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2017年10月18日 (水)

ルリタテハ蛹にアオムシコバチ寄生②

 前報の続きです。

 寄生蜂に寄生産卵されていたルリタテハ蛹 2個体からアオムシコバチ(の仲間)発生。

■10月1日になっても蛹のままで羽化する気配のない蛹がざっと見渡したところ8頭ほどありました。
 そのうち4頭を、茎ごと切り取って、底に少量の水を入れた容量2リットルの空ペットボトルに入れ、口部はメッシュの布きれで塞いでから屋外の日陰に放置して観察。

■10月7日:
 アオムシコバチ(の仲間)成虫発生:
 寄生蜂に取り付かれているのを目撃した蛹と、隣り合って異常に体を振り続ける動作をしていた1頭の蛹を一緒に入れていたボトルからは、総数179匹(約90匹/蛹)の成虫が発生したことが分かりました。

 ・ポリ容器内で発生したアオムシコバチ(の仲間)成虫:
 (以下の画像はいずれもクリックで拡大します。)Blg

 
 ・ボトル内壁を動き回っていた成虫:Blg_2

 
 ・ボトル底に落ちて動いている成虫、大きさが異なるのは雌(大)、雄(小):Blg_3

 
 ・枝に付いている蛹と、落下して一部ボトル底の水に浸かっていた蛹の両方に寄生蜂の脱出孔を確認しました。

 発生数を計測するため、ボトルの口から殺虫剤をスプレーして、成虫の殺処分をした後、ボトル底に集めてから、底部をハサミで切り取り写真撮影。
 A4用紙に印刷して手作業で計数した結果、生成虫発生総数は179匹(約90匹/蛹)でした。Blg_217990_2

 (・先述のアゲハへの寄生観察文献では蛹1頭から飛び出す成虫は平均約156頭(max.337頭/蛹)ということでした。)

 なお、他の2頭を入れたボトルからは寄生蜂の発生はなく、蛹の外観上にも特別な変化はありませんでした。
 (なお蛹に照明を当てて見ましたが、光りは通らず、“中味“は詰まっていたようです。)

※参考メモ:
  ・アオムシコバチはチョウ目を中心とする多くの昆虫の蛹に寄生する寄生蜂の仲間です。 
 特にモンシロチョウの重要天敵として知られています。
 成虫は、モンシロチョウやアゲハチョウの幼虫が蛹になった時に蛹の皮膚に産卵管を突き刺し、蛹の体内に産卵します。 
 孵化した幼虫は蛹の内部組織を食べて育ちサナギになり、羽化して成虫になってから寄生した蛹の外皮に孔を開けて出てきます。
 なお当然ながら、チョウの蛹は内部組織を食べられますので、チョウが羽化することは無く、小さな孔が開けられた蛹の抜け殻だけが何時までも残っています。  
 寄生蜂の成虫♀は体長約3㎜で、♂は♀より小型です。
 (ちなみに今回の観察ではおよそmax3.7mm~min2.3mm大の個体がありました。)
 また♀の体色は黒色で藍色光沢があり、 ♂は全体に青色の金属光沢が見られます。

 以上が、アオムシコバチ(の仲間)による蛹への寄生記録です。

 ※続報は、1頭のルリタテハ終齢幼虫が別種の寄生蜂「タテハサムライコマユバチ(の仲間)」に寄生産卵されていた観察記録です。

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