イタチ(鼬)
剥製標本のイタチは博物館や観光地のビジターセンターなどでよく見かけますが、当地で野生のイタチに遭遇する機会はまずありません。
それでもここ数年の間に2回ほど、草原から道路を横切り、稲が十分大きくなった稲田めがけて走り込む一瞬を目撃したり、舗装された農道に立ち止まってこちらをじっと見ている姿を見たことがありますので、イタチが棲息していることは確かでした。
しかし写真に収める機会は全くありませんでした。
晴天・無風で暖かかった先日(2010/1/27)の午前中、カメラをぶら下げてウオーキングに出かけた用水路堤防の対岸に赤茶色で長細い体の動物の姿を認めました。
立ち止まって目を凝らしてみると、イタチのようです。
カメラを取り出して望遠側でファインダーを覗くと、イタッ! 、しかし次の瞬間、チッ! 逃げられた。
イタチは巧みに低木の陰や枯れ草の茂みに身を隠しながらも、水際に沿って伝い歩きをして行きます。
途中で時々特定の場所で行ったり来たり、何か餌を探しているような行動を繰り返しながらどんどん移動していきます。
最初の写真にはイタチの姿はなく(逃げられたあと)、2枚目は画面の端に、尻尾だけ。
ここから追っかけ開始の記録です。
再び見つけたのは、小低木の脇にちょこんと座っている姿。
そこでしばらくネコのようなかっこうで座ったまま辺りをきょろきょろ見回していました。
3分ほどそこに居ましたがやがて立ち上がると、水面に垂れさがった枯れ草などに身を隠しながらゆっくり移動して行き、移動先でウロウロと獲物を探して護岸の石組みの隙間などを嗅ぎ回りはじめました。
何も見つからなかったらしくまた移動開始、しばらく行くとそこでまた同じようにウロウロ。
その場所でもやはり鼠など何も見つけられなかったようで、さらに移動してその先へ、そしてウロウロ。
やはり収穫はなかったようでまたまた移動をはじめました。
そして少し行ったところで立ち止まった後、なんと最後は水中へドボン。
そのままこちらに向かって泳ぎ出しました。巧みな泳ぎです。
途中で視界から消えましたが多分こちらの岸辺のどこかに隠れたのでしょう。
最初にシャッターを押して空振りしてから、実に追っかけ約15分間の暇人記録でした。
この間にはどうやら獲物にはありつけなかったようでした。
日中これだけウロウロするのはよほど空腹だったのでしょうか?
暇ついでに:
イタチおよびイタチにまつわる俗諺(俚諺)など。
イタチについて
ネコ目(食肉類)イタチ科の哺乳類の総称。またその一種。雄は体長約30cm、雌はこれより小さい。
体は細長く、赤褐色。夜間、鼠・鶏などの小動物を捕食。敵に襲われると悪臭を放って逃げる。日本特産。
近似種タイリクイタチ(チョウセンイタチ)の亜種とされることもある。タイリクイタチは毛皮養殖や野ネズミ・ハブ駆除用に西日本に移入。イタチよりやや大きい(以上、広辞苑から)
なお別の資料によればチョウセンイタチが侵入したところでは在来種のイタチが駆逐されて生息数が減少しているということです。
俗諺など
『鼬(イタチ)の最後っ屁』:
イタチが追いつめられた時、悪臭を放つこと。転じて、せっぱ詰まって最後に非常手段に訴えること。また最後に醜態をさらすこと。(以下、いずれも広辞苑)
『鼬(イタチ)の無き間の貂(てん)誇り』:
自分より強いものがいない間だけ威張ることのたとえ。鼬の無き間の鼠」とも。
『鼬の目陰(まかげ)』:
(鼬が人を見るときそうするという俗信から)手を眼の上にかざして遠方を見ること。
『鼬の道切り』:
鼬が前を横切ると、交わりが絶えたり音信が絶えたりするといって忌む俗信。また、鼬は同じ道を2度通らないという俗信から、往来・交際の絶えること。『鼬の道』とも。
こうしてみると、イタチさんは世間様からは古来、余り良い印象は持たれてこなかったようですが、今回写った姿を見る限り、(人間様を困らせる悪事を働かなければ、)タヌキのようなメタボ体型ではないし、顔立ちも可愛いと思ったものですが・・・
本日で1月も終わりです。写真の整理の都合で、イタチが1月最後のブログ記事になりましたが、”最後っ屁”の意図はありません。
次に再度発見した記録があります。
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