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2017年3月20日 (月)

3月の里山林縁で見かけたミヤマセセリなどの昆虫類

 3月の”みかも山公園ハイキングコース”で見かけた昆虫類です。

●ミヤマセセリ(セセリチョウ科ミヤマセセリ属):
 たまたま、白い花を下向きに付けたモミジイチゴの花の写真を撮っていた時に、目前をサッと横切ったものがいました。
 目で追うと近くの斜面上方に咲いていた花にとまり、吸蜜をはじめました。
 幸いにもそこは見上げる位置で、被写体は花と共に正面に。

 ただし翅は吸蜜中ずっと半開のままで、この時にワンショットのみ撮れました。R0012734_3ct

 その後は閉じてしまい、ほどなく飛び去りました。名前の確認に使用できたショットはこの1枚だけ。翅の特徴などからミヤマセセリと分かりました。 

 その後も途上の林間で、時折ほとんど黒くしか見えませんでしたが 舞飛ぶ姿を目撃したり、林床に散り敷いた枯れ葉の上に降りて翅をひろげる場面にも遭遇しましたが、一度も撮れませんでした。
 これからしばらくの間だけが成虫の出現時期ですので、観察は季節限定。

※ミヤマセセリ:
 大きさ(前翅の開長)38mm前後。前翅には褐色地に紫灰色の模様があり、後翅の外半部に黄橙色の小斑が多数あるセセリチョウ。成虫は3月下旬から4月にだけ発生し、落葉広葉樹林で見られる。地上近くを飛び、地表に翅を開いてとまるが、落ち葉にまぎれて見つけにくい。
 幼虫の食草は、クヌギ、コナラ、カシワなど。
 出現時期は3~4月、分布は日本各地。
 なお、本種は都道府県によっては、各レベルのレッドリスト対象種に指定されているようです。

 
●ヒオドシチョウ:
 青竜ヶ岳頂上付近の開けた草地を1頭のチョウが飛び回っていました。
 立ち止まってしばらく目で追っていたところ、偶然足元の裸地面に下りて翅を開き、ごく短時間の日光浴体勢に。
 その時のワンショットでした。R0012746ct

 画像を確認して、翅の周縁が損傷したヒオドシチョウの越冬成虫とわかりました。
※ヒオドシチョウ(タテハチョウ科):
 前翅長35ミリ、翅の開長は70ミリほど。
 翅表はくすんだ橙赤色で、黒色の斑点がある。翅裏は地味で枯葉に似た黒褐色、落葉の上で翅を閉じると目立たない。
 雑木林などを素早く飛び、エノキなどの樹液によく集まる。成虫で越冬するので、早春から飛びはじめ、エノキなどの新芽に産卵する。
 幼虫の食草はエノキの葉の他にヤナギ類、ハルニレ、アキニレ、ケヤキなど。
 出現時期は3~6月、9~11月,分布は日本各地。

 
●不明の小さなガ:
 林縁の歩道擬木にとまっていたのを通りがかりに撮ったもの。R0012753

 名前は分かりません。

 
●エゾハサミムシ(ハサミムシ科):
 舗装されたハイキングコースの道端に生えた雑草のタネツケバナを撮ろうとしゃがみ込んだ折に、日光を避けるようにすばやく物陰を伝いながら移動して行く“ハネカクシ”に似た小さな昆虫が目に入ったので、ついでに撮影したもの。R0012759_1

 
 後で画像を確認すると”ハネカクシ”ではなく、腹端に大きなハサミがあるエゾハサミムシと分かりました。
 なおハサミを上に向けて歩いていたので、上から見下ろしたときにはハサミと分からず、写真でもすぐにその様には見えません。R0012759_2

R0012759_3

※本種は大きさ(体長)約15mm。体もハサミも細長い。前翅の肩に黄色い紋があるのが特長。
 短い前翅の下に大きな後翅がたたみ込まれていて、前翅の先端に少し何か見えるのがたたまれた後翅の一部。山間部ではこの後翅を使って飛んで灯火にも集まる。
 出現時期は4~9月、分布は日本各地。

 
●モモブトカミキリモドキ(カミキリモドキ科):
 キジムシロの群落周辺に飛んでいるのを過去にも観察していました。
 今回も見つかるだろうと目をこらしていると、やはり飛んでいました。
 時折花に降りてもすぐに飛び立ってしまい、なかなか撮れませんでしたが、近くの枯れ茎にとまった1匹だけ撮れました。
 脚が太い♂でした。R0012791

 足の細い♀もいたはずですが、こちらは撮れませんでした。< /p>

※モモブトカミキリモドキは大きさ7mmほどのカミキリムシに似た小さな甲虫で、体色は黒く藍色の光沢がある。♂の後肢の付け根は太く、♀は細いので識別できる。
 春先の山地林縁などによく見られ、平地でも普通に見られる。キジムシロやタンポポなど黄色い花に集まることが多い。 
 幼虫は、朽ち木や、枯れたススキの茎の中などで育つ。
 出現時期は3~6月、分布は日本各地。

 
●不明のコハナバチの仲間:
 小さなハチなどもキジムシロノ花に吸蜜に訪れていました。その1枚。R0012794t

 コハナバチの仲間かと思いますが詳細は分かりません。

 
●ビロウドツリアブ(ツリアブ科):
 ・モモブトカミキリモドキを撮ろうとしているときに、キジムシロ群落の上を小さな茶色の毛玉のようなものが移動しながら、時折静止ホバリング、また移動を繰り返しているのに気がつきました。
 (○印)R0012793

 
 ・過去にも別々のところでも何回か記録があったビロウドツリアブで、しばらく追っかけ。
 1つのキジムシロの花に降りたところです。R0012797

 
 ・花に降りても翅はまったく休めることなく、長い口吻の位置を変えながら吸蜜する姿を近接撮影することが出来ました。R0012798ct

R0012803ct

R0012805ct

R0012809ct

 
 ・そこを通り過ぎてから、今度はタチツボスミレの花を肢で掴まえて、ホバリングしながら吸蜜する場面にも遭遇しました。R0012826

R0012826jpg

 高速で羽ばたく翅は写真には写らなかったので、毛玉が花に掴まっているように見えますが、実際には空中停止(ホバリング)して、肢で固定した花の蜜を吸っているのでした。< /p>

※本種は大きさ10mmほど。丸みのある体に細長い黄褐色の毛がたくさん生えた、小さな毛玉のようなアブ。
 尖った長い口吻を持っていて、花から花へと移動しながら花の上や前で空中静止(ホバリング)して(長い口吻で)花の蜜を吸う。
 日当たりの良い林縁などに生息し、都市郊外でも見られる普通種。
 幼虫は、土中に巣を作るヒメハナバチの仲間の幼虫や蛹に寄生する。
 成虫出現時期は3~5月の期間限定、分布は日本各地。

■昆虫界にも小さなハナアブの仲間からガの仲間まで、ホバリングの名手が多く居るものです。

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