一首詠めり。
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに (いやいや、冬の日だって) しづこころなく タンポポの咲くらん (昨日友のり)
もうすぐ冬というのに、なんだこの天気は。脳天気のタンポポが咲いているじゃないか。季節感なんて、ねえな、ッタク。
● オオッ! ハナにアブがいるではないか。
● バアサン、いや、姐さん、ずいぶんずんぐりむっくり、メタボじゃねえか、それにド派手な腹巻なんぞしていてェ、運動不足じゃネェの。
● 誰だい!ナンダ、下等動物のオッサンか、うるせえな、いちいち、それはアンタのことだろう。
● どうでもいいけど、なんでド派手な伊達メガネをかけてけてるんだョ、見えなくてアブねえだろ。老眼鏡のほうがいいんじゃねぇの。(画像はクリックで拡大表示します。頭部の複眼の間には3つの単眼がありますが、わかるでしょうか。)
● うるさいワ。ダテ眼鏡じゃないのよ、眼玉の地模様さ。あたしの一族のシンボルだよ。デザイナーの先祖のDNAが決めたのさ。
● どんな意味と機能があるんだい?
● イミ、さあね、昨日(キノウ)のことも知らないね。過ぎたことは忘れるものさ。
ところで、泉津平坂(よもつひらさか)って知ってるか? 知らない、まあ、あんたのオツム とセンスじゃ理解できないことは確かだがね。
もう追っかけて来るんじゃないよ。食事の邪魔だから、あっちへいっとくれ。
● 唐突な話だなあ、マ、わかったよ。じゃ達者でな。
11月の終わり、無風で薄日の射す堤防に咲いたタンポポで、一見、小型のクマバチのような昆虫が蜜をなめていました。
近寄ってみると、体長およそ15mm程、全体は黒っぽく、メタボ体型の腹部に橙色の帯があり、頭部は大きな半球状で、複眼にはデザインされた様な特徴的な紋様がありました。
オオハナアブでした。ハナアブの代表的な種で、普通に見られるアブです。
成虫は花に集まり、花粉や蜜を舐めます。幼虫は水中に住んで腐食物を食べ、細長い呼吸器官をもつウジムシ型をしています。
写真の個体は複眼が離れているから♀です。なお♂は頭頂部で接しています。ハエやアブの仲間には、複眼の模様が光の当たり方でできるのではなく、もともと複眼に固有の模様を持つ種類が他にも結構いるそうです。
ツマグロキンバエなどもその例です。それにしても模様はどのような機能のためなのでしょうか。
大きさ:14-16mm、出現時期:4~12月、分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄