ホオズキカメムシ(卵、若齢幼虫、成虫)、クヌギカメムシ、ナガメ(幼虫、成虫)、アオクサカメムシ幼虫、ブチヒゲカメムシ、ホソハリカメムシ、ホソヘリカメムシ
夏の間にたまったヘッピリムシ(カメムシ)の写真です。いずれも近くの草原や畑地、また住宅地植え込みなどで普通に見られるものばかりです。
●ホオズキカメムシ:
歩道の植栽に絡みついていたヒルガオの葉にいました。葉の裏をめくってみると生まれたばかりの幼虫がくっついていました。これでは増えるわけだなあ、と妙に感心しました。
成虫の大きさは8mmくらい。見た目は全身濃茶色で、腹部側面に縞模様があり、”太もも”がすごく太いカメムシ。
飛ぶと赤いホオズキ色をした背中がとても目立ちます。
たまたま傍にいたのは、左前肢と左触角が損傷・欠損している個体でした。”事件”があったのでしょうか。
ホオズキやヒルガオ科のアサガオ類などの植物で目立ち、またサツマイモ、トマト、ナス、ピーマンなども食害する農業害虫です。
掴まえて臭いを嗅いだことはありませんが、あまり臭くないそうです。
出現時期:5~8月。分布は本州、四国、九州。
●クヌギカメムシ:
林で見つけました。少しスマートな、緑色のカメムシ。大きさ12mmほどで、体長よりも長い触角が目立ちます。
雑木林のクヌギ、ナラ、カシワなどの木の葉上で見られます。メスは、秋の終わり頃に、木の幹にひも状の卵塊を産みつけるそうです。
出現時期は6~10月。分布は本州、九州。
●ナガメ(上:幼虫、下:成虫):
近所の堤防や草原に、春から初夏にかけて菜の花が咲き、夏に枯れた茎が残っていますが、そこにもたくさん群がっています。アフリカの民族工芸品を思わせるような黒と赤の模様が目立つカメムシです。色調にはかなりバリエーションが見られます。
写真上の幼虫で、いちばん左の個体は5齢幼虫で、その後の2匹は4齢幼虫です。
成虫の大きさ8-9mm 、春から初夏にかけて、アブラナ、ダイコンなどでよく見られます。ナガメとは「菜の花につくカメムシ」という意味。都市郊外にも普通に分布しています。出現時期4-10月、分布は北海道、本州、四国、九州。
●アオクサカメムシ5齢幼虫(写真左);ブチヒゲカメムシ(写真右)
どちらも夏草の茂る草原にいました。
アオクサカメムシ幼虫の大きさは7mmほどでした。成虫は光沢のない緑色のカメムシで、色彩変異が多いようです。マメ科、イネ科、キク科など、広範囲の植物の汁を吸い、野菜や果樹の害虫としても嫌われています。出現時期は7-10月、分布は北海道、本州、四国、九州。
ブチヒゲカメムシは体長12mmほど。全体が赤褐色で、小楯板後方が白色です。黒い触角の節間が白く、斑(ぶち)になっていることからこの名が付いたそうです。草むらに行くと普通に見られます。
マメ科、キク科の植物を食害し、ダイズ、ワタ、ゴマなどの害虫でイネの穂も食害します。出現時期は4-10月、分布は北海道、本州、四国、九州。
●ホソハリカメムシ(写真左);ホソヘリカメムシ(写真右):
どちらも草原にいました。1字違いで紛らわしいですが、
ホソハリカメムシは、体長10mmほどで、体は薄茶色で、前胸背側角は黒く、側方に鋭く突出しています。
スズメノテッポウ、イヌビエなどのイネ科の植物によくくっついています。イネの害虫としても嫌われ者です。出現時期は4-10月。分布は本州、四国、九州。
ホソヘリカメムシは、少し大きくて16mm前後で体色は赤褐色から黒褐色をしています。後肢の”太もも”(腿節)が太く、ガニ股です。
幼虫,成虫共に稲類や豆類などの汁を吸います。特にインゲン、大豆に付いて農作被害を与える害虫です。出現時期は5ー10月。分布は日本各地。
平地にいるカメムシ仲間にはうさんくさいものが多いですね。
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