ハナグモ(3)
ハナグモの”ハナコサン”が卵嚢を葉にくっつける修復作業をしていた枝を、もとの植栽に載せておいてから4日後、雨上がりにのぞいてみると、アマガエルがじっと見つめている先に、
折り曲げてフタにした半分が枯れて茶色に変色した葉の下に”ハナコサン”の卵嚢がありました。葉は新しい葉に糸で固定されていました。
それからさらに4日後、1日雨降りでした。卵嚢をくっつけた葉のそばにはアマガエルの糞が落ちていました。
”ハナコサン”はどうしたかと、またも余計なお節介で、すこし持ち上げてのぞくと、いましたね。無事に、ずっとつきっきりで居たようです。その間、餌は摂っていない様子です。
長いあいだ絶食して、卵嚢を守ってがんばる”ハナコサン”、偉いものです。
そして6月になりました。話がそれますが、たった1匹残っていた一番古株のシロメダカが遂に☆彡になりました。お疲れ様でした。
傍らの水槽の上には、衣替えで、どういうつもりなのか、迷彩服に着替えたアマガエルが物憂げにうずくまっていました。
肝心の”ハナコサン”はどうしたかって? 余計なことはしないように、とその後は見ていません。自然に生きる者の運命は、自助努力、残りは自然にゆだねるだけです。
懸命に、けなげに生きる”ハナコサン”が、ヨモツヒラサカ(黄泉比良坂)の入り口に、葉っぱをくっつけてフタをしてくれる、そんなことは期待していません。
そんな脳天気が、坂に入り込んだら、急いで蓋をして戻ってこられないように、する、かもね。
(完)
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