小笠原ツアー:2日目午後から、戦跡巡りなど観光へ、そしてナイト・ツアー
ツアー2日目の午後、東京都認定ガイドの案内で、太平洋戦争戦跡などを巡りました。
小笠原・父島は要塞として大正時代から整備されはじめ、太平洋戦争時には急速に拡張整備、強化され、特に地下要塞化が進められました。
玉砕した硫黄島のような主戦場にはならなかったものの、島民の方々のご苦労をしのぶと共に、ジャングルの中に埋もれつつある戦跡を目の当たりにして、あらためて平和の大切さ、反戦の思いを強くしました。
夕食後、ナイトツアーに出かけました。
①三日月山ゾーン
①-1:三日月山展望台:父島の西側の海を望む展望台。通称ウエザーステーション。水平線に沈む夕日が絶景のポイントとのこと。
シーズン中にはザトウクジラのブロウ(噴気)も見られるそうです。
①-2:戦跡、大村要塞跡・ガジュマルに埋まる弾薬庫跡
②大根山公園ゾーン
②-1:戦跡、大砲砲身残骸
②-2:トーチカ
②-3:村民墓地。
かつて小笠原にやって来た人々は、太平洋諸島(ハワイ、タヒチ、グアム、ポナペ、キリバス等)の出身者が多かった、という島の歴史を物語る公園墓地でした。なお供花はすべて造花が用いられるそうです。
③長崎展望台
兄島と兄島瀬戸を望む展望台で、潮流が川の流れのように流れている様子が見られます。
画面中程手前に見える岬が長崎。
④夜明山ゾーン
④-1:夜明山入り口モニュメント
④-2:初寝浦展望台にある軍用施設跡。
ここはゆるやかな起伏の中央山東平や初寝浦を見下ろす展望台です。
なお登り口には首のない二宮尊徳像があり、旧日本軍が大村小学校から運んだものだそうです。
⑤境浦と沈船残骸
境浦は二見湾内東部にある波静かな海岸です。少し霧が出ました。
沖合に太平洋戦争中(1944年)魚雷攻撃を受けて座礁した海軍徴用船の濱江丸の赤さびた残骸があります。
⑥小港海岸
⑥-1:小港海岸砂浜。
タマナやハスノハギリの防風林を抜けると真っ白い砂浜が広がり、遠浅で波静かな入り江に広がるコバルトブルーの海がすばらしいところです。
アオウミガメが産卵にやって来た跡が観察できました。
⑥-2:ハスノハギリの果実。
ハスノハギリは海岸御三家と呼ばれる樹木の一つで高木になります。
実(種)は、先端に孔のあいた大きな(約5cm)淡黄色の袋に包まれています。辺り一面、たくさん落ちていました。
夕食を済ませてからナイトツアーに出かけました。
お目当ては
(1)オガサワラオオコウモリ
小笠原諸島唯一の固有哺乳類で、天然記念物のオガサワラオオコウモリ。
翼幅は約1m、体毛は黒色で、少し金、銀色の毛が混じる。
果実、花の蜜、花粉、葉等を餌とし、これらを咀嚼後に液体だけ飲んで、残りの種子や繊維はペレットとして吐き出すそうです。
父島の現在の個体数は約100個体と推定されていて、積極的な保護が不可欠とガイドブックに記載されていました。
専門のガイドの案内で、幸運にも複数回観察することができました。
フラッシュ厳禁で、その姿は撮れませんが、ちょうどガイドさんが指し示した照明に浮かび上がったリュウゼツランの花柱に、花を食べに来ていたところです。
(2)グリーンペペ(ヤコウタケ)
グリーンペペ、と島の人たちが呼んでいるヤコウタケ。
枯れたタケやガジュマル、アカギの幹、樹木の落枝等に生える発光性のキノコ。6~10月の雨上がりによく見られるということです。
傘は直径1~2cmほどで灰白色。柄は白く根元が吸盤状に膨らんでいます。
夜間、エメラルド・グリーンに光るのは虫を誘引して胞子を運んでもらいためと考えられているとのこと。
今回は時期や気象条件が最適ではないため見られたのは限定的でしたが、それはともかくとして幻想的なシーンでした。
なお幸いなことに、翌日の千尋岩トレッキングの道中、沢に落ちていた竹にこのグリーンペペが生えているのをガイドさんが見つけて、これですよ、と教えてもらいました。むろん日中ですから、光らず、灰白色のままでしたが。
その他、夜の浜辺では、天然記念物のムラサキオカヤドカリや色々な種類のカニ、またアオウミガメの産卵場所なども観察することが出来ました。
天を仰ぐと満天の星空でした。遠く忘れていた自然でした。
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