カメムシ(7種類)
カメムシは手で掴んだりすると悪臭を発するので俗に”屁こき虫”などとありがたくない名前で呼ばれています。悪臭は”屁をこく”わけではなく、胸部第3節の後胸腹面にある臭腺から分泌される成分によるものです。口器はストローのような形で、これを植物などに射しこんで汁を吸うので農作物などについた場合には害虫になります。
背中の三角形に見える部分は小楯板(しょうじゅんばん)と呼ばれ、ここに特徴のある”トレードマーク”をつけたものもたくさん居るようです。
夏の終わりから秋にかけて撮影したカメムシを「陳列」しました。
●ブチヒゲカメムシ:
草むらに繁茂したクズ(マメ科)の葉にいました。幼虫は毛むくじゃらです。
マメ科、キク科、イネ科の植物を広く食草とする害虫です。背中の模様を”人面”に見立てる人もあるようですが、見えるでしょうか?
●ヒメジュウジナガカメムシ:
ガガイモが絡みついたススキの葉に幼虫が、すぐ傍のツユクサに成虫がいました。
幼虫の食草はガガイモ、イケマ。成虫の背中の小楯板まわりに特徴のあるX十字の橙斑紋があり、”ドクロマーク”に見立てる人もあるようです。(写真上:幼虫、中、下:成虫)
●ナガメ(写真上):
体長8~9mm。菜の花に来るカメムシだからナガメだそうです。この時はススキの葉にいました。
幼虫の食草はアブラナ科で、春先にはアブラナや大根によく見つかる害虫。
ナガメは逃げ足が速くて、近寄るとササッと葉の裏に回り込んで隠れます。
背中の模様は、漆塗りのお面の様です。
●エゾアオカメムシ(写真下):
高原に咲いていたイタドリの花にいました。
●エサキモンキツノカメムシ:
里山の草むらにいました。体長は約13mm。
トレードマークは背中の小楯板のハートマーク。これなら分かりやすいですね。
幼虫はミズキ,ハゼノキなどにつくそうです。
●ムラサキシラホシカメムシ(ツヤマルシラホシカメムシ)(写真上):
高原のアキノタムラソウにいました。草原や林縁にいる大きさ5mmくらいの小さなカメムシです。
タンポポ、ハルジオン、オオバコなどいろいろな植物を食べるようです。
トレードマークはつやのある銅色の体に、小楯板両サイドの白丸。この目印もわかりやすいです。
●クサギカメムシ5齢幼虫(写真下):
公園の雑草にいました。体長16mmくらい、翅は濃い褐色のまだら模様をしています。
特に豆類につき、また果実などの汁も吸うので農家から嫌われています。
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