山野草①オドリコソウ、カテンソウ、ニリンソウ
風薫るというこの月も終わりです。関東地方はここ数日、梅雨の走りのような天候で気温も上がらず不順ですが、季節は確実に巡っていきます。
5月初旬の終わりに、群馬県の山に登りましたが、その前後に山地で撮した山の花の写真を整理しましたので、少しずつ掲載します。
当然ながら生育環境が違いますので自宅近郊には見られないものがほとんどです。
●オドリコソウ:
林縁に咲いていました。この時期はまだ咲き始めで、白い花を付けていましたが、つぼみのものが多かったようです。
茎は4角形で、高さ30cmくらいの多年草。葉は対生し、長さ1~5cmの柄があり、広い卵形で、長さ5~10cm、幅3~8cm、縁にはあらい鋸歯があります。
葉の脇に白色の唇形花を輪生します。
上唇はかぶと形、下唇は3裂しています。雑草のヒメオドリコソウより大型で見栄えのする植物です。花期は4~6月。
●カテンソウ:
やや湿り気のある林縁草地に大群落を形成していました。
これほど密生しているのを観察したのは初めてでした。
小さくて目立たない花を付けることから花点草。高さ10~30cm、扇形で鋸歯のある葉を互生します。
雌雄異花を付けます。
雄花は上部の葉腋から伸びる花茎の先端に付きます。
ちょうど開いた花が一つだけ見つかりました。
まだ花粉を放出する前で、花糸は丸まった状態の雄蕊と、
花糸がぴんと伸びて先端の葯が開き、花粉を放出した後の花の姿です。
・雌花は柄がなく、上部の葉腋に数個集まって付き目立ちません。
花期は3~5月。
●ニリンソウ:
沢沿いの林縁草地に群生地があり、なかなか見事な景観を作っていました。
各地の山地や山裾の自生する、いわゆるスプリング・エフェメラル(春の妖精)と呼ばれるお馴染みの野草のひとつで、夏には地上部はすっかり姿を消してしまいます。花は通常、白色5弁花ですが、花弁の多いものもよく見られます。
| 固定リンク | トラックバック (0)