ヨモギ
ヨモギ(もち草)、というとすぐに思い浮かべるのは草餅やヨモギ団子、まさに花より団子です。その昔は、早春の堤防や草はらに、ヨモギの若芽を摘みに行ったものです。
ゴミや枯れて傷んだ部分を除いてから、重曹を少し加えて沸騰させたお湯につけてアク(苦み)抜きしたものを、蒸し上がった餅米に混ぜ込みながら杵で搗きました。ヨモギの緑色がきれいで、香りゆたかな美味しいよもぎ餅ができたものでした。
現在は、草餅(よもぎ餅)もよもぎ団子も、スーパーや和菓子店などで日常的に売られていますし、ヨモギも乾燥粉末に加工された輸入品が通年手に入るようです。
そのヨモギですが、地域によっては在来種が減り、外来種がふえて、昔のようなヨモギ摘みの光景はだんだん見られなくなったところもあるようです。
近郊の畦道で、除草剤で完全に”無植物”の裸地になって、じつに”不自然な”景観となっていた地面にも、やがてヨモギだけが生えていました。
白い綿毛に覆われた若葉を摘んで香りを嗅いでみると、紛れもないヨモギの匂いです。
このように、ヨモギ、のイメージはどこまでも新芽、若葉の頃のものです。
それが夏を過ぎるとやがて草原を覆い、畦道の通行の妨げになるほどの高さ(50~120cm)になり、その茎先に大きな円錐花序を出して淡褐色の頭花を多数つけた”お邪魔雑草”になります。
その姿は早春の新芽からは、なかなか想像しがたいものです。
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