ナガミヒナゲシ(2010/4)
昨年初めて庭先のポットに姿を現した小さな”ポピー”がナガミヒナゲシだと教わってから一年経ちました。大量の種を作り、秋に発芽してロゼットで冬越しして、春を感じると他の雑草にもまして早く勢力を広げ、いっせいに花をつけ、再び大量の種を散布する、かと思っていたら、この春はいまだに天候不順で、日々の気温差が10℃以上ある日を繰り返しています。
そのせいもあるのでしょうが、近くでの開花は遅いようでした。しかし、すこし遠出をしてみるとあちこちに大小様々、サーモンピンクのきれいな花が見つかりました。
ナガミヒナゲシは散歩コースの野原にはほとんど見られず、住宅地内の生活道路のアスファルト継ぎ目や縁石の土だまりなどにたくさん生えていました。
3月下旬に、蕾が出来た大きな株がありました。その株が、今にも咲きそうなまでに蕾を持ち上げるのに2週間かかりました。
そして4月中旬、気まぐれ天気で、1日だけ急に気温が20℃を越えた時に1輪開花して、
翌日、冷たい雨と強風で散りました。これが今シーズン最初の開花観察でした。
地域の人も良く知っていて、家の前の生活道路の雑草取りはきれいにされていますが、ナガミヒナゲシだけは別格扱いで、残してあるのをよく見かけます。
また、1日だけ急に25℃を越えて夏日になった昨日、普段は自転車で行く国道沿に所用のついでに”取材目的で”歩いて行ってみました。
そして認識を新たにしたのですが、車道と歩道の境界の花壇や植え込みに”雑草として”いちばんはびこっているのが、なんとナガミヒナゲシでした。
たくさん生えている茎を何本か折って見ると、すぐに黄色い汁液が盛り上がるように出てきます。ただ、中にはほとんど乳白色の汁液もありました。どうしてそのような差異が出来るのかは分かりません。
どんなに小さな植物体でも、この時期、例外なく蕾を付け、また素人目には同じ植物とは思えないような花姿の小さな花をつけ、そして結実します。繁殖力はたいしたものです。
急いで結実し種が熟した頃に行われる初夏の国道清掃、除草作業で、いっせいに種がばらまかれ、また除草機械設備等に混入・付着して他の地域へと人為的に運ばれて、急速に分布域を広げるともいわれます。
住宅地域で行われる除草・清掃作業に付随しても、同じようなことが起きるのでしょうか。
なおナガミヒナゲシの種に様子について大変興味深い紹介記事があります。機会があれば観察してみたいと思います。
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