ホソエノヌカホコリ(変形菌)
変形菌(真正粘菌)は不思議な生きものです。
「変形体」と呼ばれるアメーバ状の巨大な単細胞・多核体がバクテリアを捕食しながら朽木や土壌中に潜入して動き回っていますが、必要な条件が整うと朽木や枯れ葉などの表面に出てきて、数ミリメートル程度の部分に分かれ、それぞれが小さなキノコのような「子実体」を形成して動きを止めます。
従って多くの種では、子実体が接近して多数が並んだ状態で見つかることが多いものです。
変形体の活動には湿り気が必要なので、やはり多く活動しているのはコケが生えた倒木があるような森林内です。
子実体は腐植のやや進んだ朽木、また枯れ葉の表面などを注意して探すと見つけることが出来ます。
小さいながらも、造形的になかなか美しいものもある不思議な生きものです。
写真のホソエノヌカホコリ子実体は、屋敷林の北側を巡る水路に倒れ込んだ朽木の表面に形成されていたものです。
さらに乾燥して子嚢が破れ下半分が杯状に残り、その上に黄色の胞子・網状の細毛体が現れて子実体が完成しました。
この劇的な変化は一晩で完了します。
完成した子実体は60℃で乾燥処理を行えば、標本として保存することが出来ます。
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