ヤマブドウハトックリフシ
雨上がりの山道に、ヤマブドウが生い茂って青い実をつけていました。その茂みで、一枚の葉の上に紅い粒々が付いているのが目にとまりました。
近寄って見ると不思議な形で、明らかにヤマブドウとは異質のものです。『ヤマブドウハトックリフシ』という名前の”虫えい”(虫こぶ、ゴール)です。
詳細はまだ解明されていないそうですが、植物に寄生した幼虫が細胞分裂中の植物の葉や芽を食べる時に、虫の唾液中の化学物質が植物を刺激して細胞の異常分裂・増殖を起こさせ、原因となった昆虫に特異的な虫こぶを植物に作らせてしまうということです。
幼虫はこの虫こぶの中に棲んでいて、成虫になるまで安全に暮らしているのだそうです。
植物にとっては迷惑千万なことなのでしょうが・・・。
余談ながら、”虫えい”の名前の付け方は、植物名(ヤマブドウ)+虫えいの出来る場所(ハ)+虫えいの形(トックリ)+フシ、とするのが一般的だそうです。
このヤマブドウハトックリフシを作らせたのは、「ブドウトックリタマバエ」というタマバエの一種で、このハエの画像をインターネットの検索サイトで探しましたが見つかりませんでした。
実は、すぐ傍の葉に、写真のハエがとまっていましたので、ひょっとしてこれがそうかと思ったのですが確認できませんでした。
(写真撮影2008.08.15富山県)
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