水田雑草:ミズワラビ、ヒメシロアサザ、コナギ、オモダカ、クサネム
実りの秋、というのに各地からは異変の秋が伝えられてきます。山梨県ではブドウの不作、長野県ではりんごが不作、一方で岩手県ではマツタケが豊作と嬉しい便り。
そして米どころ新潟県からは特産のコシヒカリは9月末現在で1等米の割合が過去最低の17.3%に落ち込んだというニュースです。
やはりこの夏の異常な猛暑がいろいろな方面に影を落としているようです。
近郊の水田地帯でも、お米の収率が落ちたり、白くなった小さい米粒が増えたりして品質も芳しくないように伺いました。そんな田圃道での水田雑草の観察記録です。
ミズワラビ:
熱中症と闘いながら?無理やり散歩に出た8月下旬の田圃道では、例年に増して水田雑草のミズワラビがはびこっているように見えました。9月になると草姿がすっかり変わります。
ヒメシロアサザ:
その(ミズワラビ)の間に、これまで田圃の中には目にしたことのなかったヒメシロアサザが生えて、すでに小さな白い花をつけているのも見つけました。
ヒメシロアサザは溜池や水田などに生える多年草の水草で、かつては水田雑草として困りものだったそうですが、除草剤や生育環境変化などで個体数は減少傾向にあり、現在は絶滅危惧種に指定されています。
近郊では確かに見つかることはまれで、なぜ突然こんなところにぽつんと姿をあらわすのかわかりません。鳥により運ばれるのでは、と聞いたことがありますが。
一株採取してメダカ水槽に植えて見ると容易に活着して、9月中旬にはたくさんの種が出来て、水面にばら蒔かれて浮かんでいました。
生育環境条件さえ合えば、やはりしたたかに増える植物ではないかと想像するのですが。
コナギ:
刈り取りが終わった9月中旬の水田の傍らで、コナギが青い花をつけていました。
オモダカ:
雨降りの後、二番穂が大きく伸びた10月初めの田圃には、一度姿を消したように見えたオモダカがしたたかに花穂を伸ばして白い花をつけ、その存在をアピールしていました。
クサネム:
更に強者で、稲作農家にとっては大敵のクサネムが、刈り取りの終わった田圃の端っこで大きく伸びて種をつけていました。稲刈り前に稲を追い越すほどに成長して”丈夫な種”を付けてしまうと、コンバインで稲に混じって刈り取られた時に種がバラバラに分散して米粒に混入してしまい、品質検査で等級を落としてしまうので大問題なのです。
こういう野生の迷惑者雑草のほうが、少々の環境変動などには動じないようにも思えますが・・・ともかく毎年繰り返される自然の営みです。
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