オトシブミ

2018年5月11日 (金)

ヒメクロオトシブミ/コナライクビチョッキリ;イヌシデメフクレフシ

 4月中旬から下旬にかけて、毎シーズン散歩がてらに観察に出かけるごく限定的な地域の自然林縁。

 今シーズンはなぜか、目にしたヒメクロオトシブミやコナライクビチョッキリ、またそれらの揺籃が随分少ないシーズンでした。
 新味はありませんが一応記録に。

■ヒメクロオトシブミ/コナライクビチョッキリ;イヌシデメフクレフシ

●コナラの小木で:
 コナラ小木の一部範囲の枝に集中して、複数の揺籃が作られていました。 
 その中で、ヒメクロオトシブミの揺籃は1本の枝先の葉にあった2個だけでしたが、
 ”作品としては見劣りのする“コナライクビチョッキリの揺籃はあちらこちらに点々と分散して作られていました。
 なお、近くにある他のコナラ小木には全く見つかりませんでした。

 ・一部の枝に集中して作られていたオトシブミと、点在するチョッキリの揺籃:
 (以下の画像はすべてクリックで拡大します。)Img_07812

 
 ・ヒメクロオトシブミの揺籃2個:2

 
 ・コナライクビチョッキリの揺籃(一部)と、その近くの葉上にいたコナライクビチョッキリのペア:Photo

 
 また、別の少し離れた場所に生えているコナラ小木には、作成済みのヒメクロオトシブミ揺籃が1個だけあり、近くの枝や葉上を歩き回っていたり、また地面に近い葉裏に静止していた2匹のヒメクトオトシブミを目にしました。
 なお、残念ながら過去から現在まで一度も、揺籃作成中のヒメクロオトシブミに出遭ったことがありません。

 
 ・ヒメクロオトシブミ揺籃1個と、その近くを歩き回っていたヒメクロオトシブミ:1

2_2

 
●イヌシデの小木で:
 コナラ小木に隣り合って生えているイヌシデ小木にも、既に完成した2個の揺籃がありました。
 (葉の両端から切り込む特徴からヒメクロオトシブミの作品と判断できます。)
 コナラに較べて葉の表面に長い毛が生えていて、扱いにくそうに思えるのですが、問題にはしないのでしょう。2_3

 
 余談ですが
●イヌシデメフクレフシ: 
 同じイヌシデの小木で、所々の細枝先端に「虫こぶ」が形成されていました。 
 (フシダニの一種)「ソロメフクレダニ」によって、枝先端にある冬芽に形成された虫こぶ「イヌシデメフクレフシ」です。
 越冬芽の鱗葉が肥大したもので、内部は柔らかい組織状になっています。
 5月にダニが脱出するそうです。Photo_2

※コナラ(ブナ科コナラ属):
 雌雄同株。花は4月~5月に葉の展開と同時に開く。
 雄花序は6~9cm、新枝の下部から多数垂れ下がる。
 雌花序は短く、新枝の上部の葉腋から出て小さな雌花が数個つく。
 葉は互生し、葉身は長さ5~15cm、幅4~6cmの倒卵形で、先は鋭くとがり、基部はくさび形。
 縁に大形の尖った鋸歯がある。表面は緑色で展開直後の新葉には絹毛があるが、のち無毛になる。
 裏面には星状毛と絹毛が生えいて灰白色。葉柄は長さ1cmほど。

※イヌシデ:過去ログ参照

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2018年5月 9日 (水)

ハマキチョッキリの仲間の揺籃/イヌシデ・アカシデ

 当地の公園や近隣の林地にあるイヌシデやアカシデ(いずれも雌雄同株;雌雄異花)の雄花序は葉の展開に先立って3月中旬には展開が始まり、続いて花序が垂れ下がるようになります。http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-a8c3.html

 その後、下旬には雌花序が展開、垂れ下がるようになります。
 花は、葉の展開と同時の3月下旬~4月はじめに開花します。
 4月はじめ、雌花序(果穂)が垂れ下がった頃には、先に伸びきっていた雄花序の大部分は脱落して地面に散り敷くようになりました。

■イヌシデとアカシデの比較:
 以下、いずれの画像も左側がイヌシデ、右側がアカシデです。(また全ての画像はクリックで拡大します。)
 ・葉の形状比較。
 葉の先端が尾状に尖るのがアカシデ、短く尖るのはイヌシデ。
 (但し、場合によっては尖り具合の差異が判然としない場合もありますが、多数観察すれば区別ができます。)1blg

2

 
 ・3月下旬の雄花序/花の様子:
 (左イヌシデ、右アカシデ)33

 
 ・4月はじめの雌花序(花穂)の様子:
 (左画面黄緑色のものイヌシデ、右画面2本アカシデ)44

 
 ・イヌシデとアカシデの樹皮比較:
 (左イヌシデ、右側アカシデの方が滑らかな感じ)5

 
■「ハマキチョッキリ」の仲間が、イヌシデやアカシデの葉を複数巻き合わせて作った”葉巻物”揺籃:

 ・4月中旬、若葉が展開したばかりの林地に混生しているイヌシデやアカシデの樹冠下に、大量に落下したイヌシデやアカシデの雄花序に混じって、点々と複数の葉を重ね巻き合わせた筒状の”葉巻物”が落ちていました。

 
 腰を下ろして手の届く範囲で拾い集めてみると、新鮮な若葉を巻いて切り落とされたばかりのものから、切り落とされて時間が経過したものなど、また大小様々です。Img_066612_2

 「ハマキチョッキリの仲間」が作った揺籃です。
 それは特に珍しいものではなく、毎年、若葉の頃にはごく普通に観察されるものです。

 ”今まで余計なことはしない”、ということで開けて見たりしたことは一度もありませんでした。
 この度、作製者には申し訳ないのですが、今回限りということで、いくつか拾い集め、新鮮で大きな標品を選んで巻き戻して中をのぞいて見ました。

 3点ほど観察したイヌシデ、アカシデいずれでも、巻き合わせられた葉の枚数や、サイズなどにはバラツキがありましたが、最後の葉に(産みつけられ)つつまれていた卵は全て1個だけでした。
 (1個の揺籃に複数産卵されることもあるそうですが。)

 きっちり巻かれた揺籃をまき戻すのは簡単ではなく、巻き込まれた葉の1枚ずつの端は糊付けされているかと思うほどしっかり付いていました。
 そこで落ちていたササ竹の軸を”爪楊枝”代わりにして、葉が破れないよう慎重に開いていきました。
 以下の画像は、葉柄の長いアカシデの葉4枚を重ね巻きして作られていた揺籃の観察例です。
 巻き戻してみて、重ね合わせは互生している葉を単純に茎に、ついている順に巻くのではないことも分かりました。

 ・アカシデ製。葉が1枚がついた茎ごと切り落とされていた新鮮な”葉巻物”揺籃:
 葉巻の長さは5cmほど。
Img_07631

 
 ・1枚目の葉を巻き戻す。続いて2、3枚目と巻き戻していく。Img_0764ct

Img_0765

Img_0766

 
 ・最後の4枚目を慎重に開いていくと、葉の一番端の巻きはじめたところに卵が1個、産みつけられていました。
 その近くに小孔が開いていましたが、産卵のためにあけられたものでしょうか?Img_076741

Img_0772ct

Img_07721

 
 ・観察後、元のように巻き順を確認しながら巻き返すのはもっと大変で、途中でどうしてもグズグズに緩んでしまい、完全に復元できませんでした。(画像一番手前の標品)Img_0777

 ニンゲンなのに小さな昆虫チョッキリより、チョッキリ技能が劣るのです。
 申し訳ないことでしたが、卵が無事に育つことを祈るのみ。

 
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 残念ながら、揺籃を作製して切り落とすまでの作業を観察することは難しいです。
 多くの場合、揺籃の大半は高木の見上げても葉陰で見えないところで作られていて、出来てから地表に切り落とされたものを観察するだけですから。

■切り落とされずにぶら下がっていた揺籃: 
 ただ、今回はじめて1例だけ、林縁の遊歩道に自生したと思われる小木のイヌシデで、ちょうど(歩いていた)目の前に、カット作業は施されてはいたものの、切れずにぶら下がったままの、まだ新しい葉巻物を見つけました。Blg

 時間が経てばやはり自然にちぎれ落ちるような気がしましたが、それはともかく、このような機会にうまく遭遇できれば、「作成者のお姿」確認と、その作業工程を観察できるのですが、チャンスは少ないのでしょうね。

 
※雑記:
 ”製作者”の「ハマキチョッキリ」情報を少し調べて見ましたが分かりませんでした。 
 それで無関係かも知れませんが、参考情報として:
 ・体長3~5mmほどで、年1回春出現してシデやコナラ、その他の様々な葉を巻く「ファウストハマキチョッキリ」という小型種の仲間がいるそうです。
 揺籃の中で孵化した幼虫は終齢幼虫まで育つと揺籃から脱出して土中で夏を越し、秋に蛹化、羽化してそのまま(土中で)成虫越冬し、翌春に姿を現してしばらく後食したのち繁殖活動に入るというライフサイクル。

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2018年5月 6日 (日)

エゴツルクビオトシブミ♂

 4月中旬、先に揺籃作成中のエゴツルクビオトシブミ♀を観察していました
 その数日後の4月下旬、別の場所で、道端に自生したと思われるエゴノキの小木に、既に出来上がった揺籃が2個吊り下げられているのを目にしました。
 揺籃は、先に見かけたタイプと違って、葉の主脈は切断して吊り下げるタイプでした。
 そしてまた少し離れてはいましたが、葉の上に暇そうに?静止していた首の長い♂のエゴツルクビオトシブミも見つけました。
 首を長くして♀の現れるのを待ちぼうけしていたのでしょうか。 
 近くに♀は見当たりませんでした。12

 
 ・エゴノキの葉上にいた首の長いエゴツルクビオトシブミ♂:2blgimg_0867

 
 ・近寄っていくと歩き出し、3r0017015

 
 ・葉裏に隠れるように回り込んでから、しばらくして葉を囓りだしました。 
 暇で、空腹だったのでしょうか。Blg

 それだけの観察でした。

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2018年5月 5日 (土)

エゴツルクビオトシブミ揺籃づくり

 2018/4月中旬、散歩がてらに出かけた自然林保全地で、エゴノキの小木にエゴツルクビオトシブミの姿を見つけました。
 居たのは頭のすぐ上ほどの枝で、手を伸ばせばたぐり寄せられる位置。
 そして、ちょうど揺籃作り作業を開始したばかりで、葉の片側からの切り込みを始めていたところでした。

 枝をそっと引き寄せても、作業を中断したり、逃げだしたりはしません。
 ただ、時折吹く風で、片手でたぐり寄せた枝先のオトシブミがいる葉は大きく揺れるし、時には葉がオトシブミごと裏返しに吹き上げられるようなこともあって、観察にはあまり適した状況ではありませんでした。
 しかし作業を始めたオトシブミは動じる様子はまったくなく、作業を継続しています。

 そこで、過去に何回か観察記録もあるので新味はありませんが、今回はつききりではなく、適当な間を置きながら、風が止んだ時などに片手で枝を引き寄せ、片手のコンデジで撮影した画像の中からを選んで以下の記録としました。

■揺籃を作っていたのはこんなところ。.(am11:27撮影)
 林縁のエゴノキ小木で揺籃作業中。葉の二つ折りがほぼ出来上がりつつあります。
 黄色円内→にいるのが今回主役のエゴツルクビオトシブミ♀です。
 (以下の画像は全てクリックで拡大します。)1

 
■観察経過記録:

 今回の観察例では、葉の切り込み開始から揺籃完成までの所要時間はおよそ70分と推測しました。

●揺籃作製経過観察記録:

 ・am11:09 観察開始。
 葉の片側からカットをはじめ、1109

 
 ・am11:10
 主脈には切り離さない程度の咬み傷をいれました。1110

 
 ・am11:12
 さらに主脈を跨いでその先へと切り進み、後に揺らんをぶら下げるための部分を残してから、再び主脈まで戻ってきました。1112

 
 ・am11:14
 先に傷を入れた主脈の切れ目をもう少し深くする咬み傷を慎重に入れてから、”首の皮1枚で”つながっているのを確認して、これで裁断作業は完了になりました。
 ここまでの所要時間は5分でした。1114

 
 ・am11:15~11:33
 葉の裁断を終えてから葉裏に回ります。

 それから延々と、およそ20分以上の時間をかけて、揺籃を作りやすくするために葉の”柔軟加工“作業が行われました。
 揺籃作製に選んだ新鮮で柔らかい葉には弾力があります。
 そのため1度挟みつけただけでは、すぐにもとに戻ってしまうなどして、揺籃作りの際にはこの弾性が障害になるのです。
 葉の裁断を終えた後の揺籃成形行程では、まず葉の主脈を折り目にして(葉表を基準にして谷折りに)合わせ折にします。
 次いでその2枚合わせになった葉の下端からロール状に巻き上げていくのです。
 そのために、まず”柔軟加工“が必要なのです。

 葉の柔軟化という具体的な行動は、揺籃にする部位の葉を頑丈な脚で“挟み込む”ようにして撓めながら、直ぐに戻らないように葉の所々の葉脈に咬み傷を入れて、葉の弾力を削いでいくという仕事を繰り返してまんべんなく行うという、根気の要る作業なのです。
 
 ・am11:15~171115

 
 ・am11:17~19111719

 
 ・am11:21~241121248

 
 ・am11:24~2711241027

 
 ・am11:27~33まで。11272

※am11:33まで現地に居ましたが、まだ同じ作業が繰り返し続く様子なので、この後はニンゲン様の休憩のため現地を離れました。(オトシブミ様は本当にお疲れ様なのです。)

 
 ・pm12:03
 (柔軟化作業が始まってから48分後)に戻ってみると既に2枚合わせにした葉の下部から揺籃の巻き上げ作業が進んでいるところでした。
 (このため、柔軟化作業が何時終わったのかは、不明です。)
 巻き上げ作業工程では、巻き上げをはじめて数回目の小さな“揺りかご”に産卵がおこなわれます。
 “揺りかご”の一部に咬み傷の穴を開け、産卵管を差し込んで卵を産みつけてから、更に巻き上げていくのです。
 残念ながらその段階は既に終わっていて、せっせとさらなる巻き上げにがんばって居るところでした。

 この間も相変わらず風が吹き、枝が吹き上げられたりしますがお構いなしに働きます。
 お手伝いしてやりたいほどでした。

 ・pm12:03~11まで。1203

1203_2

1203_3

※ pm12:11まで見ていましたが、まだ半分以上の巻き上げが残っていて、しばらく時間がかかりそうだったので、再び怠惰な人間は30分ほど休憩に離れました。

 ・pm12:39 戻って見ると、さぼっていた間に既に揺籃は完成していて、傍にはオトシブミの姿はありませんでした。(このため揺籃完成時間は不明です。)
 完成した揺籃はなかなか立派なものでした。1239

■葉の切り込み開始(am11:09)から揺籃完成(pm12:11~12:39の間)までの推定所要時間は70分ほどでした。

 今回の観察例では過去の観察例とは少し状況が異なりますが、かなり長い時間がかかったようです。

 
 ・過去のエゴツルクビオトシブミ揺籃作製観察記録:
1) http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/20154-c4f2.html
2) http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/-120155-d7fb.html
3) http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/-2120155-8644.html

 なお余談ですが、揺籃内部に産みつけられた卵から孵化した幼虫は、揺籃内部を食べながら成熟し、蛹になり、そして脱皮し成虫になってから、揺籃壁に穴を開けて外界に出てきます。状況にもよりますが2~3週間くらいかかるのでしょうか。

※エゴツルクビオトシブミ(オトシブミ科オトシブミ亜科):
 エゴノキ属のエゴノキやハクウンボクに寄主特異性を持ち、それらの葉上で見られる。
 光沢がある黒色のオトシブミで♂は首が長く、♀は葉を巻いて揺籃を作る。
 大きさ♂7~8mm、♀5~6mmの小型種。
 出現時期は4~8月、分布は日本各地。

 この小さなオトシブミに対抗できる、『最先端人工知能組込みロボット・オトシブミ』を作ることは容易ではないでしょうね。

 
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■追記:

  ・なお、出来上がっていた揺籃の観察を終えた、その後しばらく後に、場所的には少し離れたところのエゴノキに、1匹のエゴツルクビオトシブミ♀(首が短い)が、葉の上をウロウロしているのを見かけました。
 一仕事終えた後の食事中の個体だったのでしょうか。412blg

 
 また更に長くなりますが、別の枝に先に出来上がっていたと思われるもう一つの揺籃を見つけました。
 写真を撮って確認したところ、やはり主脈を切り離さない作り方の揺籃で、上述の揺籃と同じ特徴を持つため、制作者は同じではないかと推定しましたので、追加しました。1

2

3

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2018年4月25日 (水)

カシルリオトシブミ

 オトシブミが活動する季節です。

 さる4月中旬の午前11時前、散歩を兼ねて立ち寄った林地で、偶然、自生したコナラ小木の新葉に、小さな揺籃が一つ作られているのを目にしました。
 (以下の画像はすべてクリックで拡大します。)2

 
 近寄って見ると、その揺籃は、吊り下げられた葉の裁断の仕方・切り分け方や、揺籃のサイズ、また出来映え(形のきれいさ,精巧さ)などが、これまで普通に観察していたヒメクロオトシブミの”芸術作品“ともいえる揺籃とは違い、サイズはやや小さめ、見栄えも今一歩と感じるもので、いったんはスルーしましたが、他には見るべきものもなくて思い直し、とりあえず記録用にと撮りました。1_2

 
 撮り終えてから、ふと見た傍の別の葉上に、それまでまったく気付かなかった、やはりヒメクロオトシブミより更に小さめの虫が1匹、静止しているのが目に止まりました。
 ただ体色は黒ではなく、見る(光を受ける)角度によって色が変わりますが、金属光沢があるきれいな色で、明らかに“別もの”とわかり、レンズを向けたのでした。

 多くの場合、この仲間たちは、何かの気配を察知するとすぐにポロッと落下するように姿を消してしまうことが多いのですが、この時はそうはしないで、葉表から葉の端に移動し、、R0016642

R00166392018417

 
 更に葉裏を覗き込んでから葉裏に回り込んで移動して逃げていきます。R0016643

R00166392018417_5

 
 それで、逃げられてもともとと、葉を裏返してまでしつこく追っかけ。
 葉裏です。R00166392018417_2

R0016639

R00166392018417_2_2

 
 そしてまた直ぐ傍の別の葉表に逃げていき、ほどなく”うるさいヤツ、バイバイ”とばかりに飛び立ち、視界から消えていきました。
 この間追っかけ時間は2分でした。閑人!R00166462

 
●カシルリオトシブミ:
 曇天のもと少し風もある林内で、動きのある被写体の追っかけには難があり、その間に撮れた画像の多くはピンぼけになっていましたが、何とか見られる数枚の画像をもとに、手元資料やWeb画像など参照して、(他にもよく似た仲間が数種いるようですが)はじめて見るカシルリオトシブミと判断しました。1_3

2_3

3

 なお、揺籃を作るのは♀です。
 今回の”ゆるい”画像では明確ではありませんが、♂は前脚が特に長くて,内側に湾曲していることで容易に判別できる、というWeb上の♂画像を参照すると、その特徴はなさそうなので、♀かと推測しました。

 先述の揺籃は既に完成していたもので、その,直ぐ傍に♀(らしい)カシルリオトシブミがいただけで、直接作製行動を観察したわけではありませんが、この揺籃はこのカシルリオトシブミの作品ではないかと思ったことです。

※これで初めて虫体を観察できたのですが、その揺籃作り行動は見たことがありません。
 幸いなことに、Web情報を検索中に、YouTube上に公開された、揺籃作りの行動を克明に記録された動画*を観賞することができ、とても参考になりました。
 * 山形県立自然博物園・森の生き物シリーズ・オトシブミ編(2011/06/14 公開)   
 https://www.youtube.com/watch?v=wWuFsa_gW9E

※カシルリオトシブミ:
 体長3.5mmほどで、頭部と胸部は金属光沢のある赤みのある金色、前翅はやはり光沢のある瑠璃色の上翅をもつことが特徴の、きれいな小さなオトシブミです。
 よく観察されているのは、イタドリの大きな葉を切り込み、その一部を使って、90分ほどかけて大きさ5mm弱の小さな俵型の揺籃を作ってから切り落とすという行動です。
 都市公園などではコナラの葉で揺籃をつくるのも普通に観察されています。
 切り落とし型の揺籃作成が多いようですが、吊り下げ型もあるようです。

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■オトシブミ関連の過去ログ一覧は下記リスト参照:
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-39e1.html

 

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2017年5月28日 (日)

コナライクビチョッキリ

 ヒメクロオトシブミを1匹見つけてから数日後、ポケットにディスポーザブルのプラスチック・シャーレを1枚いれて、同じ林地を再訪。 

 オトシブミは全く見られませんでしたが、すでに観察済みで特に関心のなかったコナライクビチョッキリが、何匹か葉上/葉裏で見つかりました。  

 せっかくだからと、1匹シャーレに捕獲して、体の下側からの写真撮り後、元に戻しました。
 (撮影5月6日)

●高さ1mほどのコナラ幼木に、多数ぶら下がっていた粗末な作りのチョッキリ揺籃(黄色←):Photo_3

 
●歩き回るコナライクビチョッキリ:
 ヒメクロオトシブミより小さめです。201752

 
●腹面から:Blg6r

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2017年5月27日 (土)

ヒメクロオトシブミ

 ヒメクロオトシブミの“揺籃作成現場”を一度で良いから観察したいものと思っていますが、未達です。

 毎年、思い出すのが遅すぎるからです。
 今シーズンも、アッそうだ!と思い出した4月末では、やはり時期遅れ。
 目にしたのは、すでに完成していた見事な揺籃だけで、作成作業中の成虫の姿はどこにも見当たりませんでした。

 そして、5月上旬、あきらめきれず連休の暇つぶしに出かけた林縁の観察で、やはりあちらこちらで目にしたのは完成済みでまだ新鮮な揺籃ばかり。Photo

 
 あきらめての帰り道で、目の前にあった道路沿いに自生していたコナラの小木の葉をひっくり返してみたら、なんと、1匹のヒメクロオトシブミがくっついていたのです。
 最初の振動で、葉裏にじっとしていたものが、裏返されたので葉表の方へ移動して行きました。2

 
 それ以降は、そっと近寄って観察した記録の概略です。

 後脚を上翅の上にまで回してこすったり、また翅をひろげたり,縮めたりする動作を何回も繰り返したり、さらにまた前脚で触角をこすったりと、リラックスした様子で体の”メインテナンス”に余念がない様子をじっくり観察することが出来ました。Photo_2

                  (写真撮影は5月2日)

●ヒメクロオトシブミ(オトシブミ科オトシブミ亜科:
 黒くて小さい、体長4.5~5.5mmほどのオトシブミで、出現時期は4~7月ですが、当方の観察域に限れば、もっぱら春先の期間限定です。
 なお、体色は基本的に黒色ですが、脚や腹部の色は地域により橙~赤~黒まで変化があります。当地で観察できるのは腹部が橙色の個体です。 
 春先に♀はコナラ、クヌギ、イヌシデ、ノイバラなどの葉を”芸術的に“巻いて揺籃を作成し、その中に卵を1個産み付けます。
 揺籃は葉の主脈でぶら下がってものが多く観察されますが、切り落とされて樹下に落ちているのを見かけることもあります。
 揺籃中で 孵化した幼虫は、揺籃内部の葉を食べながら育ち、成虫になると揺籃に穴を開けて外に出てきます。
 分布は本州、四国、九州。

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2017年5月11日 (木)

オトシブミ仲間の揺籃観察メモ

■オトシブミ仲間の揺籃観察

 年々、忘却の彼方に消え去る瑣末な事々が増えて来ますが、それでもまだ、春、葉桜の頃になると、ふと思い出すのは、小さな昆虫、オトシブミ仲間のこと。
 中でも、ヒメクロオトシブミという、見事な“揺籃”をつくるオトシブミがいます。
 そして、過去一度もその揺籃作りを観察したことがないので、一度で良いからこの目で見たいと思い続けてきたのでした。

 今シーズン、思い出したのは,去る4月30日! 
 残念ながらまたもや遅きに失しました。
 当日観察出来たのは,これまでの通りで

●「ヒメクロオトシブミ」がコナラに作った多くの精緻で見事な揺籃(ゆりかご)。
 写真はその1個の例です。1

 なお、ヒメクロオトシブミ成虫は1匹も目にすることが出来ませんでした。
 今年もまた、かなり思い出すのが遅すぎたようでした。

 
●「エゴツルクビオトシブミ」が、エゴノキに作った揺籃。3img_3575

 見上げた高いところに1個だけ、風に揺れていたものです。

 
 そして,同じオトシブミ仲間の昆虫ではあるものの、上記オトシブミの作品に比較すれば、”造形的美”には相当見劣りがするコナライクビチョッキリの揺籃でした。

●コナラの幼木にたくさんぶら下がっていたコナライクビチョッキリの揺籃。2430_2

 相対的にはオトシブミの揺籃より大型ではありますが・・・
 なお当日、コナライクビチョッキリの姿は、目視ではまったく気がつきませんでしたが、望遠マクロで撮影した画像をパソコンで見ていたところ、葉裏に1匹いたことが分かりました。
 (画像はクリックで拡大します。)2430_1

 
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※追記:
 この後日、2回ほど観察に行きました。
 しかし、ただ1匹のヒメクロオトシブミがコナラの葉上でくつろいでいた姿と、同じく歩き回っていた複数のコナライクビチョッキリも観察しただけで今シーズンは終わりになりました。
 こちらの記録は別に残すつもりですが・・・

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2016年5月28日 (土)

ヒメクロオトシブミ羽化期間

 ヒメクロオトシブミ羽化観察:
 揺籃に産みつけられた卵から孵化した幼虫は、揺籃の内部を食べて成長し、3齢で成熟します。
 そのまま揺籃の中で蛹になり、更に羽化して、羽化後完全に体が固まるまで数日揺籃の中で過ごした後、揺籃に小さな穴をあけて外に出てきます。
 この羽化までの経過期間をあらためて観察してみました。

 コナラの小枝先に2個形成されて間もない、まだ緑色の揺籃を小枝毎採取して、水を入れた2重底の容器に入れてラップで蓋をし、室内に静置して観察開始。

 ほぼ3週間経過した5月下旬、無事、1日おきに2匹の羽化が確認できました
 羽化した直後の成虫2匹はいずれも、まだ枯れずに残っている葉を元気よく囓っていました。

●羽化:
 ・脱出孔のある揺籃:R00102753

 
 ・1匹目:
  容器の隅にじっとしているのを夕刻発見:R0010241

 
 ・翌朝、元気よく歩き回り、葉を囓る姿がありました。R0010248

R0010261

R0010263

R0010272

R0010273

 
 ・2匹目誕生:
 その日の午後、2匹目が出ているのを確認しました。R00102792_1

R00102792_2

R0010287

 
■成虫を生息地へ:
 次の日(3日目)の午前中、生息地まで2匹を戻しに行きました。
 いずれも葉裏を元気よく歩き回っていましたがほどなく姿が見えなくなりました。

 ・1匹目:R00103021

 
 ・2匹目:R00103032

 
 ・その際に見かけた揺籃。
 いずれにもまだ脱出孔はありませんでした。R0010304

R00103092

 自然界ではその時の環境条件等により一定ではありませんが、平均的には羽化までに要する時間は3~4週間ほど(約1ヶ月)ということです。
 なお、余談ながら、ヒメクロオトシブミは雌雄に形態差がほとんどなく、野外で単独に居る時には判別が困難です。

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 ※なおオトシブミ関連の過去ログはこちらの記事一覧です。

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2016年5月 9日 (月)

※「オトシブミ」関連過去ログ記事リスト

※過去ログ参照メモ:
 「オトシブミ」関連記事リスト(2016.4.1現在)
 (記事URLをクリックすれば当該ページが開きます。)

⑮15/05/06記事:イヌシデに作られた葉巻もの(揺籃)(2015/4)   
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/20154-94fe.html

⑭15/05/04記事:エゴツルクビオトシブミの揺籃つくり②-2(2015/5)
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/-2120155-8644.html

⑬15/05/03記事:エゴツルクビオトシブミの揺籃つくり②-1(2015/5)
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/-120155-d7fb.html

⑫15/05/02記事:エゴツルクビオトシブミの揺籃つくり①(2015/4)
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/20154-c4f2.html

⑪15/05/01記事:エゴルツクビオトシブミとエゴノキに作られた揺籃(2015/4)
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/20154-dff8.html

⑩15/04/30記事:ヒメクロオトシブミとコナラ、イヌシデに作られた揺籃(2015/4)
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/20154-c63e.html

⑨15/04/25記事:コナライクビチョッキリ、コナラの若葉で揺籃をつくる(2015/4)
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/20154-e7e5.html

⑧14/08/26記事:オトシブミ誕生③イヌシデ揺籃からヒメクロオトシブミ
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-4ba4.html

⑦14/08/25記事:オトシブミ誕生②コナラ揺籃からヒメクロオトシブミ
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-5b0a.html

⑥14/08/24記事:オトシブミの揺籃②コナラ、クヌギ、イヌシデに造られたヒメクロオトシブミの揺籃
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-1fe0.html

⑤14/08/23記事:オトシブミ誕生①エゴノキ揺籃からエゴツルクビオトシブミ
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-6631.html

④14/08/22記事:オトシブミの揺籃①エゴノキに造られたエゴツルクビオトシブミ揺籃の2タイプ
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/2-8020.html

③14/05/04記事:ヒメクロオトシブミ    
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-8795.html

②13/10/27記事:マダガスカル固有種”ジラフビートル”(キリン クビナガ オトシブミ)♀
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-4af6.html

①10/08/18記事:夏の虫たち⑤ヒメクロオトシブミ、ベッコウハバチ、シオヤアブ、シマアシブトハナアブ、アブラゼミ
http://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-7001.html

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