立山(雄山3,003m)登山
夏休み最中の先日(8/15)、小学2年生の孫達と一緒に北アルプス・立山に登ってきました。3年前の同じ日、快晴に恵まれた室堂平のハイキングに行ったことがあります。
立山は、雄山、大汝山、富士ノ折立の3つのピークの総称です。(なお、立山三山は雄山、浄土山、別山です。) 最高峰は、大汝山(3,015m)ですが、立山が信仰の山であったため、立山山頂雄山神社のある雄山(3,003m)の方が古くから有名です。
今回登ったのは、夏期ファミリー登山向きの雄山です。昨年秋、孫が父親達に連れられて登った時には、中間地点の「一の越し」付近で天候が急変して雪が降りだしたため断念して下山した、そのリベンジです。
8月初旬は比較的安定していた天気も、お盆休みになってからはっきりしない天候で、登山予定前日は雨。当日の天気予報は曇り、午後一時晴れ、でした。
結果は、下界の天気は、日中晴れて最高気温が゙36℃と暑かったようですが、さすがに山の上は予想したより悪天候でした。
登りでは終始濃霧に包まれ、岩稜では風に吹かれて寒く、下山時にもごくまれに、瞬時のガスの切れ間から風景が垣間見えた程度で、室堂バスターミナルに近くなった頃突然雷鳴が聞こえ、雨が降りだし、バスターミナルに着いて間もなく激しい雨になりました。
幸い道中終始元気で何事もなく、ダイナミックなアルプス風景を展望する感動体験こそ全く得られなかったものの、登山の楽しさと共に、状況が急変する山の怖さも体感しながら、夏休みの日記の1ページが出来たようです。
室堂バスターミナルの寒暖計は14℃を示していました。外はもう霧が濃くなっていました。身支度をして、午前10:00スタート。
今年はどこの山でも雪が多かったようですが、ここでは、ゆるやかな登りの雪渓は歩き易く切削整備され、急なところでは”寒くても汗をかきますよ”と笑いながらも、担当の若い人たちが雪塊を切り出して階段状に積み上げ安全確保の作業を続けられていました。
歩き始めて約1時間で「一ノ越」に到着しました。室堂平からここまでは広くて整備された石畳の道です。山荘でトイレ休憩。すっぽり雲の中にあるらしく、霧は一向に晴れる気配がありません。
一ノ越山荘で暖かいカップラーメンを食べた孫は元気が出た様子です。一ノ越を境に道は険しくなります。雄山への登山道は、大小の石が混在する勾配のきつくなったガレ場の登りです。霧はどんどん濃くなり、あちこちに水滴が着きます。
一ノ越から雄山山頂までの登山道は、一ノ越、二ノ越、三ノ越、四ノ越、五ノ越(山頂)に区切られ、それぞれに小さな祠が祀られているのですが、そのほとんどに気づかず、ひたすら足元を確認しながら登っていくと、突然のように目の前に雄山神社社務所の建物が現れました。
一ノ越から一時間ほど、室堂平をスタートしてから約二時間少々でした。晴れていれば数十メートル先の目前、鳥居の奥に、立山頂上雄山神社が見えるはずですが、濃霧のため全く何も見えません。
晴天ならば登拝して360度の景観を楽しみながら、そこで立山神社神官のお祓いを受けることになるのですが、当日は悪天候のため、社務所の中で安全登山/下山のお祓いを受け、お札と御神酒をいただきました。
そしてその後で、帽子が飛ばされるほど風が強く吹き、真っ白いガスが流れる立山頂上雄山神社に参拝、ということになりました。(写真はクリックで拡大表示されます)
山頂は文字通りただ真っ白けの風景で、目前の社殿も霞みがちになるほどのあいにくの天候。
それはそれで満足して早々に退散、さすがに寒かったようです。社務所まで戻り昼食、休憩。
大方の登山者が下山した午後1時45分、明らかに天候は悪くなりそうで、身支度を調えて社務所のすぐ近くにある一等三角点標識の前で記念撮影。
そして下山開始です。岩陰の草花(判然としませんがクモマミミナグサ?)もぐっしょり濡れています。人影もまばらな濃霧の中、急なガレ場をゆっくりと足元を確認しながら下ります。
下り始めて一時間ほど経過したところで、突然ガスが途切れて、目前に一ノ越山荘が見えました。ほんの10数秒のことで、すぐに再び白いベールに隠されましたが、まさにドラマチックです。
一ノ越山荘で小休止、汗と濃霧で濡れた衣類を着替えさせてから、広い石畳の道を室堂ターミナルまで帰ります。雲行きがどんどん怪しくなります。
また一瞬ガスが晴れた時に、そう遠くない距離に室堂山荘や室堂ターミナルが見えました。それで一安心したとたん、遠くで雷の音が聞こえ、雨粒が落ちてきました。
だんだん雨脚が強くなり、さあ急げ、ということで急ぎ足で室堂ターミナルに駆け込んだ後しばらくで、土砂降りの雨になりました。下山開始約二時間後の午後15時50分でした。
幸いたいして濡れることもなく、下山客の混雑もすでに解消したバス、ケーブルに乗り継いで無事帰途に。
余談ながら翌日、地元紙で、同じ様な気象状況の中、剣岳、薬師岳、有峰など北アルプスで起きた登山事故の記事を目にしました。回りの登山者を見渡すと、昔に較べて服装や装備は大変立派になっています。あと、事故を起こさないようにするために必要なことは、十分な知識と、過信しないことでしょうか。それは自分に対する戒めでもありますが。
それにもう一つ、つぶやきです。昔の登山では、むろん、TPOの状況判断は必要ですが、(下りは視界が利くが、登りは視界が狭い、落石から守る、などの理由で)、”登山者のすれ違い時は「登り優先」が原則”と教えられました。
しかし子供さんに、”待ちなさい、登ってくる人に道を譲りなさい”、と声をかけられている「お父さん岳人」は少数派で、そうしても”ありがとう”の挨拶もなく、また無言でどんどん下りていく集団が多くなりました。
また最近は”山女性”とか”山ガール”と呼ばれるファッショナブルな新人種も増殖中とか。
相も変わらず各地で遭難事故を起こしてはマスコミの砲火を浴びる中高年登山者は引退の潮時なのでしょうか・・・時代は変わります。
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