昆虫

2017年12月 8日 (金)

ミツバツツジ返り咲きなど/ヒメハラナガツチバチ♀

 11月中旬に見かけた昆虫仲間と返り咲きの花。

●ベッコウバエ(ベッコウバエ科):
 公園のコナラの木に1匹だけとまっていたもの。そろそろ年貢の納め時です。Img_82621

※大きさ15~20mm。全身べっ甲色(黄褐色)で、胸部背に黒縦条があり、翅に片側5個の黒色斑があります。
 林の中で生活し、夏にはクヌギ、コナラなどの樹液によく来ています。
 またキノコや動物の糞などにも集まる大きなハエの仲間。
 出現時期は5~11月、分布は日本各地。

 
●チャノコカクモンハマキ(ハマキガ科):
 庭木の刈り込みなどをしていた時にどこからか飛びだして塀に止まった個体。
「ハマキムシ」の仲間の成虫。Img_8266_1

※大きさ(開張)13~21mm。 出現時期は3~10月。
 分布は本州、四国、九州。 
 幼虫の食葉樹はツバキ科チャなど。

 
●ヒメハラナガツチバチ♀:
 朝方の冷え込みが厳しく、日中も寒かった日の午後、庭をゆっくり這っていましたので、色々な角度から観察できました。11

※大きさ(体長)は20mm程、翅先が暗色で、触角が短いなどの特徴から「ヒメハラナガツチバチ」の♀と判断しました。
 単独生活をする寄生蜂で、♀は交尾後、土中のコガネムシ類の幼虫を探して毒針で刺して麻酔してから卵を産みつけます。
 出現時期は4月下旬~11月中旬、分布は本州、四国、九州。

 
■返り咲き*の花:
 *返り咲き  草木の花が、その本来の花期ではない時期に咲くこと。通常、春咲きの草木が初冬のころにまた花をつけること。「狂い咲き」とも。
 返り咲きのよくみられのはサクラなどバラ科の落葉植物や、フジ、ツツジなど。

●ミツバツツジの仲間:
 11月初旬,、山里の林地で2輪だけ開いていたミツバツツジの花。11_2

 花期は3月中旬~5月。

 
●コバノタツナミ:
 増えすぎるほど庭に元気にはびこるコバのタツナミ。
 例年、思いがけなく少数ながら返り咲きの花を開きます。Img_819011

 花期は5~6月頃。

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2017年11月28日 (火)

晩秋の名残

 小春日和の公園で、晩秋の名残。

●人影もまばらになった静かな公園。
 並木のケヤキが風も無いのに静かに、ハラハラと葉を落としていました。Img_8366

 
 ・クロガネモチがたわわに結実:Photo

 
 ・ピラカンサ(トキワサンザシ)も結実:Img_8094

 冬季、”美味しい”食糧が乏しくなった野鳥が食べにくる木の実ですが、まだまったく食べられてはいません。

 
 ・早咲き品種のツバキは花を開いています。Img_8363

 
●キタキチョウ(キチョウ): 
 農道に咲き残っているセンダングサの花で吸蜜中。Img_8362

Img_8358tr

 モンシロチョウやモンキチョウよりはひとまわり小さく、きれいな黄色が目立ちます。
 いつもせわしなく飛びまわり、いろいろな花で吸蜜しています。
 成虫で越冬し、春先早くから飛び出します。

 
●モンシロチョウ:
 草地で日光浴していました。こちらはそろそろ年貢の納め時です。Img_8243

 
●田圃道にはまだがんばっているコバネイナゴが1匹。
 ”佃煮色”になるまで、もう少しがんばる個体もいます。Img_8320

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2017年11月26日 (日)

ジョウビタキ♂、その他

 先日の寒波襲来時には日中最高気温が10℃を割り込む寒さになりましたが、その後は晴れて最高気温も15℃を越える日が続いています。
 冬枯れの気配が進んで風物もだんだん乏しくなったフィールですが、散歩中に目にした生きものなど。

●モンキチョウ:
 少数ながらまだがんばっているモンシロチョウやモンキチョウがひらひら飛んでいました。
 モンキチョウだけ近くに降りて日光浴を始めたところ。Img_8314

 
●モズ:
 鳴き声もたてず、直ぐに逃げることもしないでケーブルに止まっていました。Img_8288

 
●ハクセキレイ:
 見かける数はずいぶん減りましたが、いつものように池の端をせわしなく行ったりきたり。Img_8312_1

Img_8312_2

 
ジョウビタキ♂(冬鳥):
 珍しく、町裏を流れる雨水排水路沿いのフェンスに止まっていました。
 市街地にやってきて、ピラカンサやナンテン、マンリョウなどの実が赤く熟しているお庭を訪問しているようです。Img_8317

 
■余談:
 先の台風21、22号のため増水していた池の水も、今はすっかり減って、水面積も小さくなりました。
 そのせいもあって、冬鳥の姿は激減。散歩の楽しみがなくなりました。

 ・台風直後の池:Fitimg_72871

 
 ・現在の池。Fitimg_8329201711241

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2017年11月22日 (水)

コフキトンボ♀、通常型/オビトンボ型

■コフキトンボ:
 コフキトンボ♂に関しては昨年8月にすでに記事にしています。
 特別珍しいトンボではありませんが、雌には雄に類似した体色の個体の他に、オビトンボ型と呼ばれ、翅に茶褐色の帯斑がでてくる異色型の個体が存在することが知られています。
 そして昨年夏~秋シーズンの池では比較的多数のコフキトンボが観察できたので、夏に♂だけ、とりあえず(上記の)記事にしていました。

 その後も、時折池に出かけた際は♀の個体、そして特に、オビトンボ型の異色型を探して観察をしていました。
 そして幸い一回限りでしたが、オビトンボ型にも遭遇していましたが、記事にはしていませんでした。

 今年も夏から秋、池に観察に行って見ましたが、今季は池の出水変動が大きくて、池で見かけたトンボの数は激減。
 シオカラトンボだけはそれなりに見かけましたが他は少なく、コフキトンボもごく少数の♂を見かけただけでした。

 そこで遅ればせながら、まだ記事のないコフキトンボ♀の通常型と、オビトンボ型について今回、コフキトンボに関する続報としました。
 ♀の画像は一部通常型を除き、2016年9月下旬から10月初旬に撮影したものです。

●コフキトンボ♀(通常タイプ):
 (以下の画像はクリックで拡大します。)
 ・2016年9月下旬撮影♀個体①:Img_9253_2016926

 
 ・同、♀別個体②:Img_92282016925blg

 
 ・個体②胸部拡大:
 毛深く、また特異的なパターンの黒条があります。Img_9228

 
 ・2017年7月下旬撮影♀個体①:Img_48892017729

 
 ・同上個体の腹部拡大。。腹部第2,3,4節にヒダがある。(シオカラトンボと区別できる。)Img_48892017729234

 
 ・同時期撮影♀通常タイプ個体②:Img_48632017729

 
●コフキトンボ♀「オビトンボ型」:
 2016年.9月下旬の複数日に観察、撮影しましたが個体数は少なく、以下の画像はすべて同一個体かも知れません。

 ・同じ日撮影の同一個体:Img_9215_2016925_2

Img_9215_2016925

 
 ・2日後に再度見かけた個体ですが、前回撮影と同じ個体かも知れません。
 なお、こちらは池水面ではなく、傍の草地に造られた小規模のビオトープ池の水面上に頭を出していた雑草の枯れ枝にとまっていたもので、遠景(背景)色は草地の色になっています。

 (以下の)画像は、当日の同一個体の追っかけです。Img_93532016927

Img_9355_4

Img_9355_17

Img_9355_10

 
 ついでに、あらためて今夏見かけたコフキトンボ♂も再掲。

 ・コフキトンボ(黄色丸印)が暮らしている池の風景はこんなところ。
 ほとんど例外なく、岸辺から少し離れた水面に出ている枯れ茎などに静止しています。
Img_4785

 
●コフキトンボ♂:
 2017年7月下旬撮影の複数個体:
 体は毛深く、また粉を吹いています。
Img_9287

Img_4781

Img_52612017818

Img_49792017731

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※コフキトンボ(トンボ科コフキトンボ属):
 平地の抽水/挺水植物が生える池沼などに生息しています。
 近くの池ではほとんどが、水際から離れた水面上に立ち上がった抽水/挺水性植物の茎先に止まっています。そして水際から離れることはまずありません。

 ・♂は縄張りを持ち、他の♂が侵入してくるとすぐにスクランブル発進し、追い払うと元の位置に戻ってきます。
 雌雄ともに、待っていれば止まってくれるので、撮影は容易です。
 ♂は成熟すると全身に白い粉をまとうようになり(→コフキトンボ名前の由来)、一見シオカラトンボに似ていますが、コフキトンボのほうが小ぶりでずんぐりしています。
 また複眼の色はシオカラトンボ♂の複眼は青色、♀は緑色なのに対して、コフキトンボ♂の複眼は濃褐色です。
 胸部の斑紋もシオカラトンボとは異なり、さらにシオカラ トンボの腹部には第2、3節にしか“ヒダ”がありませんが、コフキトンボの腹部には腹節第2、3、4節に“ヒダ”があることなどで、撮った写真を確認すれば区別は容易です。

 ・♀には2型があります。
 1つは♂と同色のタイプで、こちらは成熟するにつれて♂同様、胸部や腹部に白粉をまとうようになります。
 もう一つは「オビトンボ型」と呼ばれ、翅に茶褐色の帯斑がでてくる異色型の個体で、成熟しても白い粉はつけません。
 このオビトンボ型の分布は地域によって大きな差があり、この型の♀しか存在しないところもあれば、混在している地方もあるという不思議なトンボということです。
 オビトンボ型について、関東は混在地域だそうですが、当地で観察できた限り、オビトンボ型の数はかなり少ないようで、見つけるとしつこく追っかけして撮りましたが少数で、期間も限定的でした。
 実際、見かけられたのは、実質的には一回限りで,大変貴重な機会になりました。
 出現時期は5~10月、分布は日本各地。

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2017年11月 2日 (木)

身近な秋の雑草の花とチョウ、トンボ

 秋の除草”工事”が休工中で、しばしの”生残猶予期間”残されていた10月中旬から下旬、道端などに咲いていた身近な雑草の花。
 その後に除草作業が再開されて、今はきれいさっぱり、寂しくなっています。

●画像は上から順に、カントウヨメナ、ハッカの仲間、マルバアメリカアサガオ、シロバナセンダングサ、コセンダングサ、ミゾソバ。6

 
アキノノゲシ
 画像「左」と「中」はアキノノゲシ。葉に大きな切れ込みがあります。
 「右」はホソバアキノノゲシ。葉に切れ込みがありません。
 まったく同じ環境に混生しています。
 (画像はクリックで拡大します。)Photo

 
●草叢にいる、おなじみのチョウ仲間。
 上左から順に、キタテハ秋型(成虫で越冬)、ヒメアカタテハ(関東では越冬態不定で成虫または幼虫で越冬)、モンキチョウ(幼虫で越冬)、モンシロチョウ(蛹で越冬)、ベニシジミ(幼虫で越冬)、ヤマトシジミ♂(幼虫で越冬)、イチモンジセセリ(幼虫で越冬)、キチョウ(キタキチョウ:成虫で越冬)108

 
●カタバミの黄色い花で吸蜜中のヤマトシジミ♀(黒っぽい方)に♂(水色)が求愛していたようですが、結局 相手にされませんでした。Blgimg_6759_2

 
●ヒメアカタテハ幼虫:
 一度除草された後に再び若葉が伸び出していたヨモギの草叢で。
 茎頂部の若葉を丸めて”巣”を作っているのは毎シーズンのこと、ヒメアカタテハ幼虫です。
 1つだけ開いて見るとかなり成長した幼虫が隠れていました。
 丸めた内部の葉をどんどん食べて、直ぐに近くの若葉に移動して行きますので、開けて見ると多量の糞だけ残った空っぽの巣もたくさんあります。Photo_2

 
●赤トンボ♂(画面上)♀(下)(アキアカネ):
 今シーズンは特に赤トンボだけではなく、その他のトンボも少なくなりました。Photo_3

 
●ギンヤンマ産卵:
 町裏を流れる雨水排水路の水際で産卵していたギンヤンマ。
 大分翅の傷みも目立つ個体でした。Img_6112

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2017年11月 1日 (水)

10月の花(キンモクセイ、ツリバナ(果実)、ハエドクソウ、ホトトギスの花にトラマルハナバチ訪花・吸蜜)

 遅ればせながら、記録のための記録。

●キンモクセイ:
 例年9月末から10月初めに開花しています。
 ご近所にも多数あって、何時もわが家だけ少し開花が遅かったのですが、今シーズンに限り、ご近所に足並みを揃えて開花しました。
 (というより、花期のお天気具合のせいで、他所様の開花が少し遅れたのでは・・・・?)
 台風21号前日まであまり散らずに咲いていましたが、23日朝方、台風通過で一斉に花が散って、掃除も一度で済みました。
 (撮影10月9日時点)Blg109

 
●ツリバナ:
 熟して赤い果実・種を吊り下げていたツリバナも、風雨の度に少しずつちぎれ落ちていましたが、台風で一挙にすべて落下しました。
 (撮影10月9日時点)Blg109_2

 
●ハエドクソウ:
 以外に丈夫な雑草です。抜いても抜いても前年度とは違うところに、いつの間にかひっそりと、細い針金のような花茎を伸ばして小さな白い花を付け、鈎爪のある種を付けています。
 (撮影は10月18日)Blg10183r

Blgimg_6946_3

 
●ホトトギスに花の蜜にトラマルハナバチ訪花・吸蜜:
 花がすっかり少なくなった庭に、ホトトギスが現在も咲き続けています。
 そして10月中旬頃から天気が良い日にはほとんど毎日、トラマルハナバチがやって来ます。

 ホトトギスの花(花被)の蜜腺は花の基部近くで、その内面に黄橙色の蜜標があり、蜜は基部の丸い膨らみに溜まっています。
 トラマルハナバチは蜜を吸うために花の基部に行くので写真には撮りにくいアングルになります。
 (撮影10月31日)Blg1031satuei

※トラマルハナバチ(ミツバチ科): 
 大きさ(体長)約16mm。花の蜜や花粉を食べる、全身鮮やかな栗色のマルハナバチ。
 出現時期は4~11月、分布は本州、四国、九州。

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2017年10月31日 (火)

ルリタテハ蛹にアオムシコバチ寄生/後日譚

 先に、ルリタテハの蛹が、寄生蜂のアオムシコバチ(の仲間)に寄生されてルリタテハ成虫は羽化できなかったことを記録しました。
 その時点では、まだ庭には採取観察をしない蛹も数頭残っていたので、そちらからも寄生蜂が羽化してくる可能性があるため処分が必要ということで、あらためて庭を点検して、残存していた蛹を(抜け殻も含めて)茎ごと採取して後始末をしました。

 その記録です。

●10/18点検時に5個の蛹が残っていました。
 そしてそのうちの①~④の4個は懸念したとおり、蛹の中味は空っぽで、すでに寄生蜂が羽化して出ていった脱出孔が開いていました。
 残る1頭⑤の蛹はまだ生きているようで、体には柔軟性が残っていました。
 しかし手で触れても暴れることはありません。(正常な蛹は、頭部などに触れると、”触るな”とでも言うように激しく体を振ります。)
 そこで⑤の蛹は(性懲りもなく)再びペットボトルに収容し、その後の経過を観察してみました。
 結果は、残念ながらこの蛹もまた寄生蜂に侵されていたことがわかりました。101851

R0015044

 
●この蛹を探していた際に、足元から斜めに長く伸びて花を開いていたホトトギス株が邪魔になるので引き抜いたところ、葉裏に、新たにルリタテハの若齢幼虫がくっついているのが目に入りました。
 さらに、その株の下方の葉裏には、孵化間もない小さな個体もいました。
 またついでに隣接する一株の葉を持ち上げて見るとやはり若齢幼虫がいました。
 ずいぶん遅いタイミングで産卵され孵化したようです。
 なおこの件はこれで終わりでその後の観察はしていません。

 ・10/18、新規に見かけたルリタテハ若齢幼虫:2017101845

 
●10/18採取した⑤の蛹をペットボトルに収容。
 前回観察に準じて室内放置観察。20171018r001504510_9

 
●10/31:
 蛹から寄生蜂の羽化確認1031img_7265

 
 ・ボトル内壁を這い回っていた寄生蜂:1031

 
 ・蛹の体表で動いていた寄生蜂10数匹。103110img_7284l

 なお、寄生蜂は前回同様、アオムシコバチ(の仲間)と推定しました。

 今回は以上で観察終了として、ボトルの口から殺虫剤をスプレーしてすべて処分しました。

 
●ホトトギス:
 葉を食害されてさんざんな目に遭った後、先の台風21、続く22号の風雨に曝されてもなお、花を開き続けています。
 ・渋い茶花のホトトギスImg_7387

 
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■追加メモ:
 処分の翌日、ペットボトルの底を切り取り、蛹を取りだしてあらためて脱出孔を確認したところ、脱出孔に頭を出して塞いだ状態のものがいたことがわかりました。Blg

 そのせいで、脱出していた寄生蜂の数が少なかったのでした。
 当然ながら、蛹の中にはまだ多数の蛹や羽化して脱出待ち状態のものが詰まっていました。

 寄生蜂の種類は素人には同定出来ませんが、脱出成虫は集めて写真だけ撮り、「アオムシコバチの仲間」としました。

 
 ・全部(15匹):
 (画像はクリックで拡大します。)Blgimg_7461tc

 
 ・その一部:Blg_2

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2017年10月30日 (月)

マダラバッタ(褐色、紅色、緑色型他)まとめ/台風22号通過後の池

 9月中旬、稲刈り中の田圃道で偶然マダラバッタ(紅色型)を見つけていましたが、まだ緑色型には出遭っていませんでした。

 そこで今シーズン限りと、その後から10月上旬にかけて、散歩時に、他のバッタには目もくれずに、“マダラ”はいないかと探してみました。
 そして意外にも、年に何回かは完全に水没するにもかかわらず、池沿いの草原・運動広場の舗装遊歩道上で日光浴をしていた(?)バッタ仲間に混じって、主に見られた褐色型マダラバッタと共に、新たに紅色型、そして緑色型それぞれの数個体を目にすることができ、さらにあまり確信のない例ですが、白っぽい個体も1匹だけ見つけることが出来ました。

 幸いなことに舗装路面上のため遮蔽物がなく、また逃げられないように2mほどの距離を保ちながらバッタの全方位からのズーム・マクロの撮影も出来ました。
 その結果、写真を整理している際に、明らかに大きい♀と体の小さい♂の腹端がはっきり写っている画像が何例かあって、(捕獲しないでも)その外観形状を比較することで雌雄の別が判断できることを確認しました。
 (♂の腹端は側面から見ると舟のような形で、後方から見る時に縦スジはなく丸っこい。♀の腹端は横から見る時、腹端を地中に差し込んで産卵する際に使う”突起”(産卵管)があり、その突起は、後方から見ると縦スジが入っていて開閉できるよう割れていること。)

 今回の記事は以上の観察のまとめです。
 (なお余談ながら、現在、観察後に襲来した先の台風21号、続く22号にともなう雨で増水し、池の周囲の草原広場は水没したままです。)

●9月22日:
 田圃道の裸地で:
 一組の褐色型マダラバッタ♂、♀が接近しましたが、交尾は不成立。
 体格の大小と腹端形状で雌雄の区別は明瞭にできます。922

 
 ・草がまばらに生えている農道で: 
 別個体の褐色型マダラバッタ♀:421

 
●9月30日:
 池の広場で:
 午後4時を過ぎ、すっかり傾いた夕日を浴びながら草原広場の遊歩道路面に出ていたマダラバッタのなかで、特に白っぽい個体など中途半端な体色の変化が見られた個体の例です。

 
 ・(参考)標準的な褐色型マダラバッタ(♀?):R0014831

 
 ・全体に淡色のマダラバッタ♂:Photo

 
 ・中途半端に緑のマダラバッタ例(♀):
 胸背部だけが緑のマダラバッタ(♀らしい)個体も複数見かけました。R0014829

 
 ・白っぽい(白~クリーム色)マダラバッタ個体:
 遊歩道も終わりになり、引き上げようとしていた時、突然目前に飛来して、足元近くに止まった個体。
 あわてて1枚撮ってから、横(体側面)のアングルで撮ろうと移動した途端に草叢に飛ばれて見えなくなったので、写真はこの1枚だけ。
 見かけたのもこの時限りでした。
 全体がクリーム色~白っぽいマダラバッタではないかと、少しネット情報を調べてみました。
 若齢時の脱皮直後は白っぽいそうですが、こちらは成虫。
 “白っぽいマダラバッタ”で画像検索すると、類似した雰囲気の画像が見つかったので、やはりマダラバッタかと思うものの不確かです。R0014830

 
●10月3日、池の草原広場、午後4時半ごろから5時過ぎまで:
 今までの観察中では一番多くの(といっても15匹前後でしたが)マダラバッタが、傾いた夕日を浴びて日向ぼっこ(?)をしてるかのように路面に出て(静止して)いました。Img_6418

 陽を浴びる被写体はどうしても色飛びしがちになるため、体で光りを遮って撮ろうとすると、バッタは直ぐにスルスルと歩いて、日陰を抜けだして静止します。
 何回やっても同じ挙動を繰り返しましたので、やはり日向に出ることが目的だったのでしょうか。
 それはともかく、撮った画像は、日向と日陰では色彩表現がかなり異なったものになりますがやむを得ません。
 またその際、肉眼ではまったく分かりませんが、多くのバッタが路上で糞をしていたようで、近くに点々と落ちていたり、中には腹端に糞がくっついたままの固体がいたのが画像から分かりました。
 観察できた大多数の個体はやはり標準的な褐色型の♂、♀でしたが、その中に紅色型2個体、そして緑色型2個体が見つかりました。

※以下、順に記載。

 ・褐色型♂マダラバッタの後脚脛節のマダラ模様:
 静止している時、後脚はぴったり閉じていますので、脛節の色は分かりませんが、スルスルと歩き始めた瞬間から、白・黒・青・赤の色模様が分かります。
 撮れた画像の一例です:Photo_4

Blgimg_636034

 
 ・褐色型♂の腹端形状:4

 
 ・褐色型♀マダラバッタ:
 日当たりに出て大きな糞をしていた個体例:103

 
 ・紅色型♀マダラバッタ:
 3個体が見つかりました。

 ① 腹端に大きな糞をくっつけたままの個体:Photo_2

 
 ② 糞はくっついていなかった個体:Photo_3

 
 ③ 糞をくっつけていた別の個体:3

 
 ・緑色型♀マダラバッタ:
 9月30日:
 この1例だけ、まばらに草の生えていた農道で見つけた個体:9xx1

 
 ・(紅色型を見つけたのと同じ場所/時間帯で見つけた)2個体の緑色型♀マダラバッタ: 

 1匹目:1032

 
 2匹目:1033img_6475_11033_2

 
●10月5日:
 午後4時過ぎ、池端の草地広場路面上で:
 緑色型♀マダラバッタ2個体を見つけました。

 ・1個体はやはり日当たりに出て、糞をしていたようです。 105

 
 ・2匹目。1052

※マダラバッタ(バッタ科トノサマバッタ亜科):
 翅が長くスマートな中型のバッタ。前翅に不規則な黒点があり、付け根には黄白色~緑色の横筋があるのが特徴的。
 後脚脛節は、白、黒、青、赤のマダラ模様。
 体色は褐色型が主だが、緑色型や紅色型、また白っぽい個体も見られるなどさまざま。
 荒れ地や河原、草原などの地上で見られる。
 トノサマバッタやクルマバッタモドキなどと混在している。 
 ♂の大きさ(翅端まで)は27~31mmと小さく、♀は34~35mmと大きい。
 また腹端の外観からも♂、♀の区別ができる。
 出現時期は7~11月、分布は日本各地。

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2017年10月20日 (金)

ムモントックリバチ、フタモンアシナガバチ、イボバッタ、ホタルガ、バン若鳥

 目新しくもありませんが、10月初旬、撮っていた画像で、処分前に記録のための記録に。

●ムモントックリバチ:
 農道に自生したニラの花がほとんど終わり、結実が始まっていた草叢にチョウや甲虫その他の昆虫類が集まっていました。
 その中の一つ。Img_0027

※ムモントックリバチ(ドロバチ科): 体長13mmほど。
 泥土でトックリ型の巣を作ります。出現時期は7~10月、分布は日本各地。
 ミカドトックリバチとは背中の黄色い紋様が異なります。

 
 その直下の道路にいたのは
●フタモンアシナガバチ(♀):Img_0029

※フタモンアシナガバチ(スズメバチ科):
 大きさ(全長)14~18mmの小型のアシナガバチ。
 腹部第2節に2つの円紋があるのが特徴。攻撃性はあまりなくおとなしいハチです。
 触角の先端がくるりとカールしているのが♂。
 出現時期は3月~10月、分布は日本各地。

 
●イボバッタ:
 小さいことと、地面に静止していると隠蔽色になって、とにかく分かりづらく、撮影もしにくいバッタです。Photo

 
 別個体(♂):Photo_2

※体は灰褐色と暗褐色のまだら模様で、少しボコボコした感じがある小型のバッタで、胸部背面にあるイボ状の突起が特徴的。
 大きさ(翅端まで)♂24mm前後、♀35mmほどと小さい。 
 出現時期は7~11月、分布は本州、四国、九州。

 
●ホタルガ:
 9月~10月初めにかけて、住宅街近辺になぜか多数飛び回っていたホタルガ。
 わが家にも数回飛来して、ホトトギスの葉に止まっていたり玄関先の外壁に止まっていたりしました。2n

※前翅長は25~30mm。触角は櫛歯状で、頭部は赤く、それ以外はつや消しの黒で、前翅の先端近くに斜めに走る白い帯紋がある。なお幼虫の食葉樹はサカキやヒサカキなど。(ご近所のお庭には”ヒサカキ”があります。)
 出現時期は5~6;9~10月初旬、分布は日本各地。

 
●バン若鳥:
 留鳥です。
 少数ですが、毎年10月には、川に若鳥が移動してきて、額板が赤くなり、つがいを形成する春先まで川筋で暮らしていきます。

Img_6333

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2017年10月19日 (木)

ルリタテハ終齢幼虫に「タテハサムライコマユバチ(の仲間)」寄生

 前報の続き。

●先に無関係の別記録ですが、
 ・9/.28、別個体のルリタテハ終齢幼虫に寄生蜂2匹が乗っているのを見かけていました。(写真①) 
 その3日後(10/1)に、“風船に孔があいて萎んだように”干からびてぶらさがっていました。(写真②)原因は不明。92823101

 
●ここから、ルリタテハ終齢幼虫が「タテハサムライコマユバチ(の仲間)」に寄生されていた観察記録です。

 ・10/1:
  後日、画面左側の終齢幼虫が、すでにタテハサムライコマユバチ(の仲間)に寄生産卵されていたことが判明した個体です。
 この時点では幼虫体内で異変が進行していることは分かりません。101img_6296

 
 ・10/3:
  9月下旬までに、庭のホトトギスで終齢幼虫になっていた終齢幼虫7~8頭が残っていました。
  その中に、1頭の終齢幼虫が葉裏で、白い繭をかかえこむように体を丸めているのに気がつきました。
 なお、詳細なことは知りませんが、サムライコマユバチの仲間は、チョウの幼虫に産卵寄生し、寄生蜂の幼虫は宿主(チョウ)の体内で成長し、チョウが終齢幼虫の末期になるとその体壁などを咬み破って体外に出てから、宿主の体表などに繭を作り、その中で蛹になり羽化していくという。
 その間、終齢幼虫はあたかも繭を守るかのようにしながら、しばらく生存しています。

 (また、ここでも幼虫の体表にアオムシコバチ(の仲間)と覚しき寄生蜂が執拗に乗っているのも観察していました。)
 (以下の画像はクリックで拡大します。)Photo_5

 
 その後
 ・10/7:
 経過観察のために10cmほどの茎ごと切り取りました。107

 
 ・それを観察容器に入れる前に、繭に触ると、嫌がるように(写真①から順に⑥まで)大きく体をくねらしますが、再び繭を抱え込む姿勢にもどります。Photo_21

 あたかも体内に侵入したエイリアンが命令して、その様な行動を取らせているかのようで、こんな様子を目にするのは初めてのこと。

 ・観察容器は味噌の入っていた空容器です。 
 切り取った茎ごと、底に少量の水を入れた約600ml容量・方形の透明プラスチック容器に入れて、中央に錐(キリ)で2mmφほどのピンホールを開けた蓋をし、屋外の日陰に放置して経過を観察しました。
 
 それから一週間経過した、
 ・10/14:
 容器内にタテハサムライコマユバチ(の仲間)と思われる成虫が動き回っているのを目にしました。
 なお、この時、終齢幼虫は繭から離脱・落下し、容器底に長く伸びて(一部は水に浸かり)死んでいましたが、外見的に大きな変化は見られませんでした。
 終齢幼虫が繭をかかえている姿を見つけてから11日後のことでした。R0014956

R00149511014

 
 ・動き回る成虫。
 大きさ(体長)は約3mmで、触角が体長と同じほどに長いことがわかりました。Photo_3

 
 ・その後、殺虫剤を蓋のピンホールから注入して殺処分してから蓋を開け、底に集めてからすべてを取り出して計測と情況確認をしました。
 その際に1個の蛹(らしいもの)も見つけました。(写真左中央付近の棒状のもの)
 発生していたタテハサムライコマユバチ(の仲間)成虫数は意外に少なく、22匹でした。R0014969221

 
 繭の外観(写真①、②)からは、およそ50個の蛹が入っていたように見受けられますが、羽化して出てきた成虫の数はその半分程度という結果です。Photo_4

 底に少量の水があり、蓋にピンホールしかないプラスチック容器内の温湿度は観察時の自然環境に比較すれば高温多湿状態の過酷条件だったと思われます。
 そのせいか否か分かりませんが、観察後に貼り付いていた葉から取り外した繭はとても硬く変質していました。
 中を確認しようとくっついていた葉から外して、カッターナイフまた、更に鋭利な安全カミソリの刃で半分に切ろうと試みましたが切れませんでした。(写真③葉についていた部分に僅かな切り傷)
 そのため、半分くらいが羽化出来ないで蛹のまま残ってしまったのかどうかは分かりません。

 なお、「蛹」に寄生したアオムシコバチ(の仲間)に較べて、「終齢幼虫」に寄生したタテハサムライコマユバチ(の仲間)の体長は同程度の3mmほどですが、触角は体長と同じくらい長く、翅には黒い斑紋があることで明確に識別できました。

 
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※蛇足:
 今回の一連の観察記事まとめ:
 9月初旬、ホトトギスの葉に若齢(2齢くらい)幼虫が30頭程度いるのを見つけた。
 初齢幼虫が蛹になるまでの平均的な期間の、およそ2~3週間を過ぎた9月末になって残っていたのはおおよそ終齢幼虫と前蛹で7~8頭、蛹は8頭ほどになっていた。
 なおその時点では(羽化した)蛹の抜け殻などは見当たりらなかった。  
 幼虫のおよそ半分は、事故に遭ったか何者かに食べられたか、あるいは蛹になる場所を探して何処かにいったのか、ともかく行方/経過不詳になっていた。  
 大量発生する害虫・毛虫(蛾の幼虫)なども、最終的に生き残るのは少数だから、同じことのようだ。   
 10月になって、すでに標準的な蛹化、また羽化時間が経過していても、終(5)齢幼虫のまま、また前蛹のままで、さらには、蛹になっていたものも一向に羽化する気配がなく、黒くなっているなどのおかしな情況が見られた。
 そして、初めてのことだったが、その後の経過観察で、様子がおかしかった幼虫や蛹の中には、2種類の寄生蜂に侵襲されて異変を起こしている個体があったことがわかった。
 ・1種は「アオムシコバチ(の仲間)」で、隣り合ったホトトギスの茎で蛹になっていた2頭の個体【1頭は9月18日、異常に長い間(74秒)激しく体を振る黒っぽくなっていた個体(写真及び動画撮影)で、他の1頭はその隣にいた蛹で、翌9月19日に終日寄生蜂がまとわりついていた個体】が寄生産卵していた事。

 ・2種目は「タテハサムライコマユバチ(の仲間)」で、いつまで経っても終齢幼虫のままで経過していた1頭の幼虫が、10月3日になって、白い繭に覆い被さるようにしていた姿を見つけ、それが本種に寄生された姿であった事が、観察結果から判明しこと。

                - 完 -

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■参考:

※鮮明な画像の関連記事
  http://net1010.net/2010/10/post_1857.php

※寄生蜂の解説 (名城大学農学部昆虫学研究室 山岸健三)
 http://www-agr.meijo-u.ac.jp/labs/nn006/entomol/parasitic-wasp.pdf

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