キセルガイの仲間 (→「トクサオカチョウジガイ」でした)
冬中、庭に直置きで放置していた植木鉢類も、根が動き出す時期になりましたので、ぼちぼち片付けや手入れをしなくては、と日溜まりのある日中に動かして見ると、鉢底で覆われていた地面に、白くなったキセルガイ 「トクサオカチョウジガイ」の残骸が沢山散らばっていました。
細長い左巻きの貝で、殻の長さは1cm~1.3cm程度です。
全く気がつきませんでしたが、シーズン中にはそれなりに活動していたようです。
”キセルガイ”の和名は形が喫煙用具の煙管(きせる)に似ていることから名付けられたものです。
カタツムリやナメクジなどと同じ、もっぱら陸上で暮らす陸生の貝類で、「土壌動物」の仲間です。
日本では約150種が知られ、大きさは、1~4cm程度だそうです。
生息場所は種ごとに異なっていて、木の幹や落ち葉の下、岩陰にいるもの、また家庭では、今回のように、地面に直接置いた植木鉢の下などです。
カタツムリと比べると、体のわりには殻が大きく重いので、動きは不活発で移動力が非常に小さいため、地域で見られる種類は限定的だそうです。
手元に検索図鑑(日本産土壌動物-分類のための図解検索-)がありますが、素人には難しく、今回見つけた標本の種名はわかりません。
餌は基本的に植物質のものですが、生のものはほとんど食べず、落ち葉、樹皮、朽木、あるいはそれらの表面に発生した藻類や菌類なども食べていて、寿命は長いものが多く、ほとんどの種は数年以上だそうです。
今年のシーズンには注意して、見つけたいと思います。
ナメクジは沢山いて駆除に追われますが、イメージとしては、ごく小さなナメクジの背中に、この細い貝殻を載せた姿のようで、気持ち悪さは多少薄められているのでしょうか。
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追記:
2011.12.5、矢野様から、写真のものは『キセルガイではなく、トクサオカチョウジガイという、オカチョウジガイの仲間です。
その中でもこのトクサオカチョウジガイはホソオカチョウジガイと共に外来種です。
従って、民家や庭園の周辺に生息しています。
キセルガイは左巻きで、殻口の中に、主板、前板、下軸板という襞が形成されます。
オカチョウジガイの仲間は右巻きで、殻口内には何もなく単純構造です。』
とのご指摘とご教示をいただきました。お礼を申し上げ、訂正いたしました。
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コメント
矢野様、お教えありがとうございました。記事修正いたしました。今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: クロメダカ | 2011年12月 6日 (火) 13時17分
これはキセルガイではなく、トクサオカチョウジガイ
という、オカチョウジガイの仲間です。
その中でもこのトクサオカチョウジガイは
ホソオカチョウジガイと共に外来種です。
従って、民家や庭園の周辺に生息しています。
キセルガイは左巻きで、殻口の中に、主板、前板、下軸板
という襞が形成されます。オカチョウジガイの仲間は
右巻きで、殻口内には何もなく単純構造です。
投稿: 矢野 | 2011年12月 5日 (月) 22時48分