山里の木の実:ウメモドキ、ガマズミ、ムラサキシキブ
人里に近い低山の林縁には、晩秋になると実をつけるいろいろな種類の低木や潅木があって、それがハイキングの楽しみでもありますが、またそれらの木の実は、特に昆虫類が少なくなった秋冬季には、野鳥の餌としても重要なものになっています。
野鳥が食べる木の実は、人が食べて必ずしも美味しいものとは限りません。グミ、ヤマブドウなど美味しいものも多いですが、野鳥が好んで食べるガマズミ、サクラの実などはあまり美味しいとはいえません。
ドングリ、エゴノキなど等、渋味,苦味,辛味などを含む実は、そのままでは人の口に合いませんし、また中には人に有害なものもありますから注意が必要です。
さて、晩秋の一日、ピーヨ、ピーヨと甲高いヒヨドリの鳴き声が聞こえる山道を辿っていくと、林縁に、真っ赤に色づいたウメモドキ、 ガマズミ、 そして薄紫のムラサキシキブがありました。ただ、いずれの木の実も、すでにその数はだいぶ残り少なくなっていましたが。
ムラサキシキブ:
山野に生える落葉低木。苗木がホームセンターなどでも売られていて、お庭などに植えられ、薄紫色の実を鈴生りにつける「ムラサキシキブ」(と呼ばれている木)は「コムラサキ」の場合が多いようです。
自生のムラサキシキブは、コムラサキに比べて実のつき方がまばらで、いっそう自然な感じがしました。
野鳥が好む漿果類では、ガマズミ,ウメモドキ、ナナカマドなどの赤色や、ツルウメモドキ、トキワサンザシ、柿など橙色のものが圧倒的に多いものです。
一方、薄紫色系統の木の実はムラサキシキブなどで、多くはありませんが、こちらはあまり好まないそうです。ほかに餌がなくなると食べるということで、人と同じように野鳥にも”おいしい色”というのがあるのですね。
なおウメモドキの実は、果肉の部分に発芽抑制物質があり、小鳥のおなかを通過しないと発芽しない仕組みになっていて、それで鳥に種を遠くに運んでもらい分布を広げるそうで、ほかにもこのような特性を持った木の実はたくさん有るそうです。うまく出来ています。
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