絶滅危惧植物

2016年9月17日 (土)

ミズオオバコ(2016/9)

●ミズオオバコ【環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類(VU)】*
 2007年に初めて観察したことがあるミズオオバコ。
 その後2014年にも、専門家に教えられて近くの生育地まで観察に行きました。

 今シーズンも同じところにミズオオバコが花をつけているのを観察できました。
 水田地帯の一角で、小さな農業排水路の限定された一角だけに生育しています。
 少しの雨でもすぐに植物体全体が水没してしまったり、日照りが続くとほとんど干上がったりするような、必ずしも生育に適した環境ではなさそうですが、今のところ途絶えないで生残している様子です。

 ・9月初旬観察時:
 一昨年前に観察した時に較べれば、生育株数はかなり少ない感じになっていましたが、水面を覆い尽くすほど浮き草が繁殖した中に花茎を持ち上げて、淡いピンクの花を開いていました。
 水表面下にある葉の様子は浮き草に阻まれてよく見えません。1r001169993

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 ・9月中旬観察時:
 水面を覆うように油膜が浮かんでいて、また水質悪化に伴うメタンガス発生と思われる気泡がたくさん発生している環境になっていました。
 そのような水中から、果実波状の翼のある苞鞘に包まれた果実が付き出しているのも観察できました。5img_9122914

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※ミズオオバコ(トチカガミ科):
 (過去ログにほぼ同じ内容を書いていますが、繰り返し記載です。)

 湖沼やため池、水田など富栄養の浅い水域に自生する沈水性植物で、1年草です。
 かつては主要な水田雑草の1つでしたが生育環境の変化により生息・生育数は激減し、現在は環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類(UV)になっています。
 春から夏にかけて生育し、葉は長さ10~30cm。水深によっては1mにも達するなど生育環境で大きく変化します。
 開花期(8~10月)になると水面に花茎を伸ばして花をつけます。花は1日花で、直径3cmほどの白~淡いピンクの3弁花。
 基本的に花茎1本から一つの花ですが複数の花を開花させることもあります。花は結実し終わると枯れ、花茎は縮んで水没します。
 果実は長さ2~5cmで波状の翼のある苞鞘に包まれています。中に長楕円形で長さ約2mmの多数の種子が詰まっています。 
 種子が熟すと果実は再び水面に出て苞鞘が3裂し、水面に種子散布します。放出された種子は水面に浮遊しますが、後に水底に沈殿。
 植物体は暑さには耐えますが寒さには弱く、土中に沈んだ種子で越冬して世代交代します。  
 なお西表島や東南アジアでは食用にもしているとのこと。
 * http://www.env.go.jp/press/files/jp/28075.pdf 
  環境省レッドリスト2015の公表について
  別添資料4)レッドリスト(2015)【植物Ⅰ(維管束植物)】絶滅危惧Ⅱ類(VU)ミズオオバコ

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2016年2月 8日 (月)

シロヤマブキ果実(痩果)(2016/2)

●シロヤマブキ果実(痩果):
 「野の花自然園」で、花はずいぶん昔に見ていましたが、果実は初めて観察しました。
 葉もすっかり落とした側枝の細枝先に、(結実後も長く残って枯れた大きな小葉状の萼片に載るように)、光沢があり卵球形で長径7~8mmほどの黒い実が4個ずつ、行儀良く付いているのが目に止まりました。R0090837_1ct

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※シロヤマブキ(バラ科シロヤマブキ属):
 落葉低木です。葉は対生します。花期は4~5月で、径3~4cmの両性花を側枝の先端に一つずつ開きます。
 花は白色の4弁花で、1花に4本の雌しべがあり、また小葉状の大きな萼が4枚あります。
 なお花の寿命は数日間と短いようです。
 受粉後の実つきは良く、光沢がある4個の緑色卵球形の果実(痩果*)が形成され、大きな萼片に包まれるようにして茶褐色を経て、秋には黒く熟していきます。
 また萼片は4個の果実が熟した後に枯れても長い間残っていることが多く、果実と共に目にすることが出来ます。
 (*小さな乾いた果実で、果皮は硬くて開裂せず、中に1つの種子を持つもの)

 なお自生地は本州の中国地方の石灰岩地に限られ、自生しているのは稀で、野生のものは将来絶滅の可能性が高いとして、『環境省レッドリスト2015 植物Ⅰ(維管束植物)』* 絶滅危惧ⅠB類(EN) 519種の中に(シロヤマブキ(Rhodotypos scandens)も)リストされています。
(* http://www.env.go.jp/press/files/jp/28075.pdf )

 
■ヤマブキ:
 参考までに、植物の外観は似ていて、山野や公園植栽などでも普通に目にする黄色い花のヤマブキがあります。
 こちらはバラ科ヤマブキ属(一属一種)の落葉低木で、一重咲きの場合は5弁花で(八重咲きのものもありますが)、雌しべの数は5本、萼片も5枚、そして枝先に付く(シロヤマブキに比較すると)小粒の果実の数も5個です。
 (ただ、全部の実が熟すことはほとんどないそうです。また、八重咲きの場合は実が成りません。
 古くから(八重咲きの)山吹と、太田道灌の逸話、「七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに無きぞ悲しき」、で有名です。)

・なお余談ながら、シロヤマブキ自体は全国の植物園などに植栽されていますし、また園芸店/種苗通販などから入手して楽しむこともできるようです。

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2015年10月 5日 (月)

ミズトラノオ(2015/10)

※10月5日 18時35分 NHKニュース*
*http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259391000.html
 『ノーベル医学・生理学賞に大村智さん』の報道。  
 今年のノーベル医学・生理学賞の受賞者に、熱帯の寄生虫の病気に効果がある抗生物質を発見したことなどで知られる北里大学名誉教授の大村智さんが、アイルランド出身の研究者と中国の研究者と共に選ばれました。
 日本人がノーベル賞を受賞するのは、23人目で、医学・生理学賞の受賞は3年前、平成24年の山中伸弥さんに続いて3人目。
 ともかくうれしいことです。

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 その様な世界とは無縁の記事デス。

 
●ミズトラノオ(シソ科ミズトラノオ属):
 はじめて目にしたミズトラノオです。
 環境省レッドリスト(2012年)では絶滅危惧II類(VU)になっています。 
 湿地や休耕田などに生育する多年生湿生植物です。
 近くで見ることはなく、渡良瀬遊水池の資料館裏の湿地園で観察できました。
 茎の先端に直径1cmほどの穂状花序をつけ、下の花から順に開花します。
 花弁は淡い紫色。雄しべは4本で花から突き出していて、長い毛が密生しています。
 花期は8-10月、分布は本州、四国、九州。
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                       (撮影2015.10.4)

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2014年9月15日 (月)

ミズオオバコ/(絶滅危惧種)、ウリカワ

 先月下旬、環境モニタリングの専門家から、かつては迷惑水田雑草の一つであって、今は絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリストに指定された「ミズオオバコ」が、近くで見つかったと伺っていました。

 数年前、新聞の地域ニュース面に「ミズオオバコ再発見」の記事が掲載され、少し遠く不案内なところでしたが、最寄りの警察署に立ちよって道を聞いたりしながら、生育地まで観察に行ったことがありました。
 それ以来のニュースです。
 さっそく観察に行きました。
 場所ははじめて聞くところですが、歩いて行ける近いところで、幹線国道の走る市街地からほんのわずかに水田地域に入ったところ。
 現地は、農業用幹線水路の枝線の末端で、いわば”盲腸“のような幅50cmほど、延長50mほどの”水溜まり“。
 上流に水源はなく、雨水以外には、両脇の田圃からさして太くない塩ビの配水管が2本出ていて(下の意写真手前)、ここから流れ出るのが唯一の“水源”で、一般生活排水などの流入もありません。
 水路の下流先は埋設PC管(写真奥)になっていて、その出口は一段下がった別の枝水路に落ちるようになっているため、構造的には”縁が切れて”います。
 そのようなわけで、独立した小規模の”溜め池”環境になっています。2014823_2

 
 ごく浅い池のような水溜まり状態になっている水面には、一面に浮き草が繁茂し、水面上に、ミズオオバコの花がたくさん咲いて目立っていました。
●ミズオオバコ:823
 (8月下旬撮影)

 
 初めのうちはミズオオバコだけに目を引かれて気がつきませんでしたが、同じ水路の奥まったところに、しばらく目にすることがなかった「ウリカワ」が、今まで(他の地域で)観察した中では一番元気よく生えていて、こちらも白い花をつけて小さな群落を形成しているのを観察しました。
●ウリカワ:Photo

 写真を撮っていたら、たまたま近くで農作業をしていた農家の男性が、“この頃、何だか白い花がいっぱい咲いているんだよ、珍しいものかい?”と声をかけられました。
 ご近所では、どちらも、もはや”難防除性の水田雑草”との認識は持たれていない存在のようです。

 
☆再びミズオオバコ:
 ・それから2週間ほど後、少し水量が減っていて、花の下にある筒状の苞が水面上に出ているのが観察できました。
 葉の大きさは水没していて今ひとつ全体がよく分かりませんが、小ぶりのようです。
 苞には縦に数本の翼があり、波状に縮れています。99

 
 ・そして更に1週間後の9月中旬には、まだ緑色でしたが、若い果実が出来ているのが観察できました。Photo_2

 農閑期にはおそらく干上がってしまうのではないかと推測される排水路です。
 今後どのような経過をたどるのでしょうか。

●ミズオオバコ(トチカガミ科ミズオオバコ属):
 湖沼や溜め池、水田などに自生する1年草の水草で、かつては水田における主要な水田雑草の一つでしたが、適切な除草剤や、水田の環境変化、また溜め池の埋め立てや水質汚濁などにより生育数は激減して、現在は絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)に指定されています。
 ただひ弱な植物ではなく、条件さえ合えばすぐに繁茂してくるようです。
 富栄養の浅い水域に多く、沈水状態で生育して、葉の大きさは5~40cmと環境によって変異が大きく、水深が深いところのほうが大型化する傾向にあるそうです。
 8~10月にかけて、水面に花茎を伸ばし、3枚の花弁をもつ径約3cmで、中心部は黄色、周縁部は淡い紅色がかった白い花をつけます。花は一日花です。
 花の下には、筒状の苞があり、縦に数本の翼があり波状に縮れています。
 基本的に1本の花茎に一つの花をつけますが、複数の花を開花させることもあります。
 花が咲き終わると花茎は短縮して水没しますが、種子が熟すと再び水面に現れて、果実は三裂し、水面に種子を散布します。
 

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2013年9月24日 (火)

コシガヤホシクサ(野生絶滅)

※前置き
 野生絶滅のトキを復活させる事業はつとに有名ですが、その後も、環境省では平成20年(2008年)度より、絶滅の恐れのある野生動植物種の生息域外保全を目的とした「環境省生息域外保全モデル事業」を実施しています。
 その中の一つに、「地域関係者で協定を結んで行う野生絶滅からの野生復帰」として、現時点では環境省レッドリスト・ランク:野生絶滅 となっている「コシガヤホシクサ」があります。
 (現在行われている本事業の内容については環境省のページ  http://www.env.go.jp/nature/yasei/ex-situ/instance03.html をご覧下さい。)

 この事業に協力している越谷市で、越谷アリタキ植物園に展示(10月4日(金)まで)されている、開花期のコシガヤホシクサを見学してきました。
 
 その記録です。
 “まだ蕾ですか?”、“いえ、もう咲いていますよ“。持参した虫眼鏡でのぞいてみてわかりました。

●入園時に頂いたパンフレットのコピー
 (画像はクリックで拡大します。)Blgimg121

Blgimg122

 
●現地で撮影できたコシガヤホシクサ(の花)です。ともかく小さいです。
 ちなみに、白いヒトデ(星)のようなのが雄花で、周辺部にある小さな花が雌花、と教えていただいたのですが、写真では良く分かりません。Blgr0039084cctrms

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 (百円硬貨の直径は22.6mmです。)

 野生復帰の実現を期待しています。

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2012年5月16日 (水)

カッコソウ/鳴神山(2012/5)(続)

 椚田(峠)下のカッコソウ保護地を観察後、そのまま下ればコツナギ橋に下山できて、そこから車道を20分歩いて大滝口に戻ると周回コースになります。(再掲)Photo_61

 
 そのまま下っても良かったのですが、まだ時間も早く好天で、展望360度という鳴神山(桐生嶽)山頂を拝まずに帰るのはもったいないな、ということで、来た道を戻ることにしました。
 往路を辿り、やがて上り坂になりました。そのまま進むとちょっとした鞍部になっていて、その進行方向左手に「桐生嶽山頂」への道標があり、右手を見ると足下に小さな祠が一つあって、何となく分岐点らしい道がありました。
 ほんの数メートル踏み込んだところで、樹間から桐生嶽のピークらしいものが見え、またすぐ傍に道標があり、”引き返すと山頂(桐生嶽)、前進すれば座間峠・裏の肩”の案内でした。 
 そしてさらにびっくりしたことには、往路、確かに通過し、そこで写真も撮った「赤城山方面眺望」の標識がすぐ先にあるではありませんか。
 どうやら往路のルートは眼と鼻の先を通過していたのでした。赤城山方面眺望の“眺望の岩”まで行ってあらためて赤城山の写真を撮ってきました。Photo_2

 
 そこから引き返す途中、今度は目前の灌木に、ほとんど文字が消えてしまった標識板が取り付けられているのが目にとまりました。
 何とか判読できたのは、「この尾根道(往路通過したとルートと思いますが)は未公認の登山道です。次のことに注意して下さい」とあり、まだ続きが数行ある様でしたが、残りは全く見えませんでした。(写真の文字は後で画像の上に書き込んだもので実際ではありません)
 ともかくあまり一般的なルートではなかったようで、ともあれ今回は仁田山岳/山頂の確認は出来ませんでした。

 元の鞍部に戻ってから数分の登りで桐生嶽の山頂に着きました。4つの祠が置かれた山頂はうわさ通りの展望台で、案内標識にある山はすべて見えました。
 北には男体山と日光連山、皇海(すかい)山、白銀の日光白根山、袈裟丸山から足尾山塊の山々、西には上毛三山と浅間山、西南には富士山、そして南西に都心の高層ビル群と東京スカイツリーはやや霞んでいて”老眼”には厳しかったですが。(写真はその一部です)
 さして広くもない山頂に到着時には誰もいなくて、のんびり写真を撮り終わった頃、一組のご夫婦が、しばらくして”山ガール”二人組が登ってこられたので、お先においとますることにして、ヤマザクラ咲き残る雷神嶽神社へ戻ります。Photo_3

Photo_5

 
 後はひたすら、脇目もふらず、元来た道を大滝口へと下山しました。
Photo_4 

  (結果的には,今回のルートではなく、展望の良い桐生嶽に先に登り、その後で仁田山岳へ、そして椚田からカッコソウ移植地を経てそのままコツナギ橋に下る方が、カッコソウ撮影のためには良いコース選択でした。)
 全くの余談ながら、上りより下りの方に時間がかかりました。予想した通り次々に、大滝口から大勢のグループ登山者があり、開花状況を聞かれたり、また通過待ち時間が増えたからです。やはりカッコソウ人気でした。
 なお今回の所要時間は一般的な参考になりませんので省略しましたが、ぶらぶら時間も含めて4時間半程度でした。

最後になりましたが、あらためて「カッコソウ」の現状について:
 カッコソウは、これまでに生育に適した自生地が戦後のスギ植林地の拡大で減少したうえ、園芸愛好者による採取が続くなどして、著しく個体数が減少し、環境省指定 絶滅危惧IA類(CR)にリストされていました。
 残念なことにその後も依然として盗掘などの被害が後を絶たないため、カッコソウ(学名:プリムラ・キソアナ変種キソアナ)も本年(H24)4..20、 政令第134号により、[種の保存法](絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)に基づく「国内希少野生動植物種」に指定され、先日、H24. 5. 1施行されました。
 これにより今後は盗掘や譲渡、輸出入、販売目的の陳列行為については罰則が適用されることになります。大切に見守りたいものです。

  “手に取るなやはり野に置け蓮華草” (滝野瓢水)、だと思います。 

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2012年5月15日 (火)

カッコソウ/鳴神山(2012/5)

カッコソウ(勝紅草、サクラソウ科):
 国内で唯一の自生地とされる鳴神山で、地元の人達が大切に保護管理されている移植地に咲くカッコソウの写真を撮りに行ってきました。

  2012.5.13時点の記録です。(画像はクリックで拡大します)Blg1_21_2

 
 鳴神山は、群馬県桐生市北部の梅田町と川内町にまたがる、古くから山岳信仰の対象とされた山で、山頂部は露岩の双耳峰です。
 西峰が仁田山岳(979.7m)、東峰が桐生嶽(981.5m)と呼ばれていて、川内側では仁田山岳を、梅田側では桐生岳が、それぞれ祀られていて、山頂肩には雷神嶽神社があります。
 国土地理院の地図で標高979.7mは仁田山岳の標高で、桐生岳の981.5m(桐生市基準点)が最高点ですが、地図上は仁田山岳にあるはずの三角点は確認できず、鳴神山の三角点は行方不明ということです。
 主な登山道は梅田側と川内側からそれぞれ2経路ずつですが、さらに北側の座間峠と南側の吾妻山方面からの縦走路を含めると6経路になります。
 今回はカッコソウの写真撮りが目的でしたので、カッコソウ移植地2カ所を尋ねることにして、大滝口から雷神嶽神社下の移植地へ、そして鳴神山を過ぎ、椚田(峠)近くにある保護地までのコースを往復してきました。
 なお大滝口(ハイキングコース)入り口脇にある駐車場は、樹徳高校大滝山荘の私有地で、駐車禁止になっています。
 付近の道路幅は狭いため、大滝登山口手前か、その先で、待避用に少し膨らんだ路肩に止めるしかありません。やむなく登山口から少し手前に戻ったところで路肩に駐車しました。
 大滝口は鳴神山を代表する登山道だったそうですが、作業道を付けるため、旧の登山道は壊されて工事が進んでいましたが、その作業道も最近の大雨で抉られて荒れていて、安全上は特別問題ありませんが、大きな石がごろごろした荒れ沢のようになっていて大変歩きにくくなっていました。
 大滝登山口の大鳥居をくぐり、広い作業道を歩き出すとしばらくで、大滝(不動滝)が見えてきます。落差10mほどだそうですが、立ち寄らず通り過ぎます。
 整備作業中で、林道のなごりを残す広いガレ道と、途中に残るコンクリート道を過ぎ、さらに進むと間もなくで、しめ縄が張られ不動様が祀られた水場に出ます。数日前まで悪天候だったためでしょうか、かなりの水が流れていました。
 ここまで登ると約六合目だそうで、さらに沢を登り詰めると15分程で斜面稜線と案内板が見え、最初のお目当てのカッコソウ移植地に着きました。Blg1

 
 しかし、見渡すと何も無い!まさか、と張り巡らされた保護ロープのまわりをたどりながら登っていくと、ありました。
 遠目にはサクラソウにそっくりのピンクの花をつけた株が2株。良かった!と、高倍率ズームのコンデジで光の当たり具合を気にしながら何とか写真に。撮り終えてから少し離れたところにも一株。こちらは道のすぐ傍でしたが、まだつぼみ。この時点では、ずいぶん少ないな、という印象でした。Blg_2

 
 あと、もう一カ所、椚田(峠)近くの保護地に行けばたくさん見られるはず、と気楽なぶらぶら登山に向かいます。
 移植地斜面からすぐに、川内駒形登山道との合流点、“肩の広場”、そして目前の雷神嶽神社に出ます。
 鳥居が二つ並んであり、正面(東側)の鳥居をくぐって登ると東峰の桐生嶽に、左側(西側)の鳥居をくぐって登ると西峰の仁田山岳への標識があります。
 今回は、左側の鳥居をくぐり、(展望はない)仁田山岳へ。途中で“眺望の岩”があり、「赤城山方面眺望」、という小さな標識が木にくくりつけられていたので、そこで写真1枚(大間々町方面)を撮り、そのまま前進。
 しかしその前後で桐生嶽への分岐点にも気づくことなく、特に仁田山岳山頂標識はもちろん、ピークらしい岩も祠も気がつかないまま下り坂になってしまいました。
 どうやら素通りしたようですがそのまま下り、“仁田山岳あたり”から10分ほどの平坦な尾根筋に、“裏の肩”方面という消えかかった標識がありました。そこでザックに入れっぱなしにしていたGPSで現在位置確認、小休止、軽く中間食。
 その後5分ほどで椚田(裏の肩)鞍部に着きました。そのまま直進すれば座間峠へ、西に下ると赤芝、東に下るとコツナギ橋への分岐点です。
 そして、コツナギ橋側に、「カッコソウ北保護地3分下る」の小さな標識がありました。 2つめの(期待の)カッコソウ移植地です。Blg_3

 
 杉林斜面を下るとほどなく、期待通りの美しいカッコソウに出会いました。Photo

 保護活動をされている皆さんのおかげで、杉林の林床に咲くたくさんのピンクの花を”貸し切り”で見ることが出来たのです。                         (続く)

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2011年9月 7日 (水)

オニバス

 オニバスの花が見られる時期だったことを思い出して、8月末日、近くのオニバス自生地(保護地)まで見学に行ってきました。
 事前に得た情報では、”今年は花の咲くのが早くて、お盆中には咲いてしまったので、もう今は見られないかも知れません”、ということだったのですが、運良く”数個”の花を見ることができました。

 
 場所は地元の埼玉県加須市北川辺です。水田地帯の一角で、オニバスが自生している水域としては、幅1m少々、距離は数100mほどの区切られた水路と、農道を隔てた、さほど大きくはない池があります。2011831nc

 
 まず、水路に沿って往復して見ました。歩き始めて間もなく、幸いなことに、一番きれいな開放花が、間近で見られる位置に1つだけ見つかりました。紫~紅紫色で花径5cmほどの小さな花です。Photo

 
 狭い水路ですから、往復で両側がじっくり観察できましたが、これ以上の花は見つかりませんでした。
 大きな葉の全面に、とても大きく鋭い刺が生えています。カエルがいましたが、よく見ると何となく姿勢が不自然です。靴を履かない足では、きっと痛いのでしょうね。S

 
 水路を往復してから池の方を観察しました。葉を突き破って咲いた開放花が2つだけありました。
 それにしても、全草、刺で覆われていますが、何のためにそういう形になったのでしょうね。お釈迦様もオニバスの葉にはお座りにならないでしょう・・・Photo_2

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オニバス(Euryale ferox ):
 スイレン科の一年生水生植物。浮水性の水草で、夏に巨大な葉を水面に広げます。大きなものは直径2mにもなるとか。本種のみでオニバス属を構成します。
 花は水中での閉鎖花が多く、自家受粉で100個程度の種子をつくります。また8月ごろに葉を突き破って花茎を伸ばし、紫~紅紫色の花(開放花)を咲かせます。
 池でジュンサイなどの採取作業を行う場合、池にはびこった巨大な葉全体に鋭いトゲが生えているオニバスは邪魔でしかないため、農作業の上からは嫌われて、しばしば排除の対象になることもありました。
 また、環境の悪化や埋め立てなどで全国的に自生地の消滅が相次いでいて、現在は絶滅が危惧されており、地方自治体によって天然記念物指定を受けた自生地も多いようです。
  環境省レッドリストでは絶滅危惧II類(UV)に指定されています。

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2010年10月27日 (水)

ミズマツバ

 稲刈りが終わり、その後大型の雑草も除草されて周りになくなり、乾き始めた水田を覗いてみると、小型の水田雑草が観察できます。
ミズマツバもその一つです。
同じ環境にキカシグサはたくさんの場所で生育していますが、ミズマツバは比較的少なくて環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)になっています。
除草剤や乾田化など生育環境変化の影響ではないかといわれています。

 そんな雑草の中に、ミズマツバが見つかりました。以前にも記録しています
昨シーズンも見つけています。
草丈は10cmほどで、葉の大きさは長さ1cm以下、幅2mm程で、3~4枚輪生しています。107107pa070023_4

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 そして葉の付け根に小さな(数ミリメートルの)赤味を帯びた花が着きますが、赤みを帯びているのは花びら(花弁)ではなく、萼です。(※花弁はありません。)
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 花期は8~10月。分布は本州以南。(写真撮影10月初旬)。

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2010年6月19日 (土)

ミゾコウジュ(環境省RDB準絶滅危惧(NT))

 数年前、はじめてお目にかかった時には珍しく思ったミゾコウジュですが、それ以来毎シーズン、けっこうあちこちで見かけることができる事が分かりました。
 ちりめん状のぼこぼこした葉と、学名がSalviaとなっているように、サルビアの仲間の特徴である四角い茎に、青紫色の小さな唇形の花をたくさん咲かせる越年草です。
 今シーズンも、先日夏草が茂り通行も困難になりつつある草原を覗いてみると、遠目には一面ぼんやり紫色に見えるほどの群落になっていましたので”ついでに”写真に撮ってきました。Img_8063

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Img_8059_2                  (2010.06.04撮影)

 日当たりが良くても湿り気が残る、そして雨がなければ乾燥し、降ればすぐに水浸しになる、そんな荒れ地や道ばた、草地に結構たくさん生育しています。当地では、草刈りや除草剤散布がなければ相当にはびこってしまうのではないかと思うくらい、5月はじめから(夏期のいっせい除草作業で無くなるまで)方々に見られます。
 なお、昔は農地や河川敷などにごく普通に見られたそうですが、環境の人為的攪乱や農薬などの生育環境変化の影響でだんだん生育地域が限定され生育数が減ってきたのではないかとされて、環境省レッドデータブックでは準絶滅危惧(NT)に指定されています。
 花期は5~7月、分布は本州以南。

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