オオムラサキ幼虫
切れ目なく移ろいゆく自然の中で、人の生活時間だけは区切られていて、10月も終わりになりました。
さて、自然界では春先からこれまで、それぞれのライフサイクルに従って活発に活動していた昆虫たちもだんだんその姿が見えなくなり、それぞれの生活スタイルによる冬越し準備の時期にさしかかってきたようです。
しばらく前にたまたま立ち寄った山梨県北杜市のオオムラサキセンターで、エノキを食樹として育っている国蝶オオムラサキの幼虫を見学することができました。
その時の記録です。
オオムラサキ幼虫の食樹エノキ
大きさ3cmくらいの幼虫は、まだ葉と同じ緑色の保護色で、目が慣れるまではなかなか見つけられませんでした。
正面から見るとイモムシにしてはなかなか愛嬌のあるお顔立ちです。
この幼虫も11月頃には枯れ葉と同じ色の保護色になり、エノキの葉の落葉とともに木を下り、根元付近の枯れ葉の裏で3齢幼虫のまま冬を越すこと。
そして春になって再びエノキに上がって脱皮し、またもとの緑色になって葉を食べて成長。
6月頃蛹に、ついで6月から7月にかけて羽化して青紫色に輝く美しい翅(♂)を広げて高く飛ぶ姿を見せるということです。
選定が検討された当時(1957年)は、大きく(♀)、きれい(♂)で、日本全土にいて簡単に見られ、誰でも知っている、などの観点で国蝶に選ばれたということでしたが、最近はご多分にもれず生育自然環境の変化などで、だんだん見られる機会や地域も減少してしまっているのは残念なことです。
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