(東の建物よりは少し大きく)幅54m。入り口より上部の装飾にある3連の雨神チャック像の左右にパイプのように伸びているのはガラガラ蛇(ククルカン:羽毛のある蛇)の胴体です。
 ・蛇の頭部をアップで見ると開けた口の中に人物像が彫られています。
 また蛇の頭の左上には ガラガラ蛇のガラガラ音が出るシッポがぶら下がっています。
 ・さらに、建物中央の装飾には天蓋付きの玉座があって、羽飾りをつけた貴族の頭部の彫刻がありました。人物のアップも。3_2

 
 ④北の建物:
 ・四方の建物の中で北の建物は、一番高い基壇に載っていて長さ100mと一番大きく、また壁面には華麗な装飾が施され、基壇に続く階段の両脇には小さな神殿の部屋が設けられているため、この北側が最も重要な建物であったと推定されています。
 ・建物を東横から眺めると、各入口の上には、雨神チャックの彫刻が施されているのがわかります。
 ・雨神チャックの顔が4つ積み重なったデザイン壁は、彫刻した切り石ブロックをパズルのように組合せて作られています。
 ・また、マヤ民家を模した装飾があり、その入口下には背中合わせになった2頭のジャガーの彫刻がありました。3_3

 
 ⑤バルチェの花:
 ・遺跡内に咲いていました。遠目には花の塊の色から、ジャカランダのようにも見えましたが、傍で見るとまったく別です。3_4

 尼僧院を出て、大球戯場を見ながら鳩舎の矩形に向かいます。

 
 ●大球戯場:
  9世紀後半から10世紀初めにかけて作られた球戯場の一つ。
 901年にウシュマルを統率したチャン=チャク=カクナル=アハウという王によって奉献されたという銘文が刻まれています。
 ・球戯は娯楽スポーツではなく重要な宗教儀式として行われたもの。
 マヤ地域により異なるが、球戯には直径20~35cmの硬いゴム玉が使用され、触って(使って)良いのは腰、肘、膝だけ。競技者は衝撃を和らげるために革製の防護服を身につけていた、と解説がありました。(丸い穴の開いたゴール石に入れば勝ち。)
 ・ゴール石も復元されていました。4blg

 大球戯場を通り過ぎ、鳩舎の矩形の前を通って大ピラミッドに向かいます。

 
 ●鳩舎の矩形:
 ・近くにハトもいました。
 ・写真は鳩舎の矩形の北側の建造物ですが、残っているのはこの面だけで、他の面は 殆ど崩れた状態です。
 建物上部の屋根飾りに小さい四角の窓が沢山ある事から 鳩舎と呼ばれるようですが、何に使用されていたのかは判然としていないそうです。51blg

 
 ●大ピラミッド: 
 高さ32mの大神殿ですが、まだ北側の階段部分しか修復されていないようです。
 (残りの三面は土の中に埋まっている。)
 ・ステップ幅が狭くて急な階段を慎重に登ります。
 ・頂上にはコンゴウインコの神殿があります。その壁にはコンゴウインコのレリーフが繰り返しはめ込まれています。
 中には修復中の「雨神チャック」の大きな顔がありました。
 周囲の外壁にも様々なレリーフがあります。
 ・大ピラミッド頂上からの眺めはなかなかのもので、ウシュマル遺跡の”広告塔”とも言うべきビューポイントです。
 近くでは西側に鳩舎の矩形と呼ばれる山切りカットの外壁が、また遠くに広がる森が見え、東側には「総督の館の裏側」が、見えます。
 そして北側の奥には「亀の家」、そして森の中に浮かび上がる「魔法使いのピラミッド」、また「尼僧院」などを俯瞰することができました。
 ・急な石段は下る時の方が緊張しました。52blg

 
 ●総督の館:
 ・大ピラミッドを降りてからすぐ横の丘の上に建つ「総督の館」と呼ばれる建物へ向かいます。
 途中の木立で、ノウゼンカズラ科テコマ・スタンスの黄色い花が目につきました。
 遠くに魔法使いのピラミッドを見ながら歩いて行くと
 ・ほどなく双頭のジャガーの台座がある広場に出ます。 
 ・正面が総督の館です。建物は横180m、縦152m、高さ12mのテラスを基段とした3層のテラスから構築されていて、マヤ建築の中でも傑作といわれ、プウク様式の壁面のレリーフとシンメトリックな形状が調和しています。  
 ・「総督の館」の正面装飾は、小さい写真では分かりにくいですが、中央に(尼僧院の東の建物に施されているのと同様の)両端に頭がある蛇の意匠が用いられ、上部には雨神チャックの顔が並んでいます。
 これらと渦巻きや斜め格子の幾何学模様のデザインの組合せが調和したモザイクを構成しています。  
 ・また、総督の館の両側にあるマヤアーチ上部には、両角にチャックの顔が重なったデザイン、壁面には渦巻き文様が施されています。6

 
 ●全ての見学を終えて出入り口に戻ります。
 ・途中で樹の枝にぶら下がったハタオリドリの巣と小鳥の姿も目にしました。7

 
 観光後、バスでチチェンイツァへ。所要時間約2時間。

 (チチェンイツァ泊:宿泊はチチェンイツァ遺跡に徒歩で行ける隣接ホテル。)

         - 5日目に続きます

 

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