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2016年10月14日 (金)

ススキ/オギ、フジバカマ

 本日は午後2時過ぎくらいから青空が広がりました。
 少し歩いて買い物に行くと汗ばんでしまいました。
 昨日は(十三夜のお月見でしたが) 終日、全天雲に覆われた肌寒い一日になってしまいました。
 そのせいで、食品スーパーで特売されていた「十三夜・栗名月お月見ダンゴ」も、お月見とは無縁の商業イベントに終わってしまいました。
 昔と違った気象変動も大きくなり、晴れる確率も大分減少しているのでしょうね。

 ちなみに旧聞ですが、過去ログをめくってみると、2007年10月23日 (火)に、文字通りきれいなお月見が出来たという記録が一回だけありました。 
 なおその際、お月見には付きもののススキですが、すでに身近なフィールドには少ないと記していました。

■ススキ:
 そこで以下に、ススキを”ダシ”にした穴埋めブログです。

 先日の新聞記事に、関東では名所になっている箱根の仙石原のススキが見頃を迎えるようになり、一面黄金色のススキ草原に変わってきた(2016.10.12現在)との報道がありました。
 その景観は今後の天候にもよりますが、晩秋まで楽しめるそうです。
 なお、その美しい景観を守るため、草原内に雑木などが増えるのを防ぐよう、3月中旬~下旬にススキを燃やす草原焼きなどの維持管理もなされているそうです。

 ・それで、あらためて身近にススキが見られないかと、ご近所やフィールドをウロウロしてみました。
 結果、山野草を趣味にされているご近所のお庭に、フジバカマ(園芸種)などと共に、ススキが一株植栽されていて、塀の上まで花穂を伸ばしているのが見つかりました。
 しかし、フィールドにはススキは皆無でした。
 そして遠目にはススキによく似た草姿で、堤防沿いの草地や農道脇の空き地などに群生しているのは、すべて「オギ」であることをあらためて確認しました。  
 そしてまた、多分見られるかと思って行ってみた近郊の、小規模ながら山野草の植栽が保全されている管理地では、点在するヨシやオギ、またセイバンモロコシなどに囲まれた場所から少し離れた空間に、期待したとおり、株立ちしたススキを見つけることが出来ました。  
 
 なお、ついでですが、そこには在来種のフジバカマ(キク科ヒヨドリバナ属)の群落もありました。
 花はばらつきがありましたが、終わりになりかけたものも多く、また全草に病害虫の被害を受けた株が多いようでした。
 特徴としては相対的に園芸種より草丈は高く、花色は園芸種よりは地味で淡い(白っぽい)ものでした。

★撮ってきた画像と共にまとめ。

■ススキとオギの比較/見わけ方:
 10年以上昔ですが、地元の秋の植物観察会で、講師から身近なフィールドに繁茂しているイネ科雑草の見わけ方について教わり、“実習“したことがありました。
 特に遠目ではわかりにくかったオギとススキについては、花が終わった実りの時期には両者の違いが以下のように、はっきりする事を教わりました。
 (なお、以下に掲載した画像はこの度あらためて観察地で撮影したものです。)

 
●ススキ:
 ・小穂の付け根についている毛は短く、小穂と同じくらいの長さ。 
 ・小穂の先に長いノギ(禾)*がある。
  (*イネ科植物で、花の外側の穎(えい)の先端にある針状の突起)
 ・河川敷などでも見られることがあるが一般的には乾いたところに多い。
 ・生え方は株立ち。花期は8~10月。

 ・株立ちのススキ:Photo

 
 ・ノギ(禾)があるススキの小穂。付け根の毛は短いPhoto_2

 
●オギ:
 ・小穂の付け根についている白い毛は多数で長く、その長さは小穂の2倍以上くらいある。
 ・小穂の先にノギ(禾)はない。
 ・(ススキよりも)やや湿った所に生える。
 ・地下茎から1本ずつ茎を出して、株立ちしない。花期9~10月。

 ・オギの群生。
  雨上がりの図書館脇に群生していたオギ。
 花穂が乾いて広がると、小穂にノギ(禾)は無く、基部の白い毛は多数で長い事が分かります。Photo_3

 
 ・池端や道路端に蔓延る迷惑雑草のオギ。小穂にノギが無いのを確認。Photo_4

 
■くどくなりますが、花穂に禾(ノギ:小穂の先に付いている細い糸のようなもの)のあるススキ(左)と、禾はないオギの小穂(右)の比較再掲。Photo_8

 
 ・ついでに、今回記事に無関係ですが、水田地帯のフィールドに一番多いヨシです。
 湿地などを埋め尽くしています。Photo_6

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
★余談のついでに:

■ススキ:
 車で1時間少々の比較的近くに、ラムサール条約登録地である渡良瀬遊水地があります。  
 図鑑『渡良瀬遊水地の植物図鑑(2011年3月 発行)』を開いて見ると、「索引」に「ススキ」の項目はなく、遠目にはよく似た「オギ」の項に、“遊水池にはススキはほとんど無く,オギばかりである”。と記載されています。
 なお、オギは茅葺き屋根の葺き替え用に刈取りされていたそうです。
 現在はそれほどに、近くでススキを目にすることは難しいことになっています。

 
■フジバカマ:
 在来種は渡良瀬遊水池にも自生していて、かつて1度見学に行ったことがありました。
 分布域は少なくなっているようで(環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)*になっています)、数ヵ所にそれぞれ小さな群落がありました。
 在来種は、園芸用に持ち込まれた外来のフジバカマと異なり、草丈1.5~2mと背が高く、葉の裂片が幅広くふっくらしている、と上記,遊水池の植物図鑑に記載されています。

※フジバカマ(藤袴、Eupatorium japonicum)はキク科ヒヨドリバナ属の多年生植物で、万葉の昔から秋の七草の1つとして、親しまれた野の花でしたが、現在は生育環境変化などのため自生のものは激減して、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)種*に指定されています。  
 余談ながら、現在「フジバカマ」と名札がつけられて園芸・通販店などで流通している多くは本種でなく、在来種よりコンパクトで花付きも良く色もきれいな、いわゆる“園芸品種”で、同属他種または本種との交雑種などが多いということです。

 *環境省レッドリスト2015、【植物Ⅰ(維管束植物)】準絶滅危惧(NT)297種中にリストされています。 http://www.env.go.jp/press/files/jp/28075.pdf

●フジバカマ:
 画像は今回ススキを見ることができた“山野草保全管理地”で見かけた植栽群落。Photo_7

 なお、フジバカマについて考察をされた参考記事(下記URL)がありました。
     http://park15.wakwak.com/~ooyabuen/fjbkm.html 

 (ハイパーリンクはしておりませんので、ご覧になるには上記URLをコピーして、ブラウザに貼り付け、アクセスして下さい。)

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