夏から秋へ(セミからコオロギへ)
昨夏、当地は、体温を越える猛暑日が続いて辟易したものでしたが、今夏は過ぎてみれば低温続きの冷夏で日照不足、どうやら夏はなかったようです。暑くなったのは政局だけだったでしょうか。
隣県ですが近くのレタス産地では不作で、その他の夏野菜も生育が遅れ、農産物も値上がりしています。
この夏は最盛期になってもセミの声があまり聞こえてきませんでしたが、今頃になって、通りかかった団地の大樹からも、過ぎゆく夏を惜しむミンミンゼミの大合唱が聞こえてきます。
人家の濡れ縁に飛んできたミンミンゼミ。
国道をまたぐ歩道橋の階段や、宅地の路上のあちこちには、地上での短い命を終えたアブラゼミが落ちています。
夕方、外気が涼しくなると、セミの声に替わってご近所の庭の植え込みからは”チンチンチン”というカネタタキの声が聞こえ、ハナミズキの樹上からは、”リーリーリーリー”とやかましいアオマツムシの声が降ってきます。
また生い茂った夏草の除草作業が行われている草原や、乾いた稲田からは、エンマコオロギ等など虫の声が多く、大きくなってきました。
草原にいたエンマコオロギとハラオカメコオロギ:
大きいのがエンマコオロギ、小さいのがハラオカメコオロギです。
ハラオカメコオロギは頭でっかちで、丸顔のエンマコオロギに対して顔面は平ら(♂)のオカメです。リッ・リッ・リッ・リッ と4、5声ずつ区切って鳴きますが、ミツカドコオロギのように鋭くありません。連続して鳴き続ける場合もあります。
一晩、虫かごにお泊まりして キュウリを囓るハラオカメコオロギ(上)と、コロコロリー と鳴いているエンマコオロギ(下)。
いずれも翌朝、野外に戻っていきました。
日中、庭の雑草の陰から、ツヅレサセコオロギが出てきました。よく見ると両方の後脚がなくなっていて跳べないようです。
無理強いして記念撮影させてもらいました。
なお、写真撮影後よく見ると、撮影アングルのせいもありますが、複眼の間のスジが横一文字に見えます。これはタンボコオロギの特徴です。ツヅレサセコオロギではこれが緩い逆V字の山型なので、違いが気になりますが、タンボコオロギは住みかが異なるため、このままとしました。
今シーズンはなぜか庭にカナヘビがたくさんいます。エンマコオロギは大きすぎて食べられないようですが、生まれて間もない小さい時や、体の小さいツズレサセコオロギ、さらに小さいミツカドコオロギやハラオカメコオロギなどは、運が悪ければ食べられるでしょう。
狭い庭にも生存競争があるようです。
夏が終わり、爽やかで穏やかな日本の秋になると良いですね。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)