クロアチアを巡る4カ国周遊の旅(4完)
7日目(5/24月曜日):
《クロアチア/プリトヴィッツェ湖群国立公園》
今回の旅の目玉の1つ、プリトヴィッツェ観光です。プリトヴィッツェ全域の景観の美しさは数十万年の歳月をかけて造られたもので、一帯はカルスト地層でここに降った雨水が長い年月をかけて地下の石灰岩の間をくぐり抜け、最下層の粘度砂岩層に達すると地下水脈となり、カルスト湖として地下に蓄えられます。
この源泉から湧き出た泉が石灰岩層を通り浄化されて再び地表に現れます。このため水の透明度が極めて高いのです。
かつてはセルビア・クロアチア戦争最大の激戦地であったという、この世界遺産プリトヴィッツェ湖群国立公園へは宿泊ホテルからすぐ歩いて行けるロケーション。朝夕の自由時間にも近くの散策が楽しめました。
16の湖と大小さまざま、無数の滝が織りなす自然美は「ヨーロッパで最も特異的な景観」と呼ばれるそうで、階段状に形成された特異な湖と独特の水の透明度、そして時間/光とともに刻々変わる水の色合い、また美しい木々の緑の自然美は本当に見事なものでした。当日のガイドさんによれば、水量がいつもよりかなり多いということでその分さらに見応えがある景観になっていたのだと思います。
まずホテルの近くのシャトルバス(エコカーといっていましたが)で、ミラノヴァツ湖近くのステーションまで行き、そこからウオーキングスタートです。しばらく歩くと展望台へ。公園内でいちばん下流になる標高483mにあるサスタヴツィ滝を眺めてから坂道を下り、大小の滝を眺めながら、国内最大の落差(78m)という見事な大滝ヴェリコ・スラブへ。
水量も多く水しぶきで(防水仕様でないカメラでは)撮影が大変でした。見学後少し引き返してから順路に従って遊歩道ハイキングを続けました。また公園内でいちばん大きなコジャック湖では電動ボートに乗ったりして、終日ゆっくりそして存分に楽しむことが出来ました。
観光途中の昼食はレストランでマス料理。午後は公園内最高位、標高637mのプロシチャンスコ湖までのトレッキングを楽しみました。平和のおかげです。
夕食はやはり外のレストランでポーク料理。よく運動したおかげでお腹は空いたのですが、たださすがにこの頃になると、日本食が恋しくなってしまいました。「イェゼロ」泊。
なお、余談ですが、国立公園に近づいたバスの窓から、国立公園を取りまくのどかな山村には、今も銃弾の後が残る家や、屋根が焼け落ちた家、廃屋になったまま持ち主の戻らない家が点在しているのが目に映りました。
8日目(5/25火曜日):
《クロアチア/ザグレブ》
プリトヴィッツェを立ってクロアチアの首都ザグレブへ向かいます。
途中でコロナ川の流域にあるスルジ村で写真撮影を兼ねて小休止。そして次にトイレ休憩も兼ねて「野外戦争博物館」に立ちより見学しましたが、日本にはこのような展示はありませんね。戦争の記憶を忘れないように、ということですが。
ザグレブ着後、ビール工場併設のレストランで昼食。メニューは七面鳥肉にチーズを挟んで、大きなコロモをつけて油で揚げたカツレツ風の揚げ物と煮野菜の付け合わせ。
大したことではありませんが、私のところにサービスされた皿には、(他の皿には付け合わせされている)2個の芽キャベツが無く、しかも分厚い揚げコロモに隠れていた七面鳥肉にはチーズが挟まれていない!という大当たりでした。特に文句は言いませんでしたが、日本ではあまり経験できないことでしたね。ビールは美味しかったです。
昼食後、ザグレブ市内観光に。まず先に青空市場を覗いて、洋梨を買って食べたり、地下街の肉売り場や鮮魚売り場を覗いたりして町の生活感覚を楽しみました。
その後、市内の見学に。
ザグレブは1991年の独立後にクロアチアの首都になりました。人口およそ80万人の内陸に位置する町で、アドリア海に沿って連なるディナル・アルプス山脈によって地中海世界から遮断されていたためヴェネチアの影響を受けず、町の雰囲気に影響を与えてきたのは長い歴史を共にしたハンガリーとオーストリアです。
そのため特に旧市街はハプスブルグ時代の面影を漂わせる壮麗な建物が並ぶ、内陸中央ヨーロッパの町です。まず聖母マリア被昇天大聖堂の見学をしました。また後の自由行動の時には塔屋まで登りザグレブ市街の展望を楽しみました。
また旧市街では、奇跡のイコンのある石の門、屋根が美しい聖マルコ教会、聖カタリナ教会、そして中心街の共和国広場ではクロアチアの英雄イェラチッチ総督の銅像やパステルカラーの優美な建物などを見学しました。
さらに、観光客は運賃無料というトラム(市内循環路面電車)に乗って、ザグレブ中央駅周辺など、新市街の見学も楽しむことが出来ました。
宿泊はザグレブ郊外のホテル「ポリン」。早いもので明日はもう帰国の途につきます。スーツケースを整理して早めに就寝。
9日目 (5/26水曜日):
《帰途》
ザグレブからスロベニアに入国、パスポートチェックがありました。沿道では、氷河が溶けた水に含まれる石灰成分で白濁する特異な川の流れなどに見とれているうちにクラーゲンフルト空港へ到着。
8日間お世話になったバスの運転手さんに御礼を言ってお別れし、ここから小型のプロペラ機でミュンヘンに。窓から残雪の風景など眺めているうちに、ミュンヘン着。ここで乗り継いで成田までおよそ11時間30分のフライトです(機中泊)。
10日目(5/27木曜日):
朝10時 ほぼ予定どおり成田着。
季節も良く、宿泊地には日本のようなハイテクや(過剰)サービスはないものの、過大な観光施設や、観光地によくある物売りにつきまとわれるようなことは一切なくて、安全で、また素朴で自然な人々や風物などに接することができて、終わってみれば短い間でしたが、爽やかな印象が残る良い旅ができました。 (完)
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