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2015年4月25日 (土)

コナライクビチョッキリ、コナラの若葉で揺籃をつくる(2015/4)

 晴れて気温も上がった4月下旬の自然林で。

 コナラの若葉で揺籃を作りはじめたコナライクビチョッキリがいました。
 時折吹く風に若葉も揺れて、画像はそのたびにピンぼけになりました。
 時折休みながらも懸命に揺籃つくりに励む(大きさ3.3mmほどの)小さなコナライクビチョッキリの姿が印象的でした。
 揺籃は葉の一方の縁から葉を切り進め、横J字型に切り終わると、縦に細長く巻いて、その後さらに揺籃をねじるようにして二重にねじったような形にし、先を折り返して出来上がります。
 1個の揺籃を完成させるのに2時間ほどかかっていたようです。
 なお同じように揺籃をつくる名人のオトシブミに較べると体も一回り小さく非力なため、揺籃づくりの技術、そしてその”作品”は 特徴あるものですが、あまり芸術的/工芸的にきれいな形ではありません。
 時には周辺の葉だけではなく、揺籃をぶら下げた葉にも、食痕が付いていたりして、いっそう”芸術性”を損なっています。

 ・コナラの葉の葉身は倒卵形、あるいは倒卵状楕円形で有柄です。
 縁には尖った鋸歯があります。大きさは「ナラ」の仲間のなかでは最小サイズです。

●コナライクビチョッキリの揺籃作り観察記録: 
 ・目測で長さ9cm、幅4cmほどの柔らかそうな若葉の上に、小さな黒いコナライクビチョッキリが1匹いるのを見つけました。
 大きさは3.3mmほど、全身黒色です。
 姿を見た際、すぐには気がつきませんでしたが、風に吹かれて葉が揺れる時、既に切れ目が入っているのがわかりました。
 葉身の幅が一番広い(と思われた)ところの左端から切り込みが始まっていて、切り込み開始推定時間はAM11:35頃。

 ・いそぎ撮影開始。(ただし初めの数ショットの画像は、やや暗く、風で揺れる条件下なのでブレが多く、そのため以後の静止画像では全てフラッシュを使用しました。
 チョッキリの作業の邪魔になるかと心配しましたが、ほとんど気にしない様子でした。
 最初の記録画像はAM11:42Am1142

 
 途中で3分半ほど動画を撮りました。フラッシュはありません。
 風で揺れる度にピンぼけの録画面なりました。
 (なお文末に掲載した動画は、映像内容が単調なため中抜きして、2分程に縮めたものです。)
 (また、以下は、憶測や、また素人の勝手な解釈も含めて書いていますので、写真に写っている「事実」以外は信用/参考などされないで下さい。)

 AM11:46撮影、切り込みの進捗記録画像R0085364c1146

 
 AM11:50中央葉脈の切断にかかる。R00853741150t

 
 主脈(中央葉脈)を越えると葉柄方向にカールしながら進み、全体としては横・逆向きJ 字型で、必要十分と判断した!ポイントで切り込み作業はAM12:02に終了。
 AM11:52~12:0211521200c

T

 (暇つぶしに、後ほど、複数の切り込み作業ポイントの写真撮影記録時間と、切り込みが進んだ距離から、“休憩時間も含む”切り込み作業の平均速度を推定すると1.5mm/分でした。
 (葉のサイズと切り込み跡のトレースで、切り込み長さは全長4.0cmほど、これに要した時間は27分、から計算)。連続作業中の速度は数ミリメートル/分でしょう。

 揺りかごの”型紙作成”が終わったら、丸めて“葉巻”の揺籃作りにとりかかりました。 
 つききりで観察していたわけではありませんが、見ていた限り、“力ずくで”葉を丸めていくようなシーンはあまり認められず、盛んに葉の表面に咬み傷をつけることによって葉が萎れてカールするのを巧妙に利用しているように見えました。 
 【正常な葉の水分蒸散速度は、細胞の膨圧を保つ仕組みによってコントロールされています。
 そして細胞が損傷を受けて膨圧が損なわれると代謝など細胞の生理的活性に障害が現れて、萎れてカールしたり、ついには枯れたりするようになります。
 葉は損傷していますが全体としてはつながっているので、すぐに枯れることはなく、部分的に萎れかけてカールしていくのを利用するのでしょうか。
 むろん素人の単なる憶測でまったくの間違いかもしれません。】

 PM12:05撮影分が最初の葉巻作業画像になりました。
 単純に1方向にぐるぐる巻いていくのではなく、はじめに葉の表側が裏側に縦筒状に曲がり込むように巻いていきます。
 (以下の画像はクリックで拡大します。)Photo

Photo_2

 
 次には、その“縦筒を包み込む”ように、今度は葉裏側から葉表に二重に巻いていきます。
 【以下の記述部分は観察していませんから、参考書から引用しました】:
 《その間に、葉巻の葉肉中に2~3個の卵を互いに離して産み付けながら細く巻き上げてから》、先端部分を折り返して揺籃の出来上がりになります。(PM1:35)Photo_3

4

 (くどいですが、素人目には“巻き上げる”というより、自然に丸まっていく、という感じでした。) 
 こうして完成した“作品”は、傍観者がお手伝いもしないで言うのは気がひけますが、かなり“不細工”です。 
 揺籃は切り落とされることなく、揺りかごが完成しました。
 1個作るのに要した時間は2時間ほどでした。

 翌日、確認に行って見たところ、隣り合わせの間隔で、左側に更に2個の揺籃がぶら下がっていました。
 (後で画像をパソコンで拡大してみて気がついたのですが、一番左の揺籃に虫の姿が写っていましたが、不鮮明な画像のため、作成者かどうかはわかりません。
 またその周辺の葉だけではなく、二つ目(真ん中)の揺籃を吊り下げた葉にも食痕が点々と付いていました。)
 (画像はクリックで拡大します。)Img_09672

 それはともかく、葉の切り込み方も、完成した揺籃の外観も同じなので、いずれの揺りかごも、昨日のお方様の作品と思いました。

 なお、その後、揺籃の中で孵化した幼虫は潜葉性で、幼虫越冬、春に蛹になり、羽化して成虫になるということです。
 小さな昆虫の世界ですが、ドラマチックです

※コナライクビチョッキリ(チョッキリ亜科イクビチョッキリ族):
 全体に黒色。大きさ(体長)は 2.4~4.2mm。
 成虫の出現は春4月中旬から5月の年1回。
 半日陰になるような環境の若葉を好み、都市公園緑地などでも普通に見られるという。
 分布は日本各地。

 
※動画: 
 若葉に切り込みを入れて行く作業途中の約3分半の進捗を録画しました。
 風で揺れるおかげで、切れ目がはっきりしますが、画像はピンぼけに。
 なお内容は単調なため、中抜きして2分程に縮めた切り込み作業の”さわり”録画です。

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コメント

 暑いですね,今からこれでは夏が思いやられます。
コメントありがとうございました。
 昨年5月はオトシブミ・フィーバーして見ました。まあ空振りが多かったですが・・・
 その一部下記URLです。よろしければお暇な時にでもご覧下さい。
 http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-8795.html

投稿: クロメダカ | 2015年4月29日 (水) 18時51分

先日は、ナノハナ(アブラナorカラシナ)について詳しく教えていただきありがとうございました。その後、河川敷をときどき見ると、ほとんどがカラシナと分かりビックリしてます(^_^;)

今回のコナライクビチョッキリもビックリです。

オトシブミは(実物は見たことがないのですが・・)本などでは見たことがあり、ゆりかごの作り方が詳しく載っていました。

でもチョッキリは初めて聞く虫です。まだまだ自然界には見たこともない虫がいることに感激(*^_^*) 
そして、ゆりかごの作り方を詳しく観察したことにも・・・う~ん、刺激になります。
チョッキリは普通に見られるとのことですので、やはり注意深く観察する姿勢が大事だと・・。

自分もぜひ見たいですね~。

また、楽しみにしています(*^_^*)

投稿: 茨城県は五浦から | 2015年4月29日 (水) 05時40分

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