アオスジアゲハ、夏の終わり
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連夜の大雨が一時あがった朝方、なぜだか自転車の前かごに三角翼ジェット機もどきの蛾がとまっていました。
すぐにスズメガの仲間と分かりましたが、その先は分かりません。
専門家にセスジスズメであると教えていただきました。
残念ながら、手ではさわれません。葉っぱの切れ端で突っつくとそのスマートな姿には不釣り合いの何となく、バタバタという感じで飛んでいきました。
7月のはじめにお子様(セスジスズメ若齢幼虫)がご近所をウロウロしていましたが(再掲)
今度は親御さんでした。両方、かっこいいとか、かわいい、と手のひらに載せられるようになれば大物ですが、生涯小物で終わりそうです。
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庭のツリバナに、8月のはじめからキバラヘリカメムシが何度もやって来て、追っても追っても舞い戻っていたのですが、先にツリバナの葉にくっついていた抜け殻は、どうやらその時に生み付けられた卵だったようです。
カメムシは、俗に屁こき虫とも言われ、その多くは触ると悪臭を放ちます(お尻からではないそうです)が、キバラヘリカメムシは臭くないにおいだとか。
でも嗅いでみたことはありません。
腹部全体が黄色いのが名前の由来。白い足にえんじ色のロング・ストッキング。
1匹捕まえてシャーレに入れ、腹面から見ると、セミやハゴロモと同じように針(口吻)で草木の汁を吸うことが分かります。場合によっては害虫になります。
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この夏は高温が続いただけでなく、ゲリラ豪雨と呼ばれるようになった予測の難しい局地的な集中豪雨や突風、また頻発する雷と、例年の夏と違った気象現象のため各地で被害が多発してしまいました。
しかし、ここに来てまた変調かと思うくらい急に朝晩寒いくらいになってしまいました。
もっとも本日は、暦の上では暑さが峠を越える時期とされる二十四節季の一つ「処暑」と言うことではありますが・・・。
屋外メダカ水槽の日除けにと植えたニガウリ(ゴーヤ)が、お盆休みの間に思いがけず大きくなって沢山ぶら下がり、
そしておそらくここで成虫になったと思われるスケバハゴロモもあちこちにとまっていました。
あらためてセミに似ているな、と思いました。
夏も行くようです。
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北陸道から一般道148号線松本街道を走ってきました。信濃路に咲いていた花も、秋の花です。季節は確実に移っていました。
●クズ:
秋の七草の一つ。太く大きくなった根には多量のデンプンが含まれているので、昔からくず粉が作られていました。
現在はくず粉として一般に販売されているものの多くは甘藷デンプンなど別の種類のデンプンから作られたものも多いとか。荒れ地にはびこると困ることも。
●シデシャジン:
山地に生えるキキョウ科の多年草。茎は高さ50~100cmになり、写真に撮りにくい草姿です。
青紫色の花はきれいです。特別珍しいものではないということですが、これまであまり見たことがありませんでした。
●ツリフネソウ:
北陸路でキツリフネを見ましたが、ここでは紅紫色のツリフネソウでした。
こちらは関東でも見ることがあります。
●ボタンヅル:
名前のとおり、蔓性の植物です。手元の植物図鑑には掲載がなく、インターネットの検索サイトで名前が分かりました。特別珍しい植物ではないそうです。
ところ 変われば しな 変わる、ということのようで、知らない土地を旅するのは楽しいものです。
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お盆休みの終わりに北陸路から信濃路の一般道を走ってきました。道中目に付く花はもう秋の花です。まず北陸路から。
●ヤマハハコ:
標高の高いところでした。葉の裏や茎に細毛があり白っぽく見えるはずですが、雨上がり直後で濡れていたせいか白くは見えませんでした。開花前の様子です。
●ユウガギク:
ヨメナ、カントウヨメナとも草姿はよく似ています。葉がしっかり写っていませんので正確なところはわかりませんが、多分ユウガギク、ということにしました。
●アキギリ:
黄色の花をつけるキバナアキギリの方は本州、四国、九州と広く分布しているが、花色が紫のアキギリ(の仲間)は、分布が中部地方から近畿地方に限られるそうです。
植物図鑑にも記載例が少ないようでした。サルビアによく似た草姿です。
●キツリフネ:
帆かけ舟を吊り下げたような花姿が印象的です。
やや湿った場所に咲いています。代表種は花色が紅紫色のツリフネソウです。
生育環境は同じなのに、なぜか混生することは少ないらしいです。
●ゲンノショウコ:
フウロソウの仲間。東日本では花色は白、西日本では紅花が多いそうです。
昔から下痢止めなどの胃腸薬としても有名。
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北陸は不安定なお天気続きだったお盆休みに、大雨の翌日、また雨降りの朝、落差350mと日本一を誇る富山県、立山の称名滝を見てきました。
左の太い流れが称名滝、そして真ん中あたりの細い滝が、落差500mといわれる幻の滝「ハンノキ滝」です。(2008.08.15:午前10時半)
当初、出かけた日(2008.08.14)の午後は生憎の大雨になって、称名滝道路(170号線)及び立山有料道路のいずれもが午後3時には通行止めになってしまいました。
やむなく途中でUターンしてすごすごと帰りましたが、道中、称名滝方面の岸壁からものすごい水量の”幻の滝”が二つ流れ落ちているのが遠望できました。
後から分かったのですが、左側がハンノキ滝で、立山の雪解け水が多く流れ込む春期や、大雨などで流量が増えた時だけ称名滝の右に現れる幻の滝です。
そしてその右側にさらに幻の、豪雨などの時にだけ現れるという「ソーメン滝」。
こんな光景はあまり見られないそうです。
この光景から、仮に通行止めにならなかったとしても本命の称名滝には近寄ることすら出来なかっただろうと思いました。
(写真はいずれも2008.08.14:午後3時55分頃、七姫平のカントリーレストラン付近上流及びすこし下がったところで道路端から撮影)。
対岸の「悪城の壁」と呼ばれる岸壁からも幻の水流が何条も落ちていました。
称名川の流量も極端に違っていました。写真上:8月14日午後16時過ぎ。下:翌15日午前10時過ぎ。
自然を甘く見てはいけませんね。
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雨上がりの山道に、ヤマブドウが生い茂って青い実をつけていました。その茂みで、一枚の葉の上に紅い粒々が付いているのが目にとまりました。
近寄って見ると不思議な形で、明らかにヤマブドウとは異質のものです。『ヤマブドウハトックリフシ』という名前の”虫えい”(虫こぶ、ゴール)です。
詳細はまだ解明されていないそうですが、植物に寄生した幼虫が細胞分裂中の植物の葉や芽を食べる時に、虫の唾液中の化学物質が植物を刺激して細胞の異常分裂・増殖を起こさせ、原因となった昆虫に特異的な虫こぶを植物に作らせてしまうということです。
幼虫はこの虫こぶの中に棲んでいて、成虫になるまで安全に暮らしているのだそうです。
植物にとっては迷惑千万なことなのでしょうが・・・。
余談ながら、”虫えい”の名前の付け方は、植物名(ヤマブドウ)+虫えいの出来る場所(ハ)+虫えいの形(トックリ)+フシ、とするのが一般的だそうです。
このヤマブドウハトックリフシを作らせたのは、「ブドウトックリタマバエ」というタマバエの一種で、このハエの画像をインターネットの検索サイトで探しましたが見つかりませんでした。
実は、すぐ傍の葉に、写真のハエがとまっていましたので、ひょっとしてこれがそうかと思ったのですが確認できませんでした。
(写真撮影2008.08.15富山県)
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相も変わらず毎日不安定な天候です。お盆も過ぎて、庭や二階のベランダに一夏の短い命を終えたアブラゼミが落ちているのを目の当たりにすると、夏が過ぎて行くのを実感します。
近所のお庭から聞こえてくるセミの鳴き声はすっかりツクツクボウシに変わっています。
さて、夕方暗くなるのを待ってから、公園の近くにあるカラスウリの茂みを見に行くと予想どおりカラスウリの花が咲いていました。花は1日花で、夜の間しか開きません。
花冠は5裂し、裂片の縁がレース状に細かく裂けて夜目にも白く浮かび上がり、美しくも不思議な造形です。朝にはすっかりしぼんでしまっていて、レースをまとった艶姿は想像もできません。
レースを含まない花の直径は3.5cm位で、あまり大きいものではありません。秋にはピンポン球より大きい赤い実がなります。
足元の草むらではもうエンマコオロギが鳴いていました。秋が忍びよっています。
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変形菌(真正粘菌)は不思議な生きものです。
「変形体」と呼ばれるアメーバ状の巨大な単細胞・多核体がバクテリアを捕食しながら朽木や土壌中に潜入して動き回っていますが、必要な条件が整うと朽木や枯れ葉などの表面に出てきて、数ミリメートル程度の部分に分かれ、それぞれが小さなキノコのような「子実体」を形成して動きを止めます。
従って多くの種では、子実体が接近して多数が並んだ状態で見つかることが多いものです。
変形体の活動には湿り気が必要なので、やはり多く活動しているのはコケが生えた倒木があるような森林内です。
子実体は腐植のやや進んだ朽木、また枯れ葉の表面などを注意して探すと見つけることが出来ます。
小さいながらも、造形的になかなか美しいものもある不思議な生きものです。
写真のホソエノヌカホコリ子実体は、屋敷林の北側を巡る水路に倒れ込んだ朽木の表面に形成されていたものです。
さらに乾燥して子嚢が破れ下半分が杯状に残り、その上に黄色の胞子・網状の細毛体が現れて子実体が完成しました。
この劇的な変化は一晩で完了します。
完成した子実体は60℃で乾燥処理を行えば、標本として保存することが出来ます。
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リビングのガラス戸の外側に、なにやらくっていて動きません。よく見るとすぐに思い当たる形です。
以前見かけたトリバガの一種ブドウトリバ。ルーペで拡大してみると改めてどうしてこんな奇怪な姿なのかと思います。はねを広げた大きさは14mmくらいです。
後翅はどう見てもスカスカの付録飾りで、飛翔の役に立つとは思えないような代物。
でも実際は結構飛翔力があり、逃げるときはブーンという感じであっという間に見えなくなってしまいます。
しみじみ見ていると、だんだんSF映画に登場させても良いカッコいい怪獣に見えてきました。
次は、不確かですがエゾギクトリバ?。全体の色が白っぽいトリバガで、足のトゲトゲなども違うようです。ヤブガラシですっぽり覆われてしまったサツキの葉にとまっていて、こちらも動く気配無し。
突っつくと、瞬時に視界から消えていきました。
次は小さなハエトリグモの仲間です。名前は確かではありませんが、「アオオビハエトリ」かと。
夕方、ツリバナの葉にいました。大きさは 8mmくらいです。4つ目の異形ミニ怪獣です。何を捕まえるのでしょうか。
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挺水性の植物や、水場に近くて夏草が茂る広場や堤防にいろいろなトンボが飛び交っています。もっともかつてのように、たくさん群れて飛ぶ姿にはあまりお目にかかりません。近郊でトンボの餌になる小虫がたくさん発生するような環境が少なくなったからでしょうか。
虫取り網をもってトンボやバッタを追いかける子供の姿などさらに見かけなくなりました。『トンボ釣り、今日は何処まで行ったやら』。懐かしいですね。
● よく分かりませんが、ウスバキトンボでしょうか。同一個体です。赤とんぼより大きめ。近くに一匹しか見あたりませんでした。
昔は、ウスバキトンボはお盆の時期になると群れてたくさん飛んでいましたので、盆トンボとか精霊トンボなどといっていましたが・・・。
間違いでした。ウスバキトンボは(滅多にとまりませんが)、とまるときには”ぶら下がるようにとまる”というのが特徴で、このように水平に近い格好ではとまりません。また翅は付け根まで透明です。
そしてこの個体はショウジョウトンボの未成熟個体と分かりました。
赤トンボはまだ山の上でしょうか。もうしばらくすると里に下りてきて秋の到来を告げてくれます。
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この季節、関東地方でもすっかり定番の蝶になった南方系の蝶、ツマグロヒョウモンです。
初夏から盛んに飛来していましたが、しばらく前に庭の野生スミレを熱心に点検していきました。
しばらくしてから、あちこちのスミレの葉に幼虫がたくさんいるのが分かりました。
まだ生まれて間もない赤黒模様の色がうすい幼虫。大きさは7mmくらい。
きれい、というより赤と黒、トゲだらけで毒々しい感じがします。
スミレの葉を思い切り囓りながらどんどん成長していきます。1.5cmくらい。
何処に行くのかコンクリートの上を移動しています。2cmくらい。
これから時々、踏んづけそうになる光景です。
この夏もフィーバーしそうです。
次は、ホソバセダカモクメ。
たいていは大きく茂ってみっともない姿になった食草のノゲシ類にくっついています。
親の顔はネットでしか見たことはありません。
イモムシ毛虫って、どうしてこんなに変身するのでしょうね。
人間では、フランツ・カフカの『変身』で、主人公のグレゴール・ザムザが巨大な芋ムシ(褐色の毒虫とか甲虫説もあり)になる不条理の精神世界があります。
イモムシ・毛虫の世界では条理のことですけれども・・・。
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イモムシ毛虫シリーズです。私もなかなか慣れません。嫌いな方はスルーしてください。
以前、キンカン(金柑)の小木の若葉が夏場になると決まって坊主にされていました。その時期には葉のあちこちに”鳥糞”がくっついていましが、その金柑は、日当たりが悪くて実成も良くないので処分してしまいました。
以降、今度は山椒の枝が丸坊主にされるようになりました。やはり”鳥糞”が着いています。生みの親はナミアゲハです。家のまわりにもしょっちゅうやって来ます。
山椒の木のあちこちにいるナミアゲハの若齢幼虫”鳥糞 ”。小鳥の糞に擬態しています。
大きくなって変態していきます。前の日にいたのと同じところで翌日、姿が変わっていました。
小枝で突っつくと頭からオレンジ色の臭角をだして威嚇します。(→何度もやらせると弱って死ぬ、という話ですが、どちらも悪趣味デス)。
頭の紋様にもこだわりです。鳥に食べられないで羽化して早い退去を希望しています。
なお、アゲハの鳥糞幼虫→緑の幼虫→サナギという3段階の変化は、いずれも幼若ホルモン(JH)濃度に応じて発現していると考えられるそうです。* *http://column.odokon.org/archives/2008/0415_234500.php
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用水路に架かった橋の改修工事が行われたのに伴って、周辺の水路堤防や、近接する農業排水路もコンクリート護岸が新しくなりました。
暑い日の昼下がり、排水路の用水路出口付近に、カルガモがゆっくりと歩いていました。
その少し手前では、この時期農業排水の流入がほとんど無くて止水状態になっていて、ヘドロが堆積してコケが生え、水はきれいではありませんが、野生メダカが見つかりました。
数十匹の群れで、近くではあまり見かけない数でした。
用水路とつながっているので、農業排水の流入が無くなっても干上がることはなく、流れもほとんど無いので住処としては良いのかもしれません。
ただ大雨が降ったりするとたちまち水量が増えて、多分、用水路にながされていってしまうことでしょう。
安定しては生きにくい環境であることは間違いありません。
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蔓性の多年草ヤブガラシ(ブドウ科ヤブガラシ属)は春の芽吹きの後、特に夏から秋にかけて、道端や畑地、また無人の屋敷地などいたるところに旺盛に繁茂します。この時期に平べったい花序をつけますが、花は4弁花で黄緑色、中心付近の花盤と呼ばれる部分が橙色をしています。花弁は午前中で脱落してしまい花盤だけが残ります。
ヤブガラシには花の蜜や、葉を食草とする昆虫類がたくさんやってきてにぎわいます。昆虫たちには住みやすい生活環境のようですが、傍目にはいちじるしく美観を損ね、また除草に手間取る困りものでもあります。
まだ黄緑色の花弁が残っていた4弁花と、脱落して花盤だけになったヤブガラシ
マメコガネ:大きさ約1cm。そこいら中に集まってヤブガラシの葉を食い荒らしています。なぜだか近づいたり葉が揺れたりすると後脚を斜めに挙げる動作をとります。
これからの季節に大発生し、大豆やブドウなどの農作物の葉も食害する困った農業害虫でもあります。
外国に出て行ったものは、やはり大豆を食い荒らす大害虫ジャパニーズ・ビートルとして大変迷惑がられているということです。
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ある日、暑いからとクーラーに当たってばかりでは不健康と、江戸川堤防のサイクリングロードまで自転車で行って走ってきました。
丸ごと蒸し器に入ってしまったようなものすごい湿気で遠景が霞んでしまっていて、さわやかな涼風などとは大違いの、べっとりとまとわりつくような熱風です。
これでは熱中症が背中にはり付いているようなもの。
スポーツドリンクを飲みのみ、3時間くらいも走ったでしょうか。おかげで当日の夜はよく眠れました。(永遠の眠りでなくて良かったデス)。
堤防の草むらには、この暑さこそ我が命という昆虫たちが元気に暮らしていました。
ギシギシの穂にとまっていた大きさ17mmくらいの黒いハチ。名前は分かりません。
ハラナガツチバチの♂かも?
そして、ススキの葉を食べていたオオウンモンクチバの幼虫。大きさ4.5cmくらい。
頭に短い触角がのぞいていて、どうしてこんな姿形なんでしょうか。やはり気持ち悪いです。
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異常気象の発生確率や気候変動の幅が小さくて穏やかに季節が移っていったその昔の暦では、今日は秋立ですが、今はそのような趣ではありませんね。
さて、去る7月に行った別々の山でツレサギソウ属のランを見かけました。一つは標高1,700m位の平坦な草地に、黄緑色の花をつけたもの。写真は1枚しか撮りませんでしたが、専門家に伺ったところ、ツレサギソウ属(Platanthera)のランで「ヤマサギソウ」かもしれない、ということでした。図書館で借りた図鑑にも何種類かのツレサギソウ属ランの写真と解説がありましたが、この1枚の写真だけでは他の特徴が分からず特定は難しそうです。
他の一つは標高2,000m付近の草地で見かけたもので、上の写真とよく似た姿・形をしていましたが、事前の情報からツレサギソウ属の「ホソバノキソチドリ」と思われます。花の形は少しずつ違うようです。
いずれにせよ、ラン科の植物は根に内生菌を持つ多年草で、特にツレサギソウ属(プラタンテラ)の仲間のランはラン菌依存度が高く、人工栽培はほぼ不可能だそうです。盗掘などの被害に遭わないよう大切に見守りたいものです。
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ニイニイゼミの羽化が最盛期です。昼間、公園のケヤキや桜の太い幹には泥まみれのニイニイゼミの脱殻が行列して残っています。夜の公園を覗いてきました。至るところで脱皮が進行中でした。懐中電灯の光のもとで、フラッシュなしの手ぶれを起こしたイマイチの記録です。
ニイニイゼミの幼虫だけは泥にまみれた姿で羽化の場所を求めて樹の幹をゆっくりと登ってきます。
動きが止まってしばらくすると、背中が割れて幼虫が出てきます。やはりお得意のイナバウアーで思い切り反り返って殻から抜け出していきます。(上から見下ろした写真)
下から見上げた姿です。 ここから体を起こして、抜け殻にしっかり掴まり、脱皮を完了します。
脱皮後も抜け殻に掴まったままで、縮んでいた羽が伸びていくのをじっと待っています。
夜明け前には、しっかりした成虫の姿になって、早起きの小鳥が飛んできたら素早く逃げられるようになります。
地上では短い夏の命です。鳥などにおそわれて命を落とすものも結構いるのでしょうが、無事故で全うできる”天寿”はせいぜい4週間ぐらいだそうです。
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本来関係ない話ですが。白馬村に向かうバスが立ち寄った道の駅の一角に、山野草の売店があり、知る人ぞ知る”キタダケソウ”の鉢植えが展示してありました。
表示には、ふやしましょう、幻の花、キタダケソウ、種で育てる、育てやすい(日なた)、とあり、一鉢・・・の後を白で塗り消してその上に赤字で”非売品”と書き直してありました。
少し気になる状況ではありましたが・・・・
とりあえずその場で撮った写真をウイキペディアに掲載されている写真などと比べて見てみたら、葉が元気すぎる(伸びすぎている)ように見えますが、ほぼ間違いないようでした。
我が国第二位の高峰、南アルプスの盟主北岳(3,192m)の頂上近くに咲く貴重種です。
大事にしたいものです。
なお最近の報道によれば、これまでは二ホンジカの行動域ではなかった北岳の2,500m付近の植生がもっともひどくシカの食害を受けていることが確認され、改めてシカの食害調査が開始されたということですね。
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花旅の最後は北アルプスの桃源郷、五竜アルプス山野草園とアルプス平自然遊歩道ハイクです。
ゴンドラ、ロープウェイを乗り継いで、楽して沢山の山野草を一度にまとめて見ることが出来ました。
その昔、額に汗して登った尾根筋の砂礫地帯に咲いた可憐なコマクサを発見した時の感動は忘れられませんが、足腰衰えた今では、かくもイージーに、シロバナのコマクサを沢山見られたのも、これはこれで良かった、ということでしょう。
●地蔵の頭(1,676m)からの眺望。
この日も展望はあまり望めませんでした。
眼前のオオバノギボウシの向こうに五竜岳、唐松岳(のみ正面に見えました)、奥に白馬連峰のパノラマが展開するはずでしたが・・・。
安定した晴天が続く季節にまた行きたいな、と思いました。
- 続く -
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八方尾根、花のトレッキング(八方池山荘から八方池まで往復標準時間2時間30分)のもう一つの大きな楽しみはなんと言っても標高2,060mの八方池と、その向こうに展開する残雪をいただく白馬連峰の大展望です。
しかし天候の方はままならず、眺望はほとんどありませんでした。
この日も曇り時々雨で、下山後でよかったのですが夕立に遭いました。
まあ贅沢は言っておられませんね。
栂池同様、リフトの終点で買い求めた”八方尾根兎平周辺~第3ケルン花写真ガイド”を”握りしめて”ここでも数百枚の写真を撮ってきました。
はじめて見る高山植物もたくさんありました。ほんの一部しか掲載出来ません。
●ハッポウタカネセンブリ:
健胃薬にも使われるセンブリの花は知っていますが、こちらは見るのも初めてです。
大変印象に残る小さなきれいな花でした。
●ムシトリスミレ:
こちらも見るのは初めて。
どこか似た印象の花があったな、と思い浮かんだのは同じ食虫植物の特別天然記念物コウシンソウでした。
●クロトウヒレン:
写真ガイドになかった見るのも聞くのも初めての植物。
これは蕾で8月にアザミのような花が咲くということです。
- 続く-
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関東地方は梅雨明け後も天候は今ひとつ不安定でしたが、高山植物は今が盛りのベストシーズン、ということで、先月下旬に信州白馬村に行ってきました。
期待に反して旅の期間中ずっと曇り、時々雨で、残雪の北アルプスの景観には全く恵まれませんでしたが、ハイキング、トレッキングコースの足元に咲き競う高山植物の数々、また飛び交う昆虫たちを目の当たりにして夏の自然を満喫してきました。
栂池自然園一周の花ハイキングコース(所要時間約3時間30分;一周約5.5km)。
ロープウェイを降りてビジターセンターに向かう。
この時が一番遠景は見えていました。残念ながらこの後は雲がどんどん上がってきて曇り空になり、残雪の北アルプスは全く見ることが出来ませんでした。
ロープウェイ終点の自然園駅で買った”今見られる代表的な花の写真ガイド”には約50種類が掲載されていました。
もちろん実際にはそれよりはるかに沢山の花々があり、片っ端から写真を撮っていたらコース一周標準時間の2倍くらいも時間が経過してしまいました。
数百枚の写真はこれから整理が大変です。
はじめて見る昆虫類もたくさんいて、こちらもなかなか名前が分かりません。
ほんの一部だけ写真を掲載します。
●コイワカガミ:
大きなオオイワカガミ、普通のイワカガミ、そして小さいコイワカガミ、があって、見ただけで正確な識別は難しいそうです。
とりあえず写真ガイドには”コイワカガミ”とありました。
●サンカヨウ:
既に花が散って実がなっているものが多かったのですが、やっと花が咲いているものに巡り会えて記念撮影。
●カオジロトンボのペアリング:
名前のとおり顔が白いです。はじめて見ました。
標高1000m以上の高層湿原に棲息するトンボだそうです。
●ルリタテハ:
目の前をヒラヒラと青い筋のあるきれいな蝶が飛んでいきますがなかなか留まる気配がありません。
少し遠回りをして待っていると、しばらく誰も来ない木道にとまりました。チャンスです。
実際に見たのは初めてでした。
- 続く -
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