2011/6 九寨溝、黄龍の旅(2)
前回の続きです。
3日目:6/19(日)
終日九寨溝観光
ツアー・ハイライトの世界遺産「九寨溝」は、石灰岩質の岷山山脈(びんざんさんみゃく)のカルスト地形の中で、標高3,400mから2,000mの山域に大小100以上の淡水湖沼が連なる地帯です。
谷はY字形状に分岐しており、岷山山脈から流れ出た水が滝や棚田状の湖沼を形成しています。水は透明度が高く、山脈から流れ込んできた石灰岩の成分(炭酸カルシウム)が沼底に沈殿し、日照条件によって青やオレンジなど独特の色を呈します。
またジャイアントパンダの生息地のひとつとしても有名です。この独特の景観は水に含まれる大量の石灰分によるところが大きく、棚田状の湖群は石灰分の沈積によって形成されたものです。
この地域はチベット人など少数民族の居住地としても知られ、「九寨溝」の名は、チベット人の村(山寨)が9つある谷であることから付けられたものです。
なお、九寨溝に似た景観は、同じカルスト地形であるクロアチアの世界遺産、「プリトヴィッツェ湖群国立公園」にも見ることが出来ます。
また余談ながら、日本にも湖沼の景観が美しい五色沼(福島県)などの観光地がありますね。
九寨溝の観光はバスと徒歩で巡ります。10人未満の少人数のためチャーター車の利用ができなくて、乗り合いバスに混乗することとなりました。
現地観光客は、日本では常識の整列・順番乗車など全く無視で、バスが来ると我先に割り込み、押し合いへし合いで、混乱。慣れない日本人は何時までたっても乗れません。意を決して、力ずくで乗り込むしかないのでした。
日本人は外に出てみると、決定的に”生活力に欠ける”ことがよく分かりましたね。それはともかく、観光です。途中でバス車中からチラと見えたのは孔雀(クジャク)海。ただもっとよく見えるのは満員の乗客の頭デス。
観光コースのハードの部分、すなわちルート、案内表示板、要所にあるトイレ等々は、実によく整備され、行き届いていて、相当のインフラ(社会資本)投資がされていることがよく分かりました。
最初のハイキングは、Y字形の足の位置になる樹正溝(じゅせいこう)地域の観光です。成都からチャーターした大型バスが駐車できる「樹正賽の集落」がある地点まで行って、下車。そこからハイキングスタートです。
樹正群海(じゅせいぐんかい)、樹正瀑布(じゅせいばくふ)、老虎海(ろうこかい)を見学しました。
それから車道に戻り、“試練”の乗り合いバスへ。うまく適応できない人があって、3回目にやっとグループで乗り込んで、次のY字形の右腕部分に位置する日則溝(にっそくこう)地域に移動しました。
ここでは、箭竹海(ぜんちくかい)、熊猫海(ぱんだかい)、五花海(ごかかい)、珍珠灘瀑布(ちんじゅたんばくふ)、鏡海(きょうかい)を見学。
最後は、再び乗り合いバスで移動してY字形の左腕の則査窪溝(そくさわこう)地域です。ここでは、長海(ちょうかい)、一番有名な五彩池(ごさいち)、そして則査窪賽の集落を経て、諾日朗瀑布(だくじつろうばくふ)などを巡り、バスで移動後更に犀牛海(さいぎゅうかい)を見学、そしてまたバスで移動して最後に盆景灘(ぼんけいたん)を見学しました。
見学が順路の通りにならなかったのは、混雑を調整するためだったのですが、それでもやはり大変な人出でした。
途中ショッピングにも立ち寄り、観光後、ホテルへ戻りました。
夜は、オプションのチベット民族ショーを楽しみました。チベット仏教の世界観をモチーフにしてアレンジ、構成されているようでしたが・・・
この日の所感は、景観のすばらしさはともかく、バスに乗らなくてはお話にならないので、必死の特訓を受けたこと、そしてその成果として、帰国した時、思わず『割り込み行動』が出るのでは、と笑いあったことでした。
【九寨溝泊】
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