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2018年4月25日 (水)

カシルリオトシブミ

 オトシブミが活動する季節です。

 さる4月中旬の午前11時前、散歩を兼ねて立ち寄った林地で、偶然、自生したコナラ小木の新葉に、小さな揺籃が一つ作られているのを目にしました。
 (以下の画像はすべてクリックで拡大します。)2

 
 近寄って見ると、その揺籃は、吊り下げられた葉の裁断の仕方・切り分け方や、揺籃のサイズ、また出来映え(形のきれいさ,精巧さ)などが、これまで普通に観察していたヒメクロオトシブミの”芸術作品“ともいえる揺籃とは違い、サイズはやや小さめ、見栄えも今一歩と感じるもので、いったんはスルーしましたが、他には見るべきものもなくて思い直し、とりあえず記録用にと撮りました。1_2

 
 撮り終えてから、ふと見た傍の別の葉上に、それまでまったく気付かなかった、やはりヒメクロオトシブミより更に小さめの虫が1匹、静止しているのが目に止まりました。
 ただ体色は黒ではなく、見る(光を受ける)角度によって色が変わりますが、金属光沢があるきれいな色で、明らかに“別もの”とわかり、レンズを向けたのでした。

 多くの場合、この仲間たちは、何かの気配を察知するとすぐにポロッと落下するように姿を消してしまうことが多いのですが、この時はそうはしないで、葉表から葉の端に移動し、、R0016642

R00166392018417

 
 更に葉裏を覗き込んでから葉裏に回り込んで移動して逃げていきます。R0016643

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 それで、逃げられてもともとと、葉を裏返してまでしつこく追っかけ。
 葉裏です。R00166392018417_2

R0016639

R00166392018417_2_2

 
 そしてまた直ぐ傍の別の葉表に逃げていき、ほどなく”うるさいヤツ、バイバイ”とばかりに飛び立ち、視界から消えていきました。
 この間追っかけ時間は2分でした。閑人!R00166462

 
●カシルリオトシブミ:
 曇天のもと少し風もある林内で、動きのある被写体の追っかけには難があり、その間に撮れた画像の多くはピンぼけになっていましたが、何とか見られる数枚の画像をもとに、手元資料やWeb画像など参照して、(他にもよく似た仲間が数種いるようですが)はじめて見るカシルリオトシブミと判断しました。1_3

2_3

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 なお、揺籃を作るのは♀です。
 今回の”ゆるい”画像では明確ではありませんが、♂は前脚が特に長くて,内側に湾曲していることで容易に判別できる、というWeb上の♂画像を参照すると、その特徴はなさそうなので、♀かと推測しました。

 先述の揺籃は既に完成していたもので、その,直ぐ傍に♀(らしい)カシルリオトシブミがいただけで、直接作製行動を観察したわけではありませんが、この揺籃はこのカシルリオトシブミの作品ではないかと思ったことです。

※これで初めて虫体を観察できたのですが、その揺籃作り行動は見たことがありません。
 幸いなことに、Web情報を検索中に、YouTube上に公開された、揺籃作りの行動を克明に記録された動画*を観賞することができ、とても参考になりました。
 * 山形県立自然博物園・森の生き物シリーズ・オトシブミ編(2011/06/14 公開)   
 https://www.youtube.com/watch?v=wWuFsa_gW9E

※カシルリオトシブミ:
 体長3.5mmほどで、頭部と胸部は金属光沢のある赤みのある金色、前翅はやはり光沢のある瑠璃色の上翅をもつことが特徴の、きれいな小さなオトシブミです。
 よく観察されているのは、イタドリの大きな葉を切り込み、その一部を使って、90分ほどかけて大きさ5mm弱の小さな俵型の揺籃を作ってから切り落とすという行動です。
 都市公園などではコナラの葉で揺籃をつくるのも普通に観察されています。
 切り落とし型の揺籃作成が多いようですが、吊り下げ型もあるようです。

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■オトシブミ関連の過去ログ一覧は下記リスト参照:
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-39e1.html

 

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