セツブンソウ①/スプリング・エフェメラル
セツブンソウ(節分草)は、関東地方以西に分布し、石灰岩地域に多く見られるキンポウゲ科セツブンソウ属の多年草です。
高さ10cmほど。花期は2~3月で直径約2cmの白い花を咲かせます。
和名は早春に芽を出し、節分の頃に花を咲かせることからつけられました。
しかし山地では2月中旬頃から開花し、実際は節分には間に合わないことが多いようです。
可憐な花は人気が高いものですが、残念なことに乱獲や自生地の環境破壊によって現在は希少植物(環境省レッドリスト準絶滅危惧(NT))になっています。
スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral:春の妖精・かげろう)と呼ばれる草花類があります。
早春に開花したあと2~3ヶ月で地上部は枯れて姿を消し、あとは地下で過ごすという生活サイクルを有する一連の草花の総称です。
セツブンソウはその中でも開花時期の早さはトップクラスで、ほかにもフクジュソウ、カタクリ、アズマイチゲ、ニリンソウ、ショウジョウバカマ等々、春の訪れを実感させてくれる山野草たちがあります。
地元メディアによれば、3/5日は、埼玉県秩父市で22.5℃と5月中旬並の最高気温に誘われて、全国で最大級といわれるセツブンソウ自生地、小鹿野町両神小森の山中でセツブンソウが一気に満開となり、本日7日には「節分草祭り」が開催され、3月上旬いっぱいは楽しめそうということです。
しかし天気は昨日から連日の雨模様で、まさにせっかくの行事に水を差されることになりそうな気配です。こればかりはままなりません。
実は、2年前の3月はじめ、彼の地を訪問したことがありました。
残念なことにその年は気候のせいで生育が遅れていて、探してもセツブンソウはなかなか見つからないという状態で見学は断念したことがありました。
そこで今シーズンは数年ぶりになりますが、栃木県・星野の里にあるセツブンソウ自生地まで、先日(3/3当日だけ快晴)”取材”に行ってきました。
こちらは2月下旬が見頃だったようで、その後の雨にもたたられて盛りは過ぎた感がありましたが、午前の明るい陽をいっぱいに受けた花々はまだまだ十分見応えがありました。
アズマイチゲが数輪見つかりました。
カタクリも葉が広がりはじめていました。
清々しく可憐な花は白い5弁花のように見えますが、じつは花弁ではなく萼片です。
”花弁”自体は退化して”黄色の蜜槽”となり、多数のおしべと2~5本のめしべの周りに並んでいます。
種は5月の中頃に熟し、種子を蒔いた後で地上部は枯れて地上から姿を消してしまいます。
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