ハイテクのカーネーション
庭植にして放置したままハナニラに埋もれていたクロッカスが、突然、花を開きました。
冬の間に寒さに負けることなく、こんもりと葉を茂らせた花ニラに埋没していたため、生長途中では全く気がつかなかったのです。
クロッカスもたくさんの花色、模様など多彩な園芸品種が開発、育成されていて楽しむことが出来ますね。
さて、植物の品種改良や新品種の開発・育成は、これまで伝統的な方法として、交配や、自然発生、あるいは人為的に誘発した突然変異などによって新しいものを作り出し、出来た複数の産物の中から、目的とする、あるいはより好ましい形質を有するものを選択するということで、通常かなり長い年月をかけて行われてきました。
ところが近年、バイオテクノロジーの長足の進歩によって、目的とする形質を持った植物を直接的に創生する技術革新が行われ、新しい商品、新しい市場開発が行われています。
端的に言えば、「遺伝子組み換え」技術によって、従来の欠点を排除し、有用な長所・新しい形質をもった新植物の開発と、その実用化のための安全性、有効性、有用性の検討が精力的に進められている、ということです。
もっとも、開発に際して、純粋技術上の問題だけではなく,「遺伝子組み換え」というだけで、直ちにアレルギー的拒絶反応が起こるという一般的な世論や、社会情勢にも対応しなければならないという”難関”があるのも事実のようです。
●ハイテクで生まれたカーネーション:
元々、花の色で、紫~青色を発現するのに必要な「デルフィニジン」という化学物質を作る能力が遺伝的に存在しない花には、青色の花は存在しえません。
その花に、青色の花を咲かせるためには、別種の植物から”青色遺伝子”を取り出して、組み込んでやればよい、というのが遺伝子組み換え技術の基本原理ですが、花の世界では、こうして創生された青紫色カーネーションがすでに1997年に市販されています。
ハイテクの華が咲かせた花ですね。
それにしても、園芸品種として育てられた花は本当にきれいですね。そこへ行くと、雑草の花は、見劣りしてさっぱりです。
でもそう切り捨ててはかわいそうですから、きれいな花は3日で飽きる、そうでない雑草の花は、3日で慣れる、としておきましょうか。
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