コンフリー、ハシリドコロ(有毒植物)
6月初旬、コンフリーは散歩コース沿いの道ばた草むらで、ハシリドコロは出かけた先の山間の沢筋湿地で見かけました。いずれも有害成分を含み、食べられません。
コンフリー:
その昔、コンフリー(ヒレハリソウ)は日本人の好きな健康食品の1つとして巷間、もてはやされたことがありました。家庭菜園などでも栽培されていたものですが、やがてその後、科学的根拠に基づいて健康食品など商品としての流通は禁止されました(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/dokusou/25.html)ので、もうすっかり忘れ去られています。
たまたま通りすがりの道ばた草むらに、記憶にある植物が一株だけ混じっているのに目がとまり、写真に撮って帰り、調べてみると紛れもなくコンフリーでした。
(2010.06.04撮影)
コンフリーは葉がビロードのような毛で覆われている多年草で、地下部を切断すると個体数が増えてしまう性質があり、野外に逃げ出して日本中に広まってしまったものをこれからどのように防除していくかが課題になっているようです。なお近くでは見かける頻度は多くはありませんが。
ハシリドコロ:
ハシリドコロは落葉広葉樹林下に生育し、山地の沢筋や谷の平坦地、斜面下部に生育することが多い多年草です。早春に芽を出し、新緑の頃には群生して花を咲かせますが、6月終わり頃には地上部はなくなってしまいます。
この点は、早春から初夏にかけての短い期間にだけ地上部をあらわし、スプリング・エフェメラル(春の妖精:早春植物)と呼ばれるセツブンソウやカタクリなどと同じですが、”妖精”と呼ばれる雰囲気はなくて敢えて言えばどことなく怪しげ、でしょうか。
沢筋に生えていたもの。見渡すとたくさんの株がありました。
地下に太い根茎があり、勢いのある地上茎を出し、高さ50cmほどになります。葉は長さ20cmほどで柔らかくて両面無毛。4月から6月初めにかけて、葉腋に暗紫紅色の花を付けています。
全草柔らかく、食べられそうですが有毒植物です。成分はアルカロイドの一種、スコポリンとのこと。誤食すると狂乱状態になって、走り回るのでハシリドコロの名前が付けられたとのことです。(この時期、走り回るサッカーW杯の選手は特に要注意でしょう。昨日のオランダ戦、日本は善戦しました。つぎのデンマーク戦、期待しています。)(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/dokusou/05.html)
ともあれ植物体地上部が見られる期間は限定されているために、見かける頻度は多くはありません。分布は本州から九州。
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